新しく建造された綾波。配属されたのは民間人上がりのとある新人指揮官。しかし、指揮官の前職が問題だったのです。

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この作品は少し問題のある指揮官に配属されてしまった綾波のお話です

以下注意事項

キャラの口調間違い多い・キャラの呼び方の間違いあると思う・完全なる独自設定


上記が大丈夫な方はスクロールをどうぞ


配属されてしまった綾波

駆逐艦・綾波は海上を滑るように走る。

 「指揮官がどんな人か、楽しみ、です」

綾波はつい最近建造されたばかりの新人艦船だ。新人には新人を、というちょっと頭がおかしい軍上層部の方針で指揮官になったばかりの新人指揮官に配属されることになった。

綾波とて艦船とは言え一人の乙女。できれば指揮官には優しくて格好いい人が良いに決まっている。

 「もう、そろそろ予定の泊地、です……あれ?」

綾波は出発時に渡された泊地の写真を見る。見るからに新築しましたと言わんばかりの建物に何もない敷地。まさしく新建造の泊地と思われる写真だ。

そして今度は綾波の視界内にある現物を見る。

高い壁にそこらじゅうに張り巡らされた高射砲。敷地内からは超巨大な主砲が見える、どこからどう見ても海上要塞にしか見えない泊地。

 「……え?」

綾波に状態異常混乱がかかる。おかしい。綾波が出発したのは三日前。写真が撮られたのはおよそ一週間前だとしてもこの建築具合はおかしい。

 「この泊地に配属された綾波様ですね」

すると誰もいなかったはずの背後から綾波に声がかけられる。

慌てて振り返った綾波の瞳に映ったのは一人の女性。銀髪のロングヘアーにロイヤルの雰囲気を持った完全なメイド。

 「あれ? ベル「謎のパーフェクトメイド・Bとお呼びください」……」

綾波が名前を言い切る前に呼び方を指定してくる謎のパーフェクトメイド・B。

無言になる二人。

 「いえ、どう見てもベ「謎のパーフェクトメイド・Bです」」

 「……あのb「謎のパーフェクトメイド・Bです」」

どうやっても綾波に名前を言わせない謎のパーフェクトメイド・B。

綾波は悟った。『あ、これは何を言っても無駄な奴だ』と。それと同時に謎のパーフェクトメイド・Bの手が太ももの魚雷に伸びたことで恐怖したとも言う。

 「謎のパーフェクトメイト・Bさん。綾波は新人指揮官のところに配属だったはずなのですが、場所を間違ったですか?」

 「いいえ、綾波様は間違っておりません。ご主人様もお待ちですのでご案内しながら説明させていただきます」

謎のパーフェクトメイド・Bの案内で要塞内に入る綾波。中も既に200人以上の艦船が集まっても大丈夫なように整備されている。

 「綾波様はご主人様が民間から徴用された指揮官というのは聞いておりますか?」

 「はいです」

艦船を従える能力を持つ者は希少だ。そのために民間人でもその能力を持った人間は対セイレーンの最前線に徴用されるのも珍しくない。綾波の指揮官もそのような経歴というのはすでに聞いている。

 「ご主人様はここに着任されてから取り掛かったのはこの要塞の建設と、艦船の方々の居住空間の確保でございました。幸いなことにご主人様の前職が特殊であったためにこのような要塞も一週間程度で建設することができました」

綾波はまだ見ぬ指揮官に軽く戦慄する。要塞を建設できる前職ってなんなんだという恐怖で。

謎のパーフェクトメイド・Bの案内で指揮官のまつ執務室近くまでやってくる綾波。そして扉の前に立っている人物を見て再び固まった。

刀を持った黒髪をポニーテイルにした女傑。

 「あの高「拙者は謎の用心棒・Tだ」……」

綾波は瞬間的に悟った。この人もメイドと同じタイプの人種だと。

 「謎の用心棒・T様。ご主人様は中に?」

 「いらっしゃる。今は謎の美人秘書・Yと共に仕事をこなしておられる」

新キャラの登場だ。誰だ謎の美人秘書・Yって。

綾波は思っただけで口には出さない。出しても教えてもらえないってわかりきっているからだ。

 「それでは綾波様。よろしいでしょうか?」

 「は、はいです」

謎のパーフェクトメイド・Bの言葉に少し緊張しながら答える。ちょっと前まではどんな指揮官か期待半分怖さ半分だったのが、今は怖さ9割無事に退役したい1割の気分だ。

そして執務室の扉が開かれる。中にいたのは1組の男女。女性の方はヨークタウン級1番艦にしか見えないが、正体は尋ねない。どうせ謎の美人秘書・Yと言われて終わりだ。

そして肝心の男性の方を見る。白髪にロイヤル人の中でも特に真っ白な肌。そして浮かべられた笑顔。

 「ヤァ、よく来てくれましたね。僕がこの泊地の指揮官です。呼び方は……まぁ好きなように呼んでくださって結構ですよ」

 「綾波です……です。『鬼神』とよく言われるのです。よろしくです」

綾波の緊張しながらの挨拶にも指揮官は笑顔を浮かべたまま口を開く。

 「ウンウン。綾波さんが僕の泊地の第一号艦船になりますから、よろしくお願いしますね」

 「……え? あのこちらの」

綾波は最後まで言えなかった。なにせ首元に刀が、背中に魚雷が、そして頭上にはデストロイヤーがいた。それ以上口を開けば殺す、と雰囲気だけで伝わってくる。

そんな綾波危機一髪の状況にも指揮官は笑顔を変えずに口を開く。

 「僕の泊地の第一号艦船は綾波さん。よろしいですね?」

 「アッハイ」

 「よろしい!! 僕は話が早い子は大好きです。はい、それではこちらの辞令を受け取ってくださいね」

指揮官に差し出された辞令を冷や汗を流しながら受け取る綾波。

そして綾波が辞令を受け取ったのを確認して、謎のパーフェクトメイド・B、謎の用心棒・T、謎の美人秘書・Yが口を開く。

 「ご機嫌麗しゅうございます。メイドのベルファストと申します」

 「拙者は高雄、微力ながら力を尽くす所存だ」

 「私はヨークタウン型航空母艦ネームシップのヨークタウン。名前はかのユニオン独立戦争でのヨークタウン包囲戦から来ているわ」

 「やっぱり艦船だったじゃないですか!?」

平然と自分の艦名を告げたことに驚愕の声を上げる綾波。それに指揮官は笑顔のまま話しかけてきた。

 「いやだなぁ、綾波さん。ベルファストさんと高雄さんとヨークタウンさんは綾波さんの着任した後に建造したんじゃないですか?」

 「いや、私が来た時に」

やはり綾波は最後まで言い切ることができない。なにせ先ほどと同じような綾波危機一髪の状況ができている。

相変わらずの笑顔のまま指揮官は口を開く。

 「僕の泊地の第一号艦船は綾波さんです。いいですね?」

 「ハイ」

 「よろしい!! それでは隣の泊地と演習に行ってきてください。旗艦はヨークタウンさん、前衛にベルファストさん、高雄さん、綾波さんですよ。それ!! 行った行ったぁ!!」

指揮官の言葉に綾波は高雄に引きずられる形で執務室を後にしたのだった。

 

 

そして演習会場。綾波は「ひょっとしたらみなさんも戦闘経験ないかもしれません」という期待は見事に裏切られた。

飛んでくる砲弾を斬りはらい、敵に肉薄して斬する高雄。

使えないはずの戦艦主砲である試製381mm三連装砲T0で敵を狙い撃つベルファスト。

圧倒的空戦能力で制空権を確保し続けるヨークタウン。

綾波がレベル1だとしたら三人はレベル100を超えている。それくらいに卓越した戦闘技術の差があった。新人だからと舐めてかかった相手の指揮官に綾波は同情を禁じ得ない。

 「どうかしましたか?」

 「あ、ヨークタウンさん」

話しかけてきたのはヨークタウン。優しげで儚げな微笑を浮かべているが、しかしシーファングとデストロイヤーとバラクーダを同時に操り相手を大混乱に陥れている張本人である。

 「いえ……なぜみなさんがこんなに戦闘能力があるか不思議に思っただけ、です」

なにせ綾波は何もしていない。というよりできない。あの魔境に突っ込むには綾波は練度が足りない。

綾波の言葉にヨークタウンは少し困った表情をする。あの間に相手がバラクーダによって撃沈判定が出ているのを綾波は見なかったことにした。

 「そうですね、綾波さんも指揮官様の下にきたからには知っておいたほうがいいですね」

ヨークタウンの言葉に綾波は嫌な予感を覚える。

 「綾波さんは指揮官様が元民間人ということはご存知ですよね?」

 「はい、です。もともとは商人だったと、聞いてるです」

綾波の言葉にヨークタウンは優しく頷く。

 「はい、指揮官様は元々商人でした。ですが商人の前に『武器』がつきますが」

 「……ゑ?」

武器商人? 現代の世界でもアズールレーンとかレッドアクシズとか関係なく武器を売り捌くあの武器商人?

綾波の混乱を無視してヨークタウンは言葉を続ける。

 「指揮官様は特に艦船の武器を多く扱っていました。その中には私達の兵装はもちろん、キューブなども含まれていました」

 「……待ってください。もしかしてヨークタウンさん達って……?」

綾波の言葉にヨークタウンは儚げに微笑んで口を開く。

 「指揮官様が武器商人時代に建造されました」

 「犯罪です!?」

艦船を扱う能力は希少だが、艦船という強い力を持つために勝手な建造は国際法で禁じられている。だが、綾波の指揮官は平然とこの国際法を破っていたらしい。

綾波の驚愕をよそにヨークタウンは言葉を続ける。

 「私達は建造されてからそれぞれ役割が与えられたおりました。ベルファストはメイド業と新兵器の実験。高雄は指揮官様の身辺警護。私は秘書業務と航空兵器の実験です。その成果あって指揮官様は大きな富を得ました。しかし、持ちすぎた資金は目をつけられます。アズールレーンの重役に艦船を操る能力を持っていることをばれた指揮官様は新人指揮官として徴用され、集めていた資金の多くも没収されてしまいました」

 「……全部ではなかった、ですか?」

綾波の問いにヨークタウンは微笑みながら答える。

 「指揮官様は一部の資金をこういう時のために隠しておきました。その資金も要塞の建設で使い果たしてしまいましたが……まぁ、指揮官様はいつもどおおりの笑顔を浮かべながら『また稼げばいいだけですよ』とおっしゃっておりましたが」

それは軍を隠れ蓑に兵器売買を行うことだろうか。

そう考えた綾波はあることに気づく。先ほどまで聞こえていた対戦相手の悲鳴がなくなっている。

 「「「綾波様/綾波/綾波さん」」」

そして眼前には瞳が暗い光を宿したベルファスト、高雄、ヨークタウン。

 「決して裏切らないでくださいませ」

 「裏切るなよ」

 「裏切らないでくださいね」

三人の言葉に綾波は頷くことしかできなかったのであった。

 




綾波
やばい指揮官の下に配属されてしまった哀れな生贄。今後も常識外れの指揮官に振り回される。

指揮官
元武器商人の指揮官。今後は本業・武器商人、副業・指揮官としてやっていく予定。尚、イメージはヨルムンガンドのキャスパー

ベルファスト
謎のパーフェクトメイド・B改めベルファスト。指揮官の下で様々な武器を扱っていたために航空兵器以外の全ての武器を使えるターミネーターメイド。

高雄
謎の用心棒・T改め高雄。指揮官の下で刀一本で様々な窮地を乗り切る。

ヨークタウン
謎の美人秘書・Y改めヨークタウン。指揮官の下で秘書業務と航空兵器の実験を繰り返していた。



こんな感じでアズレン短編です。楽しんでいただけたなら幸いでございます。前書きにある通り、口調の違いは広い心で許してください。なにせ作者はアズレン一周年で始めた新人提督でありますゆえに。

ちなみにベルファスト、高雄、ヨークタウンがいるのはベルファスト(一周年記念配属)、高雄(初建造)、ヨークタウン(初日建造)だったためです。書いている途中で三人からハイライトさんが消えましたが、まぁアズレン小説だったら普通ですよね!!

尚、続く予定は今の所ありません。ネタができたら投げるくらいですね。

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