ギレンの野望(笑)   作:itou01

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色々な方からご指摘のあった通り余りにも簡単にOSを渡したように見えたので前話の最後を修正しました。良かったらラストをもう一度読んでみてください。


38話 UC0079年4月 補給戦線

オデッサ基地

 

UC0079年4月4日

地球上に展開するジオン軍に対して、ジオン本国から大規模な増援部隊の降下作戦が実施された。

特に連邦の三つの方面軍に囲まれていたオデッサに対しては、当初アフリカ方面に展開する予定であった第5地上機動師団を増援として送り込んだため、一気にその戦力を増強させる事になった。

 

また、増援部隊の降下に合わせて、軌道上に展開したジオン艦隊から地上に向け宙対地ミサイルによる対地攻撃が実施された。

 

この攻撃は地上の連邦軍や工場等ではなく橋やトンネル、ダム等を狙って実施されたため、当初ジオン側の意図が解らず首をかしげていた連邦軍首脳部であったが、すぐに目的が判明し戦慄する事になる。

軍民問わずありとあらゆる物資の流れに障害が出始めたからである。

 

農場も、鉱山も、工場も、全てのインフラは物流網が機能しているからこそ意味があるものであり、物流網が停止してしまえばそれらインフラが無傷でも全く意味がないものになる。

 

例えば農場にどれだけ農産物があっても、物流網が止まれば都市には届かず市民は飢えるしかない。

 

例えば鉱山でどれだけ資源を掘り出したとしても、物流網が止まればそれは無意味に穴を掘っているのと違いはない。

 

例えば工場が無傷であっても、物流網が止まれば製品を作るための資源が入らず何も作れないし、完成した製品を輸送することもできない。

 

都市部や工場に対して無差別攻撃を実施する事で連邦市民から怨みを買うような事はせず、国家の大動脈である物流網を締め上げる事で、連邦経済に大きな打撃を与えると同時に補給線に過大な負荷を与える事を狙ったジオン軍の攻撃であった。

その後も定期的に実施されたこの交通インフラに対する宇宙からの攻撃により、ただでさえ不足気味であった連邦の食料不足は更に深刻さを増していく事となる。

 

やあ…諸君。ギレン・ザビである。

 

今回の増援でオデッサ方面軍は、第5地上機動師団が増援として到着し、2個地上機動師団編成となった。

 

今までは第1地上機動師団を分散して各地に派遣する事で戦線を構築していたのだが、オデッサは連邦軍のヨーロッパ方面軍、ロシア方面軍、アフリカ方面軍の3つの方面軍と同時に交戦している為、初期の奇襲効果が薄れてくるとモビルスーツの威力をもってしてもなかなか進軍する事が出来なかった。

 

特に連邦軍ロシア方面軍とアフリカ方面軍はモビルスーツが戦場に現れると同時に後退し、モビルスーツがいなくなった途端に反撃に転じるという戦術に徹していた。

この戦術を繰り返されていい加減頭にきたので「おら、橋を落としてやったぞ。逃げれるものなら逃げてみろよ作戦(正式名称:水天の涙作戦)」を増援部隊の降下にあわせて実施した。

我が軍のモビルスーツにとって川は大した障害にならないが、連邦軍の主力となっている戦闘車両にとってはそうではなかった。

増援部隊の降下を察知したロシア方面軍は急いで後退しようとしたものの、あらゆる架橋を宇宙からの攻撃により破壊されてしまい、立ち往生している所を上空から飛来したルーデル率いるグフ大隊により襲撃され大損害を受けた。

 

また、アフリカ方面軍も今回増援として降下してきた第5地上機動師団が丸々アフリカ方面軍ヘの対処に向けられたため、その圧倒的な戦力により各地で敗走を続け、オデッサからアラビア半島を越えスエズ運河までの一帯を一気に失う事になった。

この敗北によりスエズ運河を失陥した連邦軍は、アジアと欧州を結ぶ海の大動脈をも失う事になったのである。ざまぁ。

 

と、まあそれは良かったんだが……。

 

「ちょっと!ちゃんとメイの話を聞いてるんですか?ギレンさん!」

 

「あ、ああ。もちろんだ。メイ」

 

「メイがギレンさんの為に一生懸命新型機を作ってるのに、今年に入ってからちっとも連絡もしてきてくれないし、先月になってやっと連絡してきたと思えば、モビルスーツ用OSをちょっと弄ってプロテクトをかけてくれとか仕事の話だし……。全くメイの事を何だと思っているの?!」

 

「す、すまない……。色々と忙しくてな。ところで何故メイが地球に?」

 

「ギレンさんの専用機の開発が一段落したからこっちにきたの。まだサイコミュの小型化が完了していないから完全ではないけど、モビルアーマーとしてはある程度運用できるようになってきたみたい。今はアクシズでガトーさんが機体のテストをしてるよ。」

 

「そうか。だがそれならアクシズにいた方が良いのではないか?」

 

「それで宇宙での稼働には問題なさそうだったから、私は地上で運用するためのフライトユニットのテストをするために降りてきたの。それと……。」

 

「それと?」

 

「アイナお姉ちゃんに地球上でギレンさんが困ってないか見てきてってお願いされたの。何か困ったりしてる事はない?」

 

「三つの連邦方面軍に同時に対処するのに苦戦していたが、メイと一緒に地上に降りてきたノイエン・ビッターの第5地上機動師団の戦力があれば問題なく対処できる。もうすぐオデッサの工業地帯を使ったザクⅡの量産も軌道に乗るだろうから、当面は困るような事は特にないな。」

 

「そっか。ハマーンさんやララァさんに迷惑かけてないかアイナお姉ちゃんが心配してたから、何事もなかったなら良かった。」

 

「……。も、勿論だとも。」

 

「……?さてそれじゃフライトユニットのテストに行ってくるね!」

 

おかしい。開戦から続いた戦闘のストレスで愛人として同室にいたララァの言葉に甘えてしまったが、何故それをアイナが知っている?まさか原作とは違ってアイナもニュータイプになった?!

い、いや。以前に念のためテストをしたがそんな素養は全くなかったハズ……。

ま、まあ仕方ない。どうせハワイの連邦艦隊をかたづけるまでは安心して宇宙には上がれないのだ。それまでに何とかアイナの機嫌をとる方法を考えておくようにしよう。

 

一一一一一一一一一一一一

 

side

メイ・カーウィン

 

ふぅ……。去年の10月位からずっと開戦に向けてバタバタしていて、暫くギレンさんと何も話せてなかったから強く言い過ぎちゃったかな?

まあ、義理とはいえ娘の私に寂しい思いをさせたんだからあれくらいは言ってもきっと許してくれるよね?

 

さてとそれじゃもってきた機材をテストするために格納庫へ……!あ!

 

「ハマーンさーん。」

 

「メイちゃん!元気そうで良かった。いつ地球へ?」

 

「ついさっきだよ。ハマーンさんも元気そうで良かった。」

 

「ええ。アクシズ戦役やオデッサ、シドニーの攻略戦の時はモビルスーツに乗って戦場に出たりもしたけれど、それ以外はずっと閣下のお側で身辺警護をしていただけですもの。元気に決まっているわ。」

 

「それでも戦場に出たりしたんでしょ?すごいなぁー」

 

「メイちゃんの方がずっとすごいわ。ジオンのモビルスーツは全てメイちゃんが作ったOSで動いているのよ?」

 

「えへへ?そうかな?でもまあ私一人で作った訳じゃないしね。あ、そうだ。最新型のサイコミュの試作品を持ってきたから後でテストに付き合ってくれる?」

 

「勿論いいわよ。ララァさんにも手伝って貰えるようにお願いしておくわね。」

 

「あれ?そう言えばララァちゃんは?」

 

「ララァさんなら多分ギレン総帥のお部屋にいるんじゃないかしら。」

 

「???何でギレンさんの部屋にララァちゃんが?」

 

「……言いにくいのだけれど、ララァさんはギレン総帥の愛人という名目で地上に降りて来ているから。実際は私と同じでモビルスーツのパイロットとして戦場に出ているけれど、ね……。」

 

「ララァちゃんがギレンさんの愛人……。」

 

「あら?知らなかった?以前に地球視察の時にララァさん一家が生活に困っているのをギレン総帥がお知りになって、それを助ける時に愛人として迎える契約をしたの。地上で困っている沢山の人達の中からララァさん一家だけを助けるには何か理由が必要だったから。」

 

「そうだったんだ……。」

 

「あ、もしかしたら何かお考えがあって伝えていなかったのかもしれないから、私から聞いた事は内緒にしておいてね。」

 

「うん。わかった……。」

 

「それじゃまた後でね。」

 

ララァちゃんが愛人かぁ……。

 

最初紹介された時は「メイ、お前の新しい友達だ、仲良くするように。」と言われただけで愛人の事はギレンさんもララァちゃんも何も言わなかったので、私よりも年下のララァちゃんが愛人としてギレンさんのところに来ていた事を私は知らなかった。

無論愛人というのはララァちゃんの一家を助ける建前だったんだろうけど、私の身近な二人がそういう契約だった事を知り心の中がもやもやして仕方なかった。

 

私も娘じゃなくて愛人として助けて貰っていたら今頃どうなっていたのだろう?

今のギレンさんとの関係に不満がある訳じゃないのに、何故かそんな疑問が頭に浮かんできたのが不思議で仕方なかった。




備考
UC0079年4月4日現在での地上における主な戦力配置

第1地上機動師団(ヨーロッパ方面軍)
指揮官 ユーリ・ケラーネ少将

第2地上機動師団(ジャブロー方面軍)
指揮官 ガルマ・ザビ少将
(アクシズ戦役の功績で昇進)

第3地上機動師団(カナダ方面軍)
指揮官 ガルシア・ロメオ少将
(当初ジャブロー方面軍を任せられる予定だったがランバ・ラルが反対したため北米大陸の連邦軍残党の対処に当てられる。)

第4地上機動師団 (オーストラリア方面軍)
指揮官 ウォルター・カーティス准将
(オーストラリア攻略戦の功績で昇進)

第5地上機動師団(アフリカ方面軍)
指揮官 ノイエン・ビッター大佐

ルーデル大隊(ロシア方面軍)
指揮官 ハンス=ウルリッヒ・ルーデル少佐
(オデッサ攻略戦の功績で昇進、今後連隊に改編される予定)

ガイア連隊(ドムのみで構成された戦略予備)
指揮官 ガイア・ギャレット少佐

オデッサ防衛連隊
指揮官 ミハエル・ヴィットマン少佐

戦略海洋軍
指揮官 オットー・クレッチマー大佐
(キャリフォルニアベースを根拠地として編成中、主にユーコン級とハイゴック、ゾッグで構成)

規模
地上機動師団
MS師団、機甲師団、歩兵師団及び航空艦隊の統合部隊
細かな編成は各師団によって異なる。

MS師団(4大隊)MS108機
MS連隊(2大隊)MS54機
MS大隊(3中隊)MS27機
MS中隊(3小隊)MS9機
MS小隊 MS3機

次期主力モビルスーツとして採用するなら次の機体のうちどれ?※このアンケートで選ばれた機体が本作の次期主力機になるかはわかりません。

  • やっぱり安定のゲルググ
  • みんな大好きギャン
  • ゲルググもギャンもいらぬ。ドムこそ至高
  • 次期主力機?もうジムでいんじゃない?
  • いっそのこと他の作品から持ってきてビルゴ

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