エム×ゼロ 規格外の魔法使い(仮題)   作:九澄清矢

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お久ぶりです!
投稿に随分時間がかかってしまいました。。。
最近仕事が忙しかったり旅行行ったりで書く暇がなかったのですが、やっと落ち着いてきた・・・気がする!
しばらくはこんな感じになってしまいますが、どうかご容赦ください!


第12話:紛失

「・・・じゃあ俺たち帰るね」

 

「海松ちゃん、ごめんね。やっと帰ってこれたのに、寂しいけど僕と八代はいかなきゃいけないんだよ」

 

連休もあっという間に最終日となり、熊本に帰っていた巧と八代も学校に間に合うように帰る支度をしていた。

 

「やっくん、寂しーよー!あと一日いようよー!」

 

「あれ、僕は!?」

 

「いや、最初に言ったでしょ!?飛行機の都合もあるんだし、ずらせないって!」

 

八代と離れたくないのか、八代にしがみつきながら母親である海松が駄々をこねる。

 

「台風直撃しろ・・・台風直撃しろ・・・」

 

「確かに近いけどシャレにならないからやめような陽菜!」

 

「もういいから、さっさと車乗りなよ父さん、八代」

 

「ありがとう秋穂!僕を機にかけてくれたのは君だけだよ!」

 

「状況見えてるよね、秋姉!?なら母さん剥がしてくれませんかね!?」

 

「いや、めんどいし」

 

長い戦いの末、飛行機の時間ギリギリまで八代を離さなかった海松と陽菜を引き剥がし、空港に着いた八代達。

 

「じゃあ、行こうか父さん」

 

「ああ、じゃあまた帰ってくるから、元気でね!」

 

「またねー、お兄ちゃん!」

 

「巧さん、八代をよろしくね!」

 

「体調に気を付けるんだよー」

 

それぞれ別れの挨拶をし、八代達は飛行機に・・・

 

[本日の航空機にご搭乗予定の皆様へご連絡いたします。本日台風接近のため、運航を予定した航空機が一部欠航となります。詳細は・・・]

 

『・・・・・・・・・』

 

乗ることができず、一日遅れの帰宅となるのであった・・・。

 

 

 

 

 

 

「ふぁー、ねみぃ。まだ朝のHRまで時間あったし、もうちょっと寝とけばよかったぜ」

 

連休が終わり、珍しく早く起きた九澄はあくびをしながら登校していた。

 

「あ、きたきた!九澄くーん、オハヨー!!」

 

「ちょっと教えてくれない?この秘呪文が解読が出来なくてさー」

 

「この本なんだけど、九澄くんなら読めるよね?クラス違うけど教えてくれない?」

 

「いっ!?」

 

登校すると複数の女子生徒たちが魔法書を広げながら九澄に近寄ってくる。

 

「えぇーっと・・・;」

 

「はいはい、九澄への頼み事はまず俺を通してからにしてね!!」

 

「ギャー!!どこ触ってんのよ伊勢!!」

 

「もー、信じらんない!!」

 

当然読むことができない九澄が困っていると女子生徒の胸やお尻を触りながら九澄の前に出てきた。

 

「伊勢・・・お前なぁ・・・」

 

「よっ、九澄!いーなー、朝からモトモテでよ」

 

九澄が呆れながら伊勢を見ると、なんの悪びれもなくニコニコしながらそう言う。

 

「お、あれ九澄じゃね?」

 

「ホントだ、ちょっと困ってるし、力になってもらえねぇかな」

 

「なー、九澄。今ちょっと2年と問題起きててさー」

 

「ねー、九澄くんー!この魔法なんだけどさー」

 

「はぁっ!?何が一体どうなってるんだよーー!?」

 

九澄を見つけるなり各生徒たちが九澄の周りに集まってくる。

 

「九澄、ここは俺に任せておけ!」

 

「お、おう。そこまで言うなら任せた・・・」

 

サムズアップしながら笑顔で言う伊勢に若干引きながらも、この状況をどうにかしたいため、九澄は伊勢に任せることにする。

 

「まあまあ待てって!九澄に用があるなら、まずは俺を通してからにしてくれよ」

 

「なんだよお前」

 

「あー、九澄が言うにゃ、頼み事は1人1回5千円だってよ!女子なら乳モミ10秒でも良いってよ!」

 

----ドガーン!

 

とんでもない伊勢の発言に九澄は思わず壁に頭をぶつける。

 

「あー!?あいつ金取んのかよ!」

 

「うわっ、サイテーー!!女の敵ね!!」

 

「もうこんなヤツ頼んねーでむこういこうぜ!」

 

「そうしよそうしよ!」

 

各生徒が非難の声を上げながら九澄の周りから離れていく。

 

「アハハ、どーだ!みんな呆れて帰ってったぜ!」

 

「馬鹿野郎!なんてこと言ったんだよ!俺が一番呆れるわー!!」

 

「あれなら手っ取り早いだろ?今後のことも考えてお前の心を代弁してみたんだ!」

 

「俺の人格疑われるわ!何が乳モミだ!噂になったらどうすんだよ!一生誤解されんだろうが!」

 

伊勢に頼んだ時点で手遅れだったが、伊勢の説明に九澄は焦りながらそう言う。

 

「あのーー・・・、あんまりそゆ事要求しないほうがいいと思うよ。そんなんだと人格疑われちゃうよ?」

 

「いいーっ!?柊いたのか!?」

 

「愛花ー、置いてくよー」

 

「あ、待ってー。今行くよー」

 

「わー、待ってくれ!誤解なんだー!!」

 

さらっと先ほどの九澄たちの状況を目撃していた愛花がそう言い、三国に呼ばれたため走り去っていってしまった。

そんな愛花に弁明する暇もなく九澄の元を去っていってしまったため、この世の終わりのような絶望の状態に陥る九澄。

 

「気にすんな、こんくらいの事。人間だれしも恥ずかしい一面を持っているもんだって!」

 

----ズッゴーン!!

 

「うるぁあ!!星になれコラァーーー!!!」

 

「ぐはぁーーーーー!!」

 

悪びれもなく言う伊勢に、遂に九澄もキレて伊勢を吹っ飛ばすのであった。

 

 

 

 

 

「いってて、人が湧いてくるのはムリねぇーと思うぜ?お前は有名人なんだからよ」

 

「はぁ?俺そんなに目立ってるのか?」

 

吹っ飛ばした伊勢が痛そうにしながらそう言うと、九澄は心当たりがないのか首を傾げる。

 

「バッカじゃねぇの!この1・2年校舎でゴールドプレートを持った生徒なんてお前だけなんだぜ?」

 

「そ、そうなのか?」

 

「三年でも持ってるやついないかもしれねぇのに、1年からそれを持ってるんだから注目浴びるのも無理ねぇだろ?」

 

「ま、まあそうなんだろうな」

 

「だからここじゃ今2年差し置いて、お前が魔法の実力NO.1ってことだ!ある意味暫定ボスのポジションって感じ?」

 

「ボスだぁ!?そんな偉い人になってんの俺?!」

 

伊勢から飛び出す様々な発言の後、最後のボスの単語に驚きを隠せず言葉にする九澄。

 

(あー、でも伊勢の兄貴もそんなこと言ってたな・・・)

 

この校舎に入る前に初めて伊勢兄にあった時の言葉を思い出す。

 

--この魔法学校じゃ魔法力が劣る下級生は上級生に絶対服従なんだよ・・・

 

確かに魔法力が違う1年と2年では、抵抗したところでほぼ上級生が勝つであろう。

そのため、下級生は上級生に向かって強くでることができないというわけだ。

 

「お前がいるおかげで2年の1年イビリがかなり少なくなってるようだし、あとは例のプレート強奪魔もいなくなってくれればなぁ」

 

「は?なんだそれ?」

 

「いっ!?おめー、知らねーのかよ!?1年にケンカ売ってプレート奪ってく2年がいるんだよ!最近被害が急増してるってよ?」

 

「はぁ!?聞いたことねぇぞそんなやつ!」

 

プレートを強奪する生徒がいるという事実に九澄は過剰に反応してそう言う。

 

「さっきの取り巻きはきっとその口だと思うぜ?プレートを持っていかれても本人以外にゃ使えないから旨みはないけど、どんな理由でもプレートを失くした生徒は魔法ポイント減点だから持ってかれたやつにとっちゃタマンネー話ってわけさ」

 

「で、でも流石に犯人も返してはくれんだろ?」

 

「まあ完全に失くしちまうと学籍も失いかねねーからな。犯人もそこまではしねーそーだけど、そン代わりひっでー場所に捨てて返却するんだってよ。トイレの便器の中とか、ゴミ箱の中とかみたいだからもーイジメだよな」

 

(マジかよ、そんなのがいるのかよ。やっべー、俺のプレート持ってかれたら即死モンなんだけど・・・)

 

伊勢の話を聞きながら自分に置かれた状況を思い出す。

九澄が持っているダミープレートは生徒では本物と見分けはできないが、魔法教師はプレートを識別することができるのだ。

そのため、紛失したプレートを見つけた際は所有者の内部情報を確認することとなるため、柊先生以外に識別されてしまった場合は厄介なこととなるのだ。

 

「ま、注意してりゃあダイジョブかな・・・」

 

「アハハ!まあ流石にお前相手にケンカなんて売ってこないだろうけどな!」

 

「あ、ああ。そうだよな」

 

内容を理解した九澄に、伊勢は安心しきったように笑いながらそう言う。

 

「ねぇー、君たちーー!ちょっと待ってー!」

 

「ん?なんだ?」

 

後ろから声が聞こえてきたため振り返ると、2人の女子生徒がこちらに向かって声をかけてきていた。

 

「キミ、九澄大賀君だよね?ゴールドプレート持ってるって1年生の」

 

「あ、ああそうだけど」

 

「やっぱり!ねーねー、私たち新聞部の2年なんだけど、向こうでお話聞かせてほしいんだよね!本校舎で魔法実力No.1の生徒!ついでに魔法も見せてほしいんだけど!」

 

「いや、魔法はちょっと・・・」

 

「いーじゃん!!ねー!」

 

2年の女子生徒に双方から腕を掴まれて照れつつも、魔法を見せてほしいという言葉に九澄は戸惑いながらそう言う。

 

----ピコン!

 

(・・・え?あれ?なんだこれ、力が入んない?)

 

「さ、いこう?そこのキミも一緒に来る?」

 

「い、いーんスか!?よっしゃ九澄いこうぜ!」

 

「いや、俺はイヤだって!あとこいつらなんかおかs・・・」

 

「いーからいーから!早く早く!」

 

伊勢に引きずられながら九澄が2人の女子生徒を見ると、その顔がニヤリと笑みを浮かべたように見えたのだった。

 

 

 

 

 

----ピコーーーーン!!

 

----ドサッ!ドサッ!

 

「おっと、あったぜ。マジゴールドだぜこいつ!」

 

ハンマーを持っていた女子生徒の前には、ピクピクと痙攣しながら倒れている九澄と伊勢の姿だった。

 

「マジか!記念の20個目、めっちゃ大物で飾れたな!新聞部作戦大成功っと!」

 

「ああ、案外チョロかったな!」

 

----パンッ!パンッ!

 

ニヤニヤしている2人の女子生徒の顔がどんどん崩れていき、破裂したと思ったら男子生徒の顔となっていた。

その一人の男子生徒噛んでいたガムが変幻自在に動いている。

 

「俺のガムは対象を覆うことで一定時間どんなものにでも変化させることができる魔法だからな。女に化けたらこいつら油断しまくりだったし」

 

「お前はいいけど、俺はお前の噛んだガムを体に張り付けなきゃいけねーのがツレーけどな。それにしてもお前が高い声出せて助かったぜ」

 

「任せとけって!俺こういうのはマジ得意だからよ♪(高音)」

 

ガムを剥がして2人の男子生徒はケラケラ笑いながらそう言う。

 

「けっ、1年のくせにGプレートとかナマイキなんだよ!せーぜー、必死になって探すんだな!」

 

「しかし、女装までくるとこの遊びも手が込んできたな。Gプレートが相手だから下手に魔法を使われるとこっちがあぶねーわけだから仕方ないっちゃ仕方ないんだがな」

 

「まあな。ところでどうするよ、このGプレート。どこ捨てる?」

 

「ケケケ、そーだなー」

 

二人は着替えを済ませた後、九澄と伊勢から奪ったプレートを上に投げながら去ろうとする。

 

「待・・・て・・・コラ・・・」

 

「「っ!?」」

 

「何・・・しや・・・がんだ・・・おめーら・・・!!」

 

「なっ!?こいつ気が付きやがったぞ!?」

 

2人が振り返るとふらふらしながら意識を取り戻した九澄が物凄い顔でこちらを睨んでいた。

 

「お前、ハンマーの加減間違えただろ!?」

 

「こいつ、もういっぱつーー!!K・Oハンマーーーーー!!」

 

----ピコーーーーン!!

 

「うわぁーーー!?」

 

----ドサッ!

 

ハンマーに殴られ、九澄は吹っ飛ばされる。

 

「やべっ、顔見られたかな!?これってヤバくねーか!?」

 

「知らねぇーよ!?とにかく逃げっぞ!」

 

「プ・・・プレート・・・かえ・・・せ・・・」

 

逃げる二人が去った後、九澄は気力を振り絞りながらそう呟くしかなかった。

 

 

 

 

 

「お父さん?今日は休みだよ?」

 

「はぁっ!?ウソだろ!?」

 

「あはは、昨夜食べたサバが当たっちゃったみたいでね。今寝込んじゃってるんだよ」

 

「だーー!こんな時に使えねークソオヤジめーー!!」

 

気絶してから数十分後に目を覚ました九澄は一目散に職員室に向かったのだが、柊先生がいないことを知って教室にいる柊に聞くが、現状は非情なものであった。

 

「そうだ!なぁ、八代は教室来てるか?!それともまだ蔵書室にいるのか!?」

 

「んー?八代は今日休みって聞いたよ?」

 

「えーーー!?なんで?!」

 

八代の名前が出たので桃瀬が答えるとその声に反応して九澄が聞き返す。

 

「なんか連休中に熊本帰ってたみたいだけど、向こうは台風直撃してて飛行機動かないみたいだから今日学校来れないって、相川先生が言ってたのよ」

 

「マジかよー!あいつだけが頼りだったのにーー!!」

 

「さっきから叫んでるけど何かあったの?」

 

桃瀬の言葉に九澄は膝から崩れ落ちながら叫び、なにかあったのかと柊が聞いてくる。

 

「それがよー、俺らプレー・・・むぐっ!?」

 

「アッハハハ!なんでもねーから!!じゃましたなー!!」

 

何かを口にしようとした伊勢の口を塞ぎながら、あからさまに教室を出ていく九澄を柊と三国は見送った。

 

「・・・なにかあったな」

 

「うん」

 

 

 

 

 

「プレートの事は誰にも言うなよ・・・」

 

「で、でもよー」

 

教室を離れて九澄と伊勢は人気のない場所で話す。

 

「くっそーー!言ってたソバからパクられるなんて自分のマヌケさ加減に腹が立つ!!でもあいつらのツラはしっかり覚えてる!絶対見つけるぞ!」

 

「見つけるって、俺たち2人でかよ!?」

 

「ったりめーだろ!!2人でプレート取り返すんだ!!」

 

2年が相手だということにしり込みする伊勢に対して、怒り奮闘の九澄はそう言いながら2年がいる教室に向かって歩いていくのであった。

 

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