「俺のヒーローアカデミア」はじまります!   作:ばうえもん

67 / 73
英雄計画 期末試験編
クンフーハッスル



 

「ぬぉぉぉぉおおおおおお!!」

 

目の前の木人に無呼吸で左右の連打を繰り出す。いや、声出したら余計な酸素使って駄目だろ俺!!

目標は30秒間で500発、身体強化有りならどうとでもなるのだが体を鍛えるのが目的なので禁止、ちなみに1秒に10発ちょいが普通の連撃の限界なので200近く足りない計算になる

幸い俺はリミッターカットで身体能力の上限を引き上げる事が出来るので計算上は無理な数字ではないらしい。

飽くまでも計算上で身体の限界は考慮していないのだ!!

結果なんとかノルマを達成するも酸欠と酷使した肉体の痛みでぶっ倒れる破目になったのであった。

 

 

そんな感じでYOKOSHIMA'S監修の元修行漬けの日々なのだ!!

例えば空気イスの姿勢に重し付きとかぱっと見てサンデー繋がりでケンイチか?といったノリだが、ホントは1970~1980年代のカンフー映画の修行パートが元ネタだ。

 

嫁姑島の施設内に霊動シミュレータの隣に新たに作られた修行施設であるチャイニーズハードコース。別名少林十二学房

少年漫画だとダイオラマ魔法球や精神と時の部屋などの主人公達の修行パートで促成栽培するアイテムがある。GS世界にも例にもれず霊力を鍛える施設ならば存在した。そしてGS世界にも竜宮城などの時間の流れが違う異界が存在する。今俺が使っている少林十二学房はそれら複数の技術を応用した他の漫画同様に時間加速型の施設なのだ!!すなわち結構な修行をしても時間が経っていないという忙しい人向けの一時間で修行する施設なわけだ!!

そんなわけでここ最近は夜になるとこちらで過ごしているのが現状である。この空間内だと短時間で肉体の成長、回復が可能なので睡眠もここで取っているのだ。

 

ぶっ倒れた序に30分程仮眠を取って回復に努める。次は差ほど肉体を酷使する内容では無いのでそのまま進んでも問題無いが、現在の疲労状態は超回復による強化を期待するには丁度良いタイミングなのだ

 

その後も逆さ釣りになったり雀追っかけたりと何処かで見たような修行や、ダンスゲーでステップを覚えたり雷避けたりとバラエティーに富んだ修行をこなして本日のノルマを終了。

施設が霊動シミュレータの応用で作られた物なので最後の降魔房の修行内容である倒した相手を取り込んでの霊力強化のシステムまでは再現出来ないのが残念である。

 

 

 

遡る事6月第3月曜日未明、何時もの如く脳内会議で上がった議題が俺には二つ敵がいるだった

馬呑吐(マー・トンツー)は当然としてもう一人は誰かと問えばなんとサー・ナイトアイだったのだ。

味方が敵とは何の謎かけかと思えば、なんでも予知のせいで未来が確定した結果選択肢が潰されてこちらの行動が縛られているそうだ。

まあ言わんとする事は理解出来たがそれは果たしてサー・ナイトアイのせいか? 運命を読み解く能力ならどうにもならないのでは?

だがGS世界ではドクターヌルによる横島殺害を美神さんの時間移動で回避したが事例が確認されている。個人の死という未来を変える事が可能なのだ。

そして逆行系のYOKOSHIMAも時間改変に成功しているし、なんならループ系のYOKOSHIMAにいたっては複数の未来から意図して分岐を選択してもいる。未来は選べるのだ!!

 

現在ナイトアイの予知に縛られているのは俺よりも予知の個性が上位の力であるからだ。ならば俺の存在を高めてナイトアイの個性を上回る事が出来れば予知の束縛を受けなくなる。その為の当面の目標として、件のループ系のYOKOSHIMAと同じ修行をする事でシンクロ率を高めて未来を選択する為の素養を得る事となったのであった。問題があるとすれば知識に重きを置くループ系YOKOSHIMAと脳筋タイプの俺との相性が余りよくない事なのだがな。

 

まあそれ抜きでもチャイニーズハードコースは修行としては良く出来ているのでやっといて損ではないしな。

尚コレの出所であるループ系YOKOSHIMAはこの手のガッツリとした修行はあまり好きではない模様である。短期間で成果が出るから追い詰められたらやるそうだ。

 

 

さて、サー・ナイトアイの予知通りならば次の邂逅は衣替え後、更には7月以降の可能性が高い。信じればだがな

事前に横浜の件の話は無かったので信じて良いモノか、当日周囲でガードしていた以上は襲撃を予測出来る材料はあったと思わるのにだ。

 

幸い馬呑吐(マー・トンツー)はウォルフラムとやらを探す為に外国に居るだろうから時間の余裕がある可能性は高いと思われる。

そして学生たる俺の時間の大半は学業に費やされるのであった

 

 


 

クンフーハッスル

 


 

食堂でAB組入り乱れての昼食中に期末試験の話題となった。

原作と違って物間が大人しい為かA組を敵視してはいないので最近は情報交換がてら昼食を混ざって取る事が多いのだ

 

そんな中驚愕の事実が俺を襲う! 俺が知らん間に期末の情報を仕入れていたらしい。マジか

 

「クラスメイトの大半は実技はロボ相手なら大丈夫だからと勉強優先やわ」

 

それって確か試験内容が変更されるんだったっけ?

態とじゃないとしても結果偽情報で混乱させたと思われるのもなんだからフォローしとくか

麗日嬢に話を振ってみよう

 

「…それ、何処情報?」

 

「えっ?拳藤さんから聞いたんだけど…」

 

「2年の先輩から聞いたんだけど、なんで話したなんてケチな事を考えてる?」

 

「ん~、いや、そうじゃなくてな…

 飯田さんや、もし情報に間違いがあっても別に俺の罠じゃ無いからな」

 

「どうして"さん"付けしたのかわからないがわかった。横嶋君は今年は違うと考えているんだな、クラスメイトにも不確定情報だから違っても恨まないように伝えておく」

 

「横嶋君はどうして違うと思うのかな?」

 

「雄英は自由だから」

 

緑谷の問いにそう返すとハッとするA組メンバー達、俺達とは違う意味で教育が行き届いている。ある種の覚悟ではB組より上かもしれん

 

「オイラ心構えだけはしておく」

 

「相澤せんせ試練を与え続けるんいうてたん思い出したわ」

 

「A組の人あっさり納得した!!」

 

「拳藤うるさい、A組は担任の方針がスパルタだから良くも悪くも鍛えられてるんだよ」

 

「また私の扱いが雑に!!」

 

ほんと相澤先生のドヤ顔が想像出来て笑えるわ

 

「それでは忠雄はどう考えているのですか?」

 

「ホントの所は今のヒーロー科二年生は去年は除籍騒動とかあったらしいから俺達と授業の進み具合とか違ったんじゃないかと思ってな。こんな事言うと自惚れになるが正直今の俺らが雑魚ロボ相手する意図が余り思いつかん」

 

「あれま、珍しく言うね。忠雄が言う分には説得力なくもないけど」

 

「そんで考えられるのは格上との戦闘、教師相手かね? じゃなきゃロボが相手でもシチュエーションが有ってなんか課題があるだろうな」

 

「ああ成程、試験で有る以上は現状の総合力か或いは個々の課題を見るかのどちらか、或いは両方を見るべく、……だとすれば単純な戦闘であるとは…両方を見るならなおさら臨機応変に動ける教師の可能性が高く……ブツブツ」

 

「なぁ、緑谷って何時もこうなのか?」

 

「コエーよな」

 

「なんかスマンな。これでもこの分析力は結構頼りにるんだぜ」

 

緑谷の奇行に引くB組と苦笑するA組メンバー、やはりある種の精神面ではA組の方が鍛えられているのかもしれん。

 

「多少の事では動じない精神面の強化がB組の課題か……」

 

「先日の食堂で急に踊り出した件等奇行では横嶋氏も大概ですゾ。お陰で我々もそれなりに鍛えられていますぞ」

 

「心読むんじゃねーデス」

 

「お前、その手の感情は大概顔に出てっから」

 

宍田と鉄哲の言葉に頷くB組一同、解せぬ

 

 

時は放課後、毎度の如く自主練タイムなのだが、今回はとあるヒーローが参加してくれた。

職場体験で榛葉がお世話になっていたマジックヒーロー・イリュージョン、なんと鋼鉄番長の爺様が紹介すると言ってた意拳の使い手だったのだ。衝撃の個性と思っていたら謎の拳法だったでござる。意拳って心意拳の事じゃなかったんかよ!!

 

そんなこんなで今回は一人の拳法家、木村浩一として俺に指導してくれる事になった。

 

ほむほむ、人間の行動には意思がある。拳で相手を打つ時には相手を打つという"意思"が体を動かす。なるほど、確かにこれは俺向けだ。

鍛えこんだ格闘家は反射で武を行使する。いちいち考えてからでは相手の攻撃に対する防御が間に合わないからだ。最終的には反撃までを意識せずに繰り出せるのが理想だろう。弾兄ちゃんや鋼鉄番長の爺様はこのタイプだ。

 

対して俺は自身の体をコントロールする事に費やしている。以前はある程度の反射行動パターンを選択するに留めていたが、現在は高速思考のお陰で完全なコントロールが可能になった。常に打倒の意思を持って拳を繰り出すのだ。

 

「相手を倒すという意思が働いた結果拳で相手を倒せるのならば、最終的にはその倒すという意思が在れば拳など打たなくても相手は倒せます。簡単にいうとそれが極意です」

 

「すみません、話の内容はわかりましたが、何を言っているのか理解できません」

 

意思が体を動かすまでは分かる。だからと言って最終的には体は要らんとか飛躍し過ぎだろ!?

俺の知ってる心意拳とは全然別物やん!!

いや、思念か氣が作用しているのはわかるがそこまでトンデモ拳法だったとは

 

「はい! 質問宜しいでしょうか?」

 

「君は南雲道場の鉄哲君だったかな、なんだい?」

 

「うっす、理屈は兎も角実際に体感してみたいのですが」

 

「なるほど、君は防御系の個性だったね。では試して見ようか」

 

そういって俺らの前で向かい合う二人、あれ?俺に指導しに来てくれたんですよねぇ?

 

「おっしゃっ! 氣合防御!!

 

「意拳、抛球発力!!」

 

「ぐわああああーーーーーッ!!」

 

「「「「「「テ、鉄哲ーーーー~~ッ!!」」」」」」

 

なんか手を翳しただけで触れてもいないのに鉄哲がぶっ飛んだ。まぁ力場らしきモノは見えたが、こりゃ個性と勘違いするわ

つーかなんだ、物理干渉する癖に物理防御無視したくさいぞ、鉄哲のやつ生きてるんか?

 

「やりすぎですよイリュージョンさん!!」

 

「ご、ごめんねアリサ君。ヒーローの卵達にかつてないほどの注目されてつい張り切ってしまったよ」

 

「だからと言って必殺技はありえません!! いいですか、仮にもプロヒーローとして私達卵に対する……」

 

木村さんが雄英に来るって事で榛葉も挨拶に来ていたんだが、ぶっ飛んだ鉄哲を治療した後は説教を始めた。

最近はリカバリーガールの弟子って事で、怪我人が絡んだ時の榛葉は教師にも恐れられているからな。ブラド先生も遣り過ぎて何度か怒られているしな

 

このカオスはどうしたもんか

 

 


テイル オブ シャイニング


 

あの日、B組とのダンス対決から峰田君が少し変わった。ほんの僅かだけど自信が持てたのが良かったのか以前よりも積極的行動している。

僕も交友関係の広がりから新しい視点を持てた気がする。だから僕もそれを生かすべく行動に移す事にした。

 

「パンチの打ち方を教えて欲しい?」

 

「うん、ダンスをやってみて今までの僕は体の使い方がまるでなってないってわかったんだ」

 

「ああなるほど、増強系だと手打ちでも強打が打てるから大半の人が雑だよね」

 

流石は格闘が基本の尾白君は理解が早い。

 

「最初の頃はパンチだから腕を強化した結果怪我をしていた。今は弱い力で全身を強化しているけど決定力に欠けるから攻撃の瞬間は結局同じことをしている

 だからちゃんとしたパンチの打ち方を覚えて全身の強化だけでもある程度戦える様になりたいんだ」

 

今の僕の課題、フルカウルのお陰で怪我をせずにある程度は動けるようにはなった。だが強化の割合を落した状態では決め手に欠け、強敵に相対した場合は結局は以前と同じ事をしている。

だからこそ現状を打開すべく、格闘技を修めている尾白君に格闘技の事を教えて欲しいとお願いをした。

 

「そうだね、強化した全身の力を上手く伝える事ができれば結構な威力になるだろうね。いいよ、場所は何処でする?」

 

「訓練場でやろうと思うんだけど」

 

「待ちたまえ緑谷君! 使用許可は取ったのかね?」

 

「えっ? 許可要るの!? いや、スーツまで着用していたし言われてみれば当然か」

 

そこへ僕らのやり取りを近くで聞いていた飯田君達が加わってきたのだった

 

「え~、グランドみたいに自由に使えるのかと思ってた」

 

「そんなわけはないだろう。早速職員室へ許可を貰いに行こう」

 

「ケロ、飯田ちゃん張り切ってるわね」

 

「俺みたいに自宅で訓練出来る場合は問題無いが一般家庭の方は個性を使った訓練の場所を確保するのも大変らしい。だから誰かが言い出してもいいように事前に調べておいた」

 

「自分で提案しようと思わなかったんだ」

 

「こういう事は本人の意思が大切だからな。ヤル気のある人には委員長としてフォローを惜しまんが強制する気は無い」

 

「ありがとう、飯田君が委員長で心強いよ。僕にダンスを進めたのも僕に足りない物を気付かせる為なんだね」

 

「切っ掛けになれば位は考えた。蹴りなら俺も教えられるから必要ならば遠慮なく言ってくれ」

 

「うん、ありがとう」

 

「おっ、オイラも混ざっていいか? B組に混ぜて貰うのも結構キツイんだ」

 

「今までB組にお願いしていたのか、俺も何度かお邪魔していたが度々だと流石に悪いから今度からは俺がA組で押さえよう」

 

「助かる、使いたい時は事前に相談するよ」

 

「男の友情だねぇ、よっし、私も頑張ろう!! そういえば緑谷は横嶋のダンスがカポエイラって気付いてた?」

 

「うん、足技主体の格闘技だね。ただ体育祭とダンスの映像を見比べて気が付いたけど基本的には使ってないみたい。理由は分からないけど」

 

「あっ、これカポエイラの映像? 参考にするから後で見せて」

 

「それはおそらく格闘技自体はオーソドックスな物を好む為だろう」

 

「派手な連続蹴りを必殺技にしてたのに? 意外だな」

 

「え~、ヒーローだからカッコイイ必殺技は持ってて当然じゃない? あっ、この空中蹴りがこうなるのか」

 

「鞭みたいに撓る蹴りは芦戸さんの柔軟性があれば再現できそうだね」

 

「あの必殺技も手堅く攻める実力があればこそだろうな」

 

訓練施設が使えるのであれば期末試験に向けて自分達も調整をしたいと麗日さんに芦戸さんと蛙吹さん、瀬呂君に峰田君と最終的には8人まで膨れ上がった。

そんな流れで期末試験まではA組でも定期的に訓練場を押さえて訓練を続ける事が出来るようになったのは嬉しい収穫だった。特に僕のような特定の師匠が居ない一般家庭の人間には同級生や施設を管理する先生方のアドバイスも貰えて放課後の自主練は非常に有意義な時間だった。

 

それと格闘に関するアドバイスで何時になく存在感を発揮する尾白君がとても嬉しそうなのが印象的だった

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。