ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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実は結構設定忘れてる部分あります。
都度読み返したりはしてるのですが、やはり長編に携わる方は大変ですね……


Proselytizing Aパート

珠閒瑠(すまる)市にデブデダビデが現れたその同時刻――

 

駒王町・廃教会跡

 

フューラー演説を受け悪魔の影響が薄くなった駒王町ではあるが

それでも残した爪痕が消えるわけではない。

その一例が、悪魔により神の力を弱められた神社仏閣や教会と言った建造物である。

 

本来ならば禍の団(カオス・ブリゲート)――アインストや場合によってははぐれ悪魔のような存在に対しても

守護により避難所足り得る場所ではあったのだが、その力を弱められたことにより

結果として避難所として機能しなくなってしまったのだ。

 

とは言え、この廃教会跡はかつてとある堕天使一派がアジトとして使っており

そこを当時駒王町の管理者だったリアスとの小競り合いの結果、戦禍に巻き込まれてしまい

その後証拠隠滅とばかりに爆破されており、最早ここにあるのは瓦礫ばかりである。

つまり、ここはどの道避難所にはなり得ない場所だったのだ。

 

この一見すると何もない場所を訪れたのはイッセー、アーシア、朱乃

そして何故かヴァーリが同伴していたのだ。

以前ヴァーリがクリスタルドラグーンと戦ったのが、この近くなのだ。

 

「おい。何でてめぇがここにいるんだよ」

 

「そうは言うがな。あのクリスタルドラグーン……とか言ったか。

 あいつは今のお前――赤龍帝でも手に負えない相手だと思ってな。

 そうアルビオンと相談した結果だ。出来るなら俺一人で相手取りたいんだがな」

 

ヴァーリの言う事は正論であったが、イッセーは今一つ納得していない。

ドライグにしても、クリスタルドラグーンとの戦闘経験が無いこともあってか

ヴァーリの、アルビオンの意見に首肯しかねており、そう言う意味ではイッセーと同意見である。

 

――イッセーはドライグの関心事であるニ天龍の戦い自体に全く興味を示していないのだが。

そう言う意味では、イッセーはヴァーリないしアルビオン

ひいてはドライグとも溝は埋められないでいるのだった。

 

『……言いたい事が無いわけでは無いが、確かに白いのとの戦いに横槍を入れられるのは御免だ』

 

(俺はその赤だの白だのの戦い自体がどうでもいいんだっつーの。

 探索も早く済ませてナイア先生やリアスのおっぱい鑑賞と洒落込みたいんだからよ。

 

 ……全く、ナイア先生も何で俺をこっちに行くように指示したんだろうな。

 アーシアや朱乃さんがいるから不平ってわけじゃ無いんだけど)

 

「でも、まだそのクリスタルドラグーンと出くわすって決まったわけではありませんわ。

 そりゃあ、油断はできませんけれど」

 

「そうですね、ライリィ君もいつでも出られるようにはしていますけど

 まずはこの辺りに逃げ遅れた人がいないか探しましょう」

 

この廃教会跡はアーシアにとっては色々とあった場所ではあるのだが

その事をおくびにも出さず、負傷者がいないかどうかを朱乃と共に探し回っていた。

 

(それにしてもアーシア……もうあの事も忘れちまったのかよ……?

 部長に、リアスに悪魔にしてもらった事、まだ一年も経ってねえじゃねえかよ……)

 

一方、イッセーも負傷者捜索に協力しながらも心の中では春先の出来事が頭を支配していた。

多少のアクシデントはあったものの、アーシアがオカ研に入るきっかけとなった事件でもあった。

だが、その後の紆余曲折を経て、アーシアは悪魔に対する信頼を失い

イッセーとの間にも溝が生まれてしまい、今尚その溝は埋まっていないのだった。

 

 

廃教会跡を探索していると、シルクハットをかぶったボロボロの男がうずくまっていた。

その黒い翼から、彼が堕天使であることを示す証拠は揃っていた――どころか。

かつて、レイナーレの命によりイッセー(とセージ)を狙ったドーナシークそのものであったのだ。

 

……だが、彼らは既に死亡――黒い羽根のみを残し、消失したはずである。

 

「に、にげ……ろ……いまの……イナーレ……さまは……」

 

レイナーレ。一時は桃園モモの姿を借り、再度活動していたが

今はその姿を天野夕麻と言う死亡した少女のものへと変え

禍の団との繋がりを供述するために堕天使本国領に出頭したはずである。

それが何故、人間界であるここで名前が出て来るのか。

 

「天使の甘言に……堕天使が……踊らされるなど……あっては……ごぶっ!?」

 

「――せっかく昔のよしみで復活させてあげたのに

 我が主を悪く言うのは感心しないわよ、ドーナシーク。

 カラワーナもミッテルトも、どうして我が主のお言葉に耳を貸さなかったのかしら。

 我が主のお言葉こそが全て。そんな事もわからないなんて

 やはり我が主の仰る通り、堕天使はとんだ失敗作のさらに欠陥品だった……って事ね。

 全く、頭が痛いわ」

 

そこにいたのは、黒のストレートヘアに白の奇抜なボンデージと言う往来を歩くには

過激過ぎる恰好をした女性――レイナーレ。

しかし、その両翼は服装純白に染まっている。これではまるで天使だ。

堕天使であるにもかかわらず、白い翼を持っている。

この事は、イッセーたちの常識からは計り知れないことだった。

 

「天野さ……じゃない、レイナーレ!? そ、その翼は一体……」

 

「誰だっけあんた……ああ、そうそう。一度カマかけた赤龍帝だったわね。

 隣にいるのは……白龍皇。ふーん……この巡り会わせもまた、我が主の思し召し、かしらね」

 

我が主。レイナーレの嗜好を知っているのものからすれば、違和感のある言葉が飛び出す。

アザゼルを至上として仕えてはいたものの、ここまで迂遠な忠誠は誓っていなかったはずである。

だが、レイナーレがイッセーにしでかしたことを認識している朱乃は

レイナーレに対する敵意を隠そうともしない。

 

「あなた……よくもイッセー君の前におめおめと……」

 

「今回については不幸な鉢合わせだし、そもそも私、いたいけな少女の願いをかなえる――

 つまりそこの赤龍帝を殺そうとしてやってきたワケなんだけど。

 けれど結果的に赤龍帝を殺さなくて助かったわ。

 まさか、我が主が赤龍帝を欲しているなんて知らなかったもの」

 

「アザゼルか。確かに奴ならば、赤龍帝の力にも興味を示すだろう。

 赤龍帝。実際に奴と接触しなかったか?」

 

ヴァーリの言葉に「有耶無耶になっちまったけどな」としながらも首肯するイッセー。

しかし、ヴァーリが出したアザゼルと言う名前にも、レイナーレの反応はどこか鈍かった。

 

「アザゼル様? アザゼル様は関係ないわ」

 

「……あらあら?」

 

「どういうことだ? 俺が聞いた話では、お前はアザゼルに心酔する

 下っ端堕天使だと聞いていたが……

 そもそも、さっきも聞いたがその翼の色はなんだ。堕天使のものでは無いだろう」

 

ヴァーリの質問に、ため息をつきながら肩をすくめるレイナーレ。

説明してやろうと言わんばかりに紡がれた言葉は

一同の予想をはるかに上回るものであったのだ。

 

「知らないのも無理はないわね。人間が悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を取り出せるようになったように

 堕天した天使も、条件さえ整えば再び天使として昇天できることが証明されたのよ。

 これはミカエル自ら証明しているわ。

 だから、私の事を堕天使――失敗作のさらに欠陥品呼ばわりするのは止めてもらえないかしら。

 失敗作たる我々天使は、我が主のお言葉に導かれることで初めて生存を許されるのよ」

 

「ミカエル……ですって……!?」

 

「……言ってることが支離滅裂だな。アザゼルすら失敗作のさらに欠陥品呼ばわりか?」

 

ミカエル。かつてのレイナーレの人脈からは想像もつかない名前が飛び出して来た。

彼女の立場上、三大勢力の上層部の名前を知っていたとしても

アザゼルやシェムハザと言った、堕天使の上層部の面々である。

それが突然熾天使の代表格の名前を出してきたのだ。

ミカエル程ともなれば、面識がなくとも名前くらいは知っているかもしれないが。

 

しかも、自らが所属していると称している天使を失敗作と。

自ら忠誠を誓うアザゼルが属するはずの堕天使を失敗作のさらに欠陥品とこき下ろす始末。

これには、ヴァーリも混乱を隠せていない。

 

「そして教祖様……いえ、教祖様を騙る不届き者もここにはいるようね――

 アーシア・アルジェント!!」

 

「私が……教祖!?」

 

しかもレイナーレは、事もあろうにアーシアを名指して教祖の偽者と呼んだのだ。

これには、アーシアも事態の把握が追いついていない。

 

「我等黒の菩提樹の教祖であり、新たな統御者たる我が主をこの穢れた地上に顕現させるため

 我が主が遣わした使者――それが教祖様よ。

 だけど……今私の目の前にいるあんたはどう見ても偽者。

 我が主は、偽者の存在を決して認めはしないわ」

 

黒の菩提樹。神仏同盟が追っていた新興宗教組織。

それがどうしてここで名前が出て来るのか、この場にいたイッセー達には終ぞわからなかった。

そもそも、イッセー達と黒の菩提樹の間に因縁が存在しない。

強いて言うなれば、アーシアと朱乃は沢芽(ざわめ)市にあるユグドラシルタワーに見学に行った際

黒の菩提樹が起こしたテロに巻き込まれた位である。

その黒の菩提樹のテロにしても、リアス眷属を狙ったものではないのだ。

 

「私は……私です。偽者なんかじゃ、ありません。

 ですけど……今のあなたを、このまま放置していいとも思えません」

 

「奇遇ね。私もそう思っていたところよ」

 

レイナーレが光の槍を構えたと同時に、控えていたライリィが咆哮一閃。

レイナーレ目掛けて飛び掛かるが、投げつけられた光の槍が

ライリィの攻撃をいとも容易く迎撃したのだ。

 

「ライリィ君!」

 

「これは……このレイナーレ、以前よりもずっとパワーアップしてますわね」

 

「なんだかよくわからないが、お前の相手は……」

 

イッセーが赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を禁手化(バランスブレイク)させようとした瞬間。

レイナーレを庇い立てるように、水晶の嵐が吹き荒れたのだ。

上空を見ると、全身を紫の水晶で象られたドラゴンが空を飛んでいたのだ。

 

「オ前ノ 相手ハ 私ダ。白龍共々 挑ンデ 来ルガイイ」

 

「紫水晶……クリスタルドラグーンか。その元堕天使の仲間か?」

 

「コンナ奴ハ 仲間デハ ナイ。ダガ ドラゴンハ、私ノ 獲物ダ!」

 

今度はやる気のようだな、と笑みを浮かべるヴァーリ。

白龍皇の光翼(ディバイン・ディバインディング)を展開させながら、クリスタルドラグーンとの空中戦に挑む。

イッセーも負けじと赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)を纏い、空を飛ぶが

元々イッセーは空中戦は不得手であったため、分の悪い戦いを強いられることとなったのだ。

 

「空ハ 不得手カ。ナラバ 舞台ヲ 変エヨウ」

 

咆哮一閃、クリスタルドラグーンが地上に向けてブレスを吐くと

廃教会跡は瞬く間に水晶の山と化し、足の踏み場も無くなってしまったのだ。

 

「なっ……これじゃ地上じゃまともに動けねぇじゃねぇか!」

 

「何故、オ前如キノ タメニ コチラガ 加減ヲスル必要ガ アル?

 前回ト 違イ ダークブレイン様カラモ オ前達ノ 抹殺許可ハ 降リテイル。

 故ニ ソコノ 奴ニ 先ンジテ、オ前達ヲ 始末 スルノダ」

 

(……全くだな)

 

イッセーに聞こえないようにヴァーリもクリスタルドラグーンの言い分に同意していた。

そして相手が命を狙ってくる以上、こちらも本気を出さねばという理由から

ヴァーリも白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(・スケイルメイル)を纏い

クリスタルドラグーンとの空中戦は激化の一途を辿っていた。

 

能力を発動しようにも、水晶の嵐で近づくことさえ敵わない。

ドラゴンショットや魔力弾で撃ち合おうにも、クリスタルドラグーンから放たれる

四枚の光の刃――クリスタル・レイザーやドラゴンらしい炎の息で相殺されてしまう。

 

「ダークブレイン様ノ タメニモ、オ前達ニハ ココデ 死ンデモラウ!」

 

赤と白の鎧に、紫水晶の尻尾が叩きつけられる。




Q:カラワーナとミッテルトは?
A:粛清されました。二次界隈で優遇されてるからうちでは逆の事やっただけですよフフフ。

Q:桃園モモの姿はどうしたの?
A:「ゴースト」Soul83. 参照。
https://syosetu.org/novel/41763/148.html
築いたはずの少女との絆が結局こうなったって考えると中々笑えない。
名実共に「天使様」になったはずなのに。

Q:それにしてもレイナーレ変わり過ぎじゃね?
A:教化を受けた事で、遺伝子レベルで改変受けてます
(こう書くと原作改変ってレベルじゃねーな……)。
「我が主」こそが至高であり、「我が主」に仕えることでアザゼルに忠誠を誓うって言うなんだかおかしなことになってます。
価値観は「我が主」のものがそのまま適用されてます。
「我が主」は奴なので、奴が堕天使ないし天使をどう見てる、そしてミカエルに対する意識も必然的に……
割とラ・ギアスの奴に近いメンタルしてますね。

黒ボンデージのままでもメガテンのエンジェルと似たようなもんだったなあ、とは書いてる途中に思いましたが
HSDDの天使があんな頭おかしい()恰好しないだろうってことと
「あの」アニメ版の黒ボンデージに白い翼はぶっちゃけあまり似合わなさそうって理由から
統一感考えて白ボンデージになりました。何気にころころ姿変わってるなあ……
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