この〇〇のない世界で   作:ぱちぱち

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新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします!

※こちらは番外編で最新話は19時に予約投稿されてる次の話になります。一瞬だけこの話のネタを使いますが、読み飛ばしても大丈夫です※

ラジオっぽいのを目指して作ってみましたが中々難しかった。


この〇〇のない世界で番外編 タクミの初ラジオ

 

『ハーイ皆さんこんばんは。全夜日本、パーソナリティの明日茂さんぽです』

 

 ウワー!(歓声と拍手の音)

 

『えー、当ラジオ始まって以来の大物ゲストになりますね。それではご紹介しましょう、黒井タクミさんです!』

『ハロー?』

『ハロー! タックミー! 初めまして、ようこそいらっしゃいました!』

『どーもどーも。初めまして。いや、お初どす?』

『それは京都やなぁ。大阪でもはじめましてでっせ!』

『あ、すんません』

『いえいえこちらこそつい突っ込んでしもてすんません』

 

 HAHAHAHA!(わざとらしい笑い声)

 

『おお、わざとらしい笑いボイス』

『言うたって言うたって。今時米国のホームドラマでもそうそう流れんやろ』

『いや、がっつり流れてるね』

『ほんまかいな』

『そーかいな』

 

 HAHAHAHA!(わざとらしい笑い声)

 

『引っ越し屋ちゃうでしかし!』

『お、キレあるねぇ。この道の天辺目指してみないかい』

『目指しとるわい!』

『どうも、ありがとうございましたー』

『オチじゃないから! 音声さんもエンディング流すな番組終わらす気か!』

 

 HAHAHAHA!(わざとらしい笑い声)

 

『はぁ、僕ボケなのにずっと突っ込んどるわ』

『ごめーんね?』

『満面の笑みで言われたら許すしかない! というわけでリスナーの皆さん、改めまして今回のゲスト黒井タクミさんです!』

『オイーッス。ラジオの向こうの皆、こんにちわ。あ、こんばんわかな。黒井タクミでっす夜露死苦』

 

 パチパチパチ(歓声付きの拍手音)

 

『はい、よろしくお願いします! いやー、しかしあれですよ。まさか生タックミーに会えるとは思いませんでした。僕前の日本ツアーの時会場に行ったんですよ。めっちゃ後ろの席でしたけどもう只管ノリまくってました!』

『お、嬉しい事言ってくれるじゃないの』

『初めて「ハロー?」聞けたときは嬉しすぎて死ぬかと思いました。まさか今日も言って貰えるとは思てなくて』

『どこの国でも通じるから挨拶こればっかなんだよね』

『そして聞きたくなかった裏事情!』

 

 HAHAHAHA!(わざとらしい笑い声)

 

『さて、今回は今や世界的なスタアである黒井さんの登場という事もあって続々と! 沢山質問の電話が入ってきてますねー。普段からこれ位鳴ってくれたら嬉しいのに』

『ありがたいですね。そして頑張って?』

『頑張らせていただきたい! そして、早速一つ目の電話をつなげようと思うのですがその前にちょーっとだけ聞きたい事がありまして』

『お。なにかな。スリーサイズは上から』

 

 ~ピンポンパンポーン しばらくおまちください~

 

『いきなりピー音かまされるとはおもってんかったわ』

『っかしいなー。これくらいなら公表してもいいと思うけど。ほら成長期だし』

『成長期関係ないよね? あ、話を戻すとですね。正直、いきなり来てくれるのが決まったんですけどうちの事務所どんな手を使ったのかなって。脅迫? 録音とかされてたのかなとか

『今回は逆なんだなぁ。スケジュールぶっちして大阪に』

 

 ~ピンポンパンポーン しばらくおまちください~

 

『この放送大丈夫? 生だけど放送していいん?』

『関係先にはちゃんとごめんなさいしたから大丈夫大丈夫』

『こっちは当初の予定と大分話す内容変わってて内心ドギマギしてますよ』

『予定通りにいかないのが人生じゃないかな?』

『それ君の経歴で言うと重いわぁ』

 

 HAHAHAHA!(わざとらしい笑い声)

 

『さて。まだ放送できてるうちにお電話繋いじゃいましょうか!』

『出来なくなるかもしれないんかい? 了解です』

『あんたのせいなんだよなぁ。では最初のお電話お繋ぎしますね』

 

 ~コール音……ガチャリと受話器を上げる音~

 

『ハロー?』

《……ハ、ハロー! うわタックミーだ》

『よっすおらタクミ13歳。お名前は?』

《た、、たけうちりきまるです。10さいです》

『ん。良い名前じゃん。りきまるはどうして電話くれたの?』

《ぼ、ぼく。こないだのテレビみました。そのときの、黒井タクミさんの歌を聞いて、すごいっておもって》

『タックミーでいいよ? うん、ありがとう。とっても嬉しい』

《タックミー、さんの、歌をきいて。えがおをみてると、すごく元気になれました。おとうさんやおかあさんはあんな子ふりょうだって言ってたけどぜんぜんちがうっておもって》

『不良かぁ。まぁロッカーなんてどんだけ社会に中指突き立てられるかって仕事だからね』

『よーいうわ』

 

 HAHAHAHA!(わざとらしい笑い声)

 

 

《あの。それで、聞いてみたいことがあるんです》

『うん、言ってみて!』

『質問はどんどん受け付けてますよー! リスナーさん、この機会にぜひあんなことやこんなことを聞いちゃいましょう!』

《タックミーさんはアイドルなんでしょうか。ぼくはあのテレビでタックミーさんをはじめて見たんですが本当はちがうんですか?》

『ああ……』

『結構良い質問ですね。いえ、僕らみたいな業界の人間もそう思いますんよ。タックミーは結局アイドルなのか、それともロックアーティストとして扱うのか』

『う~ん』

 

 ざわ……ざわざわ……(困惑するような群衆の声)

 

『細かな分類だと歌手でもあり経営者でもあるとかになるんだけどね』

『そういえばアメリカで会社作ってますよね。なんですゲームですっけ』

『そうそう、近々発売予定。日本でも3か所に専門店を置くから皆来てくれよ!』

『ここで宣伝!?』

 

 HAHAHAHA!(わざとらしい笑い声)

 

『っと、ごめんねりきまる。じゃあ、答えるけど』

《え、あ。はい》

『一社会人としての意見は君のお父さんやお母さんは間違いなく正しい。とても良識ある大人だと思うよ。私みたいな生き方をしてる奴は、不良とかかごの中に入り込んだ腐ったミカンとか言われる類の人間だからね』

『え、ちょっ』

 

 ざわ……ざわざわ……(困惑するような群衆の声)

 

『まあ、これはあくまでも社会人としての答えね。私個人としてはそんな事はどうでも良いんだけど。大切な事はね、りきまる。自分が自分の人生にどんだけ胸張って生きれるかって事なんだよ』

《じぶんの……ですか?》

『うん、そう。今、不良って言われてる連中。ロックやってる皆。これ聞いてる奴全員に言っとくけど、私たちは社会様の枠組みから外れてるんだ。屑扱いされたって仕方ないし甘んじて受け入れちまえ。ンな事はどうでも良いって思ってるからロックなんてやってるんだしツッパッてるんだろ? 良いじゃんもっとハジケちまえ。横並びで歩くのが我慢できなくて、テメーの我がまま通したくて意地張ってるんだからさ。最後までやり通しな』

《タックミーさんは、ふりょう、なんですか?》

『不良も不良、大不良だよ。でもさ、りきまる。不良だから、不良じゃないからってさ。それ何の意味があるか考えたことある? なんで不良だと駄目なのかって』

《ありません。わからないです》

『わからないよね。何が良いか悪いかなんて皆自分の心の中にしかないんだから。分かるわけないんだよ、本当は。良識ある世界の大人たちって連中もさ。本当はよく分かっていないけど、自分たちで良も不良も勝手に頭の中で考えて勝手にレッテル張ってるだけなんだから』

《じゃあ、おとうさんやおかあさんがまちがってるかもしれないんですか?》

『音声さん、止めんといて! このまま続けてや!』

 

 (ガチャリとドアを開ける音)

 

『サンキュー、さんぽさん。お父さんやお母さんは決して間違ったことを言っていないよ? ちゃんと周囲に合わせて勉強して、良い学校に入って良い職につく。これは決して間違ってないんだ。その人に合ってるんならそれが一番だろうね』

《……じゃあ、タックミーさんはまちがってる?》

『お父さんやお母さんの価値観からしたら私は大間違いだろうね。でも、さっきも言ったけど何が良いか悪いか皆の心の中で判別してるんだ。お父さん達にとってはダメな人生でも、ほかの人によってはまた違うように見えたりもする』

《……わかりません》

『だろうね。だから、難しく考えないでいいんだ。自分が正しいと思った未来が、自分にとって一等正しい未来なんだよ。ほかの連中の意見はあくまでも参考で良い。お前が信じるお前を信じればいいんだ。だから私は、自分が全力で願う未来を掴む為に歌ってるんだよ』

《……はい》

『これはりきまる以外のリスナーにも言っとくけどさ。自分の価値観を他人に委ねるな。お前がなりたいお前の姿はお前しか分からないんだ。だから勉強を頑張って良い子でありたいならそうしな。ロックやりたいならロックしろよ。ツッパりたいんなら堂々とツッパッて社会に中指立てちまえ!』

《……》

『お前の好きなように、めいっぱい生きてみようぜ。なぁにここにもう一人、めいっぱい好き勝手生きてる奴が居るんだ。世界中の良識ある大人の天敵みたいな私が平然と生きてるんだから、お前らが多少跳ね返ったって社会はびくともしねーし、だから人生ってのは面白いんだろうぜ』

《ぼく、タックミーみたいに……人を笑がおにできる人に、なりたいです》

『なれるさ、りきまる。お前が自分を信じてまっすぐ歩ければ、きっとな。っと、少し脱線しちゃったな。えーと、質問は何の人なのかわからないだったな。じゃあ、うん。全世界の良識ある大人の天敵って事でおkだろおっとなんで銀さんがスタジオに入ってきたんだヤバイヤバイヤバ』

 

 ~ピンポンパンポーン しばらくおまちください~

 

 




ぶつ切りで申し訳ない。会話文だけで話を纏めるってのも大変ですね。
あ、この後終了時間までピー音でした。

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