かばんちゃんで1期ラストから再構成してみる「けものフレンズ2」   作:米ビーバー

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(けものフレンズ2の二次は)初投稿です。


妄想100%でお送りしています。


#0 『じょうりく』 Aパート

『デデデ、デンチ、デンチ、バスノデンチガ』

「ここで!?」

 

海原のど真ん中、やってきたキョウシュウエリアも、行き先のゴコクエリアもはるか遠くという場所で立ち往生という憂き目にあったかばんは腕時計のように腕にハマったラッキービーストのコアに向かって絶叫していた。

 

「―――わっ、やばいよ……こっちも止まらなきゃ!ストップ、ストーップ!」

 

―――ガァンッ!!

 

後ろから追突された衝撃で「ふわぁ!?」と悲鳴を上げるかばん。おそるおそる振り向くと―――そこには……

 

「サーバルちゃん!みんな!!」

「えへへ……やっぱり、もうちょっとだけついて行こうかなーって」

 

照れ臭そうにそう言うサーバルに笑顔を見せるかばん。かばんに笑顔で返すサーバル。そんな二人を見守るアライグマとフェネック。そんな状況に

 

「なになにー?どこいくのー?」

 

水しぶきを上げて宙を舞う姿が追加された。海面を叩くたびに潮交じりの水しぶきが上がり、楽しそうな声が重なる。

 

「はじめまして。あなたは、何のフレンズですか?」

「私はサーバル、こっちはかばんちゃん。おともだちになろうよ!」

 

ひとしきり飛び跳ねてからこちらに泳いで近づいてきたフレンズにかばんが優しく問いかけ、サーバルが猫の手を作って笑いかける。

 

「あたしはマイルカ!マルカって呼んでね!やったぁ!おっともっだちー!おっともーだちー!!」

 

バシャバシャと海面を跳ねまわり、喜ぶ姿にサーバルとかばんは愉しそうに笑う。

 

「―――アライさんもいるのだー!ちゃんと紹介するのだー!」

「アライさーん?漕ぐのをやめたら止まっちゃうよー?」

 

 

「ぐぬぬー」と唸るアライグマのアライさんをフェネックは愉しそうに観察している。

 

 

「あー、なかにもだれかいるー?」

 

ぴくぴくと、頭部のヒレのような部分が動いて、マルカが“ばすてき”の方を見る。“ばすてき”の外側は壁と柵があり、中の様子は見えないのにだ。

 

「どうして!?なんでわかるのー!?すっごーい!」

「どうしてですか?」

 

サーバルが耳をぴくぴくと動かして驚きを表現する。かばんもそれに同調して質問をする、と―――

 

『―――アレハ、エコロケーションダネ。イルカヤクジラハ、トウブノ“ビコウ”カラ、トクシュナオンパヲトバシテ、ハネカエッテキタハンノウデ、ブッタイヲトクテイスルンダ』

「へぇー……よくわからないけど、すごいんだね!!」

 

ボス=ラッキービーストからの注釈が入るが、サーバルにもかばんにも詳しい説明はよくわからなかった。ただ「すごい」ということだけはよくわかったので素直に称賛の声を贈る。

 

「あはははは!!ありがとぉー!わーい!ほめられたぁー!」

 

ざっぱーん、ざっぱーんと何度も海面を飛び越えて宙がえりを繰り返すマイルカ。水しぶきを日差しが反射して、キラキラと輝いて見えた。

 

「サーバルゥ!!こうたいするのだー!アライさんもおはなししたいのだー!!」

 

会話している間もアライさんとフェネックは全力でこぎ続けていた。なにしろジャパリバスのバッテリーは無くなっていて動かない。“ばすてき”の人力駆動による推進力しか頼れるものがない状況だから、仕方がない。

 

「なになにー?どうかしたのー?」

 

マルカが興味深そうにかばんたちの方を見る。

 

「実は―――」

 

かばんの拙い説明をふんふんと聞いていたマルカはぱぁっと目を輝かせて

 

「じゃあじゃあ!おてつだいするねー!!」

 

そう言って、かばんの乗っているジャパリバスのイカダ部分の端を掴んでニッコリと微笑み―――

 

 

―――その瞳から、虹色の輝きが溢れ、サンドスターが身体から発露した。

 

 

 【野生解放】

 

 

 フレンズたちの元々の動物がもつ種族的特性が顕著になり、一時的な強化を得る能力である。かばんはこれについて詳しく聞いていないのでどういう理由で発現するのか、使用に際して何らかの反動があるのか、などについては知らないが、サーバルが爪を輝かせた後などは良くじゃぱりまんを食べているのを目撃しているため、「とてもおなかがすく」のだと思っている。

 

「いっくよぉーーーー!!!」

 

ザバリザバリと足をばたつかせるマルカの動きが、徐々にスクリューに巻き込まれた水のものになっていき、唐突にバスが加速を始めた。

 

「うわわわ……うわあぁぁぁぁぁぁぁ…………」

『アワワワワワワワ……』

 

悲鳴とともに、“ばすてき”から離され始めたジャパリバス、その様子に、誰よりも先に動いたものが居た。

 

「うみゃぁーーーーー!!!!」

 

ジャンプ一番、片手にかばんとの約束の帽子を抱えて跳んだサーバルは、ジャパリバスの上部に取りついてしがみつく。その時、ふわりと風が舞い―――

 

「羽根が――――!!」

 

帽子に付いていた二枚のうち、赤い羽根がはがされ、空を舞う――――

 

「アライさんに、お任せなのだぁーーーーーーーー!!!」

 

宙を舞う羽根がどこかあらぬ方向へ飛ばされる前に、素早く操縦席から飛び降りたアライさんが天窓から飛び出し、横っ飛びで羽をキャッチする。が、

 

「ふわぁ!!?」

 

ざっぱーん!と音をたてて海に落下するアライさん。それでも羽根を手放さない。

 

「アライグマ!?フェネック!?」

「アライさーーーん!フェネックさぁーーーん!!!」

 

遠ざかる“ばすてき”を振り返り叫ぶかばんとサーバルの声が届いたか、それを確認する方法は、今のところ存在しなかった―――。

 

 

 

********

 

 

 

「あはははは!たのしかったー!!」

 

海岸にたどり着いたかばんとサーバルがバスを砂浜の上に下ろすとマルカは愉しそうに笑って波打ち際でごろごろ転がっている。

 

「アライさんとフェネックさん……大丈夫かな?」

「大丈夫だよ!マルカにもう一回お願いして連れてきてもらお!」

 

心配そうなかばんに、サーバルはそう言って微笑みかける。

 

「ねぇマルカー!さっきのところに戻って、アライグマとフェネックが乗ってる方のも連れてきてくれない?」

「うん、いいよー!でもちょっと疲れちゃったから、すこしきゅーけーしてからでいいー?」

 

波打ち際で足をバタバタとさせるマルカにサーバルは「ありがとねー」と返事をして、バスの後部に積まれていた荷物からじゃぱりまんを取り出し、マルカにも渡す。

 

「かばんちゃん!とりあえずじゃぱりまんでも食べて、ゆっくり待とう?」

「……うん、そうだね」

 

 

―――そうして、少しの間海岸で休んでいるかばんとサーバルだったが……

 

 

「―――ぅぇ!?」

 

唐突に変な声を上げて起き上がるマルカの姿に腰を浮かせる二人。

 

「どうしたのマルカ?」

「何かあったんですか?」

 

様子がおかしいマルカに尋ねるも、マルカはそれに答えず首を左右にぐるぐると動かし、頭を巡らせている。

 

「―――あっち!!」

 

突然叫んだマルカが波打ち際を飛び出し海に飛び込むと、そのまま猛スピードで泳ぎ出していく。後に残された二人には何が起きたのか全く分からなかった。

 

「な、何がどうなってるの……?」

「ラッキーさん、どういう事かわかりますか?」

 

状況が全くつかめないかばんは、腕のラッキービーストに尋ねてみる。が

 

『―――ジョウホウブソク、ケンサクチュウ、ケンサクチュウ』

「……だめかぁー……」

 

アラート音にも似た何かを上げながらケンサクチュウと繰り返すだけのラッキービーストにがくんと項垂れるかばん。すると―――

 

「あのー?」

 

海岸からする声にそちらを見ると、ピンク色の髪をした、先ほどのマルカに似た外見のフレンズがそこに居た。

 

「マルカちゃん……あ、マイルカがこちらに居ませんでした?」

「えっと……あなたは?」

「あっ、ごめんなさい。わたくし、シナウスイロイルカのナルカと申します」

「あ、はい。かばんです」

 

ぺこりとお辞儀をするナルカにつられてかばんもお辞儀をする。サーバルはいつも通りナルカに「サーバルキャットのサーバルだよ!」と猫の手でご挨拶を返していた。

 

「さっき、マルカちゃんからお友達ができたと言われたので見に来たのですけど……」

「さっきー?でもさっきまでマルカはここに居たのに?」

「確かに……どうやって?」

 

ナルカの言葉に疑問を口にするかばんに

 

『―――イルカノエコロケーションハ、ハンキョウデ、ブッタイヲトクテイスルダケデハナク、オナジエコロケーションヲツカウ、ナカマタチトカイワガデキルトイワレテイルヨ。ソノキョリハ、サイダイデ 1000キロ ニモオヨブト、イワレテイルンダ』

「そうなんですか!?」

「よくわからないけど、遠くの仲間とお話しできるんだね!すっごーい!」

 

ラッキービーストの説明に驚くかばんと、称賛するサーバルに「あらあら、良く知ってるんですのね」と微笑むナルカ。ところがその顔が急にやや強張った表情に変化すると、何かを受信するように、頭部がピクピクと動いていた。

 

「―――大変!ドルカちゃんとマルカちゃんが、セルリアンに襲われてるみたい!」

「えっ!?セルリアンに!?」

「たいへん!たすけにいかないと食べられちゃうかも!?」

 

慌てた声のナルカに、かばんもサーバルも慌てて対応を考えるも、相手は海の上、どうしようもない―――

右往左往するばかりの二人に、ナルカはニッコリと微笑んだ。

 

「―――ありがとうございます。そのお気持ちだけで十分ですわ」

 

ぺこりと一礼して、ナルカも海に飛び込み泳いで沖の方へ向かって行った。

それを見送ることしかできないかばんは、どうにもならない状況に、気を落とし、俯いてしまう。

 

 

「……やっぱりぼくは、ひとりじゃ何もできないのかな……?」

 

 

キョウシュウエリアで、フレンズと一緒に色々な経験を積んだ。木登りもできるようになったし、食べ物の見分け方も教えてもらった。

 でも海の上で戦う人たちと一緒に戦う方法が、何一つ浮かばない――。

じっと自分の掌を見ながら自問するかばんに、サーバルは笑いかけた。

 

「大丈夫だよ!かばんちゃん、前にわたしが言ったことおぼえてる?」

 

かばんに優しく語りかけるサーバルの言葉に、かばんは少し考えて―――

 

「―――ぁ」

「わかった?」

 

微笑むサーバルに、下を向いていた顔を上げる。

 

「フレンズによって、得意なことや、苦手なことが違うから?」

「そうだよ!わたしもおよげないし、でもマルカもナルカもおよげるけど、およぎのとくいなフレンズは陸地で歩くのは苦手みたい。かばんちゃんにも、かばんちゃんにしかできないことがあるよ、きっと!」

 

 

笑顔のサーバルに、かばんも自然に笑顔に誘われる。

 

 

―――けれど今は海岸線で、マルカたちの無事を祈ることしかできなかった。

 

 

 

(Aパート終了)

 




実のところ中の人は割とけもフレ民としてはにわかに属していると思ってます(告白)


「うなばら」の影響を受けてないとは言えない()
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