「俺のヒーローアカデミア」はじまります! 作:ばうえもん
中間試験前日 香港:太平山地下
念願の、レベルアップを果たしたぞ!
横嶋さんの協力の元、遂にメニューシステムの真価であるレベルアップを果たしました!
パラメータが10倍以上の強化も凄いのですが、レベルアップボーナスでスキルポイントもガッツリ入りポイント貧乏脱却です!!
これで今までの歪なスキルセットを改善出来ます!
もう、一発撃てばガス欠のポンコツ砲台なんて言わせません!!(注:誰も言ってません。寧ろ火力の高さで畏怖されています)
「遂に魔力量の問題解決で
「いい気分のところ水を差すが残念ながらレベルアップで強化されるのは飽くまで肉体的にだ、魂については差ほど強化されない」
「えっ!?えぇぇええええええ!!!!」
「全く強化が無いとまでは言わんが、寧ろ魔力が上がって呪文の強化の幅の方が大きいので危険になったな。使用禁止だ」
「そっ、そんなぁ~」
うううう、これで横嶋さんと並び立てると思ったのに~~
「ザっと試算したが普通に
「うう、数字じゃないんですよぉ、欲しいのは私だけの特別感なんですよぉ」
そう言った私に横嶋さんは「安全第一だろ」って言っていますが違うんです。貴方の横に立つ自信が欲しいんです。
「
「
「そりゃそうか、
「何か魂を鍛える方法はないのですか? 大概の無理はしますよ」
「っても今まで通り地道に負荷を掛けるぐらいしかないが……いや、一度合体で拡張した状態を覚えれば多少の無理も可能か?」
「ガGaがっ合体ですか!!! ぜひやりましょう!! 私の覚悟は完了しています!!」
「……何を想像したのか想像付くが、俺が適当言ってるとか思わんのか?」
「えっと、その、ちゃんと言って下されば私は何時でも……」
「聞かなかったことにするぞ」
むう、横嶋さんはイケずですね。少しくらい飴を与えてくれてもいいと思います!!
「確かに房中術って選択肢もあるけど、それは榛葉にも相応の技量がないと効率落ちるからな。現状は普通に俺から霊力供給で負荷掛ける方が安全だ。
……それに俺の方も経験無いから、その、榛葉は綺麗だから抑えが利かずに乱暴にしてしまうかもしれんしな」
は? は? は? 何このレア表情……普段は凛々しい横嶋さんが、顔を赤らめそっぽ向きつつ小さな声で未経験を告白してくる姿が……かっ、かわいすぎりゅぅ♡♡♡♡♡♡
私をどうするつもりなんですか!!萌え殺す気ですか!?
それに綺麗? 私が? え? え? え? あなた普段からB組で綺麗な女性に囲まれていますよね!? 私でもいいの!! ひょっとして脈有りだったの!?
ちょっと急に無理無理無理!! でもしゅき♡…大しゅき♡忠雄さんらいしゅき♡♡♡
「大丈夫です! 私も初めてですから2人で練習しましょう!!」
「ばっかしねーよ!! 今のお前ポニー達みたいに鼻息荒くて怖えーぞ!!」
よりあう
中間試験2日目 東京:オフィスG&L
「それで、ワシのようなような老いぼれに用件とは? これでもそれなりに忙しい身でな。手短に頼む」
「存じております。ですがこちらを見ていただければ理解して頂けるでしょう」
そう言って痩身の男は鞄から数点の写真を含む書類を取り出した。
書類を受け取った師匠は人物の写真を見るなり酷く苦々しい顔をした。普段は飄々とした師がここまで嫌悪を見せるとはどのような人物なのだろうか
「
「貴方の事は公安の方から紹介して頂きました。なんでも嘗て日本に現れたこの男と対峙したヒーロー達の唯一の生き残りで、その一件が貴方が引退する切っ掛けだったと」
「彼奴にしてみれば何時でも殺せる程度の相手だったんだろうさ、辛うじて生きていたが重傷で動けないワシなんぞなんの邪魔にもならないと放置されただけじゃ」
驚いた、師匠が引退した理由は当たり障りの無い事しか聞かされていなかったのだが、そのような事があったとは。
「奴は、今回は古物商を営む
資料の地図を見た師匠は
「京都か、県境の山中で石室を物色? 前回も彼奴は京都付近を中心に人か物を探していたようじゃったが……未だ捜索中というわけかの、てっきり目的を達成したので撤退したのかと思っておったわい」
「それがその石室、専門家の話では非常に状態が良く、何かが持ち去られた痕跡以外は祭壇の跡程度しかなかったそうです」
「ああ、つまり今回で目的のブツは手に入れた可能性が高いのじゃな。だったら人死にを出したくなければ無理に捕まえるよりも日本を出て行くのを待つのが賢明じゃ」
「なっ!!」
まさか師匠が
「やはり貴方でも厳しい相手になりますか?『鋼鉄番長』
ですが動いて戴きます。失礼ですが先程貴方に個性を使わせていただきました」
「私の個性は予知です。予知した結果貴方の孫弟子に当たる横嶋忠雄が奴と対峙している未来が視えました。如何いたしますか?」
「何故っ! 何故そのような危険な
思わず彼に掴み掛かった私をサー・ナイトアイは軽くあしらい、冷酷にこう言い放った。
「生憎と全て視えるわけではないので経緯まではわかりかねる。弟子が可愛いのでしたら何時でも対応出来るように管理下に置くことをお勧めしますよ」
そこへ酷く落ち着いている師匠の声が……いや途中から考えが纏まったのか嫌悪感を滲ませた
「由利子さんのところの坊主は別に弟子ではないんじゃがな……
だがそういえば
「彼に関しては偶然です。子供を出汁にするような態度を取ってしまい申し訳ございません」
「そうかい、だったらワシから視えた事を包み隠さず話しな」
流石にサー・ナイトアイもヒーローとして子供を巻き込むのは思うところがあったのか素直に話してくれた。
それにしても忠雄君以外にも榛葉君と塩崎君まで巻き込まれるとは、忠雄君にはテスト期間中だが一度話を聞いておいた方がよさそうだ
「最後に一つ、実は私が予知をしたのは鋼鉄番長、貴方ではなくて横嶋忠雄君の方なのです」
「土曜日に雄英を訪ねたのは忠雄君に接触する為だったという事か!」
思わず声を荒げた私を師匠は窘めて続きを促した
「飽くまで別件だったのです。ダンスイベントの見学を口実にして雄英を訪ねたのですが接触の意図はありませんでした。
それが普段なら無意味な個性使用は行わないのですがその時は何故か彼に興味を惹かれて予知を使ってしまいました。今にして思えば何らかの予感がしていたのかもしれません」
「個性に導かれたのか?
時間が許すのなら夕方に坊主を呼び出すから話をしてみるといい」
中間試験2日目夕刻 東京:オフィスG&L
「この写真の人物は?」
事務所に到着した忠雄君が挨拶も早々にサー・ナイトアイから受け取った資料から写真を取り出して見たところで苦々し気な表情で質問をしてきた。心当たりが有るのだろうか?
「表向きは古物商を営む華僑・
「変わってない?不老かそれに準ずる個性?」
「当時奴は京都で史跡や有形文化財とされる建築物等に侵入して何かを探しておった、その際に警備員や通報で駆け付けた警官などを殺傷した罪でワシを含めた数人のヒーローが捕縛に乗り出したんじゃが結果は生き残ったヒーローはワシ1人、警官も死傷者多数の散々なモノだったわい」
「全盛期の鋼鉄番長がですか、ひょっとして引退の?」
「そうじゃ」
「そうですか。これを見て下さい、自分はその間に資料を確認します」
忠雄君がそういうと同時に空中に映像が浮かび上がる。また新しい技能を習得したらしい、ちょっと応用が利きすぎではなかろうか?
だがその映像の内容は非常に興味深いモノだった。件の人物が何処かの倉庫らしき場所を物色している物だ
「枝村サポートの技術棟の倉庫ね、企業スパイなのかしら。何か喋っているわね?」
「中国語で紛い物とか偽物とかいう感じの内容ですね」
「忠雄君わかるんだ。目的の物を見て偽物?つまり何を盗んだのか知らないけど同種の物を見た事が有る?」
「加工前の精神感応金属のインゴットと高硬度の加工済みの物です」
「忠雄君のオリジナルだと聞いていたけど似たような物が存在してたの?」
「実は子供の頃見つけたオーパーツなんですよ、少量ですが同じ性質を持つ金属を所持しています」
「オーパーツ? 確か発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる物品、ここで京都の事件に繋がるのか」
「忠雄君、京都の石室は君の仕業だね」
「はい、経緯は説明しても理解出来ないでしょうし証明も出来ませんから話せませんがオリジナルはそこで発見しました」
「ふむ、本来は土地の持ち主、国有地らしいので国に報告するべきなのじゃが一先ずは置いておこう。そこに何が有った」
師匠がそう尋ねると忠雄君はどこからか古文書と宝石のような物や金属塊等を取り出した。
「これはひょっとしてストライク1の回路に使用している石?」
「ええ、それの特性を再現したのが使われています」
「本の内容は判らないが君が使う御符に似ているのかな。なるほど、忠雄君の知識の出所はこれらの品物からか」
「前任者からの引継ぎ品ですね、過去の同型能力者が残してくれた物です」
「君はこれらの正当な持ち主と言いたいのかね?」
「今まで同類と出会った事は有りませんから、価値が分かるのは俺と映像の男くらいでしょうね」
「これが坊主にとっては重要なのはわかる。だが坊主の力程度を今更彼奴が必要とするとは思えんわい」
そうだ、忠雄君は学生としては破格だが、師匠をものともしないこの男がその程度力を欲するのか?
「それは本人に聞かないとなんとも。ただ盗品の内容からこのオリジナルのインゴットが目的だと推測します」
「一先ず可能性の一つとして検討しよう。それでは本題に入ろう……
そうしてサー・ナイトアイは忠雄君に予知の件を話した。それを聞いた忠雄君は自分のせいで2人を巻き込む事になると考えたようだ。
「今まで外れた事は無い、それは逆に考えれば条件を満たさない事で状況のコントロールが出来るとも考えられますか?」
「どういう意味だ」
「俺と茨と榛葉の3人が戦っていたのですよね、つまり3人揃わなければその状況にはなり得ないと解釈しますが」
「そうだな、条件を満たしていないのならば未だその時では無いという事だ。ただ視えた事だけが全てではない、過程が不明瞭故にそれをコントロール出来ると考えるのは問題がある」
「考えても詮無い事は置いておこう、坊主達が学生である以上は日中は3人が近くに居る事になる。一先ずワシらで条件を詰めてから明日にでもその嬢ちゃん達に話をしようかい。ナイトアイ、雄英には生徒をまき込む事になると話は通したのか?」
「いえ、そちらは未だですね。明日にでも訪ねる予定ですのでご一緒して頂けませんか」
「そうじゃな、愛美嬢ちゃん調整を頼む」
そうして今日の所は解散となった。
しかし忠雄君が話さなかった、証明も理解も出来ない理由とはなんだろうか。
彼の兄貴分を自認する身としては些か寂しかった。やはり自分では頼りないのかとも思えてしまい、同じく寂しそうな顔をした愛美くんと私は……
中間試験3日目 雄英高校
先程担任教師と校長を交えての話し合いが終わった。
学校側は未だ仮免すら取得していない生徒を違法薬物の密輸のみならず殺人をも犯した凶悪な
サー・ナイトアイの事を知るオールマイトもその事を理解しているのか沈痛な面持ちだ。
「避けられないのですか」
先程も幾度となく問われた言葉、普段は合理主義を説いても生徒が矢面に立つ事実を安易に認める事はできないようだ。
「未来が変わった事は一度としてありませんが幸いな事に学生の死傷者の映像は見ていません。ですので今考えるべきはその時を如何にして乗り切るかです」
護衛という観点で言えば護衛対象を纏めて置くのが理想だが逆にそれが条件の一つを満たす事にもなる。結局のところは昨日の忠雄君の発言ではないが如何にして状況をコントロール出来るかが鍵なのだろう。それこそが合理的な判断なのだが……
「若いの、今更ワシが言うまでもない事じゃが理想と感情の折り合いをつけるのもヒーローには必要な事じゃ」
「イレイザーも自分もそれは分かっています。ですが我々は教師なのです!!」
熱い教師だ、先程はイレイザーヘッドに何時もの合理的はどーしたとばかりの視線を向けていた忠雄君も感極まっているようだ。先生によって態度変え過ぎでちょっとお兄ちゃんは心配だよ
「今朝ヒーロー公安委員会に掛け合って特例で3人の現場での個性使用を認めて頂きました。彼らがこの難局を如何にして乗り切るかはあなた方雄英の教育に掛かっているのですよ」
そこでさり気なく雄英に責任を擦り付けるサー・ナイトアイに思わず胡乱な目を向けた私は悪くないと思う。
まあ忠雄君の京都の件を伏せてくれたのには感謝だが枝村サポートの件までは秘密に出来ない。本命のターゲットと思われるのが忠雄君で他の2人は巻き込まれた形だ。故に原因に触れないように気を使ってくれた結果だろう。
やはりこういった交渉事は私には向かないようだ。
中間試験2日目深夜 南米基地
「聞きたくなかった、まじかよ……」
件の男、あの日の香港の太平山付近をうろついていたらしい。挙句が京都に枝村サポートと確実に捕捉されているじゃん
しかも
唯一付け入るスキがあるとすれば原作の奴ならば禁酒法時代(1920年~1933年)辺りから流れてきた為に最新のテクノロジー関連に疎い節がある事で、例えば人の目には敏感な割りに監視カメラ類には無頓着な事などだ。
更にこの世界では霊力の制限と人外が存在出来ない為か奴も人間の範疇に落とし込まれている節がある。一人で行動していて、
ただYOKOSHIMAの1人が見た限りでは動きは達人のそれで、更に霊格もぶっちぎりで此方の特殊攻撃の類はレジストされる可能性が高いそうだ。
『雪之丞でも居りゃなんとかなるかもしれんが、基本逃げの一択だな』
「ユッキーじゃ無理?」
『ユッキー言うな、そもそもここから出られないんだよ』
『ここに誘い込んでってのは止めろよな、正直俺達やソイツでも勝てんぞ』
『奴は土行だから弱点突いて行くしかないだろうな。おそらく茨ちゃんと亜里沙ちゃんが鍵なんだろう』
「奴に対抗する為に俺が積極的に巻き込んだって事になるのか?」
嫌な想像だな、だが納得も出来る。無理やり勝ち筋を探すならあの2人になる
『オリハルコンの件が気になる。高島の記憶をなんとか呼び出すんだな』
「そっちもあるか、そもそもなんで狙われているんだ?」
これ高島絡みだとあれの元の年齢に更に1000歳以上加える事になるぞ……