SIREN in Bloodborne   作:猫屍人

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「爪痕」とは、血の温もりを求める獣のごとき衝動であり
狩人の昏い一面、内臓攻撃の威力を高める

筆記者カレルは、「爪痕」と「獣」の違いに言及している
「獣」が、人の内に見出された、望まれずおぞましい本質であれば
「爪痕」は、その気付きの、逃れ得ぬ誘惑の痕跡なのだと


炎雷

 降り注ぐ隕石のような攻撃が弾け飛ぶ。バラバラになった破片が尖った先端を肌にこすりつけ、浅くはない裂傷を頬に残した。熱い痛みを残す頬を軽く拭い、ハァ、と軽く息を吐いて構え直し、一足で接敵する。

 狩人と相対する異形は、見れば見るほど醜い身体だった。白く、毛むくじゃらの毛が岩石のような身体に生えた、ムカデよりも多脚の、しかし蜘蛛と呼べるシルエットをもった化物。彼には知る由もないが、白痴の蜘蛛と呼ばれている上位者の末座である。

 御大層な肩書だが、狩るものとしてここに在る狩人にとっては等しく殺せるだけの獲物である。慈悲もいらず、躊躇もない。ただ辟易とした自然体で彼はノコギリ鉈を振り下ろした。

 

 白痴の蜘蛛、ロマの触腕が一本斬り飛ばされる。気色の悪い体液が巻き散らかされるのは、蜘蛛にしてはその巨大な体積が故か。怒り、という感情自体を兼ね備えているのかも定かではないが、身悶えしたロマが静かなる神秘を轟音とともに撒き散らした。

 狩人は、己をほんの一瞬だけ、夢の中へと入り込むヤーナムの狩人独特のステップを刻んで逃れる。狩人の身体が実在していた場所を衝撃が通り抜け、夢から帰還した狩人が実体を以て新たな切込みを入れる。的確に、作業的なまでに。

 

 ここに来て、精神的に疲弊していた狩人の脳内にはロマを見たことによる啓蒙が流れ込んでいた。人間の経験から得てきた記憶から、無理やり上位者の存在を認識させるための儀式、それもまた、啓蒙。故に、今の狩人は人であって人に非ず。されど獣からは程遠く、知慧を駆使して狩りを行っている。

 彼の動きは最適化されていく。ただ、己の目的のために。

 変形させたノコギリ鉈がリーチを伸ばし、無数に存在する頭部であろう部位を深く抉り削ぐ。大技を打った後のロマはこれに何も抵抗できず、甘んじて深手を受け入れるしかなかった。ロマの甲高い、すり合わせるような悲鳴が純白にして穢れた空間に響き渡る。その鳴き声は、狩人の脳奥を揺さぶった。

 

「っぐ」

 

 呻きよろめいた合間を逃さず、ロマはその場で渦巻くようにして消失。代わりに、蜘蛛といえばイメージの付きやすい子蜘蛛が無数に狩人の周囲へと降り注ぐ。上位者にしてはひどく単調で常識的な手段である。これも、所詮は人から成った存在が故の弊害であろうか。

 だが狩人という存在にとって敵の数が増えるのは喜ばしいことではない。危機的状況を打開すべく、彼は懐の夢より小さなマラカスのような物体を取り出した。それを一握りの水銀弾とともにすり合わせるように地面に突き刺す。

 

 小さなトニトルス。アデーラと共に隠し街ヤハグルを探っていたとき、偶然にも見つけた狩り道具のひとつだ。柄と共に握り込まれた水銀弾は触媒として神秘を刺激し、トニトルスに淡い青雷を纏わせる。

 狩人は黒獣との戦いで、その雷が如何に強力であるかは蒙を啓かずとも理解している。その威力は身を以て知っている。故に、正しく使われた神秘はただの触媒である小さなトニトルスを介して神秘の技を繰り出した。

 

 発生した雷は虚空より足場へ向かって下に落ちる。当然のことだ。だが、神秘は常ならぬが故に神秘。絶えず発生する雷は子蜘蛛のいる方へと進路を変えたかと思えば、枝分かれして小さき上位者どもの撒きクズを消し炭に変えていった。雷の耳を撃つ振動が狩人とロマを大きくゆるがせ、逃げたかと思われたロマの隠蔽を暴き出す。

 

 慌てるようにその場から地面に背中を擦り付け、淀みを空間に伝えることで発生した隕石のような広範囲神秘を繰り出すが、牽制目的であろうその攻撃は一度動きを見た狩人には通用しない。地面を突き抜けてくる神秘の攻撃は、突き抜けてくるがゆえに予兆を知らせる。尋常ならぬ反射神経にてステップを刻みつつ、狩人は僅かながらもロマの身元へと歩みを進めていく。

 

 ただただ冷徹に狩る姿を見せる狩人に、かつて人の姿とともに失った恐れを呼び起こしたか。ギィー、と人ならぬ音を掻き鳴らして大爆発の神秘を準備するロマであったが、人であった残骸に引っ張られたのが、皮肉にもロマの逃げる最後のタイミングを潰してしまっていた。

 

 ほんの一瞬。ほんの一瞬であれば、事足りるのだ。

 

「死ね」

 

 嗚呼、嗚呼。生命を超える存在、宇宙より飛来した上位者という者共に向かって死ねだとは。たまらず可笑しくて笑ってしまいそうな気分だ。そう、狩人は思っても居ない嘲笑を抱く。

 だが殺せたのだ。殺せるのだ。気色の悪いナメクジ共にも似た何かは、青だったり緑だったり、白かったりもするが血を流す。そして弱る。故に、死ぬ。

 

 再び顔面に変形前のノコギリ鉈を振り下ろした狩人は、ガッチリと鉈の刃がロマの肉に食い込んだのを見るやいなや、ロマに跨るようにして飛び移った。そして、両手で鉈の持ち手をがっしりと握って渾身の力で引き抜いた。

 

 ノコギリ、の異名がこれほど輝いた事もないだろう。退くことで食い込んだ刃は下へ向かい、如何に上位者とはいえ存在の根幹を成す致命的な何かを削りきった。白い体液まみれになりながらも、今度は反対側に刃を滑らせた狩人に情け容赦の言葉は通用しない。

 最初は暴れていたロマも、次第に己の命が物理的にすり減らされていくという、成った者としては屈辱的な最期をおそらくは激痛とともに迎えていった。ぎこ、ぎこ、ぎこ。惹かれる度に巻き散らかされるのは、己が脳に抱いた瞳か、それともそうと錯覚しただけの蒙であったか。

 数々の人間らしい疑問は、やはり狩りの前では一つとして役に立たない。殺し合いに主義を説く暇はないのだ。

 

 ぎこ、ぎこ。ビクリビクリと死んだ身体が、おそらく神経によって飛び跳ねる。

 

 ぎこ、ぎこ。死んだ虫のように、ピクリピクリとまだ生きている部位が反応を示す。

 

 ぎこ、ぎこ、ぎこ。もう何も動かない。

 

 ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ、ぎこ……

 

 

「ハァ……」

 

 

 吐き出した息が白い空間に溶けていく。

 ねちゃりと糸を引く体液を纏ったノコギリ鉈がひどく、汚らわしく見えた。ブンと振って血糊を落とし、狩装束のホルダーに繋ぎ止めた。

 

「………」

 

 ひどく、疲弊する。疲れた。なんだというのだ。

 執拗に執拗に殺したが、結局獣と変わらない。斬れば命は削られ、切り落とせば命も落ちる。それだけだ。気色悪いだけの、化物共だ。頭痛を知らない知識を押し付けてくるだけの、害獣だ。

 

「ならば、狩ろう。己は狩人だ」

 

 よろりと立ち上がり、狩人は己の道を定めた。獣道をゆく、狩人だ。もはや整えられた道であったとしても、再び草が茂れば獣道だ。そこを獣が通った痕跡があれば、獣道だ。ならば、この細い糸のような道を探し、追いつき、狩ればいい。それで、このクソッタレた街に馴染めることだろう。終わってしまった、この街に。

 

 帰ろう、人がいる場所へ。

 ふと見上げた先には白い白い空はなく、堕ちてきそうなほどに近づいた、鮮血の如き赤い月が見下している。ひどく、腹の立つ光景だなと、狩人は自分でも驚くほど単純な感想を抱いた。

 

 視界の端に、花嫁のような衣装をした、胎から血を流した人影を見る。

 ひどく血がうずいた。沸騰するように煮えたぎる意思が全身に回ってくる。硬直したように動かない身体がただただ、この白い空間に落ちてきた赤い月を見上げている。

 意識もまた、戦いと原因不明のこの現象によってもうろう状態に陥っている。

 

「だからこそだ」

 

 意識が完全に消えかける前に、狩人は呪詛を残す。

 

「おまえも」

 

 呟く先は、ミイラのような花嫁姿の異形しか知らない。

 

 

 

 

 

 

 同時刻、オドン教会。

 安全であるはずの場所で、ヤーナムの住人たちは苦しみと共に頭を抱えてうずくまっていた。なんの前触れもなかったのだ。だが、彼らに全くの同時に異変は襲いかかってきた。

 薄暗く、優しげな月明かりは凶悪なまでに赤く染まり、差し込んだ月光はあらゆる秘匿を破った。いや、秘匿が破られたからこそ月光が差し込んだというべきか。

 

 老婆は頭を掴み、初老の男は揺れる視界に逆らい壁に手をつく。赤いボロ布の男は何かを察知したかのように怯えうずくまり、アデーラは祈りながらひどい頭痛に逆らっていた。アリアンナは酷い吐き気を催して椅子にもたれかかり胎を撫でている。

 

 そして、アヴァはうなされていた。

 傷口は盛り上がり、徐々に深い毛が生えてきている。だが包帯の下であるからか、その異変には皆気づいていない。蒼炎は変わらず彼女らを照らし続け、風に吹かれて揺らめいた。

 

「あ、あガ……ひっ……あぅ……」

 

 身を丸めて苦しむアヴァの瞳孔は、とろりと溶けて縦に開いた。かと思えば、また溶けては涙のように角膜を体外に流していく。熱をもった身の異変に苦しまないはずもなく、ろくな声も出せずアヴァは叩き起こされた痛みのままにその場で呻くことしか出来ない。無意識に、彼女の寄す処である獣狩の短銃が強く握りしめられている。

 

 最初に気づいたのはアリアンナだ。他の皆に比べれば、その胎の痛みは内側から触られた程度のもの。明確には痛みというよりも気持ち悪さの勝る感覚であったからだ。すがるように、恭也の残り火、蒼炎の燭台から松明を一本引き抜く。青い火の粉が舞った。

 普段の言動からは考えられないほど、他人に献身的な姿は彼女の本当の気持であった。己の異変よりもアヴァを優先し、椅子から落ちるように彼女の元へと這いずった。いつのまにか、胎の違和感は消えていた。

 

「大丈夫、大丈夫よ……」

 

 背中に触った瞬間、アリアンナはアヴァの身体が変形していることに気づいた。だが、すんでのところで留まっているということにも希望はあるのだろうかと、縋り付く。青い炎を近づけると、アヴァは恐れるかのようにその身を引いたが、アリアンナはそれよりも強くアヴァの肩を抱き、松明の炎から逃れられないように近づけた。

 暴れそうになるアヴァの髪の先が、蒼炎に炙られ焦げ縮んだ。タンパク質の焼ける鼻をつく匂いがアリアンナの顔をしかめさせる。だが、不思議とアリアンナが抱くアヴァの肩は、肥大化していた最初よりも小さく成っている。

 

「大丈夫だから…」

 

 人の寄す処。最後の境界。なぜだかそんな言葉が頭に浮かびつつも、アリアンナは己の子をあやすように、己に言い聞かせるようにアヴァの背を擦る。胎の違和感は完全に消えていた。

 同時に、とんだ皮肉だと彼女は己を嘲笑う。最も“ややこ”に親しい職に身をやつしながら、最も“ややこ”とは程遠い生き方をしてきた自分が、親を失った子供を、己のこのようにあやすなどと。

 愛しい我が子を、心から安心させるために寄り添うなどと。とても。

 

 矛盾と、助かりたいという打算が入り混じった彼女の複雑な気持ちは、結果としてアヴァの事態を収束させていく。盛り上がった骨格は、治りきっていない怪我口の包帯を突き破って出てきたかと思えば、まるで固まらない石灰のようにボロボロとオドン教会の床を転がっていく。ドロリと溶けた瞳は片目を失わせながらも、確かに人の形を取り戻す。抜け落ちた毛ははらりと無風の風にのって地面に堕ち、溶けるように空気へと消えていく。

 

「かっ……」

 

 愛しき人よ、退魔の尋常ならざる炎よ、どうか抗える力を。この子が抗える意思を取り戻させてください。

 

 我ら血によって人となり、人を超え、また人を失う。

 知らぬ者よ、かねて血を恐れたまえ

 恐れたまえよ。

 

 恐れは拒否となる。獣の誘いを蹴れば、獣は炎とともに燃え尽きる。

 青い炎は手のひらを見せて差し出された手を燃やし尽くし、絶叫する獣を爪と牙を残して葬り去った。

 

 アヴァは診療台の上から、それを静かに見つめていた。

 まるで、夢のように。

 

 夢は、覚めた。

 

 

 

 

 

 

 

「ここ、は」

 

 優しい炎が照らす、青色の世界。パリッと乾ききった空気。そしてあたりから聞こえる激しい息遣い。

 アヴァが目覚めたのは、いつの間にかあの運ばれていたのであろうオドン教会だった。だが待っていたのは予想とは程遠い光景だ。オドン教会は炎に包まれていた。恭也という異邦人が使っていた武器に纏わる青い炎。それが倒された燭台から布に燃え広がり、そして他の燭台からこぼれた香の原料や火種に移っていったのだろう。緩やかに、そして穏やかに青い炎はオドン教会を覆っていた。

 

「アリアンナ、さん。アデーラさん。みんな……」

 

 意識を失ったアリアンナが、銃を握っていないアヴァの手を握り、アデーラはひどく疲弊した様子で炎が燃えていない場所へと住人を避難させていた。

 

「密かなる清潔に、血の乾きだけが我らを満たし、また我らを沈める。清潔を得よ。だが人々は注意せよ。君たちは弱く、また幼い。冒涜の獣は蜜を囁き、深みから誘うだろう。だから人々は注意せよ。君たちは弱く、また幼い。恐れをなくせば、誰一人君を嘆くことはない。清潔を祝福はのぞみ、よく祈るのなら、拝領を与えられん。拝領を与えられん」

 

 疲弊しながらも、自分たちを囲む炎にむかって祈りを捧げるアデーラ。ここまで広がってしまえば、もう助からないと悟っているが故の行為か。アヴァが見渡してみれば、オドン教会の3つの入り口は総て閉ざされており、墓地へと戻る部屋の扉も、既に蒼い炎が回っている。

 

「……目覚めましたか」

 

 アヴァが起き上がってあたりを見回した姿を確認し、アデーラは祈りを止めて自然な表情でアヴァに話しかけた。

 

「これって…」

「見てのとおりです。そこの娼婦があなたを助けるために蒼い炎を使ってあなたを獣に落ちる前に引き戻しました。ですが、その直後に意識を失い、我々も酷い頭痛に襲われていたので止める暇もなく。彼女が落とした松明が、燃え広がったのですよ」

 

 もうこうなってはおしまいだと。生き残ったというのに酷い最後だと、なぜか落ち着いた様子でアデーラはひとりごちた。

 

「教会にいたあの男は、一番遠いこともあって手が届きませんでした。あなたとこの女を抱えるので精一杯でしたので」

 

 そう指差す先には、炎で見えないが、オドン教会の赤布の男がいた場所があった。悲鳴一つも上がらない。既に、燃え尽きて死んでいるのだろうか。

 

「獣に食われるよりは良い最期かもしれません。なにせ火事は……燃えなくとも、そのうち眠るように逝けると聞いたことがあります」

 

 すました顔で言ってのけたアデーラに、反論する声は上がらなかった。老婆も、初老の男も、もう精一杯だったのだ。自分を取り巻く状況がコロコロと変わる獣狩の夜に。なにより、この街で生きたものとして。

 獣に殺されるよりは上等だと、心の何処かで納得していたこともあったのだろう。どこかヒステリックな印象だった老婆も、仕方がないと言わんばかりに黙りこくっている。

 

 せっかく目が覚めて戻ってこれたというのに、災難なことだとアデーラは続けた。この炎を前にして、何もかもを諦めてしまったが故の態度は、アヴァを慌てさせる感情をすっと沈めてみせた。

 なにより、戻ってきてからというもの、妙に冴え渡る感覚に酔っていたアヴァも、どこか他人事のようにこの事態を見つめている。

 

「お父さん、お母さん。おじいちゃん」

 

 ヘンリックの遺した銃と、頭に結ばれた白いリボンだけが、親しい者を思い起こす。水銀弾すら込められていないその銃を胸にいだき、アヴァはすとんとその場に座り込んだ。涙は枯れ果てたのか、もう流れることもない。

 ただ心残りなのは、あのときに抱いた憎悪。それを獣に向ける前に、燻らせてしまった。それがなぜだか、アヴァの心の片隅に引っかかっている。

 

 それからだ、住人たちはとくにしゃべることもなく最期を待った。

 

 待った、はずだった。

 

 

 いつまでたっても、炎はこれ以上広がらない。

 炎は住人たちを焼く熱を発することはなく、ただその場で燃えている。

 

「……あれ?」

 

 そんな声を上げたのは、アヴァでもなければアデーラでもない。まして、初老の男や眠ってしまっている老婆でもなかった。ひどく聞き覚えのある、引きつったような声の男。

 

「も、燃えない……燃えちまわないなんて」

「えっ?」

 

 生きては居ないだろう。そう思っていたはずの者の声が、聞こえる。間違いなく、彼の近くにあった香の材料にも炎が広がり、アデーラが最期に見たときは特徴的な赤いボロ衣にも蒼炎が燃え移っていた。

 だが、死んでいない。

 

「ああ、そうか……あんた。あぁ。綺麗だなぁ……」

 

 男は何かと話しているようだった。いや、話すというよりは独り言だろう。絵画を前にして感嘆する人のようなものだ。ただ、全盲の男が綺麗だという感想を抱くのはおかしなことでもあった。

 

「もしかして」

 

 アヴァの頭に好奇と閃きが宿る。決して賢いとは言えない、いや、愚かな真似であると断言できる行為を、彼女は試してみようと…確認してみようとしたのだ。

 そっと炎の壁に出した手は、確かに燃えては居なかった。




(Blenderデビューしたから投稿してなかったなんて口が裂けても言えない)

きょーやどこ…?みやこどこ…?
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