傭兵日記   作:サマシュ

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やっはろ。新生活で疲弊しています()
あと、30000UAありがとうございます!!なんとか頑張れそうです。

今回は怪しいやつが出てきます。
それではどうぞ。


あ、ちょっとしたコラボも書いたので……(しつこい)
URL:https://syosetu.org/novel/185223/28.html


そのに

「むふふふふうぅへへへへ……」

 

「あの……これは?」

 

 

一人の女性が一人の少女をあすなろ抱き。微笑ましい光景のはずがその少女を抱いている女性、メグ・コーマック……お嬢が犯罪者のような顔をしている為、台無しである。抱かれている少女、MP5は今一状況が掴めていない。現在俺たちは宿舎のロビーで休息中だ。何せ護衛対象がチームの一人を掴んで離さないからな。

 

 

「なーんでこんなに可愛いかなー?グリフィンも罪な企業だよねー?」

 

「ええっと……」

 

 

メグはMP5に首ったけで、ずっと抱き締めている。髪の毛を嗅いだり、埋めたり、セクハラ紛いのことを続けている。多分このままにしていたらずっと続けてるんじゃなかろうか……。彼女の顔が蕩けて来る。そろそろ止めようと俺が声をかけようとしたら、ローゼがお嬢のすぐ隣まで近づいてチョップを食らわせていた。お嬢は頭を押さえる。

 

 

「いぃったぁ……止めてよロゼ!!私は貴重な癒し成分を摂取してたんだよ!!」

 

「それでもです。皆様の前でみっともない姿を見せるのはお止めください」

 

「……はぁい、ごめんねフェンフちゃん?」

 

「い、いえ、全く問題ないです!それよりも、大丈夫ですか?」

 

 

MP5がふと彼女の頭を労るように撫でた。お嬢の目が点になる。だが直ぐ様歓喜に満ち溢れた顔になり叫ぶ。

 

 

「この娘可愛すぎーーーーーーもっと抱き締めちゃう!!!!!!!!!」

 

「きゃあっ!?」

 

「ふんっ!!!!」

 

「グェッ」

 

 

そのままMP5を抱き締めようとしたがローゼが当て身で気絶させた。俺以外が呆然とする最中、手早くMP5を丁寧に下ろしてのびたお嬢を俵担ぎで持ち上げて出入口へ行く。そしてこちらを振り向いて一言。

 

 

「お嬢様がご迷惑をお掛けしました、こちらでよく言っておきます。それと、よい夜をお過ごしになってくださいな。それでは」

 

 

ドアが閉まる。沈黙がこの空間を支配する。暫くして、WA2000が呟くように独り言を言う。

 

 

「本当に彼女民間モデルなの……?」

 

 

……俺も疑問に思うよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ジャベリン』

 

 

……んん、誰だ……?

 

 

『ジャベリン、起きろ』

 

 

何か聞いたことある声だな……?

 

 

『もしも起きなければ……』

 

 

……?

 

 

「君を好き勝手させて貰う」

 

 

 

 

 

 

 

「うおおぉおぉお!!!???!俺の体になにしやがんだぁぁああ!!!?」

 

「…………」

 

「酷い夢だった……」

 

 

水着姿のクルーガー社長が夢に出てきた。疲れてるな。せめてこの前のポチをもみくちゃにするふにゃりとした顔の代理人が出てきた夢にしてほしかった。

未だ眠いが体を起こす。ついでにスリープモードに入っていたポチも起きてきた。顔を洗い荷物からレーションを取り出して食べる。それを食べ終えた後はつなぎに着替えた。……静かにポチを連れて宿舎を出る。朝日が出始めており、目の前の道が照らされている。寒いなと、白い息を吐きながら、屋敷の前を通りすぎ、牛やら馬の居る家畜小屋へ向かう。途中、一輪車……猫車だったか?それと農業用フォークと干し草の塊を回収していった。ポチには持ちきれなかった餌を運ばせた。

 

家畜小屋へ入ると、早速牛の鳴き声が聞こえてきた。餌を御所望らしい。この農場は基本餌やりを人力でやらしている。何故かと言えば人間の仕事を少しでも増やす為だ。非効率なことこの上無いが、ジャガーソンはそれだけ雇用を増やして失業した人間を救おうとしている。

……俺手伝う必要ないよなぁ。確か百数人雇ってたはずだが。なんて思いながら餌を家畜たちにやっている。ある程度やり終えて休憩していると、一人の老人と、二人の若者がやってきた。

 

 

「精が出とりますな、ジャベリンさん」

 

「おー、じいさんか。新人研修か?」

 

「まぁ、そんなところだね。ほら、お前たち」

 

 

目の前の老人はここに仕えている執事だ。名前が分からないのでじいさんと呼んでいる。彼はジャガーソンが若い頃から仕えてる人で、彼からの信頼も高い。そんな彼の後ろにいる青年たちは、何だか何処かで見たことのある二人だった。

 

 

「あっ、はい!ボルゾイといいます、よろしくお願いします」

 

「ゾルディです。どうぞ、よろしく」

 

 

君たちあの時の武装集団の子達じゃないか…………生きてたのね。

これは日記に書くネタが増えたぞ。

 

餌やりも程ほどに、器具を片付けて宿舎に戻る。途中、ローゼと出会い、彼女から朝食を作るから早く戻るようにと言われた。それに手で応え、宿舎へ急ぐ。宿舎の入り口前で、制服を着たUMP45が柱に寄り掛かっており、俺に気づいて手を振ってきた。

 

 

「おはよう、ジャベリン」

 

「おはよう、45」

 

「その格好は?」

 

「仕事帰り」

 

「ふーん」

 

 

興味無さげな彼女を尻目に俺は宿舎に入り部屋に向かう。部屋に入り、つなぎを脱いで風呂場へと直行。そのままシャワーを浴びて、体を拭き、下着を履いて目の前に座っていたポチの汚れをタオルで拭いてやる。そのまま鼻唄を歌いながら脱衣場を出ると、45と9がソファーで寛いでいた。45がこちらに気付く。

 

 

「わお、いい身体」

 

「……何時から居た?」

 

「貴方が部屋に入ってから」

 

「ウッソだろ……」

 

 

気配もなく入ってくるとは油断できんな……というか9はなんでこっちを見て赤面してる。

 

 

「ジャベリン、私たちまだそういう関係じゃないでしょ?」

 

 

……そういや下着一枚だったわ。

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

 

「ふうむ……」

 

 

朝食を終えて戦闘服に着替えた俺は、外のベンチで脅迫状を前に唸っていた。何となく筆跡から特定できないものかと思っての行為だ。とはいえ推理小説みたく上手く行くはずもなかったので途中で投げ出した。ちなみに45たちはメグと一緒に果樹園で果物を収穫している。護衛を兼ねてのことだ。流石に何も起こらないだろう。

 

 

「……ん?」

 

 

ふと屋敷方面に続く道を見ると、じいさんと誰かが話していた。何やら火急の用なのか、ひそひそと話している。

 

 

「ポチ、集音」

 

 

隣に座ってたポチに情報収集をさせる。ポチは静かに接近して盗聴を始める。こういうのは些細なことでも情報は必要だからな。通信機をオンにして耳を傾ける。ただ距離が有るのか少ししか聞き取れない。

 

 

『_______で_______あとは_____』

 

(上手く聞き取れてないな……もう少し近付いてくれ)

 

 

ポチが近づく。

 

 

『そろそろ_____________ですな』

 

『ええ、私たちも_____________』

 

(……世間話か?)

 

『ただ、邪魔者も___________』

 

『たかが人形だ________だろう』

 

 

最初は世間話だと思ったものの、どうにも怪しい。ポチに命じて写真も撮らせておく。ポチも優秀だよなぁ……。

少しして、正面の二人組は別れて何処かへと行った。

ポチから送られてきた写真を確認する。ブレもなく撮れた写真を確認して、武器庫の専用無線を起動させ、とある人物と連絡をする。

 

 

「こちらジャベリン。スリンガー、聞こえるか?」

 

『こちらスリンガー。どうしたんだ?』

 

「今から送る写真の人物を特定してくれないか?」

 

『はぁ……ジャベリン、そういうのはスピアに頼んだらどうだ?』

 

「あいつは今国家保安局で仕事中だよ。それに解析やら何やらはお前が適任じゃないのか?」

 

『馬鹿言え、今は営業時間外なんだよ』

 

「報酬は出すぞ?」

 

『いくら?』

 

「五百」

 

『……仕方ない、やってやる。というかお前そんなにあったのか?』

 

「こちとら仕事に忙殺されて金が貯まりまくってんだよ」

 

『そうかい。スリンガーアウト』

 

 

『弓部隊』のスリンガーに写真を送る。日本のことわざじゃ餅は餅屋って言葉があったな。ポチを撫でながら一息つく。のんびりと草を食む牛を見ながらボーッとしていたら、WA2000がやって来た。お嬢はどうしたのか聞いたら、45に手を出して45とローゼに殴られて気絶したらしい。全く、彼女らしいな。

 

 

「誰かと話していたようだけど、何してたの?」

 

「仕事の話さ。知り合いにその筋のやつが居てね」

 

「ふーん……そういえば、貴方って何でグリフィンに雇われたの?」

 

「……上司が勝手に俺を出向させたんだ」

 

「……大変ね。隣座るわよ」

 

「おう」

 

 

隣にWA2000が座る。彼女の膝の上にポチが乗ってきた。

 

 

「あっ……」

 

「気に入られたな」

 

「……五月蝿いわね」

 

 

そう言いながら彼女は優しい目をしてポチを撫でている。ポチは撫でられて気持ち良さそうだ。本当、素直じゃないよな彼女……。

俺は気持ちのいい日差しと久々の澄んだ空気に微睡み始めた。気持ち良さそうに目を閉じてリラックスしていたら遠くから騒がしい音が聞こえてくる。

 

 

「ジャーベーリーーーーーーン!!!!!」

 

「……ワルサー離れてろ」

 

「え?」

 

「いいから」

 

 

ワルサーがポチを抱えて離れる。お嬢がこっちに向かって走ってきたのだ。俺は腰をあげ身構えて待ち受ける。お嬢が跳び跳ねて俺へと飛んでくる。それを俺は巴投げで更に向こうへ投げた。

 

 

「うひゃぁあぁああぁあ!!!!」

 

 

ゴロゴロと転がるお嬢。数m転がってからぴょんと跳び、綺麗に着地をした。アレ、何処かの競技会なら全て十点ってレベルだな……。若干引きながらこちらに歩いてくるお嬢を見た。隣のWA2000は呆れながらも少し心配をしてた。

 

 

「45たちに殴られて気絶したって聞いたが、随分と早い復活だな?」

 

「あれくらい慣れたものだよ、ジャベリン。それよりも」

 

「?」

 

「私と組手しましょ?」

 

 

……これは面倒なことになりそうだな、オイ。

 

 

 




ジャベリンくん護衛対象に容赦ない気がする……。


非常に申し訳ないのですが、暫く不定期更新にさせていただきます。どうにも身体が新生活に慣れてないせいか、執筆が上手く進まないのです。安定し始めたらまた三日に一回で行こうと思います。何かあったら活動報告にやっておきますので、どうぞよろしくお願いします。

ではでは、感想、評価は作者の心の支えとなります。ぜひともくださいな。それでは!!

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