うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる:その2 作:madamu
司波達也きゅんを上手く有名にする手っ取り早い方法がないかな~、と思っていたらトラブルは向こうから来た。
この二科の黒幕にかかればこんなもんよ!
学内の悪事(壬生ブロマイド事件、あーちゃんアイスクリーム事件、運動部部活棟再配置事案)に関しては大体黒幕と思われている私も今回に関してはノータッチだった。
問題は「魔法科高校の美少女たち」と特集を組んだ週刊誌いや、ウェブメディアだった。
「こんな楽しいことに、おねーさん混ぜないなんて司波君のいけず~」
「犯罪行為を楽しむほど、心臓に毛は生えていませんよ」
司波達也君の肩をふざけてツンツンしたら一気に部屋の気温が下がった。
あ、深雪ちゃん私のこと睨まないで。
第二図書室の情報端末からウェブメディアのサーバーへのアタック。
司波達也きゅんは私がいないと思い、風紀の巡回として第二図書室へ潜り込んでいた。
そこを見つけた私の言葉をサッと躱す司波達也くんに、兄に悪い虫がつくのを牽制する妹。
「達也君、そこにアクセスするなら、3回はサーバー噛ませてくれる?あそこのセキュリティは確かNDF関連だから、追跡が五月蝿い」
どうやら達也君は、ウェブメディアの親玉である大手メディア企業のサーバにも悪戯しようというのだ。
「よくご存じですね。まるで手慣れているように思いますが」
「まあ、ネットサーフィンは趣味だからね」
私の過去の悪事を見透かすようなその余裕ぶった口ぶり…大好きです!
ウェブメディアは悪さをした。
1年生の複数の女子にストーカー行為をしたのだ。
ほのかちゃんが可愛くてもやって良いことと悪いことがある。
いくらほのかちゃんが可愛くてもストーカーはダメだし、それを指摘されて逆上して達也君の襟をつかもうとするのもダメだ。
ちょっと高校生がお仕置きせねばならぬ!
◆
「司波だったな。これは?」
「さあ、校内への不法侵入に関しては警備員の到着を待たずに実力行使が認められますからね」
目の前にはバラクラバ姿の男が二人。そしてこちらには俺と司波達也の二人。
逮捕術の元になった柔術の次期宗家と九重八雲の弟子。
素人相手のアクションシーンなど単なる文字稼ぎだ。
端的に言うと、俺と司波達也は不法侵入した二人を拘束した。
「我々は読者の……」
司波達也の眼光に不法侵入者の言葉が細くなる。
先程裏番が話していたウェブメディアのライターか。
どうやらネタ欲しさに不法侵入したようだ。馬鹿か。
こいつらは「読者の望むモノを見せる」と言いたいのだろう。
国立魔法大付属高校はエリート育成機関だ。
10年もすれば今の3年生は軍や各省庁における魔法の専門家として重要なポストにつく。
そんな育成機関にアポ無し、それも所属する人間のプライバシーを暴こうとしたのだ。
五体満足で捕まえられるだけありがたく思って欲しい。
「お~い、司波!」
校舎からは森崎と相馬が警備員を連れて走ってくる。
「連絡通り警備員さん連れて来たぞ。何があった?」
森崎も急いできたのだろう。額に汗が見える。
「先日話したウェブメディアの人間だ。不法侵入で拘束した」
「何?!ホントか!」
今説明しただろう、モブ崎よ。
内心で突っ込みながら、俺は警備員に説明し、警察を呼ぶように伝えた。
「そんな!」
「よく聞け。ここは学校ではあるが国家機関だ。また魔法関係の重要施設もある。これがどういう意味だかわかるか」
慌てる侵入者に俺は視線を向け説明する。
「最悪国家機密の漏洩に関わる罪状になることも覚悟しておけ」
一校に入学する際は誓約書を書かされる。機密情報漏洩に関する厳しい誓約書だ。
書かされた時は噂は本当だったと納得した。
一校そのものの情報もそうだが、一校からアクセスできる情報のレベルは想像以上だった。
昨年潰したブランシュが狙ったのも納得だ。
「萬先輩。脅し過ぎですよ」
「俺が言わなかったらお前が言うだろう」
司波が俺をたしなめるが、俺が知る司波達也の性格なら似たようなことを言うだろう。
不法侵入者は警備員に連れらていく。
「司波。お前どうだ、武道系部活に参加しないか?」
「自分は魔工師志望です。身体を動かす部活は考えていませんし、風紀の仕事で手一杯です」
司波は余裕のある笑みは崩さない。
感情が希薄というのは嘘だな。こんなに感情豊かな奴が妹にしか感情が向かないとかある訳ない。
単なるシスコンだろう。
翌日、この不法侵入者騒動は学生自治の上層部に知れることとなった。
簡単に言えば十文字会頭と七草会長と渡辺風紀委員長と裏番が知ったのである。
十文字会頭は「そうか」としか言わなかった。
この人の頭の中はよくわからないが、ものすごく単純に考えているか、ものすごく複雑に考えているかの両極端な気がする。
天然と評されるのは思考の極端さの表れだろう。
そして5月は過ぎ、もうすぐ九校戦へと季節は向かう。