初めて見た顔。しかし、昔からよく知っているその人。
そして、一目見た時から一生支えていこうと思えた。
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ある日、唐突に暗闇に落とされた。
なんで!? どうして!! 後悔の念だけが残り、渦巻く。
「大丈夫よ」
聞き覚えのない声に顔を上げるが、顔を確認することは出来ない。
涙を拭ってみたが気休め程度、なおも声の発生源は見ることができない。
「大丈夫よ。私が一生支えてあげるんだから」
心強い言葉に少し落ち着く。
「支える……?」
「ええ、一生ね」
再び、力強く唱える彼女。
その一言一言に深く引き込まれた。
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「信じれば変われるって本当かしら」
どこかで聞いた言葉を
いつも通りの視界に飽き飽きしているが、自分からは変わらない、変えられない。
「大丈夫。きっと変われる。私が変えてみせる」
宙に投げた疑念に十年来の親友が返す。
「そう、貴方が言うと心強いわね」
信頼しているわ。相棒。
そして、明日は運命の日。
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運命。
なんて残酷な響き。運で命が決まるなんて。
命運、って言葉もあるけど。私は、この言葉も嫌いだ。
自分の人生は、自分で決める。運になんか左右されてたまるか。今までだってそうしてきた。
だから、必死に勉強して。
そして、医学部に入って。
全ては、親友を救うため。
――なんとしてでも変えてやる。
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運命の垣根を越えて、手術は成功した、らしい。
私は小さい頃、唐突に目が見えなくなり光を奪われた。
その時に手を差し伸べてくれたのが今の相棒。
そして、私の目を治してもくれた。少しは恩返しがしたい。
「ねぇ、調子はどう?」
「悪くはないわね」
「そう、よかった」
「この包帯はいつ取れるの?」
素朴な疑問。
手術は成功した。まだ目は、包帯に覆われままだ。
だから早くこれを取り除き、久しい光を感じたい。
そして、まだ見ぬ親友の顔をこの目で。
「すぐにでも取れるけど――」
「今すぐに取って!」
思考するより先に言葉が出た。
「…………わかったわ」
少し開いた間に何かが引っかかった。でもそれより目が見えるという感動が頭を塗り替えた。
――病院だからか白が多い。これから色々な色と景色を見るのだと心が躍った。
そうだ、と。親友の方へと目を向ける。
「ねぇ」
「……」
十年来のパートナーは目を閉じ黙っている。
「目を開けて、顔をよく見せて」
「…………」
そっ、と開かれた
──眼球がなかった。
「ごめん、こうするしか、あなたの目を治せなかったの」
返す言葉が出なかった。昔なら「なんで!? どうして!!」と喚いたかもしれない。
「本当、に……ごめ、んなさい……」
「……謝らなくていいわ。あなたが選んだ選択だから。私もそれに従うわ」
初めて見た顔には目がなかった。でも、昔からよく知っているその人。
そして、一目見た時から恩を返すように一生支えていこうと思った。
ちょっと残酷描写というか胸クソエンドで申し訳ない。でもこれが僕の大好物なんだ。