特科クラスⅦ組B班。カイト、ラウラ、ユーシス、マキアス、ガイウス、ミリアム。六人は、カレイジャスから降り立った。
オリビエ、ミュラー、サラ、トヴァル……その他クルーに見送られ、カイトたちは貴族派最大の都へ飛び込む。
カイト、ガイウスにとっては初めての場所。一方、マキアス、ユーシス、ラウラ、ミリアムはそれぞれの事情でこの都市に来たことがある。
とはいえ、ここまでの半年間のクラス生活がそうさせたのか。リィンのいないⅦ組B班。カイトが先頭を歩くことになった。
「ここが……」
オルディスの空港に直結しているのは貴族街。その一角に来て、既に西のバレアレス海が見えていた。
呟くカイトに、ユーシスが応えた。
「ああ。貴族派最大の都市にして帝国の有数の海の玄関口……《紺碧の海都オルディス》だ」
すでに、その壮麗な雰囲気は目の前にある。
緋の帝都、白亜の旧都、翡翠の公都、黒銀の鋼都。それらを訪れたことのあるカイトにとっては最後の帝国五大都市。それだけでなく、初めて来た、故郷ルーアンを超える規模の海港都市でもある。
太陽にさらされて、海が、空が、木々が、文字通り紺碧に輝いているように見える。都市の風光明媚を象徴する建物も潮風に揺らぐ薄白の輝きがある。
ヘイムダルに降り立った時は、帝国の重厚さをまざまざと感じさせられた。ここは違う。帝国の華やかさの粋に溢れているのかもしれない。
「……人の力、というものはすごいな」
隣に立つガイウスが、彼にしては子供のような単純な感想を出した。大地に根付く遊牧民としては、都市の構えに慄くところがあるのかもしれない。
そして、マキアスも。
「僕は、六月の実習の時に少し眺めた程度だ。感想は、やっぱり君たちと同じだな」
「えへへ、そっか」
ユーシス以外の男子たちで呆れたように笑って、そして残るメンバーに向きなおる。
カイトは聞いた。
「ミリアムはともかくとして……ユーシスとラウラは、ブリオニア島の実習とは関係なく来たことがあるんだっけ?」
「ああ。カイエン公爵の治める地でもあるわけだからな。付き合いはある」
「私も同じくだ。といっても、子供の頃にだが。ユーシスほど頻繁ではなかろう」
「む~、仲間外れはやだよー」
「あはは、そっか。それじゃあ、ユーシス。案内はお任せできる?」
「ああ。バリアハートほど流暢にとはいかないが、それなりには勤められるだろう」
「じゃ、頼むよ」
カイトはユーシスの肩を軽く叩いた。珍しく、鬱陶しく跳ねのけられはしなかった。
「とはいえ、どうする? 今までと同様なら案内人がいると思うが。まずは課題を受け取らないことには始まるまい」
「だねぇ。基本的に、オレたちを見つけてくれることが多かったけど」
ケルディック・パルムは初めてだったのである程度指針があった。ノルド・ブリオニア・レグラム・ジュライという帝国と辺境の各所でも、着くと同時に案内人がいた。
「バリアハートでは兄上が来てくれたな。セントアークもハイアームズ侯爵だったのだろう? その流れなら……」
「……カイエン公爵?」
ユーシスの言葉に、カイトは気まずげに聞いてみた。
ラウラが息を吐いた。少しため息に近い。
「ルーレはシャロン殿が着いていただろう。その理屈であれば、必ずしも領主の関係者というわけではないだろうが……」
貴族のラウラまで直接会うのをためらうくらいらしい。そういえば、先月の実習の時にカイエン公爵がレグラムに訪問していたのだったか。
そうやって、案内人が誰だ誰だと呑気に考えていた頃、カイトたちの目の前の車道に停まった車があった。
領邦軍が所有する装甲車だ。カイトたちはぎょっとしてそれを見て、警戒する。
中から現れたのは、やはり領邦軍の兵士に他ならない。
「トールズ士官学院、特科クラスⅦ組だな?」
白を基調とし紫の線が映える、他の州の領邦軍と同じデザインの出で立ち。ラマール領邦軍の兵士だ。
ユーシスがバリアハートに着いた時には公爵子息としての出迎えを受けたらしいが、ここではユーシスとラウラに対しての態度の変わりはない。それは、果たしてどういう意味だろうか。
カイトが答える。
「……はい。特科クラスⅦ組B班です」
「我々はラマール領邦軍だ。早速だが、こちらへ来てもらおう」
「それは……装甲車に乗れ、という意味ですか?」
「ああ」
「……」
思わず振り返って仲間たちを凝視してしまった。
(……怖すぎるだろ。偽名使ったオレとか、帝都知事の息子とか、鉄血の子供たちまでいるんだぞ)
仲間たちもまた、警戒しているのがわかる。ユーシスまでもがだ。ミリアムだけは変わらない態度で、暴走しないようマキアスに口を塞がれているが。
「何をしている? 早く乗れ」
「……あの、つかぬ事を聞きますけど、その装甲車に乗ってどこに行くんです? まさか公爵家城館なんて──」
「カイエン公爵閣下はお忙しい。お前たちにお会いになる暇などない」
「そうですよね。お忙しい方にそんな時間を使わせるなんて──」
「故に、これよりラマール領邦軍司令部、《ジュノー海上要塞》まで来てもらう」
「──へ?」
要塞……?
予想外の言葉に、全員の口がぽっかりと空いてしまった。
兵士は言った。
「そこでお前たちの特別実習の責任者──オーレリア・ルグィン将軍がお待ちだ」
────
ラマール州は、帝国四州の中で唯一西の海に面している。東のクロイツェン州が共和国からの防衛として堅固な軍事力を有してきた──もっともそれは今では正規軍の役目となっているのだが──とすれば、ラマール州は海に関する貿易や海軍力を有してきた。
そういった経緯があり、海都オルディスの北東に、《ジュノー海上要塞》は存在する。それは陸海空を含めたすべてのラマール領邦軍の司令部であり、領邦軍の本丸とも言える場所だった。
(……そんな、少なくともオレやミリアムにとっちゃ警戒するしかない場所に連行されるなんてさあ……)
オルディスの貴族街から装甲車に乗って数十分。窓もない狭い空間で、仲間たちは総じて言葉数が少なかった。兵士が隣にいるわけでもないのだが、さすがに警戒せずにはいられない。
ちらりと、仲間たちを見る。ユーシスと目が合った。
「……どうした?」
「いや、さすがに緊張してさ」
「唐変木のお前でも、この状況ではそうなるか」
「唐変木で悪かったな」
「セントアークでは気楽にやっていたと聞いたが。それと、兄上とも話したともな」
「いや、でもさ。ここオルディスだよ? カイエン公爵の領地だよ?」
「その
『うっ』
カイトとマキアスが同時に呻いた。
「……そこで僕を引き合いに出すのは止めてくれ……そもそも、あの時とは事情が違うしな」
ガイウスが問う。
「ところで、向かっている場所はガレリア要塞に比肩する規模なのか?」
「ああ。ガレリア要塞やドレックノール要塞と同規模の、領邦軍の居城だ」
「はいはーい! ボクは見たことあるよ! なんせガーちゃんで──」
『今すぐ喋るのをやめろ!』
ガイウス以外の男子三人が異口同音に叫んだ。そしてユーシスの拳がミリアムの頭に直撃した。
「いったーい!?」
「ラウラ」
「ガイウス、どうした?」
「お前まで静かなのは、珍しいと思ってな」
「ああ……」
がやがやとしていた車内が、再び静かになった。普段から落ち着いているラウラではあるが、カイトやマキアスと同じように緊張しているのは彼女にしては珍しい。
「別に、ここがラマール州だから、というわけではない。これから会うことになる人物のことを考えていた」
「それは……」
「ルグィン伯のことか」
ユーシスがそう言った。知らないカイトは疑問符を浮かべる。
「ルグィン伯? オーレリア将軍って、貴族なのか?」
「君、知らないのか……って、まあ帝国人じゃなければそうなるか」
「オーレリア・ルグィン伯爵。ラマール州に領地を持つルグィン伯爵家の現当主にして……そしてラマール領邦軍の総司令を勤めるお方だ」
聞いただけで震え上がるようなその肩書に、カイトは乾いた笑いを浮かべる他なかった。
そしてラウラが言う。
「そして、私の姉弟子でもある。といっても、実力差は天と地ほどもあるが」
「ってことは、アルゼイド流を修めてるのか」
「ああ、免許皆伝だな」
「つまり、アルゼイド子爵に並ぶ実力者ってことか……」
ラウラ、ユーシス、ミリアム、マキアス。誰も首を横には振らなかった。
あのヴィクター・S・アルゼイドと並ぶということは、カイトにとっては剣聖カシウス・ブライトに並ぶという認識がついて回る。それはカイトにとって何よりも恐ろしいことだ。
ラウラは付け加えた。
「そして、将軍はヴァンダール流の免許皆伝者でもある」
「……はい?」
カイトの口がぽっかりと空いた。
帝国の二大流派を共に免許皆伝している?
「……化け物?」
「口を慎め、阿呆が」
「ふふ……私にとっては、父と同じく超えるべき大きな目標だ」
「……人の形をした戦略級兵器」
奇しくも、それはカイトがカシウスに向けた例えでもあった。
「そして、そんな姉弟子がなぜ我らⅦ組の実習責任者となったのか。それが気になってな」
ラウラが言う。彼女の心境を理解した。
オーレリア・ルグィンという女性。まだ会ったことのないカイトにとっては、恐ろしく屈強な女傑を想起してしまう。
結局ミリアムを除けば、全員が全員、緊張しっぱなしとなった。
そして、ようやく装甲車が止まる。振動が治まってから、装甲車の後方の扉が開いた。
「到着だ、特科クラスⅦ組」
兵士に誘導され、外へ出る。久しぶりの太陽に、少しだけ目を細める。
目の前には、文字通り海上に浮かぶ巨大な要塞。周りがガレリア要塞のような峡谷でもなく、ドレックノール要塞のような丘陵地帯でもない。空間にぽっかりと存在を主張する居城が異様な圧を生み出している。
自分たちは、その要塞につながる橋の上を移動していたのか。後方に陸路が見えた。
要塞の正面扉が開門する。重厚な音を立てて、その内部の威容が明らかとなる。
手軽には数えきれない数の兵士がいて、訓練をしていた。例え貴族派の私兵であっても、間違いなく『軍人』であることを理解させられる雰囲気が、そこにはあった。
要塞内の演習場を通り抜け、兵士に導かれるまま進み、そして司令室に通される。
兵士が扉の前で声を張り上げた。部屋の中から凛として力強い、胃の奥が締め付けられるような美しい声が帰ってきた。
カイトたちは中へ入る。
広い司令室には、やはり一人の女性がいた。執務用の机に座り、筆を走らせている。
「ふふ……よく来たな。特科クラスⅦ組」
女性は、立たない。筆を止め、ただひたすら値踏みをするようにこちらを見てくる。
ユーシスとラウラが先頭に立って進んだ。さすがにこの場では、カイトを先頭に置くというスケープゴートをしない優しさはあったらしい。
「久しぶりだ。ラウラ嬢」
女性──オーレリア・ルグィンが、シルバーブロンドの長髪を
「……こちらこそ、お久しぶりです」
腰の後ろで手を組み、ラウラは武人然とした態度で返す。
オーレリア将軍は満足げに笑み、そしてユーシスに目を向けた。
「ユーシス公子も、壮健そうでなによりだ」
「はい。一年ぶりでしょうか。ルグィン伯もお変わりないようで」
「年をとったつもりはないが、日々成長するそなたらと比べれば、変わらないのは当たり前だ」
そうして、オーレリア将軍は他の面々へ。
「改めて、オーレリア・ルグィンだ。ラマール領邦軍の総司令を勤めている。まずは見知りおき願おう」
「は、はい……」
「よろしくお願いする」
「ヨロシク~!」
少し怯むマキアス。冷静に努めるガイウス。またユーシスがミリアムの頭に拳を下した。
カイトだけが、無言でいる。
ラウラが問うた。
「それで……オーレリア将軍。なぜ、私たちの特別実習の担当に? 正直なところ……」
「予想外であったか? いささか心外ではあるな」
「いえ。ですが、ラマール領邦軍の司令である貴女がそれをされる、というのも」
「ふむ。まあ不可思議ではあるか」
オーレリア将軍は右手を出し、人差し指を立てた。
「一つ。その責を負うべきカイエン公爵やその他の人間がいないこと」
中指を加えて立てた。
「一つ。トールズは士官学院ではあるが、ラマール州では貴族派の力が強い故に正規軍などの勢力が我が物顔で来れぬということ」
物騒なことを平気で言ってくる。そして、三本目の薬指を立てた。
「一つ。トールズ卒業生である私が、ヴァンダイク学院長より打診を受けたからだ」
全員が、あんぐりと口を開ける。
ここにもいたのか。トールズの血脈が。
(恐ろしすぎるだろ、トールズ)
オリビエといい、ミュラーといい。それだけではないらしい。自分が所属している学院の縁に恐怖してしまう。
「それに、貴族の子息のみならず、レーグニッツ知事の息子さえもいる。そしてそれ以外も、面白い面々であるしな」
そう、オーレリア将軍は笑った。いい加減、こちらも挨拶をしなければならない頃合いだ。
マキアスが前へ出た。順々に、他の面々も口を開いていく。
「マキアス・レーグニッツです。その……今回は、よろしくお願いします」
「ああ。そして……そなたが鉄血の子飼いというわけか」
「あはは、そうだよー! ボクはミリアム・オライオン。よろしくね!」
「おい、ミリアム……」
「ハハハ、ずいぶんと
将軍と子供たちの、笑顔の会話が恐ろしい。たぶん、他のⅦ組メンバーの寿命が一年ほど縮んだ。
「そして……ガイウス・ウォーゼルか」
「……! 俺のこともご存じなのですか」
「お前のことを直接は知らぬ。だがノルドの血を引く男を知っている。その縁でな」
「それは」
「いずれ見える機会もあるだろう。その男は私の右腕だ。覚えておくがいい」
「……はい」
「そして……」
最後、オーレリア将軍はカイトを見た。
そして度肝を抜くことを言ってきた。
「フフッ、アラン・レグメント、だったか?」
「……っ」
その言葉。カイトを除くⅦ組メンバーは、意図を理解はしていない。
この場合、父親の名前というわけではないだろう。カイトは
そしてそれは、このオーレリア将軍の上に立つカイエン公爵に知られている。
「……それは、オレの父の名前です。オーレリア将軍閣下」
「──では?」
「カイト・レグメント。トールズ士官学院Ⅶ組所属……遊撃士。よろしくお願いします」
「ああ。良き縁となることを願っている」
たったそれだけの言葉のやり取りで、目の前の女傑の恐ろしさを実感するカイト。
カイトは、それが自分が相手の力量を推し量る程度には成長したと、喜ぶことはできなかった。
目の前の将軍が、達人級の人間が、あまりにも強すぎるから。
「さて……では、本題に戻るとしようか」
オーレリア将軍は、机から封筒を取り出した。例によって、特別実習の課題だろうとわかる。
「身分の境ないクラス。そして主体性を求める特別実習。皇子殿下の描いた画だというのであれば納得がいく。興味深い挑戦だ。そして、それに私が口を挟むことはない。一部、立場から動きにくい者もいるだろうが、思う存分動いてみるといい。私も期待している」
それはマキアス、ミリアム、そしてカイトを見ながら言っていた。
「一応、実習範囲は海都とその周辺というところであったな。アウロス海岸道南端や、この要塞に迫る程度。ラクウェルやイステットは重ならないか」
カイトがわずかに反応した。
「だがまあ、制限は特に設けん。これは私の一存だ。この要塞に召喚したのもその一環だな」
どの道、ただでさえ広すぎる海都オルディスだ。他の都市に行く余裕があるかもわからないが。どうやら、オーレリア将軍は偉く破天荒な性格らしい。
「──だが」
そして、覇気もある。
「何事にも例外はある。帝国解放戦線などというテロリストが蠢いている情勢下の帝国……くれぐれも、分は弁えることだ」
実力は、本物だ。
「私はこれからルーレへ赴く用があるのでな。毎朝の課題は、海都の兵に届けさせよう。……ああ、宿泊地は特に決めていない。適当に探してくれ」
オーレリア将軍は、ラウラでもユーシスでもなく、カイトに封筒を渡してきた。
「カイエン公爵もいない。……重ねて言おう。くれぐれも、分は弁えることだ」
司令室を後にする前。オーレリア将軍の最後の言葉が、嫌に強く耳に残った。
────
ジュノー海上要塞を後にする。兵士たちに形ばかり見送られ、そうしてカイトたちは陸へ続く橋を歩く。
「……で、護送してくれたはいいけど、帰りは歩いて帰れってこと?」
カイトは言った。ひたすらに言葉通りの状況だった。
ユーシスが言った。
「どうやら、そういうことらしい。単に兵士たちの配慮がないという可能性もあるが……ルグィン伯が面白がっている可能性もあるな」
「オーレリア将軍とは、ずいぶんと破天荒な方なのだな」
「自由闊達と言ったほうがいいかもしれんがな」
「あはは、ボクはガーちゃんがいるから楽だけど」
『やめろ』
ユーシス、マキアス、カイトが完璧に同じ言葉と覇気でミリアムを制しにかかった。海上要塞に近いこの場でアガートラムを出すな、と男子たちは呆れた。
そろそろ往来の魔獣が現れるかもしれない。手に持つ大剣の調子を確かめつつ、ラウラは聞いてくる。
「それで、カイト、課題はどうなっている?」
カイトは封筒の中身を確認しつつ答えた。
「うん、到着時間が早かったからかな。いつもの課題より数が多い気がする」
とはいえ、最初から街道の移動に時間を割かれてはいつもと変わらない数しかこなせないと思うのだが。
ちなみに、封筒の中には宿泊地となるホテルの概要も記載されていた。
「ここからオルディスに戻る途中のラマール街道に手配魔獣がいるみたいだ。必須だし、要は『すぐに倒せ』ってことなのかな」
「なかなかスパルタだな……僕たちの体力を考えてほしいんだが」
「あ、アウロス海岸道にも手配魔獣だって。……あの将軍、オレたちを便利屋か何かと勘違いしてない?」
「君に関しては現役遊撃士だし、間違いないんじゃないか?」
「無給で働かせられる人間の気持ちにもなってくれよ」
他には、大聖堂からの薬草の調達や、港での交通整備の手伝い、商業区画での雑用、港湾区の宿酒場の依頼、などが並んでいる。
「なあ、ユーシス。アウロス海岸道って?」
「オルディスから南部の沿海州、漁村に繋がる道だったはずだ」
「なるほど。それじゃあ、ラマール街道の手配魔獣を倒して、それからオルディスで課題をこなす。最後にアウロス海岸道の手配魔獣。これでどうかな、みんな」
「いいだろう」
「異存はない」
ユーシス・ラウラが答えた。
「半年の総決算だ。僕も、遠慮なく戦闘をさせてくれ」
「ボクもボクもー! 課題は全部やるからね!」
マキアス・ミリアムが頼もしく答えた。
「A班に負けないよう、全力を尽くすとしよう」
ガイウスの姿勢も、若者らしくなってきた。
カイトは拳をかざした。
「それじゃあ、頑張ろう。オルディス実習……開始だ!!」
カイトの閃Ⅰの軌跡
4月:B班パルム実習。みんなに素性を明かす。
5月:B班セントアーク実習。ラウラ・フィーの仲立ちと魔獣騒動に奔走。
6月:A班ノルド実習。Gとの再会。
7月:A班ヘイムダル東実習。多様な再会と出会い、G、C、Lらとの因縁。
8月:C班クロスベル通商会議。激動の時代に飛び込む、魔人ギデオンとの闘い。
9月:B班オルディス実習。???
10月:???