「俺のヒーローアカデミア」はじまります!   作:ばうえもん

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Battle Days Are Coming 2時限目


『或る日の南米基地』


 

『皆、恐れていた事態だ。本体のユキノ状化が進行している』

 

『オイコラ、てめえ人の名前を病名みたいに使うな』

 

『やかましいわ!!「バトル・モンガー」なんぞ立派な精神病じゃい!!』

 

 


 

Battle Days Are Coming 2時限目

 


 

「おはようございます」

 

朝の教室で吹出とポニーの2人と話をしていたら塩崎が挨拶をしてきた

 

「おう、今日は遅かった…その髪どうしたーーーー!!!!!!」

 

「騒がしいですね、落ち着きなさい」

 

クラスメイトの注目を浴びてちょっと困ったのか顔を赤らめる塩崎の髪は色こそ緑だが普通の髪質だった。

 

「落ち着けるかよ、個性消えてるじゃないか!!病院行けよ」

 

クラスメイト達の『お前の担当だろ、行けよ!!』みたいなプレッシャーを受けて状況の確認をするが本人は平常運転で困る

 

「大袈裟ですね、意識して力を入れるとこのようにきちんと伸びて来ますから」

 

いや、だからって落ち着き過ぎだろ。

 

「本当に悪い感じはしないので心配はいりませよ」

 

なんつーか非常に嫌な予感がする。

 

「塩崎、少し気になる事がある。不快だろうが頭触るから椅子に座ってくれ」

 

「わかりました」

 

と素直に椅子に座ってくれたので背後に周り霊視をしながら髪、頭皮と順に調べて見るが

 

「よく考えたら普段を知らんから違いが分からん」

 

「男性に触れられるのは初めてですからそうでしょうね」

 

注目していた周囲は呆れた目を向けてくるが本人は落ち着いたものである。

 

「まあ、見当は付いてるから本格的に調べるか。ちょっとくすぐったいぞ」

 

クビラを憑依合体して霊視を強化して確認、予想通り頭頂のチャクラが閉じかけているな。なんとなくマッサージしつつ霊波を流して経絡の確認をするが他には異常はなさそうだ。

 

「んっ、マッサージ、お上手ですね」

 

「あっ、すまん、なんとなく指が動いた」

 

「そ、のまま…お願い し ます」

 

なんか知らんが好評のようだから調子に乗って続けつつ調べた結果を告げる

 

「おう、結論から言うと先日の実習でツルを棍で払った時に個性エネルギーを込めたんだが、その影響が個性の行使を妨害している。俺のせいだ」

 

「やはりそうですか。悪い感じはしませんでしたのでおそらくそうだったのではと考えていました」

 

とりあえず残っていた金行の氣を祓ってチャクラを正常稼働させた。エネルギーの流れを見た感じでは問題なさそうなので正面にまわり頭を下げる

 

「残存していたエネルギーは除去したので個性の行使に問題は出ないはずだ。

 とにかく今回は俺の不注意で迷惑を掛けた。この件で困った事があれば何でも言ってくれ、出来る限りの事はする」

 

と頭を下げて詫びる

 

「頭を上げて下さい。元々私たちが対戦を求めた結果です。責任が有るとしたらそれは私自身に有ります。

 それでも気が咎めると言うのでしたら個人的に指導をお願いします。私も物間さんや黒色さんの様に力に目覚めているので無いですか? 先ほど処置を受けてから色々と軽く感じます」

 

「ああ、個性の行使を阻害された状態で自力でなんとかしようとした結果チャクラが活性化しかけている。肉体も影響を受けているハズだ」

 

「そうですか、ではお願いしますね」

 

「そうだな、生兵法は大怪我の元だから責任持って指導する。

 それで他の奴らも気になるからちょっとすまんな」

 

「いいえ、心配事は晴らすべきですね」

 

話が早くてたすかるわ

 

「ポニー、回原、鉄哲、鎌切、宍田、集合!!」

 

「なんだ、塩崎ほっぽり出して」

 

「所在無さげですぞ」

 

「大事な話しだ、お前らこないだ俺に打たれた所おかしくなってないか?個性に異常は無いか?」

 

「いや、特に無いな」

 

「問題ないゼェ」

 

「お腹ダメージだからちゃんとべービー作れるか試そうよ」

 

戯言は丁重に無視して再度問う

 

「逆に調子が上がったとか疲れやすいとかはないか?

 ちょっと念の為に調べさせてくれ」

 

「了解、服めくればいいか?」

 

「ああ、ちょっと触るが我慢してくれ」

 

念の為全員霊視をして確認したが問題は無かった

ポニーについては塩崎がツルの壁で囲って男子の視線をシャットアウトした。

 

「脱ぐな!!打たれた所は腹だろ、シャツめくるだけでいいんだよ!!」

 

だから(俺では無くポニーの)ストッパー役を引き受けてくれた拳藤には感謝である。飴ちゃん食うか?

 

「子供か!貰うけど」

 

「ワタシも欲しいね。あ~ん」

 

めんどくさいのでポニーの口にも大玉を放り込み

 

「塩崎も食うか?」

 

「えっ?はい」

 

と照れながらあ~んと小さく口を開ける、いや手を出せよ

拳藤に白い目で見られながら塩崎の小さく開けられ口に包装を剥がした飴を食べさせた。ちょっと指を咥えられたのは内緒だ

 

 

 

朝から騒動があったがそんな事は関係なく学生には授業が有る。

俺は高速思考とマルチタスクの頭脳チート持ちだがその実態は単純に他人より時間辺りの作業量が多いだけであり、勉強が出来るかどうかはまた別の問題であった。つまりは役に立つ場面は内職する時位だな!

 

来週の試験については放課後に考えるとしてだ

ポニーと吹出の3人で俺が常備しているパンやらカップ麺やらで軽く食事を済ませて昼休みの中庭に移動、浮遊スピーカーのボシュボッシュを一鬼召喚して土曜日の宣伝兼ねたストリート?ダンスの始まりだ!!

 

クルクルランダム回転するボシュボッシュが奏でる古い邦楽懐メロをバックに3人でモンキーダンス、俺と吹出だけだとアホな事をしていると思われそうだがポニーの外人効果で楽しそうに見えるのだからKAWAIIは得である。

 

適当に注目を集めた所で音楽がターンテーブルを止めるが如くギュウ~ンと停止、一拍置いてドンと大音量でポニーが選曲したアニメの曲が流れ向かい合った俺と吹出のパフォーマンスが始まった。

なお本日はポニーのリクエストで本番ではまず流れないアニソン尽くしのA系でダンス!我ながらまたSNSに変な話題を提供しそうだなと思いつつもポニーにおねだりされたのだから仕方が無い。

 

先行は俺、事前に曲が分かっていたので授業中に歌詞ハメすべく振り付けを考えていたのだ!!

鍛えに鍛えた肉体の制御能力全開で一歩間違えればキモイ程ヌルヌルとした動作でタットダンス!我ながら才能の無駄遣いである

つーか萌え萌えした曲だから興味無い人にとっては普通にキモイかもしれんがやる以上は徹底的にだ、曲に釣られて集まってきた野郎共なら大丈夫だろう

程々に可愛いポーズを交えて一番をキモ可愛く踊り切った所で野太い歓声を受けつつ吹出と交代。馬鹿にした声も聞こえるがポニーが喜んでいるからまぁ大丈夫だろ、外人ならアニメ好きでも許される風潮に絶望した!!

 

で、吹出だが流石に俺と違って考える時間が足らなくて要所で歌詞ハメする程度だが普通に上手いロックダンスで一般人にも優しい内容である。ズルいわ!!

吹出が踊り終えた所でお互いの健闘を称えてハグ、ポニーもやって来たので3人でハイタッチをしたタイミングで日曜朝のキュアキュアな変身ヒロインのエンディング

今度はポニーを中心にサイドを俺と吹出が固めて公式の振付を踊り始める。やはり俺と吹出だけではキモイ行為もセンターにポニーを添えれば以下略、外人なら(ry

おっと、一緒に踊る奴らも出て来たな。男だけならキモイが楽しそうな女の子が居ると空気が全然違うからな。

 

人も増えたのでボシュボッシュを弐鬼追加してその後は普通に踊れそうな邦楽のメジャーアーティストのがタイアップしたアニソン曲を流して行く。これなら一般人も混ざり易かろう

中庭が混雑してきて動きが大きいブレイクダンスは踊りにくいのでロボットダンスを適当に踊っていたら騒ぎを聞きつけて奴らが現れた

 

「ヨコシマーーーー!!

 だからなんかやるんなら俺っちに声を掛けろと言っただろうが!!」

 

「そーだー!ズルイぞ!!踊るんなら私も誘えよ!!」

 

「いや、今日はA系なんで敢えて声掛けなかったんですけど」

 

「問題無い!DJやらせろ!!」

 

いいんかよ、まぁ協力してくれるなら歓迎するが。つーか卓持参とかマイク先生やる気満々ですね

 

「あっ、はい、じゃそのミニ卓に繋ぎますね」

 

「それにしてもいいスピーカーだな、譲って貰えんか?」

 

「すんません、俺の個性で出してるので無理です」

 

そりゃ残念と言いつつ今流れている曲に被せて来たので俺の方はフェードアウト

 

『リスナー諸君!!

 こっからは俺がご機嫌なアニソンをセレクトしてやっから昼休みを楽しんでくれ!!』

 

で芦戸嬢は普通に順応して踊っていらっしゃる。アニソンとはいえ普通に邦楽だから問題は無いんだろう

 

「楽しいねぇ」

 

「女の子も結構いるじゃん、サイコーーー!!」

 

「うひゃ~、凄い熱気やん」

 

「ウヒョウ!!むっちゃ揺れてる!!サイコーじゃねぇか!!」

 

そーだな、お宅んところの副いいんちょは揺れるな

 

「これはなんと言えばよいのでしょうか?」

 

「周りを見渡したまえ、ここには笑顔が有る。こういった形のヒーロー活動も有ると考えたまえ」

 

つれて来られたのか戸惑い気味なのが八百万に緑谷夫妻、付いて来たのか積極的に踊るのが飯田にブドウにウェイか……

つーか飯田もロボットダンスかよ、よっしゃ一緒に踊っちゃろ

 

「良い事言うじゃないか。

 難しく考える必要は無いが、踊る事に理由が欲しいならここにプレゼント・マイクが居てその周りに笑顔が有る。それが答えでいいだろ」

 

「そうですね、私が学んだウワバミさんの…ずいぶんと息があっていますのね」

 

円を使って飯田の動きを読みながらほぼノーラグでトーレスする俺の様子見て面食らった様だ。

つか、周りも完全にシンクロした俺達に気付いたのか自然に俺達を中心にスペースが出来て撮影する奴も現れた。

 

『オイオイ、お前ら双子かって位息ぴったりだな!!』

 

とマイクのツッコミのなかペアらしきダンサーがスペースに飛び込んで来た。っしゃ!!

気付いたマイクも

 

『オーケー、突発だが本番前のエキシビションだ!!

 準備はいいか!!俺っちは出来てるぜ!!』

 

「「「「「「「オー!!」」」」」」」

 

学校の昼休みに踊ろうって連中だ、ノリいいな

 

『U・A系ダンス・バトルっ!!スタート!!』

 

むっ、狼バンドかよ。これはやらざるえない。飯田の肩に手を置いて制して前に出る

 

「俺は止まんねぇからよ、止まるんじゃねぇぞ…」

 

途中省いたせいでよく分からんくなったが周囲と相手には通じたようだ、味方が分かってないがな!!

 

団長コールを受けて全力でカポエイラの足技中心の組み立てでアクロバット系から入る。

先ほどまでタットやロボットダンスをやってた奴がブレイクで派手なアクロバット系を連発すれば面食らうだろうて。本番前に手の内を見せるのはどうかと思うが狼バンドを選曲されちゃ手を抜けない。

散々空中を回転しまくったらこんどは地に伏せ回るパワームーブを軸に移行し、最後は団長の最後を意識して指一本で倒立してフリーズ。止まるんじゃねぇぞといいつつフリーズで終了とはなんとも皮肉である

 

さて、相手は経営科と普通科の男女コンビで踊り慣れというかバトル慣れしている印象で、俺の相手は経営科の女の子だった。

俺の脳筋全開のパワームーブに対してヒップホップ系か?要素が多くて分からんが緩急付けて魅せ方が上手いという印象だった。なにより…

 

「なにやってんだ、ヨコシマァっ!!」

 

彼女の魅せるダンスに負けを意識した俺に対して、踊り終わってしっかり団長のセリフで煽ってくる辺りが上手い。団長が諦めた主人公に掛ける言葉で煽るとかズルい。

しゃーねーな、もう少し粘りますか。

 

次の曲は若干テンポが落ちてきた、本来は邪道なんだけどDJがロボットダンスの飯田に合わせてきたのかね。つーか相手の女の子も上手く飯田に絡んで変化を付けてくる、初心者チームってのは見てわかるんだろうな

相棒を相手にリードされるのも癪なので飯田を援護すべく横に並んできっちり飯田の動きをトレース。完全にシンクロしたロボットダンスとかロボット感がマシマシにならんかな?

むっ、ダメダメねって顔をしてるな。では振りをトレースではなくて連動する感じに変えるか。なるほど、これでいいのか。対戦相手にバトル中に指導を受けるとかなにやってんだって感じだがダンス歴2日目の初心者だからな、明日の本番までに経験値を稼ぎたいんだよ

とはいえメインは飯田なので曲のサビで背後に周りつつ離脱したがどの程度の援護になったのやら

 

飯田の相手は普通科の男子でガタイが良い猪の異形型、ロックダンスを軸に多少のブレイクの技を交えてガタイの良さを武器にダイナミックに魅せてくれる。つーかステップって俺とどう違うか分からんな。いや明らかに違うんだけど多分曲に合わせるのが上手いんだろうな。

 

お遊びなんでジャッジは芦戸嬢1人、勝敗は当然踊り慣れている相手ペアであった

 

ひとまずお互いの健闘を称えた後は素直に教えを乞う事にする。飯田は芦戸嬢と相手女子の3人で話して、俺は対戦相手の普通科の男子で猪の異形型の亥野君と話す。

なんでも負けず嫌いの心操君に頼まれて経営課の友達とダンスの指導をしていたところ、庭が騒がしくなって覗いてみたら俺達が踊っていたので練習がてら参加しに来たそうだ

 

「へー、明日は心操君と参加してくれるんか。おっ、心操君もオーディエンスにいるじゃん」

 

「しかしタットから見てたけどそっちは凄かったぜ」

 

「あー、あれはデモンストレーションだから振付事前に考えてあったんだよ。やっぱ即興でダンスを組み立てるには経験が足らんな」

 

「成程な、だが動き自体はいいからセンスを磨くだけだな」

 

「いや、そのセンスが初心者の俺にはキツイんだが。心操君はどうなんだい?」

 

「悪くないぜ!!」

 

と2人で心操君と合流しに行ったら彼は彼で緑谷夫妻と会話をしながらダンス中であった。

 

「明日参加予定なら体育祭のリベンジがてら対戦させたらどうだい?」

 

亥野君に話を振ってみたが頷いていた。これで明日はまた盛り上がりそうだな

 

それなりに時間がある昼休みとはいえガッツリ踊るには時間が短い

 

『それじゃあ次がラストナンバーだ!!

 これが終わったらちゃんと授業うけろよ!!』』

 

で流れてくるのは某戦線のシュガーでビターなED、一体感を煽る曲を最後に持ってくるあたりこのゲリライベントの趣旨を実に分かっていらっしゃる。

最後はみんな適当に踊りつつサビで周りの人間と肩組んでバラバラのラインダンス

ラインダンスなのにリズムバラバラで見れた物じゃないけど構わない、普段バラバラな俺達が笑って肩を組めるなら充分じゃないか。

 

『それじゃ撤収!!

 リスナー諸君!!明日も待ってるぜぇええええ!!!』』

 

「「「「「「「お疲れさまっしたーーーー!!」」」」」」」

 

程よい疲労感から午後の授業は大変だろうが今はこの余韻を楽しもう

 

 




dodori◆wycmxKO9B.さんの情報により一学期のスケジュールが理解出来ました。
ありがとうございました。

つきましては期末の予定で書いていましたダンスバトルは中間前に変更いたしました。
その関係で一部修正された部分が有りますが、基本テストに関する事なのでそれ程変化はしておりません。

ただ進行的にA組の一部メンバーに時間の猶予が出来たので予定していた話をそのままいくか少し悩んでいます。

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