『赤い月の乙女を偲ぶ──』
「次も暗号が書かれたカードか……まったく面倒なことをしてくれる」
マーテル公園内部、クリスタルガーデン。長椅子の下をまさぐり、カードを発見したユーシスは言ったとおり面倒くさそうに頭を書いた。
ラウラが、ユーシスが手に持つカードを覗き込んだ。
「それにしても『水晶の中の木漏れ陽を探せ』か。クリスタルガーデンを表しているのは洒落がきいた詩人とも思うが……」
「俺たちを狙うやり口といい、カイトの反応といい、とてつもなく疲れる相手なんだろうな」
リィンがため息を吐いた。ユーシスもラウラも若干だが怒っている。
「最初が『学び舎へと至る道』……
「同感だな、ユーシス。場合によってはこの剣の錆にしてくれる」
リィンが再度ため息を吐いた。
リィン・ユーシス・ラウラの三人である。三人は他のⅦ組メンバーと分かれ、A班B班の垣根なくチームを組むことになった。
そもそものきっかけは両班にきたレーグニッツ知事からの連絡である。『ガルニエ地区にある宝飾品《サン・コリーズ》の商品が盗まれたため、その盗品の捜索をせよ』というものだった。
まず疑問としてなぜ緊急性の高い盗難事件で学生が指名されるのか、ということが挙がる。これには『犯人が君たちを指名しているからだ』と返される。
犯罪を見逃すわけにもいかず、Ⅶ組は全員で事件現場に赴き、そして店長から話を聞いた。
奪われたのは《紅蓮の小冠》。
防犯システムやら警備の方法やら反省すべき点はあれど、店長がまず伝えたのは今回の犯人が《怪盗B》であるということだった。
この時点でカイトのやる気が急転直下となる。
「それで? 『赤い月の乙女を偲ぶ』……色々と可能性はありそうだが、お前たちも考えを出せ」
「とはいえ、私にもさっぱりだ。リィンはどうだ?」
「一つ思い当たる節がある。七耀教会の大聖堂だ」
「むぅ……その根拠は?」
「《赤い月のロゼ》を知ってるか? 最近流行ってる冒険小説だ」
「ああ、そなたが方々から収集している……というか、ケルディックでも目敏く買っていた本ではないか!」
「バリアハートでもオーロックス砦で商人から受け取っていたな。まったく、胡乱に人に話しかける奴め」
「ごめんごめん……小説の舞台は獅子戦役後の帝都。ヒロインは吸血鬼であり教会のシスターでもあるロゼ。教会が怪しいと思わないか?」
「……的を射ているようには思うな」
「『偲ぶ』ということは、物語の結末でロゼは亡くなるということか?」
「いやラウラ、俺はまだ八巻までしか読んでないから……え!? ロゼって死んでしまうのか!?」
「リィン……」
「とっとといくぞ、朴念仁」
「ロゼ……」
怪盗Bは少なくともカイトがよく知るあの怪盗紳士である。エリオットやマキアスも知っているらしかった。あえて犯行時刻を予告しつつ、警備時刻に変装して紛れてダミーとすり替えるやり口といい、明らかにカイトが嫌がる犯人のやることだ。
やはり犯行現場にはカードと封筒が遺されていたのである。
『サン・コリーズの店長殿へ。《紅蓮の小冠》は確かに頂戴した。ただし次の条件を満たせば無事にお返しすることを約束しよう』
『一、事件を鉄道憲兵隊に並びに帝国軍には報せぬこと』
『一、開封したもう一つのカードを、トールズ士官学院Ⅶ組に渡すこと』
『一、Ⅶ組がカードに書かれた我が試練に打ち勝つこと』
『Ⅶ組諸君、宝に至らんとするならば、全員で我が試練に答えよ。鍵は全て緋色の都とその寄る辺にあり──』
そうしてⅦ組は、無粋過ぎる宝探しゲームに強制参加させられる羽目になったのだ。
────
「……それで私たちは指示のまま三手に分かれたわけだけど……このチーム構成、ちょっとアンバランスすぎない?」
ヴェスタ通り、帝国遊撃士協会西支部。『帝都を支えし篭手──誰も見逃しはしない』の暗号を元に苦心してその場所にたどり着いた。額に滲む汗を腕で拭って、アリサは協会支部跡の郵便ポストを覗き込んだ。
怪盗Bのメッセージには、次の文章も書かれていた。
『いざ三手に分かれ、その集まりし力を存分に振るいたまえ。鍵を集めたまえ』
『その彩りをままに。一、義務を果たす剣士たち。一、後ろを支えし民草たち。一、脚定まらぬ異邦の者たち』
『義務を果たす剣士たち』というのは割合と早く合点がいった。つまり
こうなると残りも見分けがつく。『後ろを支えし民草たち』──これも身分と得物を表している。アリサ・エリオット・マキアス・エマ。偶然にも全員が後衛の武器だ。
この班は故郷組の二人がいる。だからこそのアリサの言だったが、マキアスは冷静にそれを否定した。
「この暗号は大まかに帝都各地の場所を示しているが、現地の知識はそこまでいらない。必要なのは発想の転換だろう」
「確かに……リィンたちに当てられてた『水晶の中の木漏れ陽』も、昨日行ったからこそマーテル公園ってわかったもんね」
「私たちの最初の暗号にしても、自分たちが遊撃士協会東支部に泊まっていることを見越してのもの。そう考えると、確かに班分けと知識量の差はないかもしれません」
貴族組は複数回帝都を訪れている。平民組はいわずもがな。もう一組もそれほど問題ない。
クラスメイトの立て続けの言葉。アリサは考えることを諦めた。とてもじゃないが、無駄に思えることに思考を費やしたくはなかった。
アリサの手が紙に触れる。
「あ、あったわ……」
取り出し、四人全員で確認。
『落ち行く太陽が憩う庭』
「エマ、わかる?」
「……いくつか可能性は。すみません、少し時間をください」
エマの眼鏡に逆光が刺し、俯く。Ⅶ組のクラス委員長の本気モードだ。とはいえ時間は無駄にしない。他のメンバーも考える。
「こうも抽象的じゃあ絞るのも難しいな」
「『支える籠手』は遊撃士協会の代名詞だから、二択までは狭められたけどね」
「でも他のチームの文面を見ると、傾向は掴めるわね。A班・B班どちらかがこの二日間で行った場所。だからこそ両班のメンバーが入り乱れたチーム分けになっているし」
「そ、それって僕たちの同行を把握してるってことだよね?」
「それだけじゃない。カイトがすぐに気づいたように、僕たちⅦ組の思考回路まで読まれている気がするぞ」
鳥肌が立つアリサ、エリオット、マキアスであった。
その時、エマが律儀に手を挙げる。
「エリオットさん、マキアスさん。失礼を承知でお聞きしますが、昨日今日のお話でお母様が亡くなられていると仰ってましたね」
「う、うん」
「同じくだ」
「では、そのお二方──マキアスさんの場合はお姉さんもでしょうか。皆さんが眠られている場所は?」
「えっと、《ヒンメル霊園》だよ。《西オスティア街道》の先にある、結構有名な」
「奇遇だな。僕の家族も親戚もそこだ」
『あっ……』
二人が口をポカンと開ける。そこまで偶然が重なり、しかも怪盗Bの暗号に使われるのは気色が悪い。
アリサが手を叩く。
「私たちに関係していて、それでいてある程度有名な場所……!」
「『落ち行く太陽』……太陽は西へ沈みます。そして空、女神の
「西にある霊園、しかも昨日僕たちB班が課題で訪れた場所か……!」
「よかった、ここから比較的近いよ。でも十分いやらしいんだけど……」
エリオットのそんな言葉を皮切りに、四人は導力トラムに乗り込む。帝都の西へ向かって、西オスティア街道から出てヒンメル霊園だ。
道中、アリサがARCUSでカイトに通信を入れた。
「ええ……ええ。私たちはヒンメル霊園に向かってる。それじゃあ、また何かあったら連絡を頂戴」
通話終了。
「ふう……」
「アリサさん、カイトさんはどうでした?」
「ありえないくらい死んだ声だったわ」
「うわぁ」
エリオットが引いていた。マキアスが苦笑いを浮かべる。
「まあ、こんな怪盗に付きまとわれている……というのが本当ならご愁傷様としか言い様がないが」
四人が依頼開始時のカイトの剣幕を思い出す。怪盗Bが犯行声明を出したというのが明らかになるや、カイトは公衆の面前で膝をついて崩れ落ち地面を叩き出したのである。さすがにみっともなかったのでユーシスが苛立ちながらカイトの尻を蹴り飛ばした。面白がってそんなカイトにフィーが馬乗りになって「ヒヒーン」などと遊ぶものだから、Ⅶ組全員が凍りついたものである。
エマとエリオットとリィンが涙目になるカイトを必死でなだめ、話を聞き出せば『怪盗Bと争ったことがある』
というのだ。反応に困ることこの上なかった。
「どう思う? 怪盗B──怪盗紳士ブルブランが《リベールの異変》で現れた犯罪者だって話」
「カイトはなんだかんだで嘘を言ったことはないし、本当ではあるんだろう。過剰表現かもしれないが」
男子二人が考え込む。
「でも、結局名指しで指名されたみたいですし……ちょっと可哀想な気はしますね」
怪盗Bからのメッセージにはカイトを名指し──正確に言えばカイトのみが自分だとわかる文言で──していた。Ⅶ組全員を指名していたのでそもそも全員が強制参加なわけだが。
「私……学院に帰ったらカイトに優しくしようかしら」
「私はもう少し予習の催促を抑えようと思います」
「僕は今度チャリティコンサートに誘うよ」
「僕も缶コーヒーくらいなら奢ろう」
少しだけカイトに同情した平民組であった。
そうしてヒンメル霊園にたどり着き、失礼とは思いつつも鎮魂の場所に足を踏み入れる。広場のど真ん中に、次のカードが落ちていた。
「やっぱり……さすがエマね」
「ありがとうござます。けど、できるなら外れて欲しかったです」
「本当だな。死者が眠る場所をみだりに荒らさせるなんて」
「そうだね。みんなのためにも、早く謎を解こう。読むよ──」
『巡る思念の心臓部を眺めよ』
────
二つ目の謎『白き雛鳥の巣に一番近い場所』。それをカイトは即答し、サンクト地区にあるリベール大使館で大使からカイトに宛てられたという小包を受け取った。そうして大使館を後にして、カイトは自分のARCUSの通信がなっていることに気づく。
ガイウスに小包を預け、カイトはゆらりとした手つきで操作した。
「こちらカイト。あ、お疲れリィン。そっか、そっちは三つ目の場所に向かってるか。さっきアリサからも順調だって聞いたよ。え、オレ? やだなあ大した疲れじゃないよ。ただちょっと、あいつに会ったらタコ殴りしてやるって思ってるだけだよ。それか前みたいに真冬にアーツで氷漬けにしてやろうとかね。大丈夫大丈夫、殺しても死ぬような奴じゃないから一回くらい殺ったって──」
フィーがカイトからARCUSを奪い取った。
「こちらフィーだよ。カイト、ちょっと混乱してるみたいだから黙らせとくね」
「あ、おいフィー!」
「カイト。それ以上は言うな。もういい……もう休むんだ」
所在なさげに動くカイトをガイウスが羽交い締めにした。身長差があるのでカイトはなすすべがない。
貴族組、平民組に続く最後の一組、『脚定まらぬ異邦の者たち』……帝国から見た異邦組のカイト・フィー・ガイウスである。
最初は『四燿の愛が悦ぶ音』だった。それをカイトとフィーにより《琥珀の愛》に絡め音楽喫茶《エトワール》へ、次の『白き雛鳥の巣に一番近い場所』でリベール大使館へ。もはや歩く度に回との精神的疲労は段違いで上がっている。
「カイト、落ち着いた?」
「ああ、ごめん……正直今でもブチ切れそうなんだけど」
「なるほど、カイトでも激昂することはあるんだな」
「ガイウス……カイトは普段でもよく怒ってない?」
「それは見せかけだ。今は完全に我を忘れている」
「オレ褒められてる? 蔑まれてる?」
リベール大使館の前で、カイトは小包をガイウスから受け取り、三枚目のカードを共有した。
『世界が一歩進む場所』
「これは……」
「今までとは違うな」
「例え話が少ない……」
これまでの二つ、『四燿の愛が悦ぶ音』と『白き雛鳥の巣に一番近い場所』は、まるでカイトを誘うような暗号だった。カイトとブルブランに繋がるオリビエの《琥珀の愛》にかかるうえ、カイトの存在によって他の水・火・風の可能性は排除される。『白き雛鳥』に至っては考えるまでもなく、だ。
対して、少し考えた限り今回の暗号はカイトだから、というものがない。
「世界が一歩進む場所……」
「でも、むしろこれ簡単じゃないか?」
「え、そう?」
「じゃフィー、解いてみ?」
「むー……」
暗号のカードと睨めっこするⅦ組の妹分。その様子を見ながら。二人の留学生は話す。
「フィーも俺もいる。他のⅦ組もいる。一人で無理をするものではないぞ?」
とてつもなく優しい声のガイウスだった。
「あはは……ごめん。どうしても、トラウマでさ」
「《怪盗紳士》ブルブランだったか……カイトが全力で戦って、辛うじて勝ったという」
「オレ一人じゃ勝てなかったよ。他の人と精一杯連携した結果だ」
怪盗紳士ブルブランとの戦い。オリビエ・クローゼも類まれなる魔法の才があった。その二人と心を通わせ、相手の考えることが自然に分かるまで絆は昇華され、その果てになんとか見出した勝利だ。
「執行者……強敵は他にもいたんだ。けどオレはどうしてかその変態紳士と因縁ができちゃってさ……」
「それはご愁傷様だな」
「本当、変態は変態と一緒につるんでりゃいいのに」
「他にも変態がいたのか?」
「ガイウスの口から変態って言葉が聞けると思わなかった……ま、いたけどⅦ組のみんなのためにも口はつぐんでおくよ」
「む?」
自分たちⅦ組を設立したのがあの変態だと知ったら、少し幻滅するかもしれないと心配するカイトであった。
フィーが手を挙げる。
「……もしかして、《北オスティア街道》?」
「お、たぶん正解だ」
「やったな、フィー」
世界が一歩進む場所。世界、ゼムリア大陸。それはつまり大地だ。大地は人のように歩かない。地図上で『進む・戻る』の概念はない。
なら、地図上の次元ではない領域での『進む・戻る』だ。時間の概念──世界が一歩進むのは、日付が変わる十二時。帝都は四方に街道がある。地理的にも時計の四方向に相当する。答えは言わずもがな、北だ。
また、暗号の情報量も圧倒的に少ない。いたずらに他の可能性に迷うより、出題者の心理としても最初に考えたこの答えが吉だ。
導力トラムで移動する。道中聞かれるのは、カイトの考えや愚痴だ。
「ブルブランはリベールの五大都市でもこんな風に宝探しゲームみたいなことをやらかしててさ。オレは直接関わりはしなかったけど……」
「ウザかった?」
「そう、ウザかった」
思い出したくもない。王立学園の旧校舎地下でクローゼを弄んだことや、オリビエとともに自分を巻き込んで変態合戦をやりやがったこと。
もはやあの二人は敵だ。排除すべき敵なのだ。
「でも気になるのは、オレだけが目的で読んでるわけじゃない感じだってことだ」
そもそもカイトだけを付け狙うなら、Ⅶ組全体を巻き込む必要はなかったはずだ。Ⅶ組全体でもあり、そしてカイトや他の個人一人一人を品定めしているようにも感じる。つくづく気持ち悪い。
「カイト……けっこう怪盗と通じ合ってる?」
「フィーちゃん? 帰ったらお尻ペンペンだよぉ?」
「ガイウス。カイトがいじめる」
「ふふ、仲がいい兄妹のようだな」
カイトたちは北オスティア街道へたどり着く。そうして街道に出ようとしたところで、バス停の表札に暗号カードを見つけた。やはりカードが刺されている。
メッセージを共有したところで再び通信がかかる。
「もしもし、リィン?」
『お疲れ。そちらの調子はどうだ?』
「四番目の謎だ。『最後の鍵』って書いてあったけど、そっちは?」
『同じく、こちらにも書かれてあった。ところで、アリサたちも含めて通信できるか?』
「ああ、わかった」
同時通信モード起動、アリサとも繋げる。
『もしもし? アリサよ』
「こちらカイト」
『リィンだ。早速だけど共有したいことがある。今三番目にいるんだが、最後の場所《ドライケルス広場》に向かってる。みんなは?』
「オレたちは《北オスティア街道》にいる。三番目だ」
『私たちは最後よ。《南オスティア街道》』
『なるほど。じゃあ、謎も共有しよう』
・リィン:『次なるは最後の箱──戦乱を平定せし獅子の現在。いざ重なる心で、はせ参じよ』
・カイト:『次なるは最後の鍵──紅燿石の十二時を望む場所。いざ重なる心へ、はせ参じよ』
・アリサ:『次なるは最後の鍵──巡る思念の細血管──走れ。いざ重なる心へ、はせ参じよ』
カイトが首を傾げた。
「ん? リィンのところだけ最後の《箱》なのか」
『気になるわね……』
『ああ。最初のメッセージでは《鍵》だったからな。それは気になった』
「《鍵》と《箱》で、《紅蓮の小冠》は一つ。なら最終的にはリィンのところに集めろってことか」
『でもおかしいんじゃない? 怪盗Bはカイトにご執心なんでしょ?』
「気持ち悪いこと言うなよアリサ……」
『それは俺も思った……けど一つ。別に予想している事がある』
リィンの言葉は、少しカイトと同じ空気を伴っている。
『カイトはもちろんだと思う。わざわざ指名したんだから。全員を巻き込んでるから恐らく《Ⅶ組》にもだ。そして……恐らく俺にも』
「え?」
『え?』
カイトとアリサの声が重なった。
ブルブランが、リィンに興味を抱いている?
ARCUSの向こうのリィンの声が重い。
確かにブルブランの興味はクローゼだったりオリビエだったり、ヨシュアだったりと節操がない快楽主義者なのでおかしくはないが。しかしリィンもなぜそう感じる?
「ま、待てよ。そもそもリィン、あいつと会ったこと……あんの?」
『じ、実はケルディックとバリアハートで』
『え、もしかしてブルブラン男爵のこと?』
「まじで会ってんの……」
『それだけじゃない……カイトも、心当たりがあるんじゃないのか。
「……」
クローゼは孤児院砲火事件の時に。オリビエは幽霊騒動の時。カイトは中枢塔の勝負を制した時だ。
「でもその二回の実習の中の何があの変態を駆り立てた──あ」
『え、なに、なんの話?』
アリサの言葉を無視して、リィンとカイトが思い至る。トールズ旧校舎、オル・ガディアとの戦闘だ。
カイトは考える。そもそもがいつどこにいて誰の変装をしているかもわからない変態だ。カイトや仲間たちに気付けなかったリィンのあの様子を一目見て感づく、というのはありえるかもしれないと思う。
「リィン……ご愁傷様」
『カイトの気持ちが少しわかったよ』
『ねえちょっと男子。二人だけの世界に入らないでくれる?』
アリサの微妙な声が虚しく響いた。
前話で心Ⅱは100話となりました。
つまり、今回で101話。心Ⅰと並んだ形となります。
おかしいなぁ……?まだ閃Ⅱにすらたどり着いてないなぁ?