うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる:その2   作:madamu

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あましば!

「ちょっと待って、周回制なの?」

「私は2周目。他に周回している転生者がいるか確認しているのよ」

高村ちゃんと並びながら歩く。ちょっと意外な話に口の中が渇く。

 

「まあいいわ。丁度見かけたから声をかけただけ。九校戦が終わったら改めて話しましょ」

「いやいや、他の転生者の存在は覚悟したけど周回制は盲点だわ。今内心ぼろぼろ」

「ブラフやポーズでも内心ばらすのはよした方がいいわ。転生者にも悪党はいるから平静さを崩しちゃダメ」

「あなたも悪党側?それにしちゃ、友好的だけど」

「そこも含めて次で話してあげる。そっちは無頭竜については準備済み?」

「達也くん任せ」

「そう」

彼女の表情は崩れない。本当になれた様子で話してくる。

なにこの冷静さ。こっから先の学生生活は修羅の次元にでも突入するわけ?経験者の余裕は今の年齢差なんて意味ないって感じだ。

「じゃあ、私こっちだから。九校戦の後夜祭で」

高村ちゃんは軽く手をあげ、右の通りへ行く。

 

「こりゃ、私より真人の来年が大変そうだ」

私は私で、自分のことより後輩のことが心配になってきた。

 

 

あっ!という間に九校戦も新人戦が終了。

モブ崎君は重傷…と言うほどでもないが怪我をして棄権。

スタート直後の破城槌は変わらなかった。

 

モブ崎君たち選手は救急車で病院へ。

ジュウモンが激おこで「あましば!」発動でお兄様参戦&指パッチンで勝利。

 

「あましば!」の際に笑いをこらえるのには苦労しましたよ。

 

で、うちの新人戦優勝以上に試合の裏で九校戦を賑わせたのが四葉の観覧だ。

四葉が九島の招待で九校戦を観覧。

急遽来たらしいが、最終日までいるようだ。

 

「先輩」

「いや~こりゃこりゃ天才エンジニアの司波の達也くん!君のおかげで、新人戦で選手たちは大活躍だよ!お礼におねーさんがチューしてあげ」

新人生優勝の会議室での祝勝会。

私が達也きゅん抱きつこうとした瞬間、冷気が部屋の中に充満し私は抱き着くのを止めた。

 

明日からは本戦。そして電子金蚕対策を実施せねば。

 

 

あっ!という間に本戦も終了。

五分前にはじゅうもんがあの顔で優勝旗を誇らしげに靡かせていた。

 

電子金蚕事件は起きなかった。

こばさんは見事準優勝。

深雪ちゃんの飛行魔法に対し跳躍戦法で確実にポイント確保した。

「流石にアレは反則だわ~」と春と苦笑いしていた。

「同校の先輩にまで切り札隠していた罰だ!」として、エンジニアチームの女子から、揉みくちゃにされて強制頭なでなでマシーンとなった達也きゅんは面白かった。

 

じゅうもんにナデナデされると、こばさんの首の細さだとコワイしね。

 

深雪ちゃんの冷気はほのかちゃんが必死で宥めていた。

小声で「二人っきりの時にナデナデ以上のことして貰いなさい」と耳元で言ったら、冷気は止まった。

 

「何て顔してるの」

グラウンドで整列する選手たちを眺めるように観戦席では、呆けた顔しているであろう私に和泉が声を掛ける。

 

「アンタはちゃんとマネージャーとして動いてくれたわ。今年は地味だったけど」

和泉から励まされるのも変な感じだ。

二人とも3年生。

彼女の調整したCADでまゆみんは「エルフィンスナイパー」として、スピードシューティングは3連覇。

私の呆け顔が、3年間のエンジニアとしての責を果たした顔にでも見えたんだろう。

「和泉~。ありがとう、おかん~」

私はそんな和泉の隆起の少ない胸に顔埋めお礼を言う。

 

高村マリア。

すぐに九校戦参加選手を調べてフルネームがわかった。

彼女との出会いで少し混乱した。

なので、技術面での統括より各エンジニアが不足なく仕事できるよう、調整室の手配や各校との利用時間調整だけ頑張った。

 

「アンタね~調子の良いことを~」

嫌がりつつも和泉の声は鼻声だ。

そうなのだ。純理論畑には論文コンペがあるが技術屋の晴れの舞台は、九校戦なのだ。

 

そこで自分の名前を九校戦の歴史に、3連覇した学校のエンジニアとして残せたのだ。

そりゃ泣きたくなる。

私もちょっと鼻先が熱くなってきた。

 

選手退場のアナウンスと盛大な拍手。

さて、これからが本番だ。

 

まずはまったく連絡の取れなかった真人と情報確認。

そして真人と高村マリアの顔合わせ。

彼女が敵か味方か確認しないとね。

 

ここから横浜騒乱まで時間が少ない。

せっきー(関本勲)と春の妹の平河千秋の動向確認。

あとは横浜の地形確認と、周公瑾の店にも行ってみたい。

 

やることは多い。

高村マリアが味方になってくれれば助かる。

彼女もクラウドボールの新人戦優勝者。

チート持ちの可能性がある。

 

「どういうこと?」

「それ、俺の台詞です」

この10日間をお互い報告。

 

ここは後夜祭という名のダンス会場の隣室。

警備班の学生も含めた大人数での後夜祭になったので、急遽「談話スペース」としてメインのダンス会場の隣室が開放された。

コミュニケーション下手な子やお喋りしたい女子などが散見される。

 

そこで私は第一声に「2周目の転生者がいた」と言ったら真人からは「四葉真夜に娘がいました。転生者です」と返し。

そして冒頭である。

 

今頃まゆみんにはダンス申し込みの長蛇の列だろう。

 

「言ったとおり。この世界の転生が2周目の女子がいたのよ。ワイルド系の美少女」

「最後の情報いります?」

「重要じゃない?」

壁際の長椅子に二人腰掛ける。

完全密談モードで話が進む。

「高村マリアちゃんとはこの後接触してくる。そっちは?」

「こっちもですよ。向こうからアクションがあるはずです」

お互い笑顔を張り付けたまま。

下手に心配顔だと、周りが気にして会話に聞き耳をたてる。

 

「結局電子のアレはなんだったの?」

そう、達也くんの「舐められたものだな」は起きず、CAD審査をする担当スタッフが直前の体調不良と検査機器の不調。

確実に他の転生者が何かを起こしたのだ。

 

高村マリアかその四葉の娘か。

どっちにしろ仕掛けた人間は「穏健派」だと思われる。

こばさんの将来をある程度知っておりそれを回避した。

原作を知り、そしてその回避を行った。その先は春の妹の暴走が止まる。

う~ん、転生者だろうな~。

 

「警備側でも頭をひねる騒動でしたよ。侵入者による仕業と考えられない。完璧な警備体制でした」

真人の言葉は本当だ。

警備は完璧。その中でのこの仕業。

相当の転生者。きっと四葉の娘?あたりの仕業か?

う~ん、情報が少ない。

 

「結局は二人の女子に会わないとわからないか~」

 

この私の言葉は2時間後に現実となる。

 

 

「あなたは」

「そちらこそ」

 

(゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ

 

23時45分。一校が入っているホテルの裏庭。

 

私は室内着の上に防寒用の黒のパーカー。

真人は制服のジャケットを脱ぎ、身軽な恰好。

高村マリアは制服姿。

四葉夜天は黒のシックな室内用ドレス。

 

先程の会話は高村マリアちゃん(先攻)と、四葉夜天(後攻)のお互いの第一声。

完全に険悪な空気。

お互いの存在の何が気に入らないのよ。

「十二江さん。この人は?」

「萬さん。この子は?」

二人は数m離れた状況で睨み合う。

 

「おっほん。二人とも驚かないで聞いてね。二人とも転生者。六校の制服は高村マリアちゃん、大人の女性の方は四葉夜天さん。はい紹介終わり。情報交換しない?」

 

努めて明るく。

私は場を仕切ろうと二人の間に立つ。

「二人とも暴れまわる気はないんでしょ。私たち一校の転生者に接触したってことはこれから先の横浜事件をどうにかしたいと思っている。そうでしょ」

左右の二人の顔を交互に見る。

表情は読めない。どちらも真剣な顔でガンを飛ばし合っている。

 

「そうね、情報交換する前にもう一人転生者を混ぜたいんだけど」

マリアちゃん一切視線を私に向けず声を出す。夜天さんを意識して声には少しの怒気が混ざっている。

「私も一人転生者を存じ上げています。味方に付ければこれほど強力な人物はありません」

夜天さんも言葉遣いは丁寧だが、マリアちゃんに対しては上位者の視線を飛ばしている。

 

「誰ですか」

真人の言葉は少し硬い。場の緊張が伝染している。

二人は示し合わせたかのように同じ名前を答えた。

 

 

 

「「相馬新」」

 

 

誰それ?

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