影の国。第三の守護者の試練。リベールの守護神、剣聖カシウス・ブライトとの戦いは、辛くもリシャールを筆頭とした仲間たちの勝利で終わった。
防戦一方の時もあった。戦い始める前から絶望を覚えた。だが、それは確かに自分たちの手で勝ち取った勝利だった。
「まったく……大したもんだよ、お前たちは」
カシウスはそう言って笑って、息を吐いて立ち上がる。先ほどまで父娘共々息を切らしながら跪いていた。それでもカシウスは、片肘をかばいながらも威風堂々と立ち上がって、そして愛娘に手を差し伸べる。
差し出された手を借りて、エステルも何とか立ち上がる。そしてにこやかに告げた。
「へへ……どんなもんよ、父さん?」
「言っただろう。お前たちの完全な勝利だ」
手を放すと、思わずエステルはふらついてしまった。その肩を支えたのは、ヨシュアだった。
「一対一でもない。現実での戦いでもない。けど、何とか勝ってみせたよ。父さん」
「そうだな。これでお前とも……一勝一敗というわけか」
支え合う、二人の子供たち。カシウスは彼らを頼もし気に見る。
誰しも満身創痍だった。たまたま近くにいたブライト姉弟だけが、なんとか言葉を交わせている。
全員、装備も服装も顔も、戦争難民さながらのありさまだった。太腿に、肩に、脇腹に、あらゆる場所に大小深浅様々な裂傷や打撲がある。多量とは言わなくとも確かな失血量。カシウスだけが、この状況でなお、生命力を輝かせている。
カシウスが目線を写した。その先にいるのは、子供たちと共に死線を潜り抜けた仲間たち。
ユリアは一人でカシウスたちのもとへ歩いてくる。疲労のためか、足を引きずっていた。
リシャールは、ケビンとカイトに両肩を支えられて、そうしてなんとか立ち上がっていた。応急処置的な回復は済ませたが、それでも酷い状態だ。
だが、眼は死んでいない。
「リシャール」
「……」
師が相手出さえ、声を出すのも億劫になるほど。リシャールは、目線だけをカシウスに向けた。
「俺は言った。『俺に勝ってみせろ』と。そうしてお前は俺に勝った。最早、何かを言う必要もあるまい」
緩慢な動作で近づき、カシウスはリシャールの正面に立つ。穏やかな顔つきで、リシャールの傷を負っていない右肩に手をかけた。
「よくやった。そして、これからも迷うことに迷うな。……後輩たちを、殿下たちを、娘たちを、頼んだぞ」
リシャールは喉を鳴らさない。ただ静かに瞑目し、少しだけ顔を下に向けた。
すると、カシウスの体から光が生まれる。麒麟功ではない。他の守護者たちと同じ、この世界の役割から解き放たれる瞬間だ。
「やれやれ、突然召喚した癖に別れの挨拶もさせてもらえないとはな」
眩しい輝きに包まれる剣聖を、仲間たちはただ見ていた。誰も、言葉を発することはしなかった。先程までの激闘が、カシウスと仲間たちのこれ以上ない対話となったから。
「始めと同じだ。言うことは一つだけ……無事に戻ってこい、全員で」
もう、顔も見えなくなる。輝きはいっそう強く、迸る。
そして、拡散した。
第三の試練が、幕を閉じたのだ。
────
リシャールたちは、ケビンが持つ《方石》によって隠者の庭園に転移した。
戻ってくるなり、仲間たちは大慌てでこちらに駆けつけてきた。なにせリシャールは一見して死に体で、エステルをはじめとする他の仲間も、完全に憔悴しきっていたから。
だがケビンの報告に、一同は状況を忘れ歓声をあげる。第三の守護者──カシウス・ブライトを撃ち破った。それはまさしく偉業だった。
仲間たちは探索を中断し、リシャールたちの治療に尽力した。クローゼやオリビエなど、魔法に長けた者がリシャールにあたり、エステル、ヨシュア、カイト、ケビン、ユリアにも一人付き添う。庭園に秘められた力を余さず利用した。
一方で、モルガンやカシウスが示した意思も無下にはできなかった。一刻も早く、クローゼや仲間たちを無事に帰還させる……そのために、アガット、ジンはリースを先頭にエルベ周遊道へ向かった。帰還時にケビンたちが確認できなかった次の試練について確認するためだ。
結論を言えば、次のメンバーはケビン、ヨシュア、レン、ジン、シェラザード、アガットの六人となった。理由は単純にして明快で、試練を告げる石盤の呼び声によるものだった。
『《影の王》に代わり《黒騎士》が告げる──これより先は黒の方舟。滅びし村の遺児を伴い先へ進むがよい』
滅びし村の遺児。ヨシュアをわざわざ指名する黒騎士。向かう先は黒色の《方舟》。ヨシュアが勘づき、そして天才であるレンが次のメンバーに名乗りをあげたことで、仲間たちは理解した。残るメンバーも自分から参加を申し出た。そして異議を唱える者は殆どいなかった。
半日ほどを休息に当て、ヨシュアとケビンの回復を待って、六人は次の試練へと向かっていった。
彼らを見送った後、ヨシュアと同じくある程度は動けるようになったカイトは、またも手持ち無沙汰のように感じる。
リシャールはまだ、書架で横になっている。今は睡眠をとっているだろう。彼はしばらくは動けなさそうだが、「皆の剣になろう」というその役割を十分に果たしてくれた。いつ来るかはわからない、けれど来るべき決戦の時までは、力を蓄えていてほしいと思う。
リシャールの介抱には、クローゼ、ジョゼット、リースが当たっている。遠く、隠者の石碑の近くにはオリビエがいた。珍しく一人で……いや、正確にはセレストと何やら話しているようだった。『黒の方舟には僕も美の因縁があるんだー!!』と一人だけ冗談めかして駄々をこねていたが、その落差がありすぎていまいち信頼しきれない。
その放蕩皇子の近くにいるのが当たり前のミュラーは、なんとティータと座って会話していた。これまた珍しいが、意外にも話がはずんでいるようだ。恐らくだが、帝国正規軍の導力兵器のことでも語り合っているのだろう。
アガットとジンがよく模擬戦をしている小広場では、ユリアとアネラスが剣の型を反復している。アネラスは一度レイストン要塞でカシウスの監督のもと、リシャールと一騎打ちをしたことがあるらしい。ユリアは今日、リシャールとともにカシウスと戦った。その熱を消火しようとしているようだ。
そんななか、一人でいたのはエステルだった。泉の前の椅子に腰かけ、釣りをするでもなく黄昏ている。
「よう、エステル」
「あれ、カイト?」
太陽の娘が一人でいることなんて、緊急時以外にかつてあっただろうか。気になってしまうのも仕方がないだろうと、カイトは思う。
「カシウスさんとの戦い、お疲れ様だったね」
「うん、カイトもありがとね。おかげで父さんに眼にもの見せてやったわ」
カイトはエステルの対面に腰かけた。間に陶器製の机を挟み、カイトは頬杖をついて変わることのない夜空をぼんやりと眺めた。
「エステルは、ロレントの出身だよな」
「そうよ。けど、急にどうしたのよ?」
「いや、あのさ。オレは一応ルーアン出身。どっちもリベールの有名どころじゃあないよな」
「んー、まあそうね」
「言っちゃあリベールの片田舎だけど……随分と遠くまで来たよな、オレたち」
夜空を見上げて、ほうっと息を吐いた。エステルもまた、同調して上を見る。
カシウスの娘である以上、エステルは名が広がるのも必然だったかもしれないが、それでもクーデター事件や帝国遊撃士協会支部襲撃事件がなければ、エステルはロレントを拠点に遊撃士稼業をしていたかもしれない。
カイトもクーデター事件でクローゼが捕らわれなければ、きっとルーアンを拠点にして日々を過ごしていたに違いない。
だが、今、二人はリベールの外にいる。異変に際して先陣を切り開いたエステルに、そしてそれを仲間として共に戦ったカイト。それぞれ未熟なものもあれど、あの忘れられない旅路は二人を一人前の遊撃士に成長させた。人間としても、人を導き、あるいは支えることができるようになった。
「カシウスさんとの戦いで思った。本当にエステルは強くなった」
「な、なによ? ちょっと、変なものでも食べたの?」
エステルはぎょっとしてカイトを見た。別にカイトが人を褒めるのは珍しくないのだが、エステルに対してここまで言うのは、彼女の反応の通り少しおかしかったりする。
カイトは、先の戦いを思い出して呟いた。
「オレはさ、ちょっと悔しかったんだ」
「そうなの?」
「カシウスさんとの戦い。リシャールさんやエステルは、自分の殻を破った。ヨシュアも、ユリア大尉も」
軍属と血族、それぞれ縁ある者たちは、あの絶望的な戦いから一握りの希望をすくい上げた。
ケビンもまた、戦いの前の言葉に、きっと打ち震えるものがあったはずだ。
別に自分がなんの役に立てなかったわけではない。あの六人の中に、自分がいなければ今の結果は得られなかったと自信をもって言うことはできる。
だが、言いようのない悔しさを覚えるのもまた確か。先頭に立てなかったからか、目に見えての成長を示せれなかったからかは判らない。
どうして太陽の少女に、こんな弱音を吐くのか。クローゼやヨシュアたちにも、影の国に来てからたわいもない話や、相談事なども行った。それでも、純粋に戦いについての想いを明かすことになるとは思わなかった。
「でも、カイトは仲間として信頼できる。それは確かよ」
「判ってる。今更そこを疑いなんてしないよ。だから、少し煮え切らないんだ」
いっそ偉そうなくらい理解している。自分はもう、エステルやケビン達の大事な仲間の一人だ。
自分が、戦うものとしての覚悟や、矜持を得たからなのだろうか。純粋にカシウスに一人では勝てなかったことが悔しいのか、と言えば違う気もするが。
と、感情の正体に疑問を呈すると、エステルが面白おかしく笑う。
「なら、私たちは父さんから、良い言葉を聞いたじゃない」
「え?」
「『迷うことに迷うな』。ちょっと癪だけどね」
それは、カシウスと戦った六人だけが聞けた言葉だ。その想いを受け取った人は一人だけだが。
「はは、そうだね」
「まったく、今は休憩中なんだし、ここには二人しかいないし、もっと楽しいことを話すほうがいいじゃない!」
エステルの言うとおりだった。そうだな、とはにかんで答えるカイト。
そこはかとなく少女然として頬を膨らませるエステル。彼女も彼女で、再会した仲間たちとの談笑を楽しんでいる節がある。
「というわけで、カイト!」
ビシッと人差し指をたて、エステルは顔をカイトに近づけた。
「クローゼとは、その後どうなのよ!?」
「え?」
カイトは思わずのけぞった。偶然視界に映っている書架の方向に視線を向ける。
そういえば、とカイトはため息をついた。エステルには……というか、誰にも祝賀会の夜の顛末は話していなかったか。その後の日々でも仲間たちの多くと仕事や何かしらの用事で出会っていたから話す機会はあったのだが、進んで話すようなことでもないから言わなかった。
とはいえ、例えばシェラザードやジン、ケビン辺りは察しているかもしれないが。ヨシュアやアガットは気づくはずもないだろう、ともすればエルモ温泉で恋情を話したことすら忘れているかもしれない。
祝賀会の後はカイトもロレントにいたが、エステルとヨシュアは帝国へ行く準備があって忙しく、それほど多くを語ることはできなかった。
と、いろいろ考える間にエステルの瞳はこれ以上ないくらい爛々と輝いている。
(これは……隠せないなぁ)
カイトは、観念してエステルにクローゼのことを話すことにした。
想いを伝えたこと、そして断られたこと。一番に彼女に、旅を始めることを伝えたこと。
エステルは楽しく、真摯に聞いていた。時折茶化されることもあるのだけど、カイトも負けじと茶化し返したりする。
これだけで、カイトも少し心が軽くなるのを感じた。太陽の少女の力は、伊達ではなかったのだ。
そうして半日が過ぎるころには、ケビン達は何とか帰還を果たした。
結論から言えばカシウスの時と同じく、全員ほぼ死に体の状態での帰還となった。
黒の方舟と言うのは、色彩が紅色から漆黒へ変わったグロリアスのことだった。レイストン要塞の時と同じくそれだけで立ちはだかる者たちが誰なのかわかる。不動、銀閃、重剣という仲間たちの人選も、痩せ狼、幻惑の鈴、怪盗紳士という立ちはだかる者たちを前に、これ以上ないくらいおあつらえ向きだった。
そして、第四の守護者として現れたのは黒騎士──いや、《剣帝》レオンハルトだった。
いや、それはあの中枢塔で彼の最期を見た仲間たちなら、だれもが判りきっていた。にも拘らず、レオンハルト──レーヴェは仮面をとって現れた。「顔が見えなかったのは、僕の弱い心が原因だ」と、ヨシュアは言っていた。
他の守護者たち以上に、影の王を理解し護る騎士として立ちはだかったレーヴェ。理と対をなす修羅、その領域に踏み込んだ彼との戦いもまた、かつて天空に最も近い場所で戦ったとき以上の死闘だったと、ヨシュアは言った。
だが、それでも六人は無事に戻ってこられた。特にヨシュアが殻を破り、そして仲間たちの助けを経て、レーヴェに二度目の勝利を勝ち取って見せたのは、何よりヨシュアが異変によって大切な強さを手にしただった。
シェラザードも、ジンも、アガットも、因縁のある敵を相手にしっかと語らうことができた。ケビンはブルブランを筆頭に三味線を弾いてたことをなじられたらしいが、同時にレーヴェとの邂逅で、得られたこともあるという。
報告を聞いて、レンはどうだったのだろう、とカイトは思う。一対一の実力ではレーヴェが一番強いし、レンだって強い。でもヨシュアたちは、少なくともレンには絶対ない強さを今、手にしている。帰ってきた少女の複雑そうな表情を見て、カイトはそんなことを考えた。
例によって、六人全員がボロボロなったことによる休息である。ただ、ケビンは比較的余裕があるらしい。本人曰く、「聖痕を解放することにも慣れてきた」とのこと。
またアガットとジンは素の体力故か余裕があって、長い休息を必要になるのはヨシュア程度だった。
だからか、ケビンは再び休憩もそこそこに、次なる目的地を探しに行くことにした、のだと言う。少々忙しない気がしないでもなかったが、一刻も早い脱出が望まれるのはその通りなので、特に異議を挟む者はいなかった。
そうして次のメンバーは、ケビン、リース、カイト、クローゼ、エステルに決まった。そして五人は、残ったメンバーにヨシュアやリシャールの治療を任せ、再びエルベ周遊道にやってきた。
だが、今までとは違い、新たに光る石碑を見つけることはできなかった。そもそも現実の周遊道にある石碑は合計四つであり、今までと同じ法則であればここで頭打ちだったのだ。
周遊道には魔物も徘徊していないので、五人で手分けして探す。すると、あっという間に見つかった。現実であればエルベ離宮に続くその道が、異常なまでの霧に包まれていたのである。
正直、次に続くものは判らなかった。少なくとも、四人は。
霧の中を抜ける。覚悟はしていて、やはりその通りになった。抜けた先はエルベ離宮ではなかったのだ。
あたりに建物は見えない。丘の上らしい。少し寒い空気を感じる。空気が冷えているのもそうだが、人の気配がなくて、静かで、寂しかった。
萎れた雑草を踏みしめて、一同はその門の前に立ち尽くす。最初に反応したのはリースだった。
「──え」
今までの空間は、翡翠回廊のような場所でなければリベールの仲間たちの記憶に新しい場所だった。だが、リースもまたケビンを中心として巻き込まれた仲間の一人。彼女がよく知る場所となる可能性も、十分にあった。
彼女の反応を見て、ケビンが神妙に呟く。
「……やっぱりか」
「えっと、ケビンさん、リースさん。ここは?」
「はは、カイト君は気づかへんか? 君にはある意味、なじみ深い場所やけどな」
「ええ?」
聞いてみるも、逆に問われてしまう。エステルも全く見当がつかなかった。
だが、残る一人は、その門のアーチに掲げられた聖杯の紋章を見て言った。
「……もしかして、孤児院でしょうか」
はっとするカイト、エステル。リースは、心配げな面持ちで門の錠を解くケビンを見た。
「……ここはな、《紫苑の家》いうねん。俺とリースと……そして、ルフィナ姉さんが一緒に暮らしてた場所や」
ゆっくりと、五人が歩く音だけが聴こえる。敷地の中心にやってくるまで、彼らを阻むものは何もなかった。
異界化王都、ル=ロックル峡谷。再現された場所をよく知る者にとっては本物と遜色ない光景だった。そしてそれはリースもまた例外ではない。
「これが……再現されただけの偽物?」
「まさに本物としか思えへんな。つくづく、至宝の力には驚かされるわ。なんちゅうか……」
「空気まで、空気の匂いまで同じ」
「そやな。お前の言うとおり、何もかも、あの時のまんまや」
宿舎らしき小屋、礼拝堂、畑、広場……現実では十何人は養えたであろう敷地を見て、ケビンとリースは感傷に浸っているように見える。
カイトとクローゼは、こことよく似た場所に思い出があった。エステルも、それはよく知っていた。だから、状況が状況とはいえ、彼らは声を出すのをためらった。
だから、少し当たり障りのないところから聞いていく。
「姉さんが《孤児院》って言ってましたけど……この《紫苑の家》というのは?」
カイトの質問に、リースが答えた。
「教会が運営している福音施設の一つです。修道院に近い孤児院、といったところでしょうか」
エステルがはっとする。
「それじゃあ、ひょっとしてケビンさんって……?」
影の国に巻き込まれてからも、自分のことをあまり語らない青年だった。この異界の探索を行うたび、彼は対極が『焦り』ではない、しかし余裕のような状態を欠いていたようにも感じる。《影の王》との対話もそうだ。
仲間たちは、例えばエステルは、クローゼやカイトほどにはケビンとリースのことを知らない。
ヨシュアとの絆のありかを見つけた時、エステルはレーヴェからヨシュアの過去を聞いた。ヨシュアのすべてを知って、そうして想い人の全てを希求することができた。
仲間たちは肌で感じていた。この先へ進むために、ケビンたちのことを少なからず知らなければならない。ケビンたちが心を開いてくれるのであれば。いや、自分たちが心を開いた以上は。
ケビンは答えた。
「ああ、『孤児』っちゅうやつや。……いろいろあってここの世話になったんやけど……」
ケビンもリースも、ここに来るのは本当に久しぶりらしい。それなのに、ここの空気を覚えている。カイトやクローゼと同じように、この紫苑の家が自分たちの故郷となっている何よりの証拠だ。
ケビンは、仲間たちにとっては予想外なことに、大きく大きく息を吸い、そしてゆっくりと吐き出した。
仲間たちに振り返る。
「いずれにせよ……ここに魔物の気配はない。影の騎士──剣帝を倒したことで、試練も終わったらしい。なら、次は《第七星層》や」
仲間たちという駒をそろえた一から五までの星層。その駒と共に、影の王の領域まで踏み込めるのかの試しとなった第六星層である守護者の試練。影の王の懐刀さえ砕いたのなら、次がいよいよ影の王の根城に違いなかった。
そして影の王が執拗に興味を示すケビン。心象が少なからず影響を与える影の国において、ケビンと、彼の心の多くを占めるであろうリースの二人が懐かしく思う、試練の果ての紫苑の家。
ここに手がかりがあるのは、間違いなかった。
「カイト君、エステルちゃん、姫殿下、ようこそ《紫苑の家》へ。こんな古ぼけた場所ですけど、招待させていただきますわ」
創の軌跡の熱も落ち着いた頃……軌跡の最新作の情報が解禁されましたね!
新たな舞台で描かれる、黎の軌跡……いろいろと楽しみで考察も捗りますが、まずは情報を待ちたいと思います。
那由多の軌跡改も発表されましたし、やったことがないので買おうかどうか悩み中です……