9月20日、夕方。
自由行動日の翌日。特別実習まで一週間を切った昼休み、Ⅶ組は学院二階の導力端末室に集まっていた。
この数日、Ⅶ組メンバーは授業やクラブ活動に精を出しつつ学院祭の企画について考え続けていた。
単純に案を出し合うだけではいまいちしっくりこなかったので、それぞれが情報収集に時間を割いた。クラブに所属していないカイト、リィン、クロウはあまり役に立てなかったが、それ以外のメンバーはクラブ仲間を通して他クラスの情報を聞き出していた。他のクラスもライバル心はあるが、内容がかぶってしまっては元も子もないので全員快く教えてくれたらしい。
・Ⅰ組:古典劇をモチーフにしたオペレッタ
・Ⅱ組:屋内庭園型のパビリオン。
・Ⅲ組:カードゲーム《ブレード》のコーナー
・Ⅳ組:東方の色を押し出した喫茶店
・Ⅴ組:修練場を使ったアトラクション《みっしぃパニック》
・二年:グラウンドを使用した簡易競馬場
それらが、主にⅦ組のライバルとなりそうな出し物だった。
こういったイベントでの定番はいくつか先取りされたし、Ⅶ組が十二人の少人数クラスであることを考えると大掛かりなイベントは難しい。そうなると講堂を使ったステージ企画が現実的か、という意見もあった。一瞬カイトが語った男女逆転劇が脳をよぎって何人かがゲンナリとした顔となっていたが。
そんな中、その話し合いの場では比較的大人しかったリィンが一つの案を出したのだ。
『なあ、みんな。一つ面白いアイディアを仕入れてきたんだけど』
それは、去年クロウ、トワ、アンゼリカ、ジョルジュがゲリラ的に開催したミニコンサートだった。
当然エリオットが興味津々で返してきた。クロウは二年生が口を出すのもどうかということで自分からは語ろうとしなかったらしい。
リィンは映像記録をトワから預かってきたと言っていたので、何はともあれ実際の映像を観ようということになったのだ。
そしてⅦ組全員でやって来た導力端末室。流している映像が、先輩組のミニコンサート映像だった。
講堂の後方から撮影された映像。集まった生徒や招待客などから歓声が響いている。
遮光カーテンを全て使って暗闇となった講堂、そのステージの上でカラフルに輝く照明と共に先輩たちが青春を謳歌していた。
──君の 声が聞こえてる 叫んでる──
中心で歌っているのはトワだ。映像の中の彼女は髪型もツインテールに変え、露出度の高い大胆な服装でノリノリで踊っている。
──失うのは 怖いから──
軽快に、しかし重厚感溢れるドラムを叩くのはジョルジュ。恰幅が良いあれがワイルドな服装でリズムを取っているのはむしろ様になっている。
──生きてる その意味を──
曲が変わった。それでも乱れないのは、トワに負けず劣らず露出の高い格好のアンゼリカ。トワの曲の間奏では、アンゼリカも前に出て楽器を演奏している。勇ましい様子には、黄色い声援が負けないくらいに講堂を震わせる。
──理不尽で 矛盾だらけの世の中──
そしてクロウもまた、ひたすら楽しげに演奏をしている。決して目立つ役回りではないが、トワやアンゼリカを引き立てつつ観客を盛り上げ、声を張り上げる。
それはまさしく青春だった。
映像の再生が終了し、導力端末室には少しの沈黙が流れる。その静寂を破ったのは、普段なら絶対にそうすることのないエリオットだった。
「~~うわぁぁぁっ!!」
まさに言葉にならない、というように震えている。専門性はないが、カイトも同じ気持ちだった。
男性陣、女性陣問わず感動に震える。リィンとクロウは初見ではないのである種の得意顔だったが。
が、エマやアリサは別の意味でも震えていた。
「た、確かに素晴らしかったですけど……!」
「あ、あ、あんな露出の衣装を私たちに着ろってわけ!?」
少女が顔をそれなりに赤くして突っかかったのは、導力端末を操作していたリィンだった。過激な衣装を用意したのは間違いなくクロウなのだろうが、それを提案したということで理不尽にもリィンが標的にされる。
朴念仁は両手をわたわたと振って否定した。
「いや、いや! 衣装はステージの方向性次第だ! 曲次第で向き不向きも変わるだろうし……そうだよな、クロウ?」
「変わらん」
「クロウ!?」
「というのは冗談。去年やったのはロック調の曲だから、ああいうハード衣装じゃないとステージの完成度は上げられないのさ」
《ロック》とは、音楽のジャンルの一つだ。激しいリズムと大音量のサウンドで、主に導力革命以降に若者の間で徐々に広がっている。帝国やリベールではマイナーだが、特に大陸北西部では《北方系ロック》として認知されている。
帝国はオペラが文化として人気なので、クラシックやジャズといったジャンルの人気が根強いが、ロックは確かに若者の支持を受けつつある。
クロウは続けた。
「ま、女子の衣装はどんな場合でも露出が多い方が喜ばれるけどな」
「や、やっぱりそうなんじゃないのリィン~!?」
「だ、だからなんで俺が……!?」
ラウラが勇ましく、見方によっては鈍感に思案した。
「衣装はともかく、試みとしてはかなり斬新だな」
カイトも同調した。
「だな。Ⅰ組のオペレッタにも負けない感じになりそうだ」
ステージを使った出し物。ならば、迫力や意外性、観客を引き込む圧倒的な魅力というものは避けては通れない。かつてヨシュアが恥を忍んで盛り上げた《白き花のマドリガル》も、男女逆転という意外性から始まり、そこからのヨシュア演じるセシリア姫という最終兵器によって観客の意識を
Ⅰ組のオペレッタは、恐らく若者であっても帝国貴族らしい、直球で王道で清廉なもので来るはずだ。それに自分たちが対抗できるとすれば。
ミニコンサート。音楽であれば、やはり専門はエリオットだ。クラスメイトの意欲が少しずつ一致していき、橙色の髪の少年に集まる。
「こういうステージを俺たちが実現できる見込みはありそうか?」
と、ユーシス。
「ちょ、ちょっと待って……このクラス、なにげに楽器を嗜んでいる人が多いよね?」
エリオットの言う通りだった。
リィンはリュート。ガイウスはシタール。アリサはバイオリン。それぞれ経験がある。
「僕はピアノも弾けるからそれだけで演奏担当のメンバーはほぼ揃ってることになる……曲と歌詞を決めて、ボーカルや他の担当を割り振れば……」
エリオットの瞳が輝いた。こういってはなんだが、Ⅶ組発足以来最も輝いている。
「うん! ステージの方向性次第だけど。充分いいものになるよ、きっと!」
Ⅶ組の音楽番長が言ったのだ。間違いはない。
言葉はもういらなかった。
となれば、次は役割分担である。重心リィンが手を挙げる。
「エリオット。歌と演奏の方向性、それとチーム編成を決めて欲しい。構わないか?」
「うん、一旦任せて!」
「それからクロウ。衣装とか、必要な機材について相談に乗ってもらってもいいか?」
「はは、せっかくだし乗ってやるよ。期間限定だが、俺もⅦ組の一員だからな」
『この時のクロウ
「……私、貴方のことちょっと誤解していたかも」
「そうですね……クロウさんも、やっぱりⅦ組の一員です」
「だね」
「ふふ、クロウ。やる時はやるものだな」
「だねー!」
「てなわけで、ステージ衣装は大船に乗った気分で任せてくれや……お前ら全員、特に女子はあざとく輝かせてやっからよ!」
「却下!」
「却下です!」
「却下」
「却下だ!」
「きゃっか~!」
『ЁΘΠ§EЙЭ!』
ミリアムが面白がって召喚したアガートラムの拳が、クロウ・アームブラストにクリーンヒットした。
────
特科クラスⅦ組は、さらに忙しく日々を過ごす。
特別実習。実技テスト。学院祭。ただでさえ濃密なカリキュラムにそれらの準備が重なって、クラスメイトそれぞれがそれぞれのやるべきことに注力する日々。
中でもリィン・エリオット・クロウは学院祭の出し物が決まったその日から、エリオットの部屋に集まって夜半まで食堂で話し合っている。夕食が終わってからずっとだ。
そんな三人からカイトにお呼びがかかったのは、実技テスト前日の21日の夜だった。
「それで、音楽の方向性は決まったの?」
「う~ん、それがちょっと難航しててさ。さすがに一日二日で決められるようなことじゃなくて」
食堂の椅子に腰掛けつつ聞いてみると、その席の正面に座るエリオットが疲れた口調でそう言った。彼は珍しく腕を組み天井を仰いでいる。
エリオットの右隣にはクロウが座っていた。彼は正面──つまりカイトの左隣に座るリィンと舌戦を繰り広げている。
「だーから! 女子はこのくらいの露出の方が人気が出るんだっての! リィン、お前だってアリサのあんな姿やこんな姿を見たいだろうが!?」
「な、なんでそこでアリサの話しが出る!? この露出じゃ女子の承諾は得られないって言っただろう!」
「許可ってのは世間の目だ。トワだってあの衣装を着たんだぞ! 例えば──これは海や川で着る水着! なんの問題もねぇ!」
「ちょっと待て!? こんなもの下着と変わらないじゃないか!?」
「それが今のトレンドだ! これは許可されてしかるべきだし恥ずかしくともなんともねぇんだよ!」
「だからと言って……俺たちは士官候補生だ! 学院祭でも最低限のTPOは弁えるべきだ!」
「かぁ~っ! わかってねえなこの朴念仁が!
「わけがわからん! ……わけがわからん!」
「おいおい罵倒にキレがねぇなあ! ちっとは賛成だと認めろ!」
「ぜっ──たいに却下だ!」
カイトが来たことにも気づいていない二人である。
「こんな調子でさ……肝心の音楽のジャンルがまったく……」
「エリオット、若干ストレス溜まってない?」
「あ、ううん。本格的に決まったら二人には馬車馬みたいに働いてもらうから。別にいいよ」
「……ん?」
エリオットの背後に修羅を見た気がしたカイトであった。
二人の会話は続いている。
「絶対領域それすなわち男たちの理想郷! 豊かなふくらみそれすなわち超えるべき頂き!」
「そんなものがなくたって女子たちは魅力的にできるだろ!? だから派手な露出は却下だと──」
「なんだ、お前ない方が好みなのか?」
「ばっ……俺はある方が好きだ!」
「言ったな?」
「はっ」
「ハハッ! 白状しやがったぜぇ! 安心しな。俺とお前はマブダチ、こんな
「くそ……くそっ!」
あのリィンが珍しく馬鹿みたいに狼狽えている。
「というかリィン、あるほうが好きなのか……」
「はぁ、カイトまで何言ってるのさ。リィンもクロウも聞こえてないからって」
「いや、リィンが──というかオレたちⅦ組みがこんな馬鹿話することって今までなかったじゃん?」
「そうだねぇ……みんな真面目だし」
「オレが一番やんちゃな自覚あったけど、クロウほどじゃなかったし」
「まさかリィンがここまでになるなんてねぇ」
こういうのもなんだが、帝国男子はお堅い奴が大きい気がする。クロウみたいなのもいるし、いつだったかリィンがレックスという女子の写真ばかり撮る写真部員を捕まえてた気もするし、帳尻は取れているのだろうが。
いずれにせよ、リィンは性格や出生のことなどもあって、自分の弱みを出すことに慣れていない。
おかしな方向性だが、クロウのように真反対の人間がいてくれるのはある意味いい影響を与えてくれているのかもしれない。
「はぁ。とりあえずカイト」
「だな、エリオット」
『二人を現実に戻そうか』
それぞれ隣に座るバカ二人の頭をそれなりの勢いで叩いた。
『いたぁ!?』
面白いことに、二人の声がいつぞやのユーシスとマキアスのように完璧に重なった。
「よ、リィン。クロウ」
「なんだ、来てたのかよ」
「いきなりの挨拶だな、カイト……」
「二人が妄想に浸ってるのが悪いんだろ」
「なっ、だから俺はっ」
「よし。三人足りないが男子会だ。このホットショットから好みのねーちゃんを指差せ。刺激が強いからクラスの女子を的にはしないでやるよ」
「はいはい! 話を戻すよっ!」
エリオットが恐ろしく覇気のある声で叫んだ。カイトどころかリィンもクロウも大人しくなる。
「んで……どうしてオレを呼んだんだ?」
そもそものきっかけである。今の話しを聞くだけでも、『ステージでミニコンサートを開く』という以上のことは決まっていないように思えるが。
クロウは言った。
「カイト。お前も企画立案を手伝え。エリオットの補佐だ」
「だと思った。なんで? イベントの企画も音楽も、得意分野とは言えないけど」
「お前、今実技教練もなくて暇だろ。一人だけいい思いはさせねえよ」
「確かにその通りだけど、他の授業もカバーしなきゃいけないし、それなりに大変なんだぞ」
「実際、他でもないカイトを推したのは理由があるんだ」
リィンが隣から言った。クロウからの説明じゃ埒があかないと判断したか。彼自身は未だクロウの弄りのせいで顔を赤くしているが。
「俺は全体を統括……することになるんだろうな、この感じだと。クロウは機材や衣装の担当。エリオットはもちろん音楽の曲選択や楽器、ボーカルの割り当てだ」
「けど、カイトにこそ頼りたいことがあるって、僕がわがままを言ったんだ」
「それって?」
エリオットがカイトを見た。
「発想だよ。それも、クロウとは別系統の」
「……」
「リベールやクロスベルにいたカイトに、アイディアを考えて欲しいんだ」
言うまでもなくカイトは帝国人ではない。音楽には詳しくないが、旅をした土地柄の文化は肌で感じている。
「特に、クロスベルの経験だ。あそこは良くも悪くもいろんな文化と人種が入り乱れる。何かいい案はねえかって聞きてぇんだよ。通商会議武官補佐殿?」
「なるほど、そーゆー……」
カイトは考える。
「リベールも帝国もそうだったけど、基本は生の演奏が多いだろ? エリオットも部活だとそうじゃん?」
「うんうん」
「クロスベルは導力ネットが凄い発展してて……なんていうのかな、映像とか音とかを作る導力器もあったんだ。特にオーバルストアじゃそれが顕著だったし」
「まさに芸術の新時代って感じだよねぇ」
エリオットがしきりに肯定する。カイトは自分のことではないが、ちょっと鼻が高くなってきた。
「あとクロスベルで芸術とかだと……間違いなく《アルカンシェル》になるかなぁ」
「ああ、今は《金の太陽、銀の月》がすごいよね!」
「イリア・プラティエもいいが、今の流行はリーシャ・マオだよな。何より胸がでけぇ」
「……」
カイトは呆れた。リーシャと知り合いだしお隣さんだったということは絶対にクロウには言わないと決めたのだった。
「《アルカンシェル》かぁ……カイトは観たことあるの?」
「うーん、観たというか視界に入ってきたというか」
「うん?」
他にも、主にクロスベルにいた頃の音楽の話しなどをしていく。そしてリィンはそれを生徒手帳をメモ代わりにして記していく。
とはいえカイトから放たれるクロスベル発の文化は、ミニコンサートを考えるリィンたちにはいまいちはまらなかった。有名どころはカイトもよく知るみっしぃだろうが、ミシュラムでみっしぃが踊ったようなダンスのBGMを流すのも少し対象年齢が幼児向け過ぎる。
そもそも通商会議の後でクロスベルに対する帝国人の感情はなかなかなところまで落ちているので、コンサートに出せるかといえば首をかしげることでもある。Ⅴ組が《みっしぃパニック》をやると聞いた時はⅦ組の大多数のメンバーが戦慄したものだ。
「クロスベルかー。そう考えるとやりづらいな」
「そんな無駄なこと考えんなよ。学生の青春だぞ!?」
「クロウのその学生に対する過剰な信頼はなんなの……」
「なんだかんだで、一番クロウが楽しんでるよね。曲だって僕以上にリスト案上げてくるし」
「それがトワ会長以上に露出の高い衣装とセットだからな。怒られるのは俺なんだぞ」
「黙れよリィン。女子たちを輝かせられるのは俺たちだけなんだぞ」
「アリサに叩かれるし、ラウラの剣の錆にされるし、委員長の魔法が飛んでくるんだぞ……」
「安心しろ。死ぬ時は一緒だ」
「死なない努力は!?」
「はい二人共黙って」
エリオットの圧にリィンとクロウの身が縮こまった。
カイトは、順調に絆を深めているなと感心する。一時期のアガットとオリビエ、または自分とオリビエを見ているようでもあった。
リィンにとっても、クロウというのは珍しい存在なのだろう。なんとなく、この二人がおふざけはともかく本当の意味で対立することはなさそうに思えた。
対立。敵対。
「……敵か」
一つ、思い出したことがあった。
「エリオット」
「うん?」
「カルバード共和国の話をあげてもいい?」
「あ、うん。たぶんⅦ組のみんななら大丈夫だと思うけど」
クロスベル以上に帝国と犬猿の仲である。カイトはいつか共和国にも行きたいと思っている。エリオットがそう言ってくれたので、カイトは安心して続けた。
「別に直接見聞きしたわけじゃないんだけどさ。共和国で、
「
なんとなしに言ってみた。エリオットはまったく分かっていないようだった。
きっかけは通商会議の前日。クローゼと一緒に再会したユリアがキャリアウーマンに扮していたが、彼女は建前として自分を『アイドルグループのマネージャー』と言っていた。
どうしても気になり、ウルスラ病院に入院中暇を持て余して調べたのだが、その内容を知って少し身震いしてしまった。
クローゼ姉さんに対してなんて肩書きを使ったんだ、と。
「へぇ! そんなのがあるんだ!」
「帝国人にはなかなか生まれなさそうな発想だな」
案の定エリオットは興味深げに聞いてきて、リィンは少しイメージするのに手こずっているらしい。
カイトはクロウに目を向けた。アイドルのイメージを考えれば、クロウは乗り気になりそうなものだが。
そのクロウは、目を点にしていた。
「……クロウ?」
そして数秒後再起動し、椅子を揺らして急に立ち上がった。
「カイト! お前でかした!」
「は?」
「待ってろ野郎ども! 今俺が聖典を持ってきてやる!」
クロウはわざわざ駆け足で自室から雑誌を持ってきた。
共和国といえば《タイレル通信》が有名な広報紙だが、カイトが時々仕入れるそれではなかった。
「共和国の雑誌……《メルド》?」
「共和国のゴシップ誌だ。それの、ここ。見てみろ」
クロウが示したページにはまさにカイトが調べたアイドルについての特集だ。
「正確には、アイドルは共和国でも最近
写真には、年頃の少女たちがカラフルな衣装を来て踊っている様子が写っていた。その衣装はスカートで、ともすればクロウをして絶対領域が出てしまわないか心配になってくる。けれど少女たちは気にせず笑顔を振りまいている。トップスは露出が高いというほどではないが、ノースリーブ。首元には大きなリボン。
得意顔のクロウより、三人はその様子を見る。
少なくとも、女子たちが危惧していたトワのような露出はない。そしてコンサートとしての盛り上がりの方向性も合っている。
ご丁寧に、同じページには年頃の男子が同じ様に活躍している様子が小さめに移されている。
「露出もある程度出しつつ盛り上がる格好にできるし、男子も同じ方向性でできる……」
四人は互いを見て、指さした。
『これだ!』
四人の声が、異口同音に重なった。