うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる:その2   作:madamu

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お兄様がいれば深雪はそれだけで幸せです

「じゃあ、みんなで帰ろうよ」

その一言で少しだけ場の空気が変わった。

「モーリーも駅までだろ。俺も駅まで。司波さんも駅までだし、取り敢えず駅まで行こうよ」

「一科だの二科だの言うヤツとは一緒に」

「じゃあ、一緒に帰りたい奴だけ一緒に帰ればいいじゃん」

モーリーの隣にいた一科生の少年の言葉に反論すべく赤毛の少女が話すが、言葉の先を読んでか少年はさらに言葉を続ける。

 

「ほら、モーリーもそこにいるのは噂の入試論文満点だぜ。わからなかったところを聞くなら今のうちだぞ」

少年の言葉に何名かが司波達也の顔を見る。

「どこからそんな情報を。個人情報は厳しく管理されているはずだが」

司波達也は少し目を細め視線を少年に飛ばす。

少年は飄々と答える。

「入学式に生徒会役員の立ち話が聞こえてきた」

(生徒の成績は個人情報のなんだがな。学生の危機意識とはこんなところか)

内心溜息をついた司波達也はさらに言葉を紡ぐ。

「別段俺は何人で帰ろうと構わないが深雪が望まないなら、大人数で帰るのは断らせてもらおうか」

「お兄様」

深雪と呼ばれた少女は、そっと兄の顔を見る。

 

新入生総代である司波深雪と「一科生と二科生」どちらが一緒に帰るか。

そんな小さな諍いが起きた。

兄と一緒に帰ろうとする司波深雪に「一科生同士親睦を深めないか」と提案したのは1-Aの面々だ。

 

二科生である深雪の兄、司波達也との帰宅を望む素振りを見せたので兄の友人の二科生が

「兄妹同士帰らせてやれ!」と反論し、「こっちは三年間一緒に勉強する一科のクラスメイトだぞ!」と言葉の売り買いが始まった矢先に、モーリーの隣にいた少年が先ほどの言葉を言った。

 

夕刻の校舎からは同級生や上級生が帰路に就こうと出てきている。

人目が増えてきた。

「私は、お兄様と一緒に帰るのに同行する方が何人いてもかまいません。お兄様がいれば深雪はそれだけで幸せです」

司波達也の顔を見ながら宣言する深雪に周囲は言葉を失う。

「完全に眼中に無いぞ、モーリー」

「ああ、うん、ああ」

「なんか毒気抜かれたわ、あたし」

少年、モーリー、赤毛の少女と司波深雪と達也の二人の世界にゲンナリする。

「まあ、いいんじゃねぇみんなで帰ればさ」

そう言ったのは体格のいい二科生の少年だった。

 

総勢10名を超える一行は校門を出て、駅までの坂を下っていった。

「俺、西城レオンハルト」

横に来た一科生に自己紹介をする体格のいい一年生。

黒髪より髪色は明るく彫りの深い顔つきは活発であり落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

 

自己紹介を受けて、一科生のリーダー格が自己紹介を返す。

「森崎駿だ」

「あの森崎家の?」

名前に反応したのは赤毛の少女だ。目の大きい明るい少女だ。猫のような、もうちょっと野性味のある猫科の動物の印象もある。

「そうだよ。お前は?」

ぶっきら棒に聞き返すのは先ほどの諍いを少しだけ引きずっている証拠だ。

思春期の少年少女に、即座の切り替えなど求めるのは難しい。

「女子にお前とかモテそうにないわね~」

「別にモテようとか思ってない!」

少女の突っ込みに少し声を大きくして返す。

数m先に行く司波深雪は光井ほのかと北山雫、柴田美月に兄自慢を始めていた。

 

「あたし千葉エリカ」

「千葉ってあの千葉家か」

森崎の言葉にうなずくエリカ。

「森崎は個人警護の家でしょ。付き合いは無いけど名前は知ってるよ」

そう言われて、少しだけ自慢げな顔をする森崎。

「モーリーん家って有名なの?」

「へ~モーリーって言われてるんだ。あたしも呼ぼ」

モーリーというあだ名を聞いたエリカは少し意地悪そうな顔をしてそう宣言した。

 

 

少し離れた所を清姫と真人が二人歩いていた。

学内では真人は「裏番に捕まった可哀そうな奴」という認識が一般的だ。

片や二科生の一番の美女。学内でも七草真由美とは別路線で人気者。

もう一人は桐原、沢木と並ぶ白兵戦の猛者。名家の次期当主が確実なスポーツマンだ。

生徒会の外部協力者コンビ。

 

「変なことになりましたね」

「いいじゃない。夏までは平和で」

真人の言葉に、清姫が頷きながら返す。

年末年始の騒動でGW前に発生するブランシュによる第一高校襲撃の芽摘んだ。

二人だけで司一を襲撃し、確保した身柄を即座に七草家・十文字家立ち合いで公安へ引き渡した。

 

九校戦には無頭竜、横浜騒乱には大亜連合、そして来訪者編のパラサイト。

清姫と真人は転生者と知識を持ち、人命の為この先起こる事件を防ごうとしている。

二人としてはこの世界に転生し自分たちの人生を全うするための行動だ。

 

最初は清姫の無茶苦茶さ加減に真人は振り回されたが、彼女の司一襲撃を行うまでの本気ぶりに

今は納得と言うか諦めと言うか、一種の共感があった。

 

「うちの部活に司波達也を誘いますよ」

「好きにしなさいな。でも四葉なのは変わらないからね」

 

真人は肩をすくめ返事をする。

それは「気をつけますよ」なのか「まあ何とかなるでしょ」のどちらかか、または両方か。

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