カシウスの依頼。帝国内における二大派閥の情報収集。
その詳細の説明以外にも、考えなければならないことがあった。
「お前がクロスベルを経由して帝国へ向かうルート……それを話し合うとしよう」
カシウスは話し合いの当初から用意していた地図を手にして広げた。普段から使うのは当然ながらリベール王国の地図。だが、司令室の全員が注目したそれは《ゼムリア中西部地図》だった。
「それでカイト……どういったルートを使うつもりだ?」
「お前の目的がクロスベルなのを前提としても……入り方が問題だ。どこから入るつもりだったか、まずは聞かせてもらおうか」
「そうですね……」
しばらく黙考して、カイトは呟いた。
「地理的に一番知っているのは、もちろんガレリア要塞からのルートかな。パルムも知ってるし、レグラムはアルゼイド子爵の領地です。協力できれば心強い」
カイトが地図を指でなぞる。問題はタイタス門で隊長に真っ向から入国を断られた、という大前提だが。
ハーケン門‐タイタス門‐パルム‐レグラム。エベル湖もあり、東のクロイツェン州に入りやすくはある──が。
カイトの様子を伺いつつ、リシャールが指示した。リベール王国の北東──エレボニア帝国とカルバード共和国、三国の国境線が重なる中立地帯だ。
「もう一つとしては、二大国の国境線を進むルートだが、山岳地帯を歩くのは無謀すぎるか」
「ですね……」
カイトは苦い顔をした。
ボース市の北東には霧降り峡谷がある。レグナートが眠りについていた山岳地帯だ。あるいはカプア一家が根城にしていた砦もある。
カシウスがふと尋ねた。
「そういえば……お前さんは確かル=ロックルの研修は受けていなかったか」
「はい。だから、レンジャー技術とかサバイバル技術とかは……」
カイトも修羅場を潜っているが、被訓練者と比べれば劣る部分がある。山岳地帯を踏破するのには不安があった。
何より、無事に踏破したとて結局はレグラムルートと重なる。最終的にはアルバレア公爵家の居城、翡翠の公都バリアハートが待ち受けている。
Ⅶ組にして貴族派に属するユーシスの安否確認、という意味もあったが、自分の所在が貴族派の知ることになるとしてもそれは遅ければ遅いほどいい。最初から四大名門次席に近づくのは、案としてはためらわれた。
リシャールが聞く。
「サザーラント州、セントアーク。ハイアームズ侯爵は貴族派の中でも穏健派だ。ここはどうかね」
「うーん……道中のタイタス門とか、ドレックノール要塞が怖いですけど」
ハイアームズ侯爵の意向を知りたい、とも考える。セントアーク実習で見せてくれた優しさは、恐らく内戦の最中にいる自分に対しても向けてくれるだろう。しかし、現実問題貴族派筆頭はカイエン公爵であり、そして彼からの圧力をかけられているのは想像に難くない。
さらに言えば、侯爵の下から伯爵筆頭のアレスレード伯爵が圧力をかけている状況でもある。
レグラム領周辺の地理を指先でなぞっていると、二大国間の南の国境線、その山脈に亀裂が生じているのに気づいた。
「あれ……? これって」
「クロイツェン廃道か」
カシウスが間髪入れずに答えた。
「大陸横断鉄道とクロスベルの発展に伴って、実質廃道と化した共和国への直接ルートだな。今の状況だったら二大国を行き来するにはうってつけのルートだが」
クロイツェン州と、共和国南西部オージュ州を繋ぐルート。大陸規模の地図を見なければ、まず気にかけることもない道。
「さらっと重要情報を把握してるし。やっぱりカシウスさんが帝国入りできたの、何かの間違いですよ。こんな人の形をした戦略級兵器がポンポンと出入りするなんて、そりゃ帝国情報局だってマークしますよ」
「言うじゃないか、その戦略級兵器と渡り合った若造が」
やいのやいのと軽口を言い合う。そんな中、リシャールがポツリと呟いた。
「それでは、カイト君。共和国はどうかな」
「リシャールさん?」
「つまり、カイト君はこういうことを懸念しているのだろう? 内戦下において、カイト君らⅦ組はあらゆる勢力の関係者子息が所属する台風の目だ。有名人といってもいい。なんの対策もなく帝国に戻ったところで、見つかればすぐさま指名手配となる……特に内戦を引き起こした貴族派にとっては」
「……その通りです」
クロウの言動からしても間違いない。Ⅶ組が、トールズ士官学院そのものが危ういのだ。ある程度の危険は覚悟のうえだが、無策で行くのは愚行に過ぎない。
加えて帝国方面からクロスベルに入るには、壊滅したガレリア要塞を突っ切るか、クロイツェン州とノルティア州を跨いでクロスベルの北側まで回り込まなければならない。
帝国に知り合いが多いとしても、カイトが尻込みする理由はそこにあった。
帝国からクロスベルへ、ではない。クロスベルから帝国へ。アルスの安否を確かめてアリスへ伝えるには、この順路が必要になる。後々聖アストライア女学院のある帝都、あるいはアリスの故郷のイステットに潜入するにしても、後々の方が安全だからだ。
リシャールもそれを理解している。
そして大陸情勢を理解しているリシャールだからこそ、カイトにはない視点で提案することができた。
「ならば、共和国側からクロスベルに入ればいい」
リシャールはリベール王国のツァイス地方、その東に存在するヴォルフ砦を指でなぞった。リベール‐共和国間の関所だ。
「ヴォルフ砦から、共和国南西のオージュ州に入る。そこから北へ進みマルテ市を経由して、共和国西端のアルタイル市へ」
「あるいは、ボートを用意できればキュレー河を経由して秘密裏にクロスベル入りすることも可能だろう」
リシャールは告げた地名の箇所を順に指先で辿っていった。山道などもあり、決して短い道のりではない。しかし整備された道があり、下手に山岳地帯を強行軍するよりは確実に思えた。
「私も、後々アルタイル市に向かう予定があってね。現地の情勢は調べている。対クロスベル最前線である以上緊張はあまりにも高いが──逆に言えば戦火の懸念は薄い」
何よりも、帝国側のガレリア峡谷と比べれば、共和国‐クロスベル国境はタングラム丘陵という比較的平坦な地形が広がっている。少なくとも自治州に入ることはできる。キュレー河を北に進めばエルム湖からミシュラム・ウルスラ病院・クロスベル市へ直接近づける。
リシャールはさらに続けた。
「キュレー河はクロスベル‐共和国の国境線として利用されているし、クロスベル北、帝国領の近辺にも繋がっている。ここに関しては街道のない悪路ではあるが……」
監視の目がない、という意味では絶好のルートだ。
加えて、帝国と共和国それぞれの情勢的にもカイトの都合に良い選択肢だった。
「帝国は内戦──二大勢力が向かい合えば確実に機甲部隊による戦闘が起きる。対して共和国は経済恐慌──これによるテロが頻発している以上楽観視はできないが、それでもカイト君は注目される重要参考人ではなく、ただの黒子として道中を通過できる。同じ『危険』でもその質は大きく違うはずだ」
カイトも納得できる。
そもそもが激動の時代。二大国とクロスベルのどこに行こうが危険は付きまとう。しかしカイト個人が狙われず、目標にクロスベルがあるのならば、リシャールの案は及第点だ。
唯一懸念があるとすれば──
「オレ、共和国の地理はほとんど知らないんですけど……」
カイトはわざわざ自分を指で示して困り顔を浮かべた。
これに尽きた。カイトはリベール、クロスベル、帝国以外の大陸諸国を知らない。
リシャールの提案では、確かに共和国のいくつかの都市を経由するだけ。とはいえ平時ではなく、経済恐慌によってテロも生じている。通商会議にも現れた《真なる優士団》の行動だ。どうしても、オルキスタワーの惨状を思い出す。
「確かにいい手です。帝国側の危険さはオレがよく知ってるし……選択肢としては有力だけど……」
「あとひと押しが足りない、と?」
「そうですね。ああ、こんなことなら共和国も回っていればよかったのに」
今更ないものねだりだ。仮に帝国入りの前で共和国を旅したとしても、きっと似たような理由で迷うことになっていただろう。
頭を抱えるカイト。その裏で、カシウスとリシャールは目線を合わせて頷いた。
「リシャール。いいな?」
「ええ。R&Aとしても良い選択だと思います」
「え、なにその阿吽の呼吸」
自分の知らないところで大人たちが悪だくみをしている。しかも剣聖とその後継者が、である。薄ら寒い。
二人の計画はすぐにカイトの知るところとなった。司令室の扉をノックする音がしたから。
「いいぞ、入ってくれ」
カシウスもリシャールも、訪問者が誰なのかをわかっていた。
カイトは振り返り、その人物を見る。
金髪。リシャールとは違い大した整髪料をかけない短髪は若者らしく所々跳ねている。年齢はカイトよりも幾分年上──そういえば、どこかでアガットと同じ二十四歳だと聞いたことがあった。
つり上がった瞳が意思の強さを感じさせる。中肉中背ではあるがカイトよりも大きく、鍛え上げられているのが分かった。
カイトからすればまるでランディを思わせる濃紺のトレンチジャケットに、リシャールのような黒いスラックスに白いワイシャツ。しかし紺色のネクタイは緩く首元を大きく開けている。
その人物は、リシャールとカシウスに向け、一礼した。
「R&Aリサーチ、ルーク・ライゼン。参上しました」
リシャールが返す。
「ルーク、ご苦労」
「いえいえ、所長。久しぶりに要塞に入ったので、ちょっと身構えちゃいましたけど」
カシウスも声をかけた。
「改めて、お前さんたちには面倒をかけるな」
「構いませんよ。俺たちの罪滅ぼしでもあります。遠慮なくコキ使ってください、准将」
そこでようやく青年──ルークはカイトを見て、ニヤリと笑った。
「久しぶりだな、ガキんちょ。ってまあ、もうそんな見てくれでもなくなったか」
「アンタは……!?」
覚えている。忘れるはずがない。
クーデターの時、エルベ離宮で戦った。混迷の大地の中、王都で結社の強化猟兵と戦ったのを見た。本人の記憶にはなくても、影の国でも戦った。
元情報部特務兵。もう一人、オルテガ・シークと共に、カイトの中では浅はかならぬ縁で繋がれた人物だった。
「ルーク・ライゼン……!?」
「おいおい、そんな口をあんぐり開けんなよ、カイト・レグメント。久しぶりの再会だってのに感動もなにもねぇ」
「いやっ、その……久しぶり、だな」
カイトにとっては予想外の登場だった。だが、これまでの帝国入りの依頼の話を考えれば、話の流れも想像はつく。
「カシウスさん、リシャールさん……もしかして?」
振り返ってカシウスに問いかける。剣聖は頷いた。ルークはリシャールの隣に控える。
「改めてになるが、R&Aリサーチと王国軍は非公式に協力関係を結んでいる。リシャールが七月に帝都でお前と会ったのもそれ故だし、帝国、共和国、レミフェリア、その他の自治州……クロスベルにも、元情報部の社員が派遣されている」
そして、リシャールも。
「君と准将との話し合いの結果──帝国での調査に加え、クロスベル入りも視野に加わった。その時に准将から打診されたことだ」
カイトとカシウスの戦闘の後のことだ。
リシャールはルークの肩に手を乗せ、そして一歩前へ歩かせる。
「カイト君。ルークは共和国方面への派遣経験がある。君の調査依頼にルークを──元王国軍情報部の若手筆頭の実力を貸そう」
そもそもが、カイトの役目は情報収集とそれをR&Aリサーチ社員に渡すことにある。だが内戦下、帝国内の社員は思うように動けないという。カシウスから見て、戦力的にも情報収集能力としても、カイトを帝国に派遣するのは合理的だった。
ルークは軽く手を挙げる。
「ちなみに、俺は帝国方面の地理は知っているが弱い。そこは助け合いってところだな」
カイトの調査ルートに共和国が含まれるなら。帝国・クロスベルを知るカイトと、共和国を知り現地の社員とコンタクトしやすいルークが手を組むことは至極真っ当な提案だった。
最初にカシウスが提案した内容とは若干異なるが、大筋は変わらない。R&Aリサーチ社員のルークと遊撃士であるカイトの合同調査。
「ルークが共和国と帝国……可能であればクロスベルも含め、R&Aリサーチ派遣員との情報共有を補佐してほしい」
「……はい」
ルークの実力は知っている。情報部としての諜報スキル、特務兵としてのサバイバル能力も信頼できる。
そして、同じ国が故郷で、同じ愛国心を持つ者同士。
協力しない手はなかった。
「わかりました。依頼と提案、どちらも引き受けさせてもらいます」
────
カイトとルークによる合同調査、そのルートが確認された。
リベールのヴォルフ砦から共和国入り、北上してクロスベルへ。クロスベルで情報を集めた後、エレボニア帝国へ。そこで情報収集とR&Aリサーチ社員との合流、カイトとしてⅦ組と合流し成すべきことを成す──そんな西ゼムリアを股にかけた調査。
なお、クロスベル入りの後、どう帝国入りするかはその時の状況に合わせてカイトとルークが話し合うことになった。
クロスベル北、アルモリカからノルティア州へ北上するルート。クロスベル南、エルム湖下流から共和国に戻るルート。選択肢はいくつか存在する。
とにかく、長い移動になる。大陸情勢がある以上、会議でも全く話が上がらなかったように海路や空路での移動は憚られる。西ゼムリアを文字通り回る広大な旅路。
準備も休息も必要だった。カイトはルーアンとツァイスに寄った。
ルーアンではテレサ院長や弟たち、ジャンにも顔を見せ、今後の行動方針を。
ツァイスではラッセル博士とティータに会い、複製されたゴスペルの件を報告した他、ティータから新たな魔導銃を譲り受けた。
そして、十一月五日。
リベール王国王都グランセル、グランセル城。
謁見の間。
「お久しぶりですね……カイト殿」
玉座に構えるアリシア女王は、以前と変わらない穏やかな笑みを浮かべている。アリシア女王にとっては孫娘クローゼと家族同然に育った少年。カイトにとっては畏敬の念と敬愛と、ほんの少しの親しみを感じる人。
「はい、女王陛下。陛下も変わらずお元気そうで……お顔を拝見できて、ほっとしました。」
そして、玉座の隣に佇むのは。
「クローディア殿下も……通商会議以来ですね」
「もう……私相手に、そんなにかしこまらなくてもいいのに」
クローディア王太女──クローゼも、カイトとの再会を喜んでいた。
「あはは……女王陛下。よろしいでしょうか」
「元より、クローディアとカイト殿の間柄です。私が口を挟む猶予がありましょうか」
「……では」
カイトは顔を緩めた。
「久しぶり、姉さん。会議じゃ心配かけたけど……こうして、リベールに帰ってきたよ」
「本当に、心配したんだよ。それに、これからも心配をかけて」
「……ゴメン。でも、カシウスさんの許可も得た。帝国とクロスベルには、大切な仲間たちがいる。止まれないよ」
「わかってる。どうか、無事でいて」
カイトは瞑目した。いつか恋心を抱いて、想いは届かなくても家族になって、今は王族として役目を全うするクローゼへの、精一杯の敬愛の証だった。
そしてクローゼはかしずくカイトの隣、少年以上に深く頭を下げるルークに目を向ける。
「ルークさんも……ジークに届けていただいた共和国方面の情報。通商会議の助けになりました」
「もったいなきお言葉」
「頭を上げてください、ルークさん」
「それはなりません。陛下に格別の慈悲を賜ったとはいえ、私はお二人に弓を引いた逆賊の徒であります」
「それは──」
クローゼの言葉は、アリシア女王の手によって遮られた。ルークが続ける
「ですが、もしさらなる慈悲をいただけるのであれば。王国とゼムリアの平和のため。このルーク・ライゼン、この身を賭して、王太女殿下の得難き知己であられるカイト殿に降りかかる火の粉を散らしてみせましょう」
カイトの乱入すら許さない、ルークの毅然とした宣言。
カイトの眼に、かつてのリシャールとルークの姿が重なる。
旅立ちの前、カイトとルークは純粋に顔を見せるためにグランセル城を訪ねた。建前上は本当に単なる謁見に過ぎないが──実際のところ、先のカシウス・リシャールとの会議の方針と、王国軍による調査依頼を引き受けた旨をアリシア女王に報告するためだった。
カイトにとってはクローゼとの対話の機会であり、元情報部であったルークにとっては、決意の宣言を放つ機会でもあるのだろう。
アリシア女王は立ち上がり、ルークに近づいていく。
「リシャール殿も、彼に付き従った情報部も。リベールの同胞です」
「陛下」
「愛し方は違ったかもしれない。けれど、国を愛していることは同じ。そのことを、私は一日たりとも疑ったことはありません」
ルークの肩に手を置く。
「どうか、カイト殿のことを頼みます。そして、どうか無理をしないで。二人が揃って、またこの場に帰って来てくれることを願っています」
この国の国民で良かった。立場は違っても、カイトとルークは同じことを思う。
このアリシア女王の慈愛の心が、何よりも他者を尊び信じる、疑うことより何倍も困難な道を歩む強さが、この国を護ってきたのだ。そして国を護ろうとする自分たちを生み育てたのだ。
リベールで育ったから、カイトは世界へ羽ばたこうと思えた。
リベールで育ったから、ルークは一度罪を犯してもまた国に忠誠を捧げることができた。
カイトとルークは、異口同音にこの言葉を伝えるのだった。
『
────
グランセル城を後にする、カイトとルーク。
服装とそれぞれの装備はそのままに、二人とも長期の旅に耐えうる備品を鞄に入れていた。
北街区で一度振り返り、白亜の王城を見やる。
「……やり残したことはないか?」
ルークが尋ねた。
「ああ、もちろん。行こう」
カイトが返す。まずはグランセル空港へ向かい、ツァイスへ。
歩き出すカイト。ルークは立ち止まったまま。
カイトは振り返った。
「……? どうしたんだ?」
「お前とは、敵対してばかりだったな」
「まあね。でもオレはリシャールさんと一緒に戦ったことがある。だから協力し合えるって、そう思ってる」
「所長から聞いたよ。《影の国》ってとこで色々あったってな」
ルークは、カイトに向けて拳を突き出した。
「俺にも俺の役目がある。手伝いと一緒に、仕事も果たさせてもらう」
「もちろん」
「カイトって、そう呼ばせてもらうぜ。だが腑抜けてたら、またガキんちょって呼ぶからな」
カイトも拳を突き出した。
「ガキんちょなんて言わせないよ。よろしく、ルーク」
少し乱雑に拳を合わせ、そして前を向く。
歩き出す。
グランセル空港までの道中、カイトは自然、脳裏にクロスベルや帝国の仲間たちを思い浮かべていた。
(ロイド、エリィ、ティオ、ランディさん)
共に壁を乗り越えようともがいた特務支援課。
(アルス、シズクちゃん、セシルさん)
ウルスラ病院で得た絆。
(Ⅶ組のみんな)
このクラスは最高だと、そう思えた仲間たち。
(オリビエさん)
帝国への道を示してくれた、きっと今も帝国でもがいている親友。
(アリス)
護りたいと思う、大切な存在。
彼らを、そして彼らと関わる全ての人を。世界の全てを。
(護ってみせる。支えてみせる)
決意が、少年の心を満たしていく。
激動の時代を。カイト・レグメントが歩み出す。
※誤字:Armorica(アルモリカ)がなぜかArmoriesになっていますね……
閃Ⅰと閃Ⅱを繋ぐ幕間、「intermission②~駆ける翼~」。これにて終了です。
実はこの後に年内ラスト、「87話補足 カイト・レグメント戦闘データ(S1204.11)」を挟みつつ、
第13章 激動の時代
88話 11/5:東へ
が始まります。
ついに閃の軌跡Ⅱ時系列、内戦に飛び込んでいく。けれど動乱が生じているのは帝国だけじゃない。空から零碧閃と続いたカイトの旅路が、意味を持って結実する時です。
次回投稿はしばらく先、年明けのどこかから。
来年も、よろしくお願いします。
~閃Ⅱ編あらすじ(仮)~
その一発の銃声が、帝国の運命を変えた。
その人々との絆が、少年の軌跡を定めた。
エレボニア帝国、内戦勃発。帝国解放戦線リーダーCと貴族派の策略により鉄血宰相は狙撃され、帝国は革新派擁する正規軍と多くの協力者が軒を連ねる貴族連合との泥沼の内戦が始まった。
発端であるクロスベルは防壁とともに沈黙を貫く。カルバード共和国はテロの戦火に飲み込まれる。西ゼムリアは激動の時代を迎えていた。
蜂起と暗躍を始める各勢力。帝国において行動を始めるⅦ組メンバーや、遅れて目を覚ますリィン・シュバルツァー。
そんな中、カイト・レグメントはリベールから動き出す。新たな仲間と、新たな力と、不退転の決意を引き連れて。
仲間の一員であるために。友の決意を助けるために。大切な人と生きるために。
数多の絆を紡いできた少年が、西ゼムリアを舞台に、等身大の心の軌跡を描く。