エム×ゼロ 規格外の魔法使い(仮題)   作:九澄清矢

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第7話:班編成

 

あの家庭科室騒動がおきて数日、九澄大賀は晴れて聖凪高に編入することができた。

 

「じゃあ俺魔法使えないの!?」

 

「そういう事です」

 

そんな中、朝早くから呼び出された九澄は八代、柊先生とともに校長室でプレートに関する説明を受けていた。

 

「マジックプレートというのは使用者がプレートに必要な分魔法術を記録し、『魔法特区』で生まれる魔力を使って実行する。いわば魔力の記憶装置なんです。魔法はその効果・時間で使用する容量が異なりますし、大きな魔法ほど複雑な記憶が必要となりプレート容量を食います。レベルの低いプレートでは扱えない事もあるでしょう。そのため、各生徒には個人証もかねて魔法能力に合わせたプレートが支給されますが、新たなプレートはいつでも作れるワケじゃないのです」

 

「今はできねーの・・・?」

 

「ええ、プレート自体が最高の魔力を用いないと生み出せないため、この聖凪山の魔力が高まる特定の時期でなくてはプレートを生産する事ができないのです」

 

「じゃー俺とーぶんただの人でこの魔法学校で過ごすのかよ!!・・・うっそー!!」

 

校長がプレートの説明をすると、悲鳴に近い九澄の言葉が校長室に響きわたる。

 

「つまり正体を知られずにやっていくには事情を知る俺達の協力が不可欠という事だ」

 

(こ、このやろう・・・!自分のクビだってかかってんだろーに主導権は自分が握ろうってか!)

 

柊先生がそう言うと九澄は嫌な顔をしながら威嚇する。

 

(なんてナマイキなガキだ・・・!置物に変えて男子便所の便器横に飾り付けてやろうか・・・!)

 

(クソオヤジ・・・!校外連れ出して桜並木の肥料にしてやりてぇぜ・・・!)

 

「「ニヒッ・・・ニヒヒヒ」」

 

「気持ちわる・・・」

 

「別のところでやっていただきたいですね・・・」

 

悪い笑みを浮かべながら睨みあう二人を見て、八代と校長はため息をつきながらそう言うのであった。

 

 

 

 

 

「ったく、早朝からなんで呼び出されたのかと思ったら、魔法が使えないってだけでもショックだったのに、魔法使えない状態でしばらくは魔法を使えるふりをしなきゃならないなんてよー。八代はいいよなぁー、ゴールドプレートだし魔法使いたい放題じゃん」

 

「お前に巻き込まれる俺の身にもなれっての。まあ先生がいるおかげでお前の練習に合わせて堂々と魔法練習できるから引き受けるけどさ。とにもかくにも、お前は柊先生と一緒に魔法が使えるふりの練習しとけよ?今日で基礎期間が終わって俺たちも来週から本格的に魔法授業に入るんだから、このハッタリすら出来ないんじゃお話にならないんだからな」

 

校長室での話が終わった後、八代は九澄の魔法練習(ふり)の手伝いをしながら二人で教室に向かう。

 

「わ、わかってるよ。でもよー、なんで班まで違わなきゃならねーんだよ。一緒の班じゃないとフォローできねーじゃんか」

 

「まあ普通はそうだな。けど俺がフォローするなら魔法以外の部分になるわけだから、その場合はむしろ同じ班じゃないほうが都合がいいんだよ」

 

「ん?どういうことだ?」

 

「そもそも俺の場合はお前の魔法に対するフォローが難しいんだよ。俺のプレートはGプレートだけど表面上はRIプレートだろ?そしてお前が魔法を使用する場合、必然的にゴールドクラスの魔法が使用されなきゃいけない。仮にゴールドクラスの魔法でなくても、投げるにしろ魔法解除するにしろ、使用されるプレートはRIプレートになっちまう。つまり俺の場合、本来ありえないことが起きちまうんだよ。ゆえに俺がフォローできない以上、魔法に関してのフォローの場合は俺より同じGプレートである柊先生のほうが適任ってことだ」

 

そう、八代のプレートは本来であればGプレートなのだが、現状表面上はRIプレートなのだ。

また、プレートは魔法解除した場合、持ち主の手に戻るようになっている。

そのため、魔法を使用した際、投げた時に判別できなくとも、魔法解除の際は必ず手に戻る。

この場合、プレートが戻る際は九澄の近くにいることでそのプレートを九澄が取れば済むのだが、そのプレートはGプレートでなければならない。

これにより、八代は九澄の魔法に関するフォローが難しいのだ。

 

「な、なるほど」

 

「それにGプレートなのに俺が同じ班で横から助言したら逆に怪しまれかねないだろ?だったら最初から違う班で隠れながらフォローしたほうがリスクも低いんだよ」

 

(まぁ、理由は他にもあるんだが・・・)

 

「で、でもよー、やっぱ知り合いがいたほうがいいじゃんか。一人じゃ不安なんだよなぁ」

 

「なに女々しいこといってんだ。お前が無理言って入るって決めた学校だろ。なら、なんでもかんでも頼ってないで、自分で切り開いていくしかないだろ」

 

「・・・んー、まあそうだな。それに最終的には自分で決めなきゃいけないんだよな。・・・おし、いっちょやってやるぜ!」

 

「(単純な奴・・・)。その意気だ、大賀」

 

気合を入れなおした九澄に、八代もそう言いながら二人は教室へと入っていくのであった。

 

 

 

 

 

----キーンコーンカーンコーン

 

「おや、もうそんな時間でしたか。では今日の授業はここまでとしましょう。下田さん、号令をお願いします。」

 

「はい。起立ー、礼」

 

時刻は過ぎ、授業が終了するチャイムが鳴ったため相川先生が下田に合図をして、下田の号令とともに本日最後の授業が終了した。

 

「下田さん、ちょっとお願いがありますので、職員室まで一緒に来ていただけますか?津川くんもプリントを運んでほしいので一緒に来てください」

 

「あ、はい。わかりました」

 

「了解ですー、先生!」

 

そういうと相川先生とともに下田と津川が教室から出ていった。

 

「ふぁ~、眠ぃ・・・」

 

「ねぇ八代ー、あんた班編成は誰かと一緒になるか決めてたりする?」

 

「ん?別に決めてはいないぞ。誰とだって一緒に勉強するだけだしな」

 

「よかった、まだ決まってなかったのね」

 

今朝が早かったため八代があくびをしていると桃瀬と出雲がこっちを向いて話しかけてくる。

 

「次のHRで班編成を決めるじゃない?だから今のうちにあんたを誘っておこうと思ってね!あたしと出雲とあんたで一緒にやろうよ!ほら、やっぱ知ってる者同士で組みたいじゃん♪」

 

「八代くんなら色んな魔法勉強してて頼りになりそうだし、成績優秀だもんね」

 

「別に構わないが、班は5人だろ?あと二人はどうするんだ?」

 

八代は軽く承諾し、桃瀬と出雲に残り二人について尋ねる。

 

「ホントはやっぱりGプレートである九澄くんを誘っておこうと思ってたんだけど、同じことを考えている人なんていっぱいいるし、競争率高そうじゃない?取り合いになるのも面倒だし、別の人を誘おうと思ってるのよ」

 

「ああー、確かにな。俺もあいつとはよく喋るけど面倒なのはゴメンだし、別の班にしようぜって話はしてるから問題ない」

 

出雲が苦笑しながら話すと八代はこれ幸いと思いながら同意する。

 

「そこのユッキーでいいんじゃない?魔法だけは優秀だし、なんだかんだでいつも喋ってるもんね」

 

「んだよ、魔法だけはって。まあ早く決まる分文句はねぇし、八代がいる分楽できそうだからいいぜー」

 

「おい待てコラ、聞き捨てならんぞ孝司」

 

八代が文句を言うが、桃瀬の誘いに孝司も承諾する。

 

「あともう一人なんだけど、私は氷川さんを誘おうと思ってるんだけどどうかな?」

 

「俺は向こうが大丈夫なら別に構わないぞ」

 

「私も問題なし!てか文美ちゃんや、今日子ちゃんならもう誘ってあるよ♪」

 

「はやっ!?まあ桃が誘ってるんなら問題ないだろうけど」

 

出雲が提案した内容は桃瀬がもう解決しているようで、氷川さんを含めればこれで5人の班が決定したということだ。

 

「そういえば委員長は誘わなくて良かったのか?お前らいつもよく喋ってるじゃん」

 

「委員長はもう班決まっちゃってるのよ。私たちよりも先に津川くんが人を集めてたみたいで」

 

「あらら、まあそりゃ仕方ないわな」

 

「あいつもムードメーカーだから、いろんな奴と話してるだろうし、こういう人選は早いんだろうよ」

 

孝司の問いに出雲が説明しすると、八代と孝司も納得して苦笑する。

 

 

 

 

 

----キーンコーンカーンコーン

 

「えー、相川先生ですが、他の先生に呼ばれこれからのHRに出られないということですので、代わりに委員長である私が進行します。以前から先生からご連絡があったように、魔法授業も本日で基礎期間が終了となりますので、来週から授業が本格化します。そのため本校では通例通り、これから班編成で授業を受けることとなります」

 

相川先生がいないため、委員長である下田が本日のHRの説明をしていく。

 

「各班は男女5人程で集まってもらいます。共に授業を受ける仲間として、得手不得手をカバーし合える友達で組むと成績にも有利ですので、よく考えて仲間を決めてください」

 

だが、そんなものはお構いなしと、ほかの生徒はゾワゾワと今にも何かの合図を待つかのように落ち着かない様子で座っていた。

 

(ふわぁ~・・・。気持ちはわからんでもないが、そんなにあいつが欲しいかねぇ・・・)

 

八代は内心ため息をつき、あくびをしながら後ろで寝ている大賀を見る。

 

「では、このHRの時間は各自で班を決め・・・」

 

ガタガタガタガタッ!!

 

「九澄ーーーーー!!!」

 

ドドドドドドドドド!

 

委員長が言い終わる前に周りの生徒は席を立って九澄の席へと向かうのであった。

 

「・・・まるで嵐だな」

 

「違いない」

 

ボソッと呟いた八代の言葉に孝司が同意しながらそう言う。

 

「九澄くん!私と一緒に班にならない!?」

 

「九澄!一緒の班になろうぜ!」

 

「・・・ん?えっ!?なにっ!?なにっ!?」

 

九澄が起き上がるとほぼ全員が九澄に対してアプローチをかけてきていた。

状況が把握できず、九澄は困惑しながら流されている。

 

「何言ってるのよ!私と組んだほうがいいに決まってるじゃない!?」

 

「ズリーぞ!!自分の班に九澄入れて得しよーとしてんだろ!!」

 

「お前だってそうだろうが!」

 

「俺がもらう!!」

 

「いや、俺がもらう!!」

 

「ちょっ・・・ちょっとー!」

 

次第に取り合いが始まると、てんてこ舞いになりながら、九澄は左右から引っ張り合われる。

 

(・・・よかった。俺Gプレート隠しててホントによかった)

 

そのカオスな現場を目の当たりにし、八代は自分がGプレートだと公言していなくて本当に良かったと心の底からそう思ったのであった。

 

「ありゃりゃ、こりゃ九澄くん大変だわ~」

 

「お気の毒ね」

 

桃瀬と出雲もその現場をみて苦笑しながらそう言う。

 

「桃、出雲。来たよ」

 

「あ、今日子ちゃん来た!これで5人1組だね♪」

 

「氷川さん、これからよろしくね!」

 

こちらにきた女の子がこちらに来てそう言うと、桃瀬と出雲が嬉しそうに歓迎する。

 

「ああ、宜しく。あと2人はこっちの男2人?」

 

「そう、八代とユッキーだよ」

 

「席も遠いしあまり話したことなかったよな。冬木 八代だ。みんな呼んでるし、氷川さんに任せるけど「八代」で良いぜ。これからよろしくな」

 

「俺をそう呼ぶのはお前だけだ、桃。ああ、俺は雪比良 孝司だ。俺のほうも「孝司」でいいぜ。よろしく頼むよ」

 

「ああ、二人から聞いてるかもしれないけど氷川 今日子よ。宜しくね、八代、孝司。私はどっちでも構わないから好きに呼んで」

 

八代と孝司の自己紹介に氷川も頷きながらそう言う。

 

「だぁーーーーー!うるせーーーーーー!勝手に騒いでんじゃねー!」

 

「・・・あっちはまだ掛かりそうだな」

 

「・・・そだね」

 

九澄の叫び声が教室に響き、八代と桃瀬は苦笑しながらその光景を見守るのであった。

 

 




現在少々忙しい日々が続いているため、次の更新は3週間後の6/24(月)とします。余裕があればそれより前に更新も検討中です。
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