二人だけが知る   作:不思議ちゃん

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あれ……めぐりんははるのんが三年で一年か……?
先輩三年、はるのん二年、めぐりん一年の絡み描きたかった…
少し忙しくなるので更新遅くなるかもです


十四話

 今度会うと決めていた日は出かける約束をとりつけて家に帰り、よくよく思い返してみれば連絡先を貰った時も先輩からだったような気がしたなと玄関のドアを開けた時にふと思った。

 あの時は連絡先を貰った喜びで他に何も考えが付かなかったし、いかにして先輩から話題を振らせるか躍起になっていたから仕方がない。

 

 気付けば自然と先輩から話を振っていたことなんて、細かく考えたらあったりするし。

 でも、今回はキチンと私に興味を持ってくれたわけだ。

 

 何がきっかけなのか知りたいところではあるけれど、この大きな変化はいい傾向にある気がする。

 勝手に勘違いして不安定になっていたのは軽い黒歴史となってしまうが……些細な問題だ。

 

「おかえりなさい、姉さん。その様子だと何かいい事があったのかしら」

「雪乃ちゃん、ただいま!」

「……すぐ抱きついてくるのをやめてくれないかしら」

「軽いスキンシップなのに」

 

 口では嫌がりながらも前ほど強く拒絶があるわけじゃない。

 それでも長く構いすぎると嫌がられてしまうから大人しく離れる。

 雪乃ちゃんへの構い方がまるで猫なのだが、果たして本人は気付いているのだろうか。

 

「それで、何があったのかしら」

「先輩の彼女だと思ってた子が妹だって分かったの」

 

 雪乃ちゃんが飲み物を用意してくれている間に私はオヤツを皿に移す。

 そしていつもと同じ位置のイスに座れば簡単な女子会の始まりである。

 

 最近、こうして雪乃ちゃんと話す時間が増えた。

 暑くなってきたから飲み物もアイスティーへと変わっている。

 涼しい部屋と冷たい飲み物で少し興奮している気分を落ち着けながら、口を開く。

 

「つまり結果論ではあるけれど、姉さんの早とちりだったわけね」

「恋は盲目っていうから、仕方ないと思うのだけれど」

「私はなった事が無いから分からない経験ね」

「それを言ったら私だってそうだったよ。でも、恋する乙女の心って難しいものだよ?」

「確かに、姉さんがあそこまでああなるなんて思ってもみなかったわ」

「それを掘り返されるのは……さすがのお姉ちゃんも恥ずかしいかな」

 

 互いにクスリと笑みをもらし、一呼吸分の間が空く。

 

「それで」

「ん?」

「先輩に恋人がいないと分かって、姉さんはどうするのかしら?」

「それは愚問だよ、雪乃ちゃん。欲しいものを手に入れるのが私だよ?」

「いつもの姉さんね」

「慣れないことしてああなっちゃったからね。やっぱりいつも通りじゃないと」

 

 先輩に好意を寄せていそうな子が何人かいそうだし。……確実に一人、断言できるのは先輩のクラスメイトだものね。

 そうでなくても先輩は少しずつ変わってきている。

 その変化でさらに増えるかもしれない。

 

 まだ多くの人は戸惑っているだろうけれど、聡い子はすでに気付いているだろう。

 多少のアドバンテージはあるだろうけれど、油断はできない。

 

「でも、難攻不落っぽいんだよね……」

「黙ったと思ったら、急に何を言っているのかしら?」

「先輩が色恋している姿を想像できないんだけど」

「それを言ったら、私も姉さんが今こうなっていることに驚きよ」

「…………つまり、落とせると?」

「私はその先輩に会った事が無いから断言はできないわ。……けれどその先輩も何かのきっかけで姉さんみたいになるかもしれないわね」

 

 確かに、過去の私が今こうなっている私を見たときの反応は何と無く想像できる。

 だからといってすぐに先輩も重ねて想像できるかと思えば、そうではないのだが。

 

「ただ、どうすれば先輩が落ちるのか」

「今までは向こうからきたものね」

 

 雪乃ちゃんの言う通り、これまでは男子の方から寄ってきた。

 そのため女子から敵視されそうだったが、それをうまくやっていくのは面倒だったなぁ……って、今これはどうでもいい。

 

 特定の男子とお付き合いしたことはないが、恋愛って立場が変わるだけでこうも難しいとは。

 

「私も雪乃ちゃんも優秀なのに、今は揃いも揃って役に立たないポンコツだね」

「その言い方は癪に触るのだけれど……」

「私の分のお菓子も残しておいてよ」

 

 否定できないからって皿に移したお菓子を半分ほど食べなくてもいいじゃない。

 

「姉さんの言う通りだから的確なアドバイスなのかは分からないけれど…………二人きりで何度か出かけて距離を縮めるのが一般的じゃないかしら?」

「んー、喫茶店で駄弁るのはお出かけに入る?」

「…………そうね。もう何度も二人で遊んでいるようなものだったわね」

 

 面倒になったのかどうなのかは分からないけれど、雪乃ちゃんが大きなため息をついている。

 

「恋愛経験ゼロの私から客観的に見ても脈があると思うから、さっさと告白してみたらどうかしら?」

「簡単そうに言うけれど、結構難しいこと言ってるよ? あと……少し、面倒になってない?」

 

 雪乃ちゃん、顔を逸らさないでお姉ちゃんと目を合わせよっか?




十三話の補足説明

〉ネックレスの意味
調べて一番最初にあったやつをまんま使いました
作者は送る意味を【束縛】【独占】と思ってますがそれは書くかもしれないifルートのヤンデレで使おうかなと

はるのんの内心
〉先輩が知らないなんてこともないだろう。
主人公は周りと絡んでこなかったため、基本的に本を読んでいます。
ジャンルの好みはなく、時に女性ファッション誌も読みます。
これまで接してきてはるのんは主人公が博識だと知ってるのでそう描写しました。
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