「俺のヒーローアカデミア」はじまります! 作:ばうえもん
勝ち組
へー、そーかー弾兄ちゃんがジェントルかぁ、なんかそんな
「おい、横嶋。凄い汗を掻いてるぞ」
「あー、うん、ナンデモナイヨ」
「ナンでも無いって、そうは見えナイヨ……」
そいういや最後に会った日は家に帰ったら弾兄ちゃんと知らん爺さんが居て一緒に晩飯食ったなぁ。
あれ?よく考えたら小学生と遊ぶフリーターって当時の弾兄ちゃんって事案一歩手前?
つまりアレは俺を心配したお袋が動いた結果だったんだろうなぁ
愛美さんにしても小学校の頃からの付き合いだけど、この人全然成長せんなとか思ってのほほんと家庭教師して貰ってたけど……どう考えてもラブラバでした!!気づけよ俺!!
とにかくお袋何してくれんねん
いや、方針は原作ブレイクだから寧ろグッジョブ!?
なんにしてもヒーローになっても二人は出会う運命だったのか。
実際はお袋が当時のまた何か仕出かしそうな愛美さんを心配して、弾兄ちゃんが程々に駄目男だったからこれ幸いと引き合わせたんだろうな……ナニワトモアレ
「フリーターから11歳年下の恋人とヒーロー事務所共同経営とか勝ち組にも程が有るな!!」
「うわっ、何を急に叫ぶ」「何事ですか」「何か不穏な事をおっしゃっていませんでしたか?」
「すまん、余りの急展開に叫んでしまった」
インターミッション「
※作者は決してジェントルアンチではありません。
でもヒーローデビューしたら一部の人から尊敬を込めてこう呼ばれるよね
私の名は飛田弾柔郎、紅茶とヒゲをこよなく愛するヒーロー"ジェントル"
…と、名乗れれば良いのだが実態は11歳年下のヒーロー"ラブラバ"のサイドキックだ。
かつて私は高校を退学してヒーローへの道からドロップアウトした。その数年後このまま誰の記憶にも残らない人生を歩むのに恐怖を覚えた私はたとえ
そんな日々に一人の子供に出会った。
私が出会った横嶋忠雄くんは小学校低学年で、そんな子供が高い場所から飛び降りたり、支柱の上で逆立ちしたり、挙句に飛び降り最中に回転を加えたりとあまりにも危なっかしくて思わず声を掛けてしまった。
話を聞いてみたところ、同級生の爆発個性持ちに個性がショボいとバカにされ、お前なんかヒーローに成れないと更にバカにされたのが悔しくて特訓をしていたそうだ。
流石にこのまま放置して怪我でもされるのも気分が悪いので、高校の授業を思い出して当たり障りの無い範囲で訓練方法を教えてあげて別れた。
その数日後にまた忠雄くんを見かけたのだが、こちらに気付いた彼の方から駆け寄ってきて、拙いながらも訓練の成果を披露してくれた。
そして何故か懐かれてしまい、その後も彼の訓練に付き合う約束をさせられてしまった。
正直に言おう「歴史に名を残す」と言っていたが結局のところ人との繋がりに飢えていたのであろう。彼との時間は私の孤独を癒してくれたのだから。
昔の教科書を読み返し彼に指導して、一緒に実践して成功し、それ以上に失敗を繰り返して。そんな騒々しくも穏やかな日々に私はとある事柄を失念していた。
そんな私の愚かさを痛感したのはとある女性が私の元を訪れたからだ……
「こんにちわ飛田弾柔郎君、ウチの忠雄がお世話になってるわね。迷惑をかけてなければいいのだけど」
仕事の帰り道で待ち伏せしていたその女性は忠雄くんの母親である由利子さんだった。
「こちらこそ、忠雄くんとは仲良くさせていただいています」
「失礼だけど貴方の事は調べさせて貰ったわ。
回りくどい事は止して単刀直入に言うけど、アナタはウチの忠雄に近づいて何を企んでいるの?」
忠雄くんには自分の事は昔ヒーローを目指していた事しか話してはいない
とはいえ調べようと思えば調べる事が可能な位は私でも判る。この先の計画に置いてその辺りの問題を検討していたからだ。
なのに自分はわざわざ必要以上に忠雄くんに関わり自身の足跡を残してしまった。この時こそ自分の迂闊さを呪った事は無い。
もっともこの後直ぐにそれ以上に自分の迂闊さを呪う羽目になるとは思いもしなかったのだ。
彼女の鋭い眼光に気押されて逃げ出せずにいた私は取りあえず落ち着く為に時間稼ぎを試みた
「参考までに一体何処から計画が漏れたのか教えて頂けますか」
「計画?
あなた忠雄だけじゃ飽き足らずに他の子も狙っていたの?」
……この人は何を言っているのだろうか?
「てっきり小さい男の子にしか欲情出来ないのかと思っていたけど子供なら男女問わず!!」
「違う!そうじゃない!!
幾ら名を遺す為なら犯罪も厭わないつもりでも性犯罪者なんてごめんだ!!!」
この時の私は酷い誤解に半泣きになりながら叫んでしまった。
そうだよな、冷静に考えればこのご時世で子供に近づく男とか違う意味で不審に思われるよな。
その後クールダウン(物理)させられて洗いざらい吐かされた。
警察に突き出すのかと問えば、
その時の私は憑き物が落ちた穏やかな(全てを諦めた)顔をしていたのだろう、そのうち家に招待するから当面はこれまでどおり忠雄くんの相手をしてくれと頭を下げて頼まれた。
逃げるなどという考えは浮かばなかった。由利子さんからは逃げられないと本能で理解したからだ。
それからしばらくして由利子さんから家に招待され、そこで当時年齢を理由に引退していた墨土羅ェ門師匠を紹介された。
最初は引退を理由に私の弟子入りを拒んでいたのだが、由利子さんには逆らえないのか最終的にはヒーロー活動の再開まで約束させられて契約書を書かされていた。
当然私にも由利子さんを前に断るという選択肢など存在するわけがない。既に私たちの中でヒエラルキーは確定していたのだから。
それから帰宅してきた忠雄くんと一緒に師匠の話を聞き、父親の大珠さんが仕事から帰ってきたところで食事をご馳走になった。
数年振りの一人ではない食卓は酷く暖かった……
それから忠雄くんにこれからヒーローに成る為の修行をするから会えないと伝え、次に会うときはヒーローになってからと伝えると「じゃあ、わいがにーちゃんのサイドキックだ!!」と返され、お互い笑顔で再開の約束をして別れた。
それから数年、師匠の元での修行がひと段落したところで由利子さんから今度はヒーローになるなら高校を卒業していた方が良いと定時制高等学校へ通う事を提案された。
現在の雇い主兼相方であるラブラバこと相場愛美くんと出会ったのもこの時である。
当時の彼女は引き籠りからの脱却(強制)における恩人である由利子さんに恩義を感じていて、彼女の息子の忠雄くんがヒーローになるなら自分は裏方として彼を支える為に経営の勉強をしていたのだが……何故か私に一目惚れして予定を変更!私とヒーロー事務所を立ち上げる事を目標に奮闘し始めた!!ちなみにそこに私の意思は無い…
なお、忠雄くんの事は良いのかと聞いてみれば自分が由利子さんから経営学のスパルタ教育を受けている横で忠雄くんも一緒に扱かれていたから経営科で習う内容程度なら問題ないそうだ。その頃の彼は未だ小学生じゃないのかい!?
定時制高等学校へ通う傍ら彼女も私の師匠の元で修行して最終的には経営科卒でありながらヒーロー免許を取得してしまった。しかも私よりも先に!!
元々彼女の個性は特定の相手を強化する支援型の個性であったのだが修行の結果自身の強化も可能になり、忠雄くんが自作したという"神通棍"をベースとした特殊警棒と電力さえあれば自立稼働可能で電子機器を制御出来る電子情報体"電子妖精"を駆使して試験に挑み、「愛在る限り私は負けない」とか「この愛が私強くする」とか「どんな悪意が相手でも私の愛は揺らがない」などと大暴れ、もう全部愛美くん一人でいいんじゃないかな…
翌年に私もヒーロー免許を取得して晴れて師匠の元から独立を果たした。実態はともかく一応愛美くんと共同経営という形になっているので独立と言えるハズだ!!!
なんにしても忠雄くんがヒーローへの道を歩み始める前にヒーローになれたのでなんとか格好は付いた形だ。もっとも普通の高校で留年から落第した三流ヒーローの私と違い、彼は名門中の名門たる国立雄英高等学校に合格し、しかも雄英体育祭で好成績を修める将来を嘱望されるエリート。正直ヒーローと言っても彼の前に立てるような立場では無い……
「大丈夫よジェントル、忠雄くん小学生の頃から全然成長していないわ」
「中継を見て確信したわ、相も変わらずアホの子よ」
いや、確かに私が出会った当時は年相応の子供だったと思うがアホの子は流石に……そうだね、当時の彼はどうにも危なっかしくて見ているこちらがハラハラして思わず声を掛けたのが始まりだったね
「色々と技を使っていたけど、技の名前が日本語だったり英語だったり統一感がないわね。
おおかた特に考えずにカッコいいからとフィーリングだけで付けた感じよね。男の子って幾つになってもバカね」
少し手加減してあげないかね、ちょっと忠雄くんが不憫に思えてきたよ
「約束したのよね、ジェントルがヒーローになったら忠雄くんをサイドキックにしてあげるって。
彼はエリートだけど未だヒーロー未満で、そしてジェントルはヒーローなのよ。ちゃんと約束どおりヒーローへ導いてあげなきゃ」
「私も手伝うから大丈夫、座学面なら愛美先生が中学に引き続き高校でもビシビシ鍛えてあげるから」
「それは心強いね。頼むよ、愛美先生」
「任せて、
それにジェントルだって今の忠雄くんが相手なら戦っても負けるなんて微塵も考えていないんでしょう」
ははは、雄英体育祭の中継を見た感想が『まだ当分は自分が兄貴風を吹かせられる』と安心していたのがバレているね
「そうだね、彼の蹴りも見事だが今は未だ私の脚技の方が上手だね。
『四次元流格闘術』は脚技が主体だからね、念入りに鍛え上げてくれた羅ェ門師匠に感謝しないとね」
かつて「歴史に名を残す偉大な人物になる」という志を持った少年は不用意な行動から人を傷つけてしまい、夢破れた
中年となったかつての少年は少年の熱に当てられて再び人々の心に名を遺すヒーローとなる夢を取り戻す事が出来たのだ。
……ヒーローとなる夢を取り戻す事が出来たのだが、共同経営者が11歳年下の恋人という事でやっかんだ同業者からは
"変態紳士"とか"ロリコンという名の紳士"とか"ジェントル・クリミナル"とか散々不名誉な呼び方をされているが……違う、そうじゃない!私はそんな形で名を残したいんじゃない!!
※重ねて書きますが作者は決してジェントルアンチではありません。
ただ個人的にジェントルの最大の犯罪は向こうから押し掛けて来たとはいえ当時未成年のラブラバと……
失敬、ジェントルは