「俺のヒーローアカデミア」はじまります!   作:ばうえもん

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くちすい


6月第2土曜日20時 神奈川県:横浜中華街


 

ビルの屋上を逃走する馬呑吐(マー・トンツー)の前方に回りこんだ師匠が強襲を掛けるが、奴は荷物を持っていない方の手で危なげなく捌ききる。

二対一の状況になってもその表情には余裕が見て取れる半面、対峙する師の表情は苦い

 

「見覚えがある顔と思えば、いつぞやの小童カ。少しはマシな腕になったようアルナ」

 

馬呑吐(マー・トンツー)、30年前の事件もその荷物を得る為か」

 

「そうアル、だがこの状態はワタシも不本意ヨ。 高島めはやってくれたヨ」

 

「坊主は高島とやらではない、人違いだ」

 

「お前らには理解できんヨ。だが小僧の方は理解する程度の知識を持ち合わせて…ん? どうやら追いかけてきたヨウネ。面倒になる前に押し通らせて貰うアル」

 

そう言った奴はストールを腕に巻き付ける。円錐状に巻かれたストールが螺旋を描きドリルが姿を現し唸りを上げて回転を始めた。

個性の正体が判らないがドリルを構え突っ込んできた奴の逃走を阻止する為に前方の空気に弾性を与えて奴の突撃を受ける。撓む空気の壁、そのまま弾き飛ばされてし「ジェントル!避けてぇ!!!」…馬鹿な! 私のジェントリーリバウンドが切り裂かれただと!!

私の名を呼ぶ声が聞こえる、忠雄君には破られるのが分かったのか!?呆けている場合では

 

『サイキック・ソーサー!!!』

 

個性を破られて動揺した私を庇う様に瞬間移動染みた歩法で割り込んだ忠雄君が氣の盾でドリルを受け止める、甲高い音を立てて軋む盾の向こう側で奴がニヤリと嗤った

 

「意思の力で受けるカッ! だがその程度の意思で儂の運足を止められると思うナ!!」

 

奴の圧に負けて忠雄君自慢の強固な盾、サイキック・ソーサーが崩壊して爆発する

 

『火剋金』

「ジェントリーサンドイッチ!!」

 

盾の爆発で弾かれながらも忠雄君が新たに張った防壁に重ねて個性を使用する、一度個性を破られたくらいで私は何を呆けていたんだ! 一度で無理なら何度でも、私は何時だってそうしてきたではないか!!

 

流石の奴も何層にも渡る守りを抜くのと引き換えに突撃の勢いを失い、その隙にサイキック・ソーサーの爆発でバランスを崩した忠雄君を抱えて間合いを取る事が出来た。

初めて会う師をも超える使い手、今まで出会ったどんな(ヴィラン)とも違うその異質な力を漸く実感した。背筋が凍るようなその力を師や忠雄君は理解した上で挑んでいるのか!?だが弟分の前だぞ、飲まれるな!背筋を伸ばせ!しゃんとしろ飛田弾柔郎!!

 

「流石ジェントル、助けに入ったつもりが助けられたよ」

 

「いや、君が稼いでくれた時間のおかげで建て直せたよ、ありがとう。どうやら最近の私は少し驕っていたようだ、次はこんな無様はさらさんよ」

 

そうとも、私の人生は失敗ばかりだ、敗北など何時もの事だ!! だが諦めた姿だけは見せるな!!

 

 


 

くちすい

 


中間試験3日目 放課後 雄英高校


 

榛葉のジャコのお披露目?も終わり……俺のとらは授業で使う気はないし別にいいか。

ついでじゃねーけど俺のカスタムスーツ WING-MAN SUIT Ver.2 通称 TYPE-Δ も見て貰う。職場体験の頃に要望出して制作開始、先日登録が終わり手元に来たんだが……既に改良点多過ぎなんで再設計のVer.3の制作中だったりする。オリ主がこの手のパワードスーツネタに奔ると昔は GENERATION-3 だったんだが最近は IRON MAN ARMOR らしいな、なお俺のメックスーツは ULTRAMAN SUIT をイメージしたスマートやつだぜ!!

 

「えっ、なにそれ? 俺達のスーツよりスマートで嫉妬するほどカッコいいんだけど」

 

円場にしてみればこの如何にも装着変身系ヒーローといったスーツは見逃せまい

 

「ロマン装備だ。各種技術の権利者として特権を駆使したカスタム品だからカッコ良いのは当然だぜ!!」

 

A組メンバーで?マークが飛び交ってるな、そういや枝村サポートの事は知らんよな。当然の反応か

 

「ロマンは分からなくもないけど横嶋って全身アーマーとか動き悪くなるって言ってなかったっけ?」

 

「こいつは長時間の活動を想定して消耗を抑える為の装備だ。O.S.を使用する際の触媒としての機能を持たせてあるから状況によっては多少動きが悪くなっても釣りがくる」

 

「私達は荷物の持ち歩きが出来ますから状況に合わせた専用装備を持ち歩くのはいい案ですね」

 

なにそれズルイとかB組からも聞こえるが言ってなかったかな? 結構頻繁に影の亜空間から荷物とか取り出してたと思うけど……ん?

 

「横嶋と榛葉、校長からの呼び出しだ。場所を移すぞ」

 

内線で連絡を受けたブラド先生が俺達に声を掛ける。担任2人には困惑が見て取れ、逆に落ち着いた俺に不審な顔を向けてきた

 

「はい。すまんが皆、俺と榛葉はもう戻ってこないから」

 

「おいおい、今度は何やらかしたんだ?」

 

「今回は被害者だよ、火曜日未明に枝村サポートで盗難があったんだよ。スーツの材料ごっそりやられた」

 

「それがなんで学校で呼び出されるん?」

 

「私と横嶋さんは枝村サポート所属なのですよ」

 

「一年生の6月でもう企業所属って……」

 

「俺が割と社外秘に関わっているからな、余所では話せない事も多いからこれ以上は勘弁してくれ」

 

「横嶋、事前に知っていたのか?」

 

「俺は昨日少し話を聞いてましたので。場合によっては俺も無関係では居られないので学校に話はするとは聞いていました。なにぶん社外秘絡みなので言えない事の方が多いので」

 

「わかった、確かに事前に話を聴かされれば教師としては問い詰めないわけにはいかないからな」

 

ふむ、イレイザーは不満?疑問?が見て取れるが社外秘の建前がある以上はこの場では踏み込めないと判断したか。

弟子が絡むならと同行を申し出たリカバリーガールと5人で校長室へ向かう。演習場から校舎へ移動する味方マーカー、茨も此方へ向かっているようだ。

 

 


中間試験3日目 放課後 雄英高校:校長室


 

先程担任教師と校長を交えての話し合いが終わった。

サー・ナイトアイの予知の性質上それは確定した未来で、回避出来ないのならせめて被害を抑える方向性で対応するしかない。

現在判っている範囲は途中で制服が夏服の場面が見えた事から衣替え後の事、更に俺が着ていたスーツがTYPE-Δとデザインが違っていて特徴を聞いた限りでは現在制作中のVer.3の可能性が高い事。対峙した場所は周囲にヒーロー以外の人影は無い廃墟の模様。6月後半以降、スーツの完成を考えると7月以降の可能性が高い

そして廃墟になるほどの戦闘があったのか、或いは最初から廃墟なのか? 案外これが無視出来ないのではないかと直感した。

 

 

「ごめんな、2人とも巻き込んで」

 

「貴方が謝るような事ではありません。私としてはヒーローの卵として自身に出来る事を成すだけです」

 

「私として他人行儀よりは身内扱いの方が嬉しいので是非とも巻き込んで欲しいのですが」

 

「ほほほっ、女子の方が肝が据わっているようだね。男なんだから俺が守るぐらい言ってあげなよ」

 

「悪いけどリカバリーガールの希望には添えません。同じヒーロー志望として守ってやるなんて上から目線は言えませんよ」

 

「むぅ、私としては従者契約で守ってくれてもいいんですけどね。だから仮契約しましょう!なんなら本契約でもバッチコイです!!」

 

「おまえ担任の前でナニ言い出してくれますか」

 

「なんだ横嶋、教師に聞かれたら拙い内容なのか?」

 

消しゴム先生の目力スゲーな、A組の連中に同情するわ

 

「榛葉が言う契約式は粘膜接触でパスの構築を簡略化してあるんですよ。「仮」契約とはよく言ったものですね。念の為にもう一度いいますが榛葉が言う契約式ですよ」

 

「不潔ですね。劫火に焼かれなさい」

 

茨が榛葉を睨むがそれ先日のお泊り案件ではっちゃけたおまいう?

 

「しかしこうなると土曜日のクラブイベントは無理そうですね」

 

「榛葉は行っても大丈夫じゃないか? 俺は元々行かない予定だったから大人しくしてるけど」

 

「えっ? 横嶋さん行かないんですか!? だって先週のイベントは横嶋さんが」

 

「いやな、いろいろあって土曜日は別件だったんだけど、こりゃキャンセル入れにゃいかんな」

 

「何処か予約していたのですか?」

 

「ん~、茨にゃ悪いが俺の趣味で中華を。横浜の有名店だから序に横浜の教会とか見に行くのもいいかなって考えていたんだが」

 

「それは…、非常に残念ですね。ですが事情が事情ですから改めて後日に」

 

「えっ?えっ? なんですかそれ? デートですか!! ズルイですよ!!!」

 

「君達校長室でデートの話とか余裕だね。事の重要さを理解しているのかい?」

 

「いやまぁ、多少の時間の余裕は有りますので今から張り詰めていては精神が持たないかなと。あと全盛期の鋼鉄番長が負けたって時点でもうどうにもならない感じですか」

 

「そのような心づもりでは君の参加は認められないよ」

 

ん~む、校長の言いたい事はわかるが。

たぶん奴の正確な力を認識している人間がこの場に居ない。おそらくは雄英の戦力なら勝てると思っていそうな以上は何を言っても無駄な気がするが……まぁ俺自身も予測の段階だしこの手の見積もりは悪い方に外れるのが常だしな。どーしたもんか

 

「いっそ折るか」

 

「何を折るんだい?」

 

「矜持ですかね、平野タイプの被害を気にしないでいい演習場って今から使えませんかね」

 

おっと、俺の意図を察したのか若干剣呑な感じだな。だが正直単純火力なら教師にも負けん

 

「何がしたいのかな? 理由を言ってくれなきゃなにもわからないのさ」

 

「ちょっとここらで信用を得る為に今の俺の全力を見せておこうかと」

 

「なるほど、このタイミングだったのか。校長先生、生徒の全力は見ておくべきですよ」

 

「ナイトアイさんは知っているのかい?」

 

「ええ、この案件の決め手になるかと考えています」

 

「それで俺は躊躇なく巻き込まれたわけですか。しかし廃墟の件がなぁ、やっぱ俺の(精)(霊)(砲)(アーソナーガン)の被害かなぁ」

 

「私は奴が健在だった以上はその可能性は低いと考えている。そして周囲がその状況なら被害を恐れずに使用できるとも」

 

「ナイトアイがそこまで言うのなら実際に見てみましょう。判断は横嶋の自信の根拠を見てからでも遅くは無いでしょう」

 

ブラド先生の執り成しでなんとか話が纏まり俺達は演習場へ移動した

 

 


中間試験3日目 放課後 雄英高校:演習場


 

「ジェントルは広めに壁を作って全員を守って下さい」

 

「何をするか知らんが余り教師を舐めるな、ここにいるのは全員プロヒーローだぞ」

 

「侮っているのではなくて単に砂とか土埃で汚れるのは嫌だろうかと考えただけです。ジェントルの守りは空気の固定だから視界を妨げないので状況を把握できますし」

 

「まあまあ相澤先生、本人からの注意は素直に聞いておくものだよ。ジェントルさん、お願い出来るかな」

 

「それでしたら私が障壁はりますよ。それなら完全に覆えるので汚れる心配はありませんし」

 

ちょうど良い事ですし私も先生方にアピールしておきましょう

相澤先生が個性で見たり触って強度を確かめた後に口を開きました

 

「抹消出来ない守りの壁か。榛葉、お前これだけの事ができたのか」

 

「最近は自力が大幅に上がったお陰で以前と違って余裕ですね。横嶋さんにはいくら感謝しても足りませんね」

 

「そこはお互い様だろ、俺も色々習って手札増えたし」

 

「やっぱり私達はベストパートナーですね❤ ここは是非とも仮契約をしましょう!!」

 

「後衛どうしでどーすんよ、そもそも魔法使いの従者(ミニステル・マギ)って基本は盾役(タンク)だろ」

 

「その点横嶋さんは前衛系の女子侍らせてますよね、狙ってますか?」

 

「人聞きの悪い事を言うな!!」

 

雑談が過ぎて教師の目が怖くなってきましたね。横嶋さんもバツが悪そうに今度は塩崎さんに話を振ります

 

「茨も良く見てイメージを固めてくれ、そのうちグランドクルスって氣の技教える予定だからイメージの参考になると思うぞ」

 

そして全員に向き直り説明を始めた

 

「これから撃つ砲撃術式はストックしたエネルギーを使って俺の本来の出力の10倍位のエネルギーを使用します。そして術式を介することで更に増幅します。後は見てから判断してください」

 

そう言って背中に体育祭の時の翼を広げて上空に上がりました。別に翼はなくても普通に飛べるハズですよね?

 

「対外的にかな? 上空からという事は被害拡大を避ける為に地面に撃つからか」

 

「榛葉、どういう意味だ」

 

「私も全力を見るのは初めてですが、多分着弾点が爆発するので平行には撃てないんだと思います。あっ、撃ちますよ」

 

『Level2、(精)(霊)(砲)(アーソナーガン)!!』

 

横嶋さんの宣言から直径2メートル位魔法陣が展開してそこから若干の緑が混じった白光の砲撃が放たれる

メニューシステムで計測した限りでは最終的に直径10メートル程度まで広がった白光が地面に着弾し、ドンと鈍い音の後に盛大に爆発して爆風と供に土砂がまき散らされます。これは私が申し出て幸いでしたね、正面の壁だけでは上から降り注ぐ土埃は防げませんので

 

地面にはクレーターを思わせる大穴、周りを見渡せば余りの威力に開いた口が塞がらないという感じの教師陣と黄昏るジェントルさん。しかし鋼鉄番長のお爺ちゃんとナイトアイは難しい顔をしていますね。それは置いておいて隣の塩崎さんが「聖なる光」とか言って表情は感極まったようですが私のメニューシステムは騙されませんよ、状態異常:発情ってなんなんですか!!

 

「ジェントル、坊主はこれでも足りんと考えておるのか?」

 

「そうですね、敢えて高火力を見せ付けるような真似をしましたが本心ではこれでは駄目だと考えていそうです」

 

「そうか、坊主は正しい。ワシもこれで勝てるかと問われれても自信が持てんわい」

 

「確かにこれは使いどころが難しいようですが、鋼鉄番長、貴方はこれが決め手にならないとお考えですか?」

 

「他ならぬ坊主当人がそう考えているようじゃよ」

 

ちょっと微妙な雰囲気なのでここは私が一肌脱ぎましょう!

 

「では次は私が行きますね!!」

 

「おい榛葉、何を言い出すんだ」

 

契約により我に従え(ト・シュンポライオン・ディアコネートー) 高殿の王(モイ・バシレク・ウーラニオーノーン)

 

相澤先生にはニッコリ笑ってごまかして詠唱をしながら影から呼び出したジャコに乗って横嶋さんの隣に上がる

 

来れ巨神を滅ぼす(エピゲネーテートー・アイタルース) 燃ゆる(ケラウネ・ホス・)立つ雷霆(ティテーナス・フテイレイン)

 

詠唱を聞いて私の意図を察したのか観察に努めるようですね。習得したはいいけど攻撃範囲が広すぎて使う機会がなかったんですよねコレ

 

百重千重と(ヘカトンタキス・カイ) 重なりて(キーリアキス) 走れよ(アストラ ) 稲妻(プサトー)

 

演習場に響き渡る私の詠唱に呼応するように力が集まる。振り上げた指輪を嵌めた右手を振り下ろす。目標はクレーターの中央

 

千の雷(キーリプル・アストラペー)!!』

 

振り降ろした私の手の先に広がる様に発生した幾条もの雷光が目標目掛けて収束して降り注ぐ

連続する空気を切り裂く落雷の音が鳴りやんだ後に残るのは溶岩と化した地面だった

 

「コントロールは問題なさそうだな。それにしても呆れた威力だな、おかげでダメ押しになったよ。

 俺もこれ以上が無いわけじゃないけど素でこの威力は出せんな」

 

地面に降り立てば神妙な顔をした面々、

 

「君達はこの力で将来的には何をしたいのかな? そこだけはハッキリさせておきたいのさ」

 

「何って言われましてもシミュレーションした段階で威力があり過ぎて死蔵してました。正直今回の件でもなければ使う気はありませんでしたから」

 

「私も威力の予想はしていましたので使った事ないです。使わないで済む事を祈ります」

 

「そうか、積極的使う気は無いということだね。ボクも賛成だよ、相澤先生にも止められない広域破壊攻撃など学校では使って欲しくはないのさ」

 

横嶋さんの目論見通りに色々と「折られ」た面々は少なくとも私達が戦力不足では無いと理解したようです。ただ有耶無耶になりましたがそんな横嶋さんが負けを意識していた点が気になりますね。何か話していない点があるのでしょう

 

 

そして一先ず解散という流れでサー・ナイトアイが余計な一言を!!

 

「そういえば横嶋君はデートの約束があったようだね、君の言う通り今から張り詰めていても持たないだろうから行ってくると良い」

 

なんて事を、いえ、ここは便乗して……

 

「榛葉君といったかな、条件として3人揃った状態があるので君には念の為に遠慮して頂こう」

 

相澤先生に匹敵する眼光の圧で有無を言わさずでした。そんなぁ~

 

 

 

 


6月第2土曜日18時 神奈川県:横浜 繁華街


 

何だかんだあったが何故か茨とデートする事になった。サー・ナイトアイの様子からして囮だよなぁ

 

先ずは学校から横浜へ、制服のまま散歩がてら観光名所を周り茨が好きそうな教会を見学した。

夕食は黒咲さんが親父が利用していたそこそこ良い店を紹介してくれたので予約しておいたのだが、正直お値段的に学生のデートで行く店じゃないが俺が興味あったので茨にも付き合って貰う。流石にドレスコードがある店は避けたが制服デートで行くような店でもないから茨には途中でブティックで買い物して着替えて貰った。

そこそこなお値段だったので茨はしきりに恐縮していたが元が良いからしっかり着こなしているな。寧ろ俺の方がお仕着せで……

 

「忠雄は着慣れていますね。やはりバンダナが無い方が素敵ですよ」

 

世事を言うタイプじゃないから本気で言ってるんだろうなぁ

 

「ありがと、それでこのアクセサリーを着けてくれ」

 

同じく店内で品が良さそうなブローチを買って石に(護)の文珠を(合)(成)したものだ。

 

「着けて下さいますか」

 

なんて頬を染めて頼まれる、ちょっと嬉しいので付けながらお守りだと説明、出来ればアクセサリー以外にも手元から離れない形で持たせておきたいが、最悪飲ませるとかあるけどそのうち出てくるからなぁ

 

「女性にはもう一つ隠す場所が有りますよ」

 

「……それはちょっと、女性としてどうなんだ?」

 

「ヒーローを目指す以上は多少の事は我慢いたします。それに貴方とは色々とありましたので」

 

あー、うん、まぁ今の俺ならチャクラ経由でも行けるか。素肌は触る必要があるから腹には触るが

周囲の視線が逸れた隙に茨を試着室に連れ込み服の間から手を入れて胎の上から霊力を注ぎ込む、後ろから抱き着いた形だが声を堪えた様子で俺の方へ顔を向けてきた。

 

「んっ、くっ、あっ」

 

やべ、ちょっと声漏れ出した。いっそ直接指入れてさっさと入れた方がマシだったかもしれない。

何かを堪え、同時に求め縋りつくような茨の視線に負けて吐息が洩れる唇を俺の口で塞ぐ

 

「んん❤❤ んーーーーーーーーー」

 

その状態で茨の第2チャクラから霊力を流し込み胎内へ文珠を送り込む

声を抑えて悶えビクリビクリと麻痺した後は力が抜けてクタリともたれ掛かってくる茨の体温と匂い、腕の中の柔らかい体と手のひらに感じるしっとりとした肌、指を少し伸ばせば柔らかい下生えに触れた……無性に高ぶりを感じて俺はどうにかなりそうだった。

 

 

ガードしてるっぽい連中が不振に思って乗り込んでこないといいけどな

どこか他人事の様にマルチタスクの独立した思考でマップを確認して周囲の味方マーカーの動きに注視していた。

それとストレージ経由ならば(透)(視)辺りを使えば目視座標指定で送り込めると気付いたのもこのタイミングだ

 

 

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