九重寺は司波家から(魔法を駆使した)徒歩で約10分のところにある。達也に頼まれて深雪のローラースケートを外し、深雪の左隣につく形で階段を上っていくのだが、達也が先に入っていった寺の中からは野太い声や、何かを弾いたり地面に何かが落ちる音が響いてくる。
聴覚においては人一倍敏感である悠元はその音だけで何を使用しているかを瞬時に判別した。
(……相手は武器持ちもいるのか。まあ、流石に真剣は使ってないな)
音からして木刀も使っているようだが……でも、爺さんが投げてくる木刀に比べたらマシか。あれ、本気出したら100本以上に分裂してるように見えるからな。最大で1万本という数もそうだが、その全てに“質量”を持たせる芸当は爺さんぐらいしかできないと思う。
新陰流剣武術に毒されてしまった自分の常識が恐ろしい。前世の価値観なんてもう欠片も残ってないと思う。この場合は『微塵も残らなかった』と評すべきことなんだろう……良い意味でも、悪い意味でも。
二人で寺の境内に入ると、達也が坊主というより『僧兵』と言わんばかりの連中相手に組み手をしている。達也は無論無手だが、相手は拳のみならず木刀を振るう者もいる。まるで時代がタイムスリップしたかと錯覚する印象が拭えない。
だが、達也はそれに関して卑怯などという振る舞いも見せずに木刀を打ち払い、坊主頭の連中―――九重寺で修業を受けている門下生を相手にしていた。
この形式の稽古が“総掛かり”と呼ばれるものなのはすぐに理解できた。ただ、新陰流剣武術の場合は対象の習熟度合いによって力量だけでなく人数が大幅に変わり、師範代の見極めの時は同レベルから上段者までの80人を相手にさせられた。
なお、その光景を傍から見ることになった友人から『人間卒業試験?』と問いかけられたことは解せなかった。
「門下生の動きや体の捌き方を見る限り、達也の組手は中段者ぐらいが相手かな」
「悠元さんは、お兄様と稽古しているお弟子さんの力量が見ただけで解るのですか?」
「構え方だけでなく、体の捌き方から相手の技量を図る訓練を散々やってきたからな。自分と同い年で中段者を相手にしている達也も十分凄いわけだが」
すると、自分たちの背後に気配を感じる。特段殺気もないので見て見ぬふりをする。すると、その気配は声を掛けてきた。声の聞こえる方向は左側で当然深雪は左側を向くが、悠元の向こうには誰もいない。それを見た悠元がアシストする。
「深雪君」
「先生? あれ?」
「深雪、左じゃなくて右だ」
「え? 右?……ひゃっ!」
その方向を見た深雪は自分の右頬に誰かの指が触れられ、軽い悲鳴を上げる。すぐに気を取り直すと、深雪はそんな悪戯をした当人―――坊主頭の男性に対して抗議した。
「って、先生! 気配を消して忍び寄らないでください!!」
「僕は忍びだからねえ。気配を消すのは性みたいなもの。呼吸をするのと同じようなものだよ、深雪君」
「今時“忍者”という職種はありませんよ」
深雪は忍者という表現を使ったが、その男性―――
「チッチッチッ、僕は忍者じゃなくて由緒正しき“忍び”―――忍術使いだよ」
「先生が古式魔法の使い手ということは存じておりますが……それなのに、なぜ先生は……」
ああ言えばこう言う……のらりくらりと躱すあたりは“忍び”なのだろう。深雪もあきらめたように溜息を零した。そんな悪戯に古式魔法を使うのはどうなのか、という思いもあるだろう。すると、八雲の視線は深雪の隣にいる悠元へと移った。
「ところで深雪君、彼がひょっとして君たちの家で居候している子かな?」
「あ、はい。悠元さん、こちらの方が九重八雲先生です」
「初めまして、三矢悠元と申します。お二人に倣って先生と呼ばせていただいてもよろしいですか?」
実年齢は50代らしいが、30代にしか見えない。これも魔法による影響だろう。その辺を顔に出さないようにしつつ無難な挨拶をした。すると、八雲は興味深そうに悠元を見つつ自己紹介をする。
「それは勿論。僕はこの寺の住職をしている九重八雲だ。故あって達也君と深雪君に体術を教えている世捨て人の物好きな坊主だよ。それにしても、三矢家とはね……これも何かの縁かな」
「先生は悠元さんのご実家をご存じなのですか?」
八雲と十師族の一つである三矢家の繋がり。それが気になって深雪は尋ねるが、それをはぐらかすようにしながら八雲は深雪の制服姿に視線が移る。当然、悠元もその視線に気づいている。
「三矢家というよりもその関係筋の縁というところだよ。ところで深雪君、それが第一高校の制服かな?」
「はい。一昨日が入学式でして。今日は悠元さんの紹介と合わせて入学のご報告をと……先生?」
(どこが世捨て人なんだこれ、煩悩まみれのエロ坊主じゃねえか)
ジロジロ観察している八雲に深雪はたじろぐ。悠元に至っては内心毒づくほどの有様だった。とてもじゃないが、先程の「世俗を捨てた」という言葉が形骸化しているように聞こえてくる。
「いいねえ、うん、実にいい。真新しい制服が初々しくて、清楚な中にも隠し切れない色香があって」
「……」
次第に八雲は鼻息を荒くするような雰囲気で手をワキワキ動かしている。深雪に至ってはドン引きどころか怯えている。第三者の視点から見たら『女子高校生に興奮して、今にも襲い掛からんとする坊主の恰好をした不審者』の図にしか見えない。それ以外に見える人がいたらぜひ教えてほしいと思う。
よもや、達也との約束を早々に果たさなければならないことには遺憾の意を唱えたい。
「まるでまさに綻ばんとする花の蕾、萌え出ずる新緑の芽。そう、まさにこれは萌えっ!?」
八雲がその言葉を言い切る前に彼は表情を引き締め、身の危険を感じてその場に屈んだ。怯えていた深雪も八雲が屈んでいたことに驚いたが、彼の背後にいると予想した兄はいない。その兄は門下生と稽古しているのが見える。
そうなると……深雪は後ろにいた悠元に視線を向けると、彼の左手が真横に上がっているのが見え、その表情は呆れと怒りが組み合わさったようなものだった。
悠元は息を吐きながら左手を下ろした上で言い放った。
「九重先生、坊主頭でよかったですね。髪があったらバッサリいってましたよ?」
「いやー、全くその通りだよ。達也君以上に殺気を感じさせなかったのもそうだが……この場合は、手加減してくれたのかな?」
「深雪の前で彼女の知り合いをグロテスクにする趣味は持ち合わせていませんので……というか、試しましたね?」
悠元の「試す」という言葉に深雪はキョトンとするが、八雲は立ち上がって右手で自らの頭をペシッと叩いた。まるで藪をつついたら蛇ではなく虎を出してしまったような表情を二人に見せていた。
「さっき深雪君にも言ったが、僕は忍びでね。縁ある者は調べてしまう性質だ―――三矢悠元。三矢元の三男にあたり、高校入学まで長野佑都を名乗っていた。そして、君の母方の祖父は上泉剛三であり、君は新陰流剣武術師範代―――で、間違いないかな?」
「殆ど合っていますが、高校入学に際して総師範より師範の名乗りを許可されました。とはいえ、高校卒業まで師範代のつもりです。それはいいんですが……九重先生、『後は頑張ってください』ね」
「それはどういう……ムッ!?」
これから大変ですよ、という意味合いを含んだ悠元の言葉に疑問を浮かべる八雲だが、何かの気配を感じて身体を反転して、左腕を頭上に翳した。そこに飛んできたのは達也の手刀だった。
「師匠。深雪を怯えさせるのは止めてくださいと前にも言った筈ですが?」
「やるねえ、達也君。僕の背後をとると、はっ!!」
その言葉を皮切りに始まる達也と八雲の手合せ。ちゃんと深雪から距離を取るあたりは配慮しているのだが、それだったら先程の冗談はいらないだろう……いや、少なくとも自分の実力を図るつもりだったと八雲はそれとなく肯定していた。深雪の前で彼の首と胴体を分割するようなことはしたくないというのは本音だった。ホラーもそうだが、恐怖を与えるものって下手するとトラウマになりやすいのだ。
気が付けば達也と稽古していた門下生も二人の戦いを食い入るように見ていた。彼らからしても、自身の師たる存在が実際に動いているのを見て、あらゆる動きを盗んで己の糧とする。これが許されるのも古式の武術たる所以である。
「いつからこんな稽古を?」
「中一の10月頃ですね。お兄様ってば、悠元さんに負けたことがよっぽど悔しかったようで……悠元さんはいつから武術を?」
「小三の7月ごろからかな。中一の7月には師範代の印可を貰っていたから、二人と出会ったのはその直後ぐらいになる」
「5年で師範代とは凄いですね」
転生のおかげもあるけど、調子に乗った爺さんのスパルタぶりも凄かった。俺としては強くなれることが嬉しかったから嬉々としてやっていた。それを見た爺さんも嬉々として修業のレベルを上げていき……気が付けば、5年で本来20年以上掛けてやる修練を終えてしまった。
中には本来師範クラスでもやらないような鍛錬も含まれていたが、それに気付いたのは師範代の印可を渡された際に爺さんと思い出を懐かしむように鍛錬のことを話していた際、元継兄さんがドン引きしていたからだ。
爺さんを問い詰めたところ、「悠元が強くなるものだから、わしも張り切っちゃったわ」とテヘペロでもするかのような口調で言い放った。その後、偶々通りかかった詩鶴姉さんの説教があったのは言うまでもない。
何はともあれ、そのお蔭で周囲の兄や姉もおかしくなってしまったが、俺は決して悪くない……多分。おそらく。
「いやー、もう体術だけなら敵わないかもしれないねえ」
そんな八雲の挑発めいた口調で言い放たれた誉め言葉に対し、達也は八雲に向かって走り出す。最初の方は体術のみで戦っていたが、八雲は途中から打撃を軽減する防御術式だけでなく達也に気付かれない程度の忍術まで織り交ぜていた。
だが、対する達也のほうは体術と自己加速術式で対抗していた。これは達也の持つ魔法特性が偏っているためと仮想魔法演算領域の精度の問題が大きい。本人曰く瞬時に組めるのは五工程が限界だと述べていた。
それに、周りが見ている中で迂闊に四葉の技術を使うのはリスクが大きいのも事実なのだろう。
(流石に門下生の前で[フラッシュ・キャスト]は使えんよな……おおう、容赦ねえな)
飄々としつつ、まるで達也を子犬のじゃれつきに対処するかの如く攻撃する八雲に、単なるエロ坊主ではないという認識を持つに至った悠元であった。
◇ ◇ ◇
汗をかきつつも余裕の見られる八雲に対し、達也は土の上に大の字となっていた。スカートが汚れるのも厭わずに深雪が膝をつき、達也の顔についた汗をタオルでふき取っていた。そのタオルを達也が手に取りつつ、ようやく上半身を起こした。
「ありがとう、深雪。……スカートに、土がついてしまったな」
「いえ、お気になさらず」
深雪はそう言って立ち上がり、上着の裏ポケットから携帯端末型CADを取り出して操作する。
起動式から情報を読み取り、深雪を中心に魔法陣が展開する。そして、薄く輝く霧が晴れた後には、深雪のスカートについていた土は綺麗に取り払われ、達也の服に付いた土埃もまるでなかったように取り払われた。
現代の魔法師は昔の魔法使いでいうところの杖、宝石、魔道書などの道具や、呪印・印契といった触媒の代わりにCADを使用する。CADには感応石と呼ばれる相互変換触媒によって魔法師から想子信号を吸収、それを変化させた電気信号でCAD内に蓄積された電子データ―――起動式を発動させ、それを今度は想子信号に変換して脳内の無意識領域にある精神機構、魔法演算領域に送り込んで魔法式を構築する。
魔法師の才能は遺伝子で決定される。想子保有量もある程度は遺伝だ。だが、それは先天的な資質であり、理論化・体系化しているとはいっても明確な基準ではない。なので、転生して数年はこの世界における想子量の増加方法と魔法演算領域の強化について試してみることにした。
想子は『心霊現象の次元に属する非物質粒子で、認識や思考結果を記録する情報素子』となっている。ならば、書ききれなくなるほどの情報を想子に与えたらどうなるか? 結論から言えば、想子量は一定の年齢まで伸ばし続けることが可能。様々な体験だけでなく、前世でいうところのアニメや漫画の知識もこの世界の魔法理論である程度なら再現可能であり、そういった試行錯誤によるサイクルが結果的に想子量上昇に繋がると解った。
問題の想子体の強化は転生特典の一つ―――『思考した概念を魔法式に変換する能力』によって魔法式が完成したため、ここは省く。
魔法演算領域は、体格の大きさで魔法式の処理速度が決まらないことは原作から見れば解る。電子製品でいうところの中央演算装置そのものの性能を引き出す方法があるとするなら、それは魔法演算領域を普段から使いこなすことにあるのではないだろうかと考えた。
アスリートは日頃から練習を積み重ねて本番で力を発揮させる。職人も技術や知識を磨いて己の技能へと昇華させる。魔法師でいえば魔法を使用して感覚を積み重ねることが一番大事なのではないかと考えた。
あと、もしかしたら魔法演算領域は肉体でいうところの筋肉みたいな側面も持っているのでは……と仮説を立てた上で、魔法の練習をすることにした。
毎日一定量の練習をするのではなく、若干負荷を掛ける魔法訓練をしつつ、全ての系統をサイクル立てて行う。魔法を使わない休息日を定期的に設け、そういった日は筋力トレーニングなどに費やして肉体の超回復を促す。魔法訓練をする時間帯は身体が温まり、脳や神経も働いている夕方から夜とすること。食事はしっかりと摂り、十分な睡眠をとること。
ある程度の負荷が軽くなったと感じたら、今度はイメージを組み上げる練習のためにアニメや漫画などの空想上の動きを魔法である程度再現する動きを実施。こればかりは当初自分しかやっておらず、説明しても理解できないだろうと思ったからだ。なお、佳奈と美嘉に問い詰められてそれを教えた結果九校戦において異常な成績をたたき出したのだが、これについては割愛する。
結果として、感覚的な魔法の組み上げは目に見えるほど早くなった。無論、計測する際には単一工程・同系統の魔法を使用している。
流石に家の中(厳密には自室の中)ではできないと思ったので、家の地下に大規模の演習場やらCAD調整場を作ったのはこれが理由だったりする。なお、母である詩歩に怒られはしたが、詩歩が真っ先にそのトレーニングを始めた(理由は述べなかったが、多分年齢を気にしていたため)。気が付けば元治と詩奈を除く一家全員がそのトレーニング方法を取り入れていた(元治や詩奈だと喋ってしまう危険性があったため、ばれないよう各々日にちをずらしている)。
結果として、国防軍に技術を提供する三矢家において[スピードローダー]と同レベルの秘密技術になってしまった。何せ、一高に進学した元継、詩鶴、佳奈、美嘉が成した結果がそれを物語ってしまったというわけだ。
閑話休題。
深雪の提案で朝食となった頃には門下生も各々の鍛錬に戻っていた。縁側で朝食のサンドイッチを頬張る達也と八雲、そして悠元。深雪はというと、二人にお茶を渡したり皿に取り分けたりするなど甲斐甲斐しく働いていた。
八雲は何処か人が悪そうな表情を浮かべつつ、自らの弟子が差し出した手拭いで口と手を清め、深雪に対して礼を述べるとこう呟いた。
「やっぱり、体術だけなら達也君にはもう敵わないかもしれないねえ」
弟子からすれば師匠の言葉は賞賛や羨みに聞こえ、深雪もどこか嬉しそうだった。悠元としても八雲の評価は嘘偽りなどないだろうと思う。だが、当の達也本人は先ほどの手合せから見ても、どこか納得しかねるような表情を八雲に向けていた。
「俺の手刀を受け止め、一方的にボコボコにされて『敵わない』などと言われても、手放しに喜べませんよ」
「それもそうだね。けど、僕は君の師匠であり、得意な土俵の上で戦っていたんだ。半人前の君に後れを取るようでは、弟子に逃げられてしまいそうだ」
「お兄様は、先生に褒められたことをもう少し素直に認められたほうがよろしいかと。せめて胸を張って高笑いするぐらいしても罰は当たらないかと思いますよ」
達也の言葉に対する八雲の言葉は尤もであり、それにフォローしている深雪の言葉に達也の苦笑から苦々しさが抜けていた。どうあれ二人は達也を褒めているのだと。この流れで言葉を発しないのも変だと思い、言葉を掛ける。
「そうだぞ、達也。九重先生が魔法を使わなきゃいけないほどの実力だって認めてくれたってことなんだから。まあ、胸を張って高笑いするのはお前のキャラじゃないだろうけれど」
「そんなことしたらチョット嫌な奴だろうに……ところで師匠、あの時悠元の手刀を何故受け止めなかったのですか?」
鍛錬をしているときでも達也は深雪の様子を気にかけていた。八雲があんな状態になった時、直ぐに行こうかと思ったが悠元が約束通り動いてくれた。達也が仕掛けた際は相手にしていた門下生を全員下した後だったので、こういうやり方も稽古の一環なのだろう。
達也は彼の放った手刀を八雲が自分の時のように受け止めるわけでもなく、屈んで躱したことに疑問を持った。八雲は話してもいいかと悠元に視線を向けると、悠元は軽く頷いた。それを見てから八雲は説明を始めた。
「悠元君の放った手刀はただの手刀ではなく、文字通りの“
「……それは、彼の習得している武術にも関係あるんですか?」
「新陰流剣武術は己の心を刃とする[
「ええ。それ以上言ったら爺さんに頼んで叡山行脚コースですから」
「というわけで、これ以上の詮索は止めてくれると助かるよ」
新陰流剣武術の本質を触れると本当に奥深いが、下手に言うわけにもいかない。というか、自分が感覚的に編み出した魔法式のせいで秘術が増えてしまった。
爺さんは「これは……確かに、明るみに出せぬな」と納得してくれた。何せ、内容を確認したら『本山』にしかないはずの術式の上位互換版まで感覚的に組んでしまったらしい。ナンテコッタイ。
話し合った結果、上泉家だけでは保管できないということで知り合いの古式の大家に頼むことにしたらしい。詳しい話は知らないほうがいいと思ったので聞いていない。
「そもそも、悠元君の場合は[
「必要に迫れば俺でも体術ぐらいは使いますよ」
「忍術を駆使した僕ですら一度も勝てなかったお師匠様の教えを直々に受けた君に近付かれたら、いくら僕でも土塗れにならないと断言できないからね」
八雲は一時期剛三のもとで体術の指南を受けていた。その彼が直々に悠元を鍛え上げたことまで八雲は掴んでいたことも明かしつつ、先程の気配察知を含めれば勝てるとは断言できない……と坊主頭を掻くような素振りをしながら呟いたのだった。