「俺のヒーローアカデミア」はじまります! 作:ばうえもん
ナデポ(ただし撫でられる側)
「取蔭、お前には前々から言いたい事があったんだが」
「なによ?」
俺が小大に言い知れぬ恐怖を感じていた時に、常識人四天王−1が切奈に話掛けていた。
「「「女の子紹介して下さい!!!」」」
「藪から棒に何よっ!」
声を合わせて90度でお辞儀する3人に切奈は引き気味だ。うん、お前らの気持ちはわからんでもな…おわっ!「ギンッッ!!」て音しそうな視線で四天王−1から睨まれた。解せぬ
「俺達もイチャイチャしたいんだよ~!!」
「お前らの邪魔はせんから代わりに女の子紹介してくれよぉ!!!」
「カラオケであすなろ抱きでデュエットしてぇんだ!!!」
そういや切奈がカラオケの写真を女子グループに公開してたな。誰かが見せたのか…
しかし外部に求めんでもクラスメイトと遊べばよかろうに
「ここにも女子いるじゃん」
側に居た小大の肩に手を置きズイッと押し出す。決して怖いから押し付ける訳では無い!!
「「「いや、小大とじゃカラオケは無理じゃね」」」
「急に素に戻るなよ」
言ってみて俺もカラオケは無理があるって思った。なお小大はショボくれて切奈に抱き着いている。
入学当初は見た目の良さから人気だった小大だが最近はクラスに馴染む代わりに扱いが雑になってきたな、さもありなん。
「横嶋!!お前なんだよあの動画!!
取蔭のダンスのバックでボイパとかパリピアピールかよ!!なんでカラオケ行って踊ってんだよ!!」
なんか切れ気味の回原だがリア充アピールは切奈の仕業だから……しかしまた知らん間に動画上がってんのかよと切奈を睨めばてへぺろしやがった。
そこへ吹出が加わってきたのだが、実は最近の俺の動向にはコイツの影響が大きい
「ボイパじゃなくてビートボックスだよ、今度は2人でビートボックスでダンス動画やろうか!!」
「あー、それも良いな。吹出もなんつーか多趣味だよな。ビートボックスについちゃ個性の関係なんだろうけど」
「やっぱ個性に生かせる趣味はドキューン!!!!って感じだよねぇ、勿論単なる趣味として普通に踊って歌うのも良いけど。
雄英入学してからは横嶋がドォワーッて付き合ってくれるから楽しいよ」
職場体験前から吹出との話題は動画サイトのお気に入りとかだったからな、お勧めがダンスとかそっち系だったんで影響受けた俺は色々と手を出してたわけだ
そんな感じで盛り上がっていると今度は泡瀬が切れた。スマン、素で忘れてたわ
「ボイパとかビートなんちゃらとか、んなことどっちでもいいんだよ!!!」
「あーあ、泡瀬ってそんなこと言っちゃうんだ。折角イベントへ誘おうと思ってたけど泡瀬は不参加だね。ポニーが友達呼んでくれる予定だったのに」
「犬とお呼びください!!」
なにこの茶番、なんか原作横島のノリなんだけど
「取蔭もボヨヨンって感じの娘呼べちゃわない?」
「何その最低な擬音は、前々からクラスの男子を紹介してって友達いたけど雄英ブランド目当てだよ。それでいいなら呼ぶけど」
「いいんじゃない?こっちも女の子と楽しく遊びたいって不純な動機だし」
「開き直ってんなぁ、吹出って実は遊び慣れてるんか?」
こいつオタク趣味全開の割には何気に会話上手いしな、場を盛り上げるとか得意そうだし
「経営科の先輩方が勉強がてらクラブ借り切ってイベントするから餌としてヒーロー科から参加者集めてって頼まれてたんだよねー。お互いを餌に人を集める僕って冴えてるー!」
「吹出って偶に毒吐くね、まぁWin-Winだからいいのかな? 俺も参加していい?」
ちゃっかり話に混じって参加表明する骨抜、彼女云々は置いといて遊ぶくらいならって感じかね?
「まあ、そういう事なら参加する「横嶋はNGだから」何故だっ!!」
「何故ってそもそもが横嶋がクラスの女子独り占めしてイチャイチャしてるからグヌヌってる男子のガス抜きの為に考えたんだからね、ヘヘーッて感謝して欲しいくらいだよ。それなのに横嶋来ちゃったらまた女の子独占するじゃん」
独り占めとは人聞きが悪い、3人だけのハズだ……小大は…アレは例外だ、奴はいま切奈の胸に顔を埋めているが口元が笑ってやがる。取りあえず性的な事なら男女どちらでもいいようだ。
「と言うわけだから男子は色んな所をギュインギュインしながら期待してろー! 2年のお姉様方が手ぐすねを引いて待ち構えているぞーー!!」
手ぐすね引いてって表現は期待していい場面なのか?
「なんで2年が1年に声を掛けるのかしら?」
「同級生だと多少は憚りあるらしくて遠慮したいんだって。その点1年はヒーロー科でも初々しくて可愛いらしいよ」
試験終了後の土曜日って事で男子は俺以外参加かよ、女子も友人に声を掛けるポニーと切奈は当然としてほぼ参加って泣くぞ!!
くっそぉ、打ち上げにクラスの皆をバーベキューに誘うつもりだったのになあ……
「では(2人っきりになれそうですので)約束のデートはその日が良さそうですね」
「い゛は゛ら゛ぁ゛ぁぁぁあぁあ」
そんな感じになし崩しで俺と茨のデートが決まった。
ボッチを回避出来た事で感激して茨にすがり付いていた俺は気付いていなかったのだが、俺の頭をヨシヨシと撫でる茨の余裕たっぷりの態度とデートの発言で男女問わず
「皆余裕ないねぇ、メラメラ人を羨んでないで周りに眼を向けて行動すればいいのに」
まぁナデポされてしまったから惚れてもしょうがないよね
Eat You Up 2時限目
さて、授業も終了して遂に放課後はダンスバトルの時間だ!!
と、意気込みたいところだが異常に疲労している俺は枝村サポート製の栄養ドリンクのお世話になっている。
しかしこの「ハイデタゲンキAce」ってネーミングセンスはどうにかならんのか、スーパータダオに変身しそうで怖いんだが…
「うっし、じゃあ出陣じゃああ!!」
と気合を入れた所でふと思いついた一手の仕込みをする。
「おーい吹出!頼みが有るんだけど!!」
「ん~?何かな?」
「ビートボックスで30秒位イケる?」
「なるほど、横嶋の事だから最初に一発ズギャーンとカマスわけだね。タイミングは最初にメンバー紹介とかするだろうからその時かな?いいよ、任せて!」
「よっしゃ、多分マイク先生からボシュボッシュ頼まれるからそんとき話通しておくわ」
「いいねえ、お祭りは愉しんだもんの勝ちだからね」
楽しんだもんが勝ちとメンバーどころかクラスメイト全員が俺とお揃いの執事スタイルである。全部俺(の中の人)が準備した!GS世界の素材なもんで何気に俺のヒーロースーツより高耐久である。
「うぉい!!お前ら揃いの服とか壮観だな!!」
会場着くなりプレゼント・マイクの歓声?で迎え入られた。
当初は訓練場でやる予定だったがプレゼント・マイクの仕切りになった事で体育館に変更された。
正直セメントス先生が気を使って表面を仕上げてくれてもセメントではスピン系の技はストリートダンスと同じく頭髪ダーメージ的理由で制限せざるを得ない。
そんなわけで板張りの体育館の方が断然って……ダンス競技用のリノリウム敷いてあるわ。本格的だな、これならスピン系もやり易いが…
そんな感じで俺は流石は教師主導とその準備の良さに感心しつつダンスの組み立てを修正していたのだが、何事かと集まったA組メンバーがヤラれたって表情で慌てて八百万嬢の周囲に集まっていた。
あちらからは「ズルイ~」とか「私も着たい~」等の声のなか、「お揃い着たい」と言う榛葉に「メイド服持ってるんだから着れば?」と平たい娘から突っ込みが入り、更にこちらはメイド服だと一部男子がハッスルし始めた。いや、女子はともかくお前らも着る気か?
なんにしろ良い事ばかりじゃないぞ、執事服だとニット帽とか頭髪の防御装備が合わせられんのだよ、服装を揃えたせいで自分から枷を設けてしまった……
「忠雄っ!マイク先生が呼んでいますので遊んでないで来てください!!」
おっと、主催者のお呼びだ。一応俺が言い出しっぺでもあるから協力はせにゃならんだろうな。
「おう!今行く」
「女子から名前呼びだぁああ!?」
「昨日下校中にラブコメ染みたやり取りしてたらしいよ」
「えっ、やっぱアイツら付き合ってんの?」
「ケロッ、亜里沙ちゃんはまだ苗字呼びなのね」
「……蛙吹さん、その思った事を口に出す癖はいつか身を滅ぼしますよ」
「謝るからその冷気を止めて。いつかじゃなくて今すぐ眠りにつきそう」
なにかA組の方から冷気交じりの不穏な空気が漂ってくるが轟の仕業かな?何か気に障る事でもあったのか?
プレゼント・マイクの所に着いたら飯田と芦戸嬢、拳藤と俺、委員長にダンスのリーダーってとこか
「マイク先生もよく2日やそこらで準備出来ましたね。正直ここまで大事になってビビってますよ」
「それが意外と乗り気な人間が数名いてな、協力して貰えたんだよ。俺が仕切るって事でここまで事が大きくなったんだから気に病むな、あの時話した通り俺にも思惑はあるしな」
「その思惑とは教えて頂けるのでしょうか?」
「あー、簡単に言えば体育祭の後始末だな。ただ一年の仲を取り持つつもりが全校レベルになっちまったんで予定が狂ったんだ。すまんな」
「いえ、お気遣いありがとうございます」
飯田の疑問にあっさり答えるプレゼント・マイク、まぁ悪い事では無いから秘密にする必要もないんだが
「それでだ、全校規模になったから本来の目的であったクラス対抗がメインに出来なくなった。メインは自由参加のソロのフリースタイル形式のダンスバトルだな」
うん、なんかそんな気がしてた。つーか飛び入り歓迎って最初に言ったの俺だし
「そうなりますよねぇ、ではクラス対抗はどういった形で出来ますか?」
「最初に5人チームでエキシビションとしてそのままチーム戦だな、A組の希望のペアはチームの4、5人目をペアで踊る変則形式だ」
「ご配慮ありがとうございます」
「私は楽しく踊れればなんでもいいかな」
「それで横嶋、体育館の音響設備だと弱いんで昨日の浮かぶスピーカー貸してもらえんか。お前の事だから準備はしていたんだろ」
「うっす、じゃぁ呼び出しますんで離れて下さい」
無駄に回転を加えた香ばしいポージングにフィンガータットを織り交ぜて幻影の呪を描く
ストレージから足元に式神符を設置してその上からベルカ式魔法陣(偽)の幻影で覆い隠し、符を起動して自身の前に巨大メトロノームのみ先行して召喚
メトロノームを動作ささせて中二心全開でそれっぽく偽の詠唱を開始する
『深淵に揺蕩う 綿津見の影が如く 封印の底より 浮上せよ』(適当)
メトロノームが刻むリズムに合わせて足元でギュインギュイン回るベルカ式魔法陣(偽)
何が起きるかと注目する周囲、特に黒色、常闇の中二ペアが目をキラキラさせてこちらを見てる。
『滅びし十一が主の一柱 汝が真名は
足元から浮かび上がる様に出現させたブルブルーンに乗ってそのまま上昇、ざわつく周囲と「また横嶋がなんかやってるよ」って感じのB組の温度差が酷い
天井近くまで上昇したところで周囲に積層立体魔法陣を複数投影してその中にボシュボッシュを召喚した。
ちなみにオリジナルはジャズモチーフで古風なデザインなんだけど、俺のはダンスに合わせてデザインを現代音響機器らしく変更してある。
しかしついノリで上に乗ってしまったが意味が無かったので飛び降りる。最初は上でDJってのも考えたが下からだとこちらの様子も見えないから止めたのだ。
とりま会場音響と接続してチェックがてらプリユアの前シーズンのエンディングを流すプレゼント・マイク、なんでや!!
そしてナチュラルに踊る俺達!ビデオカメラを構える偽リーマン!?
「えーと、マイク先生、そちらの方はどなた様でしょうか…」
きっちり踊りきってから、見当は付いてるんだけど一応確認をしてみる
「ジャッジとして来てくれたプロヒーローの方だ」
「なんで!!!!」
「俺も「なんで!?」だよ!!」
「ここに来ればプリユアダンスを見れると聞いて」
誰もそんな事は言って無い!! 踊ったけど
昨日の動画から今日のイベントを知ったのだろうがフットワーク軽いな!?分析と予測はどこ行った!!
「いえ、アニソンは昨日のみで今日はB系です」
非常にやり辛そうなプレゼント・マイク、対するナイトアイは眼鏡のフレームを持ち上げながらの真顔での発言なので彼流のジョークなのか判断に困る
「そうですか、それはそれで有意義です。今日は芸能系ヒーローの活動を勉強させていただくつもりで無理を言って参加させて貰いました」
「私は常々ヒーローには笑顔とユーモアが必要だと考えています。昨今はステインなどというヒーローの何たるかを理解していない者の主張に賛同する人も多いが、人々に笑顔を届けるのもまたヒーローの在り方なんだと」
「今回の様な催し物は私自身には出来ない種類の活動だが応援はしたいと思っているので参加させていただきます」
「サーが何故ここに!!」
流れ的に来ると思ったよ、ビッグ3
昨日は居なかったから今日も来ない事を期待してたんだけどなぁ、勝手なイメージで悪いけどなんつーか噛み合わなさそうなんだよ。原作で物間と相性悪いせいかな?
「ねぇねぇ、クジラなのに空に浮いてるの? 不思議だねー」
俺はナチュラルに初対面の俺の背中に抱きつくあんたの方が不思議だよ…つーか男女問わず視線が刺さるから離れて
「波動さん…、彼が困ってるから離れてあげて。ああ……それにしても…人前で踊るとか…辛い…そのうえSNSで世界中に拡散とか……考えるだけで胃が…帰りたい……」
じゃぁなんで来た!! この人なんだかんだで付き合い良過ぎだろ。
他の2人はなんか生理的にダメなんだけど、マイペースな2人に振り回される苦労人な天喰先輩には同情する
「なんで困ってるの!? 男の子はオッパイ好きだよね! 不思議!」
「確信犯かよ!! 好きだけど世間体ってのが有るんだよ!! それと天喰先輩はフォローありがとうございます」
なんで俺は始まる前からこんなに疲れているんだろう?
『キマイラ尾獣変』
※お泊りした日の就寝前の出来事です。
しゃちょう様、ネタに使える情報をありがとうございます。
ただあんまり厳密にすると二つ多い事になるので取りあえず尻尾分を+1で
就寝する茨とポニーにヒーリーングするのだが、余り強く霊波を流すと逆にダメ-ジを与えかねないので繊細なコントロールが要求される
そんなわけで集中して霊波を循環さていたところ違和感を感じた、チャクラの先がある?いや第一の先だから寧ろ元?尾てい骨……俺には無いが、茨も無いな…ポニーだけか?
「切奈、ちょっと疑問があるんで手を握っていいか?」
「ん~?別にいいけど2人と比較したいの?」
「ああ、なんか違和感があってな。ちょっとくすぐったいぞ」
「もやし乙デスヨ」
ポニーにネタ仕込んだの誰だよって、ライダー見せたのは俺だったよ
「ちょっと、そこ、際どいとこ集中しすぎ!!責任取れぇ」
「第一と被るけど切奈も反応あるか、ポニーとの共通点は…動物系の異形型くらいか?位置的に尻尾の名残か??」
「人を熱くさせて冷静に観察するなぁ」
「ああ、すまん。もう大丈夫だから。ごめん」
なんか半泣きにさせてしまった。いや、ほんとスマン
しかし尻尾持ちはチャクラが多いって事か?ちょっと困ったな…早めに
「……それで、私をエッチ気分にさせる以外の意味あったの?」
「ほんとゴメン、それが尻尾持ちだと尻尾にもエネルギーのポイントがあるみたいで」
「それで私を確認したわけか、私にも有るの?」
「俺や茨と違って名残が有る、異形要素が増えれば稼働するかも…いや、稼働したら異形要素が強化されるのか? いずれにしろ切奈は下手に触らん方が良さそうだ」
「私はどうですか」
「ポニーもどういった機能を持つか調べる必要はあるから意図して稼働するのは避けた方がいいな」
「なんとなくワイルドぱわーデス」
「だからすんなって言ってるだろうが!!つーかなんで稼働出来る!!」
宍田の獣化並みに生命力が跳ねあがったぞ、こりゃビンゴかよ
「なんとなく野生が疼きマ……イタイ、タスケテ」
「あ~あ、だから止せって言ったのに。ダメ-ジ回復して無いのに過剰にエネルギー流すからだ」
涙目のポニーに優しく霊波を流して治療を再開する
「今度異形型っても宍田と鱗位か、確認させてもらうか」
GSの人狼とかのデータがあるといいんだが……