「俺のヒーローアカデミア」はじまります!   作:ばうえもん

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Battle Days Are Coming 3時限目


Eat You Up : backstage


 

食堂からの帰り道、先を行く麗日さんや芦戸さんの後ろ姿見ながら僕は先ほどの出来事を考えていた

正直に言うと何故僕が巻き込まれるのかという困惑がある。

横嶋くんが悪くなった空気をなんとかしようとお道化たのは理解出来るが、それが何故ダンスバトルに行きつくのだろうか?

意外と言えば飯田くんが賛同した事だったので理由を聞いてみると

 

「君もA組を取り巻く空気の悪さは感じているだろう」

 

「うん、だけどそれが何の関係が」

 

「先ほど食堂で芦戸くんが踊った時は周囲に集まった人達から好意的な感情を得られた。だからこの話に乗ってみようかと考えた。

 横嶋くんが君を巻き込んだのもおそらくは麗日くんを巻き込む為だろう」

 

なるほど、飯田くんは委員長としてクラスの事を考えたからなのか。だが麗日さんについては……

 

「何故?ガス抜きのつもりかな?意図が分からない」

 

「麗日くんの事はあくまで俺の想像だ、単に最近絡んでいた君に対する意趣返しかもしれないな」

 

なんて笑って言われたが僕としてはそれはあんまりだと口元が引きつってしまう

 

「俺としても一方的に巻き込まれるのは癪なので此方からも2対2の対戦を入れる事を条件にした。そこで君は麗日くんとペアを組んでくれないか」

 

女子とペアダンス!!

思わず麗日さんの手を取って踊る自分を想像して赤面してしまったが、よく考えたら社交ダンスじゃないんだからそれは無いんだった

 

「わかった。これで麗日さんが元気出してくれるか分からないけど頑張ってみるよ」

 

「そうか、分かってくれたか。では麗日くんの説得は任せた」

 

「えっ、えーーーーーー!!!!」

 

それはないよ、飯田くん

 

 


 

Battle Days Are Coming 3時限目

※前回から間が空き過ぎたので半端ですが投稿します


 

昼休みにA系ダンスでハッチャケてストレスを解消、ここの所柄にもなくシリアスを強いられて著しく偏っていた精神のバランスを取った。未だ15歳の男子学生なんだから偶に馬鹿やってるくらいでちょうど良い。

しかし予想通り誰かが俺達のダンス動画をSNSに上げてさっそく話題になっているのであった。

 

 

例の如く放課後の訓練施設、昼のメンバーに明日のダンスメンバー+イツメンを加えてSNSをチェック

国内からキモいとかオタクとかコメント付けられているのに対して外国からむっちゃ高い評価付けられてるのが嗤えるわ。

 

「ほー、ポニーの友達ね。アニメ仲間?なんでまたこんなタイミング良く」

 

「ワタシのアカウントだからチェックしてくれてたネ」

 

犯人は身内にいた!!

単純に友人を自慢したかったんだろうな、悪気が無いのは分かるんだがこの気持ちをどう表現したら…なんというかもにょる?

 

「おー、この人は有名なDJじゃない?

 横嶋のタットダンス褒めてるよ」

 

「こっちはダンサーか、外人からの謎の高評価」

 

「アニメフレンドね、クラブシーンでも日本のクールなアニメ好きなヒト居るヨ」

 

「……このダンスはクールにゃみえねぇが」

 

鉄哲よ、それは言いっこなしだぜ、萌え系だったからウケ狙いでモエモエした振り付けにしたからな…

とはいえオタクは国境を越えるか。その線から普通のクラブシーンに繋がったか

最初は国内からは馬鹿にしたコメントも多かったが、途中からクールとかアメージングといったコメントが飛び交った結果好意的なコメントが増えた。

欧米人ってだけで日本人はカッコイイと感じるからな、外国人からのこの援護は有り難い。

 

 

更にプリユアダンスも上がっているがポニーは一緒に踊っていたから誰の仕業…だ…っ

とらーーーー!!!!こっんんのぉ、フリーダム式神がぁああああああ!!!!

こいつネットで偏った知識ばっか学習してると思ったら動画チャンネルとか登録してやがる。

 

「タダオ、なにプルプルしてるネ……ワォ! ワタシ達のプリユアダンスも上がってるネ!!」

 

いかん、速攻で公式までリンク張ってやがる。なにが『雄英のお姉さんとお兄さんが踊ってくれました』だよ!!

本音は消したいがポニーが喜んでるし、この短時間で騒ぎになった時点で拡散済みだろうから無理か…

 

「なになに、『ダンスもだが何より笑顔が素晴らしい』ナイトアイ だって。この人プロヒーローだね」

 

そしてイランところに気付く吹出。

オイコラ公式アカから速攻レスしてきた似非リーマン、てっきり情報得る為の芝居かと思ってたがあんた普通にプリユア好きなんかよ!!

 

 

「おっ、俺達とのバトル動画も上げてたのか。

 海外の有名どころに褒められるのはむず痒いな」

 

本日のゲストは昼休みに対戦したダンサーネーム「ウリ坊」こと亥野君と昨日に引き続きの心操君、心操はちょとバツが悪そうにしていた。

ダンスバトルの後にアドバイスをお願いしてみたところ快く引き受けてくれたのだ。

雑談そこそこで明日のメンバーはウリ坊(本人からそう呼んでくれと言われた)から指導を受ける事になった。

なお彼は普通にB系であった。アニソンで踊っている場に飛び込んでくるからてっきりA系かと思ってたぜ。

なんでも相方の経営科女子がA系も嗜むのでそっちのイベントにもつれて行かれ、その熱量には刺激を受けるのでオタクカルチャーにも偏見はないそうだ。

ちなみにその相方さんはA組にスカウトされた。

 

とりまアドバイスを貰いつつダンスの組み立てを試していく。

曲の知識が重要なのだが全員そこで苦戦している。踊れる人間も別にダンスバトルをやってたわけではないから勝手が違うそうだ。

B組は素人軍団だからしゃーないな、今回は負けが濃厚だが芦戸嬢だけには勝ってやる。

曲が聞こえた段階で高速思考と分割思考のチート全開でネットから曲を引っ張って来て早送りで聞けばダンスの組み立てはなんとかなるだろ、ぶっちゃけインチキなんだろうが素人なりに得意分野の応用で足掻いてやる。いや、そこは素直に後攻取れって話なんだがな

 

 

そんなこんなでそれなりに見れる様になってきたのでちょとしたお遊びを行なう。

太古の昔から踊りには呪術や儀式的要素があったので術式を扱う俺と親和性は高い。特にタットはエジプトの象形文字を模倣したという理由から文字そのものを操る俺の霊能との相性が非常に高い為にダンスで詠唱が可能だった。

 

訓練施設の照明を若干暗くして雰囲気を出す。

霊力を込めてステップを踏みながら指を光らせてフィンガータット、空中に光で呪を刻みつつステップでステージにも術式を仕込む。

傍から見れば民族舞踊めいたダンスでウリ坊も戸惑い半分興味半分って感じだな。

術式が完成したのでロックダンスに移行した俺を軸に光のリングが回り出し、腕の振りに合わせてブラーの光、踏みしめたステージからは光が舞う。踊ってた連中もステージに圧力を加えると光が舞うのに気付いて騒ぎ出した。

 

「なんだそれ!横嶋それズルいぞ!!」

 

リアルでPV染みたエフェクト見せられれば笑っちまうよな、興奮するウリ坊に近づきフィンガータットで光の呪を掛けてやると笑いながら踊り出した。

 

「ついでにお前も踊れや!!」

 

心操にもオマケで掛けてやれば戸惑いつつも踊り出した。おっしゃ!!

ウリ坊のダンスは参考になるからな、光術を使用した場合のどう見えるかサンプルにさせて貰おう。

 

 

訓練施設の使用時間が終わりをむかえそうなので一部メンバーを集めて今朝の続きで塩崎+αへ氣と魔力の指導である

そんな場面で意外……でも無いか、心操から待ったたが入った

 

「ヒーロー科の訓練なら興味があるから見てみたいのだが」

 

あー、どうすっかね。ウリ坊も興味があるようだ

 

「訓練ではなくて特殊な技術の注意点を話す予定だったんだが……」

 

「特殊な技術?それは俺でも覚えられるものなのか?」

 

「教えるのは構わんが師匠に筋は通した方がいいぞ」

 

「それはそうだな」

 

そう言うと心操君は少し考え込んだあと此方に断りを入れてスマホを取り出して連絡を取り始めた

入れ違いに代表して物間が質問してきた

 

「教えていいんだ。鉄哲が指導を受けている流派の話からてっきり秘密だと思っていたよ」

 

「俺は別に何処かに所属ってわけじゃないから俺の一存で決められる。そうじゃなきゃお前らに仕込んだりはしないって」

 

さて、報告すました心操が戻って来たので話を始める前にちょっと体験させてみる。文珠を使用する事になるがまぁダンスの指導を引き受けてくれたからサービスだな

 

「ちょっと試してみるか?

 ホントは鍛えてない人間がやると反動でA組の緑谷みたいに身体壊すけど大丈夫大丈夫、ウリ坊位鍛えてれば行けるって」

 

「軽いな、おい」

「ヒーロー科こえーよ!!」

 

「心操君は個性がESP系だから適正は十中八九魔力だな、こっちの強化はアシストする感じだからそこまで反動はないから、その分違和感が出て動作に気を使う必要があるけど」

 

つーわけでウリ坊は文珠で少しチャクラを稼働させてエネルギーを引き出して、心操にゃ魔力供給でバフ系を掛けてやった。

さっそく踊りで体のキレを確認するウリ坊の方が心操よりもヒーロー向きじゃないかと思わんでもない、既にウリ坊はダンスでヒーローだからかね?

対しておっかなびっくり感触を確かめる心操、慎重なのは緑谷を例に脅かしたせいかね。

 

本日の本命である塩崎はこの後時間を取って貰って家か事務所だな。

そこでやたらとソワソワした黒色からの質問

 

「横嶋、魔力とはなんだ?」

 

「あーそういえば氣ばかりで説明してなかったな、肉体の氣に対して精神力で使うエネルギーって考えてくれ。

 黒色の場合は目覚めるのは『氣』より『魔力』だと思っていたんだがなぁ」

 

「――なん… …だと…?」

 

目に見えてショックを受ける黒色、そりゃ『氣』と『魔力』じゃオサレ値が変わってくるからな

 

「あー、黒色にもあとでちゃんと教えるから、つーか『闇の衣(やみのころも)』ってお前向きの魔力と暗黒闘気の複合技能があるから是非習得してくれ」

 

落ち着くどころか益々ソワソワし始めた、気持ちは分かる!!

 

「そんでだ、ようは精神力が影響する力なんで肉体の依存しない頭脳系とか精神系、あとは黒色みたいな特殊な個性持ちは此方が馴染みやすいと思う。

 便宜上『魔力』って呼んでるが『法力』でも『サイコパワー』でも『験力』でもフィーリングで好きに呼んでくれ。俺も術式で呼び方変えるしな」

 

「適当ですね。では私は『精神力』で」

 

「悪いが塩崎は普通に体力ベースの氣だから」

 

「わたし……脳筋?!」

 

デカい黒目を白くして「ガーン!!」と驚くお前は昔の漫画かよ

あっ、「ガーン!!」はホントに見えてた、吹出の仕業かよww

無駄に芸コマな所が好感度が高いのでナイスとサムズアップしておいた

 

 


Battle Days Are Coming : backstage


 

食堂で芦戸さんや飯田くん達と食事をしつつ明日のダンスバトルの事を話していたら中庭の方から爆音が響いてきた。周囲の人の話から中庭で横嶋くん達がアニメの音楽で踊っているらしい。

彼、A系なんだ…その後聞こえてくるのは普通にメジャーアーティストの音楽だったけど、それも何かのアニメの主題歌らしい。

踊っていると聞いた芦戸さんは「面白そう!ズルい!」と騒ぎだして周囲の食事が済んだメンバーを引っ張って中庭に移動して、それを見た飯田くんや僕も後を追ったのだが中庭に着いた時に丁度プレゼント・マイクがDJを買って出た場面だった。

 

凄い! B組の3人の巻き起こしたエネルギーは周囲を巻き込んでその熱量がどんどん大きくなっていき、ただの悪戯染みた行為がヒーローを巻き込んでイベントになった!!

アニメの音楽で踊っていた横嶋くんを馬鹿にするために付いて来た上鳴くんや峰田くんもその渦に巻き込まれて普通に参加して楽しんでいる。

 

 

それは昨日の放課後の事だったが、ダンスを練習するがいまいち身が入らない僕に飯田くんはこう言った

 

「君が尊敬するオールマイトはどんなヒーローなんだい?」

 

その問いの僕は色々と答えた中に「みんなの笑顔を守るヒーロー」というのがあった。そんな僕に飯田くんはこう返した

 

「プレゼント・マイク先生は立派なヒーローじゃないのかい?」と

 

その後はダンスの話が何故か横嶋くんの蹴りを飯田くんが真似しようとしたが足が上がらないという話になり、そこから話に加わってきた芦戸さんの体の柔らかさの話になった。

観察してみれば芦戸さんの体全体の使った動きはダンス由来の物で、柔軟性やバランス感覚も僕とは全然違うと。

その辺りが横嶋くんの動きにも通じるところがあって、そう考えると現金な物でこの行為が無駄とは思えなくなって俄然やる気が出てきたのはまた別の話かな。

 

そして今なら昨日の飯田くん言葉を実感出来る。ヒーローは笑顔を守るのだという思いは今でも変わらないが、人を笑顔にするのもまたヒーローなんだって。

そうだ、僕だってプレゼント・マイクのラジオは毎週楽しみにしているじゃないか!!何時もランチラッシュの食事を楽しんでるじゃないか!!

だから明日のダンスバトルが終わった後もダンスを続けるのもいいかなって思えてきた。

 

 

一緒に体を動かして麗日さんも少し気が晴れたようだ。そう安心していたところに彼が声を掛けてきた。

 

「緑谷、明日俺とダンスで戦え!!」

 

なんでもいいから先ず一勝。ヒーロー科に、僕に勝ちたいんだと心操くんは言った。

 

「いいよ、僕も明日は本気で行こうと気合を入れていたところなんだ」

 

先ほど飯田くんと横嶋くんが普通科と経営科の人達とダンスバトルをしていた。

素人のヒーロー科2人が負けたけどそこに負の感情は無く、お互いが肩を叩き合って健闘を称え合っていた。

 

僕はそんな彼らがヒーローらしくて羨ましいと思ったんだ。

 

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