「俺のヒーローアカデミア」はじまります! 作:ばうえもん
『報告だよ 条件達成最初のチームは』
『轟・八百万チーム!』
「こんな放送あんだ!? ああやべええ!」
「起きろ瀬呂ー!!
ガス対策してないとかフルフェイスヘルメットは飾りかよ!!」
ミッドナイトから瀬呂が峰田を庇って放り投げて、飛ばされた峰田がテープを引っ張り眠らせられた瀬呂を回収したか。ぶっちゃけ峰田の新スーツには簡易ガスマスクも付けてあるから瀬呂の立ち回りは寧ろ悪手だったんだがな、対戦相手が判明した段階でその辺りを話し合ってないのかな?
峰田は頑張って瀬呂を抱えて逃げているけどスーツのサイズの問題で搭載できる人工筋人の量が少ないから増幅倍率が低いんだよなぁ、そのぶんパワーフィールドの生成には気を使ってチューニングしてあるから防御力はそこそこだけど。幸い試験って事でミッドナイトも全力で追跡するような真似はせず出口付近に陣取るようなので距離は取れたし仕切り直しかな?
飯田・尾白チームは早々に脱出を決めたか。飯田がパワーローダーの掘削で次々と変わる地面の状況に瞬時に対応してクリア。サポートに徹した尾白も地味に反応良いな、以前を知らんから何とも言えんが。
他に知り合いってーと芦戸嬢か、うわっ!?
「校長怖えー、素が出ると軽くホラー染みてるぞ」
俺の呟きに同意するB組一同。雄英高校校長という立場は校長の個性:ハイスペックを以てしても激務なのだろう。
「まさかの生徒相手にストレス解消とは。A組はトラブルメーカーだから私怨入ったか?」
「まあ その な、察してくれ……。それとお前と榛葉は他人事のように話すな」
「「不可抗力です」」
クンフーハッスル 3時限目
何だか昨日の演習試験について散々に言われているが相手がオールマイトだから多少の無茶はしょうがない。
『だから僕は悪くない だって 僕は悪くないんだから』
・
・
開始早々に俺と榛葉は空の人である。召喚した新造の使い魔『
『あんたらそのまま上空を通過しても脱出判定はしないよ』
「駄目か、空飛べるはわかっているんだから事前に注意してくれよな」
「そうですね。それはそうとして、人目が無い今の内に仮契約してしまいましょう」
「そーだな、高度をもう少し上げればカメラからも外れるからそうしよう」
使うかどうかは分らんが仮契約カードの従者召喚機能は今回のような場面では切り札になり得るからと説得されて了解してしまったのだ。正直に言うと先日どさくさ紛れだったがはっきりと好きと言われた一件以来俺の感情は榛葉へと揺らいでしまっていたのだ、その前日に茨の唇を奪っていたのにも関わらずにな。こうやって数多のオリ主さん達はハーレムの沼に嵌るんだろうか?
全長が10m近いブルブルーン・バトーの上はそれなりに広い、榛葉が敷いた契約の魔法陣の上で俺達は唇を重ね、幸せそうに笑う榛葉に俺は少しの間試験の事を忘れた
そうやって色んな意味で自重を止めた俺はアシュタロスが残した嘗ての地上侵攻用の施設で簡易式神のデータから新規の式神や使い魔を製造した。流石に維持の問題で1000マイト越えの様な無理は出来なかったのだが霊圧だけなら十二神将クラスの物にはなったのだ。
試験官のオールマイトは相手が上空では取れる手段も少ないのか様子見する様だ。なにしろ制限時間というルールが教師側に有利に働くのだから無理をする必要は無い。そして脱出する場合はゲート潜るという条件がある以上は何れは降りてくるから無理に仕掛けずゲート近くで待てばよいのだ。
それを理解した上で俺達が上空に上ったのはペルクリオの音響探知を生かす為で、建物の内部に入られると若干面倒だったのだが幸いにも相手もゲート近くで此方を視認可能な位置を取っていたので容易く発見出来た。それでは作戦開始だ。
『オールマイトに告ぐ、この閉鎖された場所に自分達を追い詰めたと考えているようならそれは思い違いだ。なぜなら人気が無いここでならこちらも人的被害を考慮せずに全力を出せる
物的被害に関してはそもそも貴方が本気で暴れれば簡単に更地になるだろう、ならば敢えて周囲の建造物諸共攻撃してでも短時間で仕留めるのが結果的に最小の被害になる。故に自分達は全力での攻撃を躊躇しない。そういった理由でこの場は投降する事をお勧めする』
今現在も音響探知の為に音楽を流し続ける十三鬼の浮遊スピーカーユニット ボシュボッシュ・ブイから拡声した俺の声を演習場に響き渡らせる。ここで以前見せた
「君達ぃいいい!
アレは使わないって校長と約束したんじゃないのかい!!」
おっ、出てきた出てきた。大慌てで近くのビルの屋上に飛び乗ってきたのは画風が暑苦しい男、今回の実験台試験官であるオールマイト氏だ
「えっ? あれは使う気はなかったと過去形で話しただけで使わないとは言ってませんよ」
「私も使いたくないとは言いましたが、使わないとは断言していませんので」
「屁理屈だよ!!」
『あんた達、ただでさえ持ち込みアイテムが他より多いんだからそいつは禁止だよ』
「むぅ、師匠に言われては仕方がありませんね」
「君達リカバリーガールには素直だね!!」
「人望ですかね。B組は頻繁にお世話になってますから」
なんだか自分もお世話になってる手前理解は出来るがって苦い顔のオールマイト。
「それで、仕切り直しでしょうか?」
『いいや、交渉材料があったのでおびき出したという作戦は問題無い。このまま続けな』
「ありがとうございます。では交渉決裂って事で再開しますか」
「いやイイケドね。試験官は私なのに……」
気を取り直して
耳障りな高音を交渉決裂の合図と理解してかすぐさま俺達が乗るブルブルーン・バトーへ攻撃を仕掛けてくるが……
「
『
箒に乗ってブルブルーン・バトーの前に躍り出た榛葉の魔法障壁で阻まれた
すかさず今度はランダム軌道で動き回るボシュボッシュ・ブイから衝撃波を撃って牽制しながら俺も飛び降りた。
落下中に手の中に劣化文珠を出し発動、刻むイメージは決まれば一撃だが効かない事が多いうえにシナリオ5や外伝でリストラ食らった不遇呪文
『
【敵周辺を真空状態にし窒息死させる】これが日本でメジャーなFC系の解説なのだが、PCシリーズか攻略本か忘れたが更に凶悪な解釈がある。
【敵の周辺及び肉体の含有酸素を消失】つまりは効果が敵の血中酸素にまで及ぶので一瞬で酸欠に陥る凶悪なものだ。流石に死にかねないので俺は一時的に酸素を効果範囲の大気から弾き出すに留めている。これで板垣理論ならひと呼吸で酸欠に陥り昏倒するのだがそう上手くはいかないか、流石はNo.1というか呼吸して危険と感じたのか迷わず屋上から飛び降り範囲から逃げるとか経験故か?
俺も後を追って飛び降りるも途中でビルの壁面に重力操作で着地、こちらを見上げるオールマイトと正面から向き合う
「毒ガスとはやり過ぎではないかい?」
「そんな後始末がめんどくさい事はしませんよ。ちょっと大気に干渉して酸素濃度を弄っただけですからほっといても直ぐに風で拡散されて元の濃度に戻りますから」
「なるほどと言いたいがそれって結構危険じゃないのかい!?」
「屋内ならともかく空気が流れる野外なら問題無いですよ。安全に無力化出来るから良いアイデアだと思うんですけどねっと」
両手に劣化文珠を出して発動、炎を生み出しベギラゴンモーションから射出!
『
Wizardryの呪文はゲームの性質からかビジュアル面でのイメージ補完には弱い半面、ローカライズ時に日本名を宛がわれており、その命名が漢字2文字が多いのでイメージとして使いやすいのだ。
「
とはいえ所詮はLEVEL3の呪文、流石にそれなりの距離から火球を撃っても風圧であっさりと散らされたが見せ札なので問題は無い。巻き上がる炎の影を瞬動でビルの壁面を地面に向けて進みつつ…
『ライトハンド・ガーダー』
本来はメックスーツ用の追加装甲から右手用のパーツだけ呼び出す。今回は学校で普段使っているライダースーツタイプのヒーロースーツで収納関係のベストやベルトを省いた代わりに枝村サポート製のベルト状の収納ユニット「枝村ドリムライザー」を装着している。バックルのドリムカセットデザインのパーツは収納ユニットであり、最新の圧縮技術によりWING-MAN SUITとオプション一式が収納されていて東映ヒーローっぽい変身装着が可能となったのだ!!(なお俺や榛葉の場合はストレージから転送したほうが早いとか考えてはいけない)
地面に到達しても勢いを維持したまま、腕を振り抜いた姿勢のオールマイトを視界に捉え
姿勢を低くして再度瞬動、落下ではなく重力操作で壁に立って走って来たので足に負担を掛けずに移動出来るのだ
移動中から右手で土行と火行の片手印を連続で切り即興で砂化の術式を組み立ててあり、瞬動の抜けと同時に左手の白符をアスファルトに叩き付ける
その音によりオールマイトはこちらを認識、不意を付いて踏み込みと共に上体を起こし突きを放つ俺に対して超反応でカウンターを放つ、これだから突き抜けた増強型は質が悪い。だが…
「スマッ なっ!?」
俺は虚空瞬動の要領で空を踏みしめるがオールマイトは踏みしめた足場が砂と化してバランスを崩す!
「サイコ・ブロー!!」
力場に包まれた俺の拳を受け吹き飛ぶオールマイト
インパクトと同時にガーダーが生み出す耐荷重、耐衝撃パワーフィールドに霊力で干渉して衝撃を発生させる俺流の意拳!
木村さんの指導は色々と為になったぜ!!
『
吹き飛ぶ途中で体勢を整えるのは流石だが空中で榛葉の放った3桁の
「
パンチの風圧で空中から強引に地面に降り立ち回避か。うん、知ってた
誘導弾である
まあ壁の向こうに居てもペルクリオの音響探知で位置は割れてるんだがな、榛葉の背後を取る為に壁をブチ抜いて飛び出して来たので両手にソーサーを展開してカバーに入る
「コイヤァ!!」
足を止めてパンチのラッシュをソーサーで捌き続ける。気分は師匠である九鬼先生に立ち向かう双七君かね?
いやコレと一緒にするのは一流の師匠たる九鬼先生に失礼か。
あと俺は双七君と違って性格が悪いのでソーサーを高速回転させている。今は擦れるだけだが、まだまだ回転は上がるからそのうち触れるだけで皮膚を削るぞ
序でにソーサーの外周には聖句を刻んであるので回転するたびに微々たるものだが詠唱効果が乗りソーサーを構成する霊力の質を高めていく。
どっかにマニ車好きな作者が居たが個人的には毎秒600
「その盾でいいのかな?破壊出来ないだけではなく揺るがないとは衝撃吸収でもしてるのかい?」
拳を痛めるのを嫌ったのかオールマイトは距離を取ってなんのつもりか話しかけて来た。答えても良いけどこの手の相手は理屈を超えてくるからなぁ
「俺の拒絶の意思が上回ってるだけですよ」
「なるほど、つまり対抗するには"Plus Ultra"ってわけかい。ならばここはねじ伏せよう!!」
ほらな、感性で正解を引き当てやがる
「相手してられるか!!」
ぶっちゃけ榛葉は既に移動開始してるので無理に相手する必要はない。だからソーサーを投擲
「散!」
爆破して光で目晦ましを仕掛け、もう一枚を間髪入れずに投擲し至近距離で爆破して今度は爆音で牽制しつつ離脱、だが当然の如く爆発の中を突っ切ってくるから嫌になる
質を上げて強化入れてるから普通のソーサーの爆破とは威力が違うハズなんだけどなあ…、気を取り直して拳の間合いまで寄られた所で氣を込めて柏手、GS二次作家が大好きな"サイキック・猫だまし"で再度目潰しを仕掛ける。流石に連続で閃光は予期して居なかったようで一瞬視界を奪えたようだ
合わせた手を開くタイミングでストレージから長さ3m程の包帯程度の幅の布を取り出し氣を乗せて振り抜く!!
勘か音でも聴いたか回避されたが流れるように連続突きから払い、切り上げからの打ち、突き、と繋げる。消しゴム先生の捕縛布と違い俺の氣を込めた布は硬度が自在で相手を打ち切り裂く凶器と化す。中國人にゃ及ばんが消しゴム相手なら負けん自信はあるぜ!!
だが流石はオールマイト、視力が回復したのか攻撃を見切り掴み…かけて手を引いた。
どうやら今までの俺のやり口から布を掴むのすら危険と思ったようだ。別に仕掛けはないけど意味ありげにニヤリと笑っておく、疑心暗鬼に陥るがよい
そんな俺の様子に距離を取り疲れた様な溜息の一つ……あっ、未だギアが上がるんっすね。これだから突き抜けた増強型は質が悪い……間合いの外からパンチの風圧でぶっ飛ばされながら悪態を付く。
「チェイング」
ぶっ飛ばされながらドリムカセットのスイッチを押して音声コマンドでメックスーツを着用、喋る変身ベルトが欲しいとか言ってたらホントに作ってくれたでゴザル。ウイングを展開して飛行し体勢を整える。オールマイトは……「うごっ」
瞬間腹部を貫く衝撃、追撃を食らった!! 割とシャレにならんダメージだわ、ちょっとやり過ぎて怒らせたか!?
腹に一撃食らいビルに叩きつけられた所を更なる追撃を胸に食らい気管への衝撃で一瞬息が止まり動けなくなる。クソッ、耐衝撃フィールド越しでこのダメージとはスーツはともかく中身が持たん
そのままパンチの衝撃で破壊されたビルの壁の瓦礫に埋もれた俺を一時的に行動不能にしたと判断したオールマイトはゲートへ向かう榛葉を追いかけたようだ。これ、スーツ無しなら死んでたぞ……
なんとか意識を繋いでステータスチェックを…ダメージは肋骨に罅だけか。この程度で済んだとスーツの性能に感謝すべきか、スーツ無しなら死にかねない攻撃に怒るべきか…
事前に榛葉に掛けて貰って(収)納しておいた治療呪文をストレージから呼び出して回復。劣化文珠一つで文珠(癒)以上の回復術をストック出来るのだから榛葉とストレージに感謝だ
先程から足止めすべく果敢に攻めていたが実のところ作戦の本命は榛葉である。だからといってここであっさりとリタイアしてしまうのも癪なので鳥の式神シンダラと憑依合体して飛行速度を上げて気合で追いかける。これから行う攻撃の榛葉への誤射を防ぐ為に敢えてオールマイトを追うのではなく並走するルートを取り、射線が通った段階で榛葉への追跡を阻止すべく本気の攻撃を行う。これは榛葉への援護であり決してぶっ飛ばされた私怨では無いのだ!!
『ファイナルビィィィィム!!』
両腕を広げて胸を張り、胸部のWを模した青いアーマーが展開してそこから某グルンガストや強殖装甲の如くビームをぶっぱする
原典は胸のWマークから両腕に伸びるラインとスパイラルカット、要は上半身正面の青い部分から発射する光線なのだが、こちらは胸部アーマー内に収納されている霊力兵器で原典並みに人間サイズの物体なら一瞬で焼き尽くすような割とヤバイ威力が出る。元々は個性エネルギー誘導装置で自力で霊波砲を撃つ仕様だったのだが自重を止めた俺はアシュ仕様の霊力兵器と換装したのだ。
人間くらいなら焼き尽くすようなエネルギー奔流でオールマイトの前方を薙いで足を止めさせる。うん、人に向けて撃っていい威力じゃないな。だがオールマイトのパンチも生徒に向けて撃っていい威力ではないからお相子だ!!
攻撃の為に俺も止まってしまったが、亜音速で空を飛べる上に加速が一瞬の俺の方が早い。だが並走した状態から追いつくには時間が微妙か!?
そんな迷いで一歩遅れたのが悲劇、いや喜劇の始まり。追いつく直前の俺の目の前でオールマイトは箒で飛行する榛葉に組みついた!!
地面を転がる二人、そこでぐったりとする榛葉の異常に気が付いたオールマイトは怪我でもしたかと焦り確認するが
「だいじょ これはっ!?」
バーカ、榛葉がそんなにあっさり捕まる玉かよ。榛葉に擬態していたマコラはオールマイトの手をすり抜けその軟体ボディで拘束にかかる。長時間の拘束は無理だが影を媒介とした転移でマコラの影から姿を現した榛葉が武装解除を放つには十分だった。
『
突風と花びらが吹き荒れる中、すぐさま緩んだ拘束から脱出して榛葉を組み敷くオールマイト。控えめに言っても事案発生です。
本人なんで拘束緩んだのか気が付いていないんだろうなぁ(逃避)
「まんまと引っかかったよ。だがこれで逃しはしない…なにを?」
榛葉を地面に押し付けるオールマイト
そしてスマホのカメラを向ける俺に疑問の表情。そして大きく息を吸った榛葉は
「キャアアアア!! 犯される!! この人変質者ですぅ!!!」
「待ちたまえ、私はそんな」
「パン1で何言っても説得力ねーよ。この映像はばら撒くから覚悟しやがれ」
「何を言って なぜ服が!!」
いやホント重りだけでいいのに服まで飛ばすとかこいつの魔法は確かにネギの血族だわ。男の脱げとか誰得よ
・
・
「君達はこの力で将来的には何をしたいのかな? そこだけはハッキリさせておきたいのさ」
試験を一時中断して校長より説教タイムである。
「いや、俺は服までは剥ぎ取りませんよ」
以前(脱)とか使おうかと思ったのは内緒だ
「あっ、ずるいです!!
私はここまでの威力の予想はしていませんでした。不可抗力です!! そもそも私はセクハラの被害者です!!」
まあなんだ、誰にも良い事が全く無い不幸な事故だったな。うん
「そうか、今後は使わないという事でいいね。今回はちゃんと断言してもらうよ。PTAから攻撃されそうなセクハラ技術など学校では使って欲しくはないのさ」
いやね、ホントは大変有用な魔法なんですよ。ただ不幸な事にエロコメ原作の血筋が災いしたと言いますか
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・
仕切り直しって事で再び演習場で向き合う俺達三人。
「あっ、シルバーエイジのコスっすね」
「ああ、うん、コスチュームが粉々になってしまったからね」
気まずい、明後日の方向を向いて鳴らない口笛を吹く榛葉。あざとカァイイとか思う俺も大概だが
誤魔化す様にドリムカセットのスイッチを押して音声コマンドで追加装甲を装着する。
「ガーダー」
装備を換装した俺に対して何か言おうとしたが、教師側の都合で仕切り直しになったので止む無しと思い直したようだ。
さて、一応は様子見がてら一発受けて見ますかね。
「榛葉、30秒は抑えて見せる。お前ならそれだけ有れば行けるな!」
「はいっ!!」
「大きく出たな、ヒーロー!
ゲートへ向けて箒で飛び立つ榛葉を見送り、庇う為に前に出て拳を振り切る前にクロスアームブロックで一発受けて風圧攻撃を潰す。様子見程度の一撃ではあったが今度は耐衝撃フィールドで受けきれるようだ。
「
俺専用に改良されたWING-MAN SUIT Ver.2 [TYPE-Δ]には幾つかの専用機能が在る。その一つがチャクラ上に配置された七つの文珠スロット、そしてもう一つはユニット化による複霊式O.S.を想定した媒介。今回はこの二つの機能を使いマコラを主としたビカラとの複霊式O.S.を構築する。最終的には男の夢たる全部乗せを実現したいものだな。
ビカラの強固な防御を上乗せしたガーダーで攻撃を受けつつ霊波を共鳴させて見かけ上の出力を上げる。この技術は出力はともかく質は変化しないので
ただAFOの個性強奪は俺の感覚だと魂喰いに近いので霊的に高位になってる恐れがあるんだよな、対になるOFAの蓄積を継承する性質を視てるとその片鱗が有るし
『
俺と式神の波長がシンクロしたタイミングでキャストオフするが如くGUARDERをパージし、各パーツを起点にパワーフィールドに干渉して拡大、力場でオールマイトを弾きながら霊力が浸透したパワーフィールドで身長3メートル程のマコラ激情態を形成、更にビカラでガーダーを媒介とした甲縛式O.S.を形成してマコラ激情態に鎧を纏う。さしずめマイトバスターってか?
更にYOKOSHIMA'Sの持つ
しかしこのストレージは実態の無いデータも収納可能でデータベースとしても破格だな、ほんととんでもないチートだわ
こちらを観察するオールマイトへ開いた左掌を前にし左足を前にした構えを取る。マコラ激情態の動作から格闘戦用の能力と判断したのだろう、間合いを詰めようと動き出したタイミングでこちらから10m以上の距離を一歩で詰めて崩拳!! 流石にガードはされたが動き出した瞬間だったので回避できなかったようだ。
そのまま更に踏み込みつつ拳でガードを跳ね上げて肘に繋ぐが今度は逆の手で止められた、腰の回転で左の掌底、下がって回避されたがより低く沈んで潜り込み先程のお返しとばかりに腹へ左拳、当然の様に受け止められたがそのまま右足で刈り取るように足払い、ジャンプで躱されたところにそのまま回転して左後ろ回し蹴り! ガードはされたが巨体を生かしてそのまま弧を描き地面に叩きつける!!
だが道路に背中から叩きつけつけられたオールマイトも流石にやられっぱなしでなく、すかさず体を半回転して拳で地面を殴った反動で強引に体を跳ね上げてショルダーチャージの要領で蹴り足を押し返してきた。こちらは片足で体を支えている体勢だから力負けして押し返されたので敢えて転倒して片手で体を支えて逆にフリーになった両足でカニ挟みで引っこ抜き頭からぶん投げてやった。まぁそんな雑な投げは普通に手を地面について防がれるんですがね。
「ぬうう、大型の
拳を交わして分かった事がある。防御の動きから見てオールマイトは元無個性だけにその辺の増強型と違って鍛え込んで有り実戦的な動きはする。そしてOFA継承後は圧倒的な速度で相手の動きを見てからでも後の先を取れる為に下手な小技等使う必要はなく、寧ろシンプルに力の有効な使い方を極める形に落ち着いたのだろう。それが衰えたと思われる現状でも健在で嫌になる。
ただ想像に過ぎないがOFA継承後はAFO以外の強敵との戦闘は数える程しかないと思われる。ましてや自身に匹敵するパワーとスピードを持ちつつも武術という弱者の戦いをする矛盾した存在との戦闘経験などはあるまいて!!
とりま殴り合いを続けているが、なんとなくこのまま戦っても勝率悪くなさそうだな。ふむ、何か嫌そうな顔をしているが
「そろそろ30秒は経ったと思うんだけどね!!」
ああ、あれをこちらの制限時間と予想していたのか。まあスーツ無しなら全力稼働はそんなもんだけど…
「ぶっちゃけ30秒はなんかノリです」
「キミねぇ!!」
時間制限有りなら俺に付き合っても問題無いと思ったところに予想以上に粘られてゲートへ向かう榛葉を追うべきか考えたところに逆撫でするような返答ってところか?
この瞬間余裕が崩れたな。ハイワンパァン(フラグ)
「横嶋流 打の二 三散華」
「がっっっ」
気が逸れた瞬間に霊的死角から滑りこんだ榛葉がハートブレイクショット、一瞬動きが止まったところを殴った手でそのまま顎にショートアッパー、上に伸びた手を戻すと同時に一歩踏み込んで肘で鳩尾を
ワンパンどころではなかったぜ。しかも一撃ごとに
「はい、ゲームセットですね」
息も身動きも出来ないで呻くオールマイトにいい笑顔の榛葉がハンドカフスを嵌めるのであった。絶対さっきのセクハラの仕返しだろ
「榛葉少女はゲートへ向かっていなかったのか? だがいったい、いつの間に……」
ぶっちゃけると榛葉は絶と自身の魔法と(隠)の文珠を使用して俺の背後に控えていた。ゲートへ飛んで行ったのはネギも序盤で使ってた風の精霊によるデコイだな
オールマイトにしてみれば殴られた瞬間まで存在に気付けなくて何が何だか理解出来なかっただろうが、第三者視点ならば歩法の入りの瞬間から隠形は解けてるハズだから見える奴には見える。
今回はオールマイトには合法的に榛葉が習得中の横嶋流の死角を取る打撃の試金石となって貰ったんだが、結果は上々だったな。
明らかに人型の対霊戦闘を想定したこの技ならば或いは奴にも届くかもしれん
鉄哲くんと横嶋ガールフレンズ
演習試験は塩崎とコンビを組む事になった。
こいつも真っ向勝負を好む性格なので気が楽だと思ったのだが……
「見事に閉じ込められました」
「そーだな、見事に消耗戦に弱いっつー個性の欠点を狙われたな」
つーわけでセメントス先生の罠に嵌ってしまった。
俺は馬鹿だのなんだの言われているが仮にも雄英に合格した男、クラスメイト相手に日々鍛錬していれば嫌でも自分の弱点と向き合う事になる。なにしろB組には他人の弱みを突くのが上手い奴が3人も居やがるからな。
そんなわけで消耗を避ける為に個性の温存に切り替えたのだが未だ外からの圧力が増し続けている、これは判断を誤ったか!?
「提案があります」
「なんだ?」
「全力で硬くなってください。そうして頂けたら後は私が全力でコンクリートに攻撃いたします」
「質問するが、まさか俺をハンマー代わりにする気じゃないだろうな?」
「勿論、いたします」
「……お前、横嶋に毒され過ぎだ!!」
お堅い塩崎も随分と染まりやがったな、ピンチのハズなのに苦笑する俺を塩崎は怪訝な目で見ていた。肩の力が抜ければなんてことはねぇ、試験であるのだから勝ち筋は残されているハズだ。
周囲のセメントは補強され続けているが足元の厚みは変わっていねぇのなら、ここから逆転をする! ん?なにか背後で圧が増して逝くゾ……おいおい、なんか塩崎の奴祈りのポーズでめっちゃ光ってやがる。まさか、それ、撃つ気か?
『Grand Cruz』
「おまっ 硬くなれって巻き込むからかーー!! 気合防御っおおおお!!!」
鋼化して氣で感知していたセメントス先生のいる辺りを庇う様に盾になれたのはギリギリのタイミングだった。
セメントス先生も俺が盾になった自分の正面以外が消し飛んで真っ青な顔をしていたと思う。まあ顔色とか分からねぇが…
個性伸ばしの際に鋼の勉強しろって鋼の種類や性質を詰め込まれたお陰で強度が上がっていたから耐えられたようだ。ほんと横嶋には感謝だぜ……いやまて、そもそも塩崎に色々と仕込んだのも横嶋の仕業だった。あんにゃろ一発殴る!!