今回はカカオの錬金術師様作『元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん』URL:https://syosetu.org/novel/179549/
でD08地区基地の結婚式にジャベリンくんが警備へ向かいます。
時系列がおかしいですが、それは悪しからず()
そして更に、HIKUUU!!!様作『IM NOT MAN.I AM A DEAD MAN』URL:https://syosetu.org/novel/176945/
という作品とも軽くコラボしております。どちらも面白いお話なので是非ともどうぞ!
それではどーぞ!
コラボ系統は☆マークつけときます。
「警備任務ぅ?」
「そうだ」
暗殺任務を終えて数日後『
バイクに乗ってまた自然保護区に行こうと思ってた矢先に仕事の話だ。ついてない。
最近はまともに家へ帰ってないせいでベランダで育てている野菜がお化けになってる。ポチに収穫させようにもアイツにそんな事出来るはずもないしヘリアントスさんにでも頼んでおこうか……。
まあそんな事は置いといて仕事の話だ。
「それで、何処に行けばいいんだ?」
「グリフィンのD08地区の基地だ。あそこで結婚式が有ってな、一日のみだが行ってほしい」
「結婚式……服装はどうする?正装なんて何処にあるか忘れたぞ」
「そこについては問題ない。あそこは結構緩くてな、雰囲気を壊さない程度なら大丈夫だ」
「了解、銃は?」
「M4でも持ってけ。あとはサイドアームに何かあればいい」
「はいよ」
「あとお前の他にも傭兵が来るらしいから仲良くな」
「分かってる」
最低限の情報を聞いて社長室から出ようとして、ドアを開けたら、ドアに身を預けて盗み聞きでもしてたのかパイクとパルチザンが部屋に転がり込んだ。
「何やってんだお前ら……」
「いや、へへ……」
「結婚式の警備とか羨ましいですね隊長。何か料理とかパック詰めしといてくださいよ」
パイクはばつが悪そうに、パルチザンはさも当然かのように料理を貰ってくるように要求してきた。
社長に目配せをしたら特に問題ないとでも言いたいのか容器を俺に差し出した。
「……はぁ、分かったよ。俺ばっかり良い思いなんてできねぇからな」
「よっしゃー!!やっぱ隊長最高!!フカヒレ頼みますね!!」
「勿論キャビアもですよね??」
「お前ら遠慮って言葉知ってる???」
「序でにフォアグラも頼むぞジャベリン」
「は?????」
面倒な仕事が増えちまった。
あとそれら絶対無いって。
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「ここかぁ……デカいなぁ」
タクシーのおっさんに怪訝な目で見られながら自宅から数時間。俺はD08地区の基地の門の前に立っていた。ポチは残念ながらお留守番だ。
それにしても凄いなここ……今日が結婚式ってのもあるんだが中々豪勢だ。ドローンが飛び交ってた。
感心してその光景を眺めながら指定された場所まで歩く。世話しなく色んな人が走り回っており、準備は着々と進んでいるのだろう。
指定された場所に到着し、端末を弄りながら立っていると、大きな影が俺を覆う。顔をあげてみれば目の前には大男。
「どおっ!?」
「……お前が武器庫のジャベリンって奴か?」
「お、おう……PMC武器庫所属のジャベリンだ。すまねぇさっきは驚いて」
「いや、慣れてる。俺はデッドマンだ、よろしく頼む」
「ああ、よろしくな」
デッドマンと名乗る目の前の男、身体はサイボーグのようで、雰囲気が中々の“凄み”があった。この男はどれだけの修羅場を駆け抜けたのやら……というか俺居る必要あるの?いや、目は多い方がいいか。それにしてもこの人強そうだよなぁ……うちの社長と同等か?
デッドマンを見ながら考えを巡らせていたら、彼は不思議そうに首を傾げた。
「俺の顔に何か着いてるのか?」
「ん、あーいや考え事をしてたんだ。何も着いちゃないよ」
「そうか」
彼から視線を外し、結婚式準備の喧騒を眺めながら待つ。
暫くして、一人の戦術人形が声を掛けてきた。その戦術人形は『コルトSAA』という西部劇に出てきそうな出で立ちのハンドガンだった。彼女から今回の仕事の詳しい内容を改めて聞いた。
「改めてご紹介を、コルトSAAです!それじゃあ警備をお願いしますねー!あとコーラいります?」
「ん、要請を受けてPMC武器庫からやって来たジャベリンだ、よろしく。あとコーラは結構だ」
「右に同じく要請で来たデッドマンだ。報酬分は働く」
ごめんな、紅茶持ってきちゃったから……。
少し落ち込むSAAに申し訳ない気持ちになりながら仕事に取りかかる。最初のうちは正門に立って見張っていたが、来客が一通り来たら今度は基地周辺を回ることにした。
「畑が有るとは……S10地区とは大違いだ」
少し歩いた先で、目に入ったのは森を切り拓いて作ったのであろう畑だった。多くの作物が栽培されており、みんな元気に育っている。
「畑か……お嬢にちょっと色々相談してみるか?」
でも前線付近に戻ったらそれはそれで俺が危ない気がするんだよなぁ……まあいっか。
『ジャベリン、聞こえるか』
「おう、どうしたデッドマン?」
『この基地の奴らから披露宴に参加するよう言われたんだが、お前は?』
「特になにも言われてないが……まあ何も危険はないし、俺も向かう」
『了解、デッドマンアウト』
畑を作ってみようか等と考えていると、デッドマンから披露宴に来るように通信が入る。
そういやタッパー詰め頼まれてたな、とか思い出してそのお誘いに乗って会場まで急ぐ。
「社長はどうでもいいとして……ちゃんとパイクたちには美味いもの持って帰ってやらねぇとな」
数分ほど走って、会場に到着する。会場に設置されていたテーブルの上には様々な料理が置かれており、どれもこれも匂いだけで美味しいということが直感出来た。行き交う人々の間を料理をちょいちょいタッパーに詰めながらすり抜けていく。俺結構失礼なことしてるね、うん。
取り敢えずは人一倍目立つデッドマンの所まで行った。
彼は俺が持っている複数のタッパーを見てちょっと顔をしかめるように俺に聞く。
「ジャベリン……それは?」
「ん、あぁ部下に頼まれてな。失礼なのは承知でタッパー詰めしてたんだ」
「お前……」
「許せ許せ、折角の目出度いことなんだし無礼講だろ?」
俺が少しおどけて言う。彼は呆れるように額をおさえるが、すぐに持ち直した。
「……まぁいい、俺もちょっとだけ浮かれてるからな」
「そうなのか?」
「まあな」
「あ、そうだ。これ貰ってくれ」
「これは……名刺と、煙草?」
「そそ、結構良いやつだ。あと名刺に連絡先書いてあるからさ、金がある時にでも電話するといいさ。それじゃ」
そういえばと、俺は半ば強引に彼へ武器庫の連絡先の入った名刺とお近づきの印に使ってない煙草を渡す。
困惑する彼を尻目にまた俺は人の波へと入り込んでいった。それにしても色んな人やら人形が居る。複数の人形と話している恐らく未成年であろう指揮官や、雰囲気が何だかうちのとこのガンスミスと似たような男、その男と言葉を交えている指揮官らしき人間と人形。416や45に似ている戦術人形たち、酒を浴びるように飲んでいる戦術人形、トンプソンとイチャついてる指揮官……数えきれん……いやはや、ここの指揮官は顔が広いな。
それはともかく、飯だ飯。こんな美味そうなものを食べない何て損だからな。
偶然目に止まった料理……フランス料理か何か?を摘まんで食べた。
「おお……めっちゃ美味い……」
こんなに美味いものを食べたのは久し振りだ。この任務来て良かったとさえ思う。本当に美味い、語彙力が無くなるぐらいに美味いんだけど。
無心に料理を食べ続けていたら、ふとこの基地の指揮官と、今回の結婚式の主役だったであろう『HK417』という戦術人形の少女がやって来た。挨拶回りだそうだ。軽く話しながらふと指揮官の後ろを見たら、何だか見たことあるような…………っ!??
「くぁwせdrftgyふじこlp!!??!????!!!??」
「うおっ!?」
「だ、大丈夫ですか!?」
な、何でっ!!何でハイエンドモデル居るの!!!???え????えぇっ!????!?
取り乱す俺に驚いた二人から必死の説明を受ける。何とか落ち着いた俺は水筒の紅茶を飲んで一息ついた。指揮官とHK417からこの披露宴を楽しんでもらうように言われ、別れた。
そしてその別れ際、後ろに居たハイエンドモデル……ヴィオラから武器庫が落としたものであろうものを渡された。
……これスピアのライターじゃないか。何やってんだあいつ。
というか、グリフィンって案外ハイエンドモデル鹵獲してるのだろうか……?
一応は落ち着いて、改めてまたこの披露宴を楽しむことにした。ふと、足元に何かが当たる。
「……ダイナゲート?」
そう、ダイナゲートだ。構って欲しそうに俺を見上げている。
俺はしゃがんでこのダイナゲートを撫でてあげた。気持ち良さそうにしている。……ダイナゲートって可愛いなやっぱり。
「ポチには内緒だぜ?」
何となく名も知らぬダイナゲートにそんな事を言う。そいつは言っていることが分かってないのか、小首を傾げるような仕草をしていた。うわぁ、これまでにないほど可愛い。
そんなダイナゲートを撫でながら過ごしていると、大きな音と共に花火が上がる。その花火はガトリングで打ち上げているようなレベルで沢山の花を開かせており、とても綺麗だった。どうやらこれが最後の余興らしい。これが終わったら、皆ぞろぞろと帰り始めた。俺も帰ろうかとたまたま近くに居たSAAに帰っていいのか聞いてみたら、特に問題はないらしい。
よし、なら帰ろうか。
俺はSAAに別れを告げて歩き始める。式場はまだ熱が冷めきってないのか、少し騒がしい。
門を出てすぐ近くでタクシーを拾った。そのまま乗り込んでちょっと武器庫へ直行する。また数時間ほど車に揺られて到着。運転手にお金を払って、足早にパイクたちの部屋に行った。
部屋にはパイクとパルチザンと、何故か社長が居た。
「隊長が帰った来たぞー……って何で社長が」
「任務の打ち合わせだよ」
「おっ、おかえりです隊長!フカヒレ有りました?」
「ねぇよ全く……でも料理はクソ美味かったぞ。ほれ」
「おおっ……」
「ボルシチじゃないんですね……」
「文句言うなら食べるなよパルチザン?」
「食います」
パイク達にタッパーを渡す。彼らはそれを直ぐに開けて食べ始めた。すっごい顔が幸せそうだった。
社長にもタッパー詰めしたものを渡したが、手で押し返された。何でか理由を聞くと、
「医者に塩分が多いものを控えるよう言われてな……」
と寂しそうに言った。流石にそれは……笑う。
やることを終えた俺は任務に持っていった銃やら装備をまだ銃整備をしているガンスミスに預け、今度は会社を出て自宅へ向かう。勿論タクシーを拾ってだ。金が吹き飛ぶなぁ……。
車内から外を眺めていたら、端末から着信音が鳴る。誰からかと確認すればそれはフォーゲルからだった。……仕事か。
「もしもし」
『おう、ゴースト仕事だぞ』
「分かってる。内容は?」
『最近カルト宗教の奴らがうるさいらしくてな、そいつらの排除』
「あいよ」
『それと、もしかしたら他の裏社会の連中がお前と同じ仕事内容でやってくるかもしれないから衝突は避けるように』
「分かった」
『それだけだ、詳しいことは追って連絡する。じゃあな』
ぷつりと通話が切れる。
俺はため息を吐いてまた車の外を眺めることにした。
連勤は辛いぜ。
……息抜きにちょっと畑の作り方勉強しようかな。
ジャベリンくん帰宅。。。
「ただいま」
≪おかえりなさいご主人。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも辞世の句を詠みますか?≫
「……ポチ?」
≪ご主人はなかなか迂闊ですよね。私たちグリフィン側のダイナゲートには専用ネットワークが有ることを知らないなんて≫
「えっと……バレてる?」
≪そりゃもうがっつりと。意外と有名ですよご主人って……ダイナゲートを愛する者として巷では人気ですから≫
「なんだそれ……」
≪まあそれはともかく、私が居ながらにしてその狼藉、弁明ぐらいは聞きましょう≫
「いや、落ち着け。お前バグってないか?」
≪そりゃバグってますよ。他のダイナゲート達に煽られまくったらそりゃそうなります≫
「えぇ……いや、すまない」
≪……まぁ許してあげましょう。オスカー、行こう≫
「にゃー(ポチって性別なんだっけ?)」
≪性別はポチですよ≫
「にゃお……(いやわけわかんねぇよ)」
(……今さらなんだがポチってオスカーと話せるのか?)
(ダイナゲート専用ネットワークとかいう数秒で思い付いたオリジナル設定)ごめんなさい()
ちゃんと描写出来たか不安なサマシュですどーも。展開早すぎな気もしました。
コラボは楽しいのですがなかなか動かすのは難しい限りです。そしてジャベリンくん、農家に目覚めるフラグ建ちました。いつもフラグ建ててんなこの傭兵。
また何だかポチの声のイメージがハガレンのアルフォンスの声を演じた時の釘宮さんな感じになってきました(個人的所感)
皆さんは今まで通り妄想で補完を……。
さて、ジャベリンくん今度はまた暗殺任務です。実はS09地区に行くんですよ……ちょっと一波乱あります。頑張れジャベリンくん。負けるなジャベリンくん。足がつくような行為もしないでねジャベリンくん。
この作品への評価及び感想は心の友です。是非ともどうぞ!!それでは!!