作中の戦車の数え方は「台」にしています。
町に来たのは私達を入れて6台、上手く分散したと思う。
中央砂漠では既に戦闘が始まっているが、まだ被害は出ていないようだ。
建物に隠れながらゆっくりと進んでいると、複数の敵の姿が見えた。
誰かが見つけて戦闘を開始したらしい。
:見えた!
:味方が見つけたんだな
「お嬢様、今見えてる敵狙える?」
近くに居るネムがそう聞いて来る。
隠れてはいるが車体の後ろが見え、射線も通っているので可能だろう。
「狙える」
「よーし、向こうに気を取られてる間に攻撃しちゃおう」
「分かった。すぐに撃っていいのか?」
「ちょっと待ってねー。私の位置を少し変えるから」
そう言ってネムは少し位置を変えた。
「いいよー」
「では射撃するぞ」
:これは行ける
:撃てー!
私は狙いを定めて、射撃を開始する。
それに合わせてネムも射撃を始めた。
射撃を受けた相手は隠れようとするが、あの位置ではどう移動しても私達か別の位置に待機している味方に狙われるだろう。
私が狙った敵は集中攻撃を受けてすぐに爆散したが、他の敵はこちらに気が付いていないようだ。
「撃ち放題だー!うりゃうりゃー!」
:ネムちゃんがはっちゃけてるw
:相手気が付いて無いなこれw
:騒ぐネムちゃんと全く話さずに黙々と撃ち続けるお嬢の温度差が酷いw
ネムと私は動く事無く撃ち続けているが、こちらに気が付いている気配は無い。
最後の1台は今も私達の射線上である事に気が付かず、隠れている。
「イエーイ!」
ネムが最後の一台にとどめを刺し叫ぶが、やはり話し方が遅く勢いが無い。
町での戦闘は敵の気を引く事になり集中攻撃を受けた味方が1台犠牲になり、こちらは敵4台を破壊出来た。
:〖やったぜw〗
:お見事!
:これは勝てそう
マップを見る限り岩場はまだ持ち堪えているし、砂漠は優勢のようだ。
「砂漠の敵を横から狙うか?」
「そうしよっか」
そう私が問うと、ネムが同意する。
私達は砂漠の敵の横を突くために、残った味方と共に移動を開始した。
「あまり近寄らないで味方が発見した敵を横から撃って行こー」
「分かった」
私達は戦場にあまり近寄らず停止する。
残りの味方は先へと突き進んでいるが、見つけてくれれば援護は可能だ。
「おー。早速発見」
マップ上に敵が表示されるが、あまり長く持たずに消えてしまう。
「むぅ……すぐ消えちゃうな」
ふむ……。
敵は見えなくなるだけ。
つまり、見えなくなってからも見えていた時の行動を継続している可能性が高い。
私は短時間だけ見えた敵の移動先を予想し、射撃した。
射撃した弾は一見何も見えない所へ飛び命中、敵を撃破する。
「おお!?お嬢様凄い!」
私が撃破したのを見て、ネムが驚きの声を上げる。
:当てた!?
:〖やるじゃないかお嬢!〗
:上のティアだと結構みんな普通にやるけど初心者が2試合目でやるのは見た事無い
:一応ストーリーはやってるからな、お嬢ならちょっと練習すればこんなの余裕だろ
そんなコメントが流れている間に、敵の姿が消えなくなる。
「あ、誰かが視界確保してくれたみたい。撃ち込めー!」
「分かった」
:いくぞー!
:わーいw
:みんなノリ良いなw
:撃ち放題だ!
「勝ったー!」
ネムの喜びの声が響く。
その後、側面から攻撃を受けた砂漠の相手チームは程なく全滅し、その勢いのまま味方が南の岩場に突撃。
岩場にいる相手のチームは北と中央に向かった仲間が既に倒されている事に気が付いていなかったようで、突然の増援と背後からの奇襲に驚き右往左往しているうちに全て撃破された。
:おめでとー!
:〖ないす!〗
:これで一つくらいは装備変更出来るかな?
ガレージに戻った私はコメントを見て装備購入画面に移る。
「いくつか購入出来るようになっているな」
「お勧めは砲かなぁ。攻撃通らないとどうにもならないからね」
「なるほど」
私はアドバイスに従って、砲を一段階上の物へと変更した。
:無難な選択だね
:立ち回りで他はどうにか出来るけど攻撃通らないのはどうにもならんしな……
:同格付近なら何処かに弱点はあるけど、調べないと初心者には厳しい
砲を変更後、再び試合を開始したが1試合の時間が長くなり、5戦した時点で今回の配信は終了。
戦績は2勝3敗となった。
「配信お疲れ様ー」
配信終了後、ネムが声をかけて来る。
「ありがとう。ネムもよくやってくれた」
「いきなりでごめんね?」
ネムが申し訳なさそうに言う。
「問題無い」
コラボの誘いは、余程の理由が無い限り断る気は無いからな。
「良かったー」
「駄目な時は断るだけだ。これからも好きな時に声をかけてくれ」
「ありがとっ!」
嬉しそうな声で礼を言う彼女。
心なしか話す速度も速いような気がする。
「テラノちゃんと私はコラボしたから、後はフジミちゃんだね」
「同期全員で行うオフコラボ前に、フジミとも一度一緒に配信しておくか」
「それが良いと思うよー、自分だけ一度もコラボしてないって気にしちゃうかもしれないし」
「そうか」
すぐに声をかけるか。
「そう言えば、お嬢の配信って海外の視聴者も多いよね。元からそうだった?」
そう思っていると、突然ネムが話題を変えた。
「色々とバレたからな」
「やっぱりそれだよねー。やっぱりバレてから急に増えたの?」
私の答えを聞いて、ネムが軽く笑いながら言う。
「そうだ。以前は日本人が大半だったが、例の騒動の後に急増した」
「私達の配信にも結構増えたんだよね。それに合わせて登録数も増えたけど」
私の影響で彼女達のチャンネルにも海外の者達が増えたが、この先どうなるかは分からない。
「維持出来るかはお前達次第だな」
言語が違っても、彼女達に魅力を感じれば残ってくれるはずだ。
「頑張るー」
騒ぎが起きる前から評判は悪くなかったようだし、海外の者達があまり残らなくても活動出来なくなる事は無いだろう。
「そうだ、話変わるけどー」
彼女はそう言って、再び口を開く。
「3Dモデルっていつ頃出来るか聞いてたりする?」
気になっているのか。
「いや、まだ聞いていないな」
「まだかかりそうかなー」
「聞けば答えてくれるかもしれないが、今聞いても意味は無いかも知れない。最終的な決定で無い限り、恐らく簡単に前後するはずだ」
「そっかー」
ネムは3Dモデルにかなり期待しているようだな。
「気になるか?」
私はそう聞いてみた。
「当たり前だよー!ホント楽しみにしてるんだー」
ネムは浮かれたように言い、更に言葉を続けた。
「お嬢様の家だよ!?めっちゃ楽しみー!」
……ん?
「楽しみなのは3Dモデルでは無く、私の家なのか?」
「勿論、3Dモデルも楽しみだよ?でもお嬢様の家が気になるー!」
「そうか」
彼女の言い方だと3Dモデルより私の家の方が楽しみになように聞こえるが、特に問題は無いか。
「正式に日付が決まったら前日から泊まりに来るか?」
「いいの!?」
「構わない。私の家にやって来ていきなり配信するよりも、落ち着いてから配信した方が良いだろう。勿論、皆の予定が空いていればの話だが」
「空ける空ける!絶対行くー!」
興奮したように騒ぐネム。
「他の二人にも伝えておこう」
私は彼女と話しながらベティと沙織にメールを送る。
この後、しばらくネムと会話を続けている間に二人から「行きたい」と返事があった。
現在は書き溜めを作っておりますが、今までの投稿速度は投稿開始前の書き溜めのおかげなので、これからはかなり遅くなります。
スムーズにかける事もあるので、そういった時は一時的に投稿速度が上がる知れませんが、書くのが遅い上に書きたい時にしか書かないので、あまり期待は出来ないと思います。
作品を終わらせる気はありませんので、ゆっくり長々と書いて行きたいと思っています。