うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる:その2 作:madamu
10月30日まであと2週間。
俺は最大の難問と戦っていた。
「ねぇ!重蔵さん、九校戦の夜の台詞言って言って!」
「じゅうぞうさん!霞にも霞にも、あの夜の「思ったより泣き顔可愛いな」って言って~」
赤ワインと白ワインを1本ずつ、秘蔵の日本酒の一升瓶が1本と半分。
この間、母の製菓学校の同級生だったパティシエからいただいたチョコレートボンボン(並んでも買えない場合がある超限定品)を一缶。
全てを空にしてカナデと霞は帰宅直後の俺に絡んで来た。
3時間前にカナデと別れて市ヶ谷への報告してきたので、この二人はどんなに長くても3時間飲んでいたわけだ。
相馬新としての家。
情報部のセーフハウスは美女と美少女の酒盛りの最盛期だ。
カナデは決して酒の弱い方じゃない。
霞もこのところの飲酒を見る限り、前世よりかは飲めるようになっている。
それが二人ともアルコールで体が暑くなったのか服を脱ぎ下着姿で俺の首元に手を回しやいのやいの言ってくる。
どうやら、いや、ほぼ確実に九校戦最終日の夜の出来事をお互い自慢したようだ。
何故ならリビングのモニターには「95年度九校戦特集」の特別番組が流れているからだ。
そうだよな~、カナデも霞も最初にやらしいことしたのはあの夜だしなー。
カナデは上下とも薄いブルーの下着。
少し光沢のある素材で爽やかな色気を残す。
霞は刺繍の着いた上品ながら見せる下着としての装飾のある黒を主体に赤が差し色で入った上下だ。特に下はレースが着いており、デザイン性が高い。
「あ、別に「泣き顔よりも楽しそうな顔もいいな」でも良いです~、言って言って」
どんなに抑え目の評価でも美女(人によっては絶世のがつく)が甘えた子供のような、それこそ姪っ子達の「おじさん!おじさん!」と正月に久々に会うときの喜びようと同レベルだ。
霞は一校の制服のままの俺に俺に抱きつき言葉をねだる。
「ダンス、ダンス」
カナデは霞ごと俺に密着しダンスなんだかその場をぐるぐる回っているのだかよくわからないことをする。
お前らな!美女と美少女が下着姿で体絡めてきて羨ましいとか思ってんだろ!
読者だか、神共だか知らんけどな!
こっちはな、こっちはな!
二人への罪悪感で押し潰されそうで
EDなんだよ!チンコ勃たないの!ちんちん不能です!
カナデのオッパイも、霞(夜天)のオッパイも柔らかくて、ちゃんと弾力があって、〇〇▲◆××な~ブワーン~!ドドンパフパフな感じで、チョロロロポンポンニタシベツ川!シャララランタモモンタモン!フワフワワッフルホンホンカココ、アハラヤママンマンマンママン、クエクエオクエミノミタミノン!
サイサイハアハアオホオホサナサナ!
おほな!
パララんらん!
ククナラホサ!?
(※作者注:性交表現が具体的かつ、重蔵の思考が言語化不能なほど混乱しているため伏せております)
つまり良い匂いがするんだよ、二人とも!俺の好きな香りなの!
◆
「お水」
そう言って寝室から出て来たのはカナデだ。
午前2時、かつての俺の言動をそのまま説明されると恥ずかしくなり、何とか二人のボディタッチをやり過ごし(やり過ごしというよりは身を捧げ)、結局二人は日付が変わる頃には寝た。
二人を寝室のベットに放り込み、俺はリビングのソファでゴロゴロとしていた。
二人の仲の良さには安心するが、その仲の良さが俺の罪悪感を際立たせる。
これ程嬉しそうに振る舞う二人を俺は傷つけたのかも知れない。
いや傷つけたのだ。
カナデは自殺を考えていたらしいし、霞の死に顔は微笑みは無かった。
ウダウダとソファに寝転がり考えても答えらしい答えはない。
謝罪?それで許されるのか?どうすれば償える?
二人とも同時に愛しても許されるのか。
カナデにも霞にも独占欲がある。
それを蔑ろに同時に愛するなど偽善ではないのか。
それは愛なのか?罪悪感を愛と呼んで誤魔化しているだけだろう。
結局は前世の行いの悪さを愛だとか偽善とかで帳消しにしたいだけなのでは。
関重蔵は単なる屑なのかも知れない。
物思いに耽っていたときにカナデが寝室から出て、台所でコップ一杯の水を飲んだ。
リビングの灯りは落とし、壁の低いところに設置された間接照明だけが薄暗い部屋で小さく輝いている。
暖色の灯りが部屋に何とも言えぬ物悲しさを高める。
カナデは寝室に戻らず、俺の寝転ぶ三人掛けのソファに腰掛ける。
「悩んでるんでしょ」
「当たり」
「美人の奥さんを二人持つのが嫌?」
「そうじゃない。罪悪感に潰されそうなだけ」
「罪悪感?」
「俺が死んだあと、カナデは辛かったんだろ」
「うん。死のうかと思った」
「傷つけたんだ。謝っても謝りきれない」
彼女の手を弱く握る。
「私はね、そんなこともういいの。また重蔵さんに会えて、一緒にいられてそれで幸せ」
「俺は罪悪感を、帳消しにするために君を抱くかもよ」
「貴方の気持ちなんて知らない。あたしは好きなと人一緒にいてエッチして、最後の時を看取るか看取られたいだけ。貴方に罪悪感があるのならそれを利用してでも一緒にいたいの」
声がいつもより柔らかい。
「きっとの夜天さんもそうしたいはず。あの子、重蔵さんのこと大好き。だから、あたしと一緒に大事にして」
「独占欲は?」
「貴方の傍にいられるなら些末なこと」
「俺の奥さんはヤンデレだな」
「そうなの。転生しても一緒にいたいくらいヤンデレなの」
握った手が握り返してくる。
カナデは体を横たえ、俺に添い寝する。
狭いソファで体が密着し、カナデの吐息が首元にかかる。
俺を包み込むようにカナデの左腕が俺の体に触れる。
彼女の足が絡んでくる。
罪悪感の解消されたことが下半身に直結しているのは男のサガなのか、俺が単純なのか。
薄明かり。カナデの瞳には俺の情けない顔が映っている。
ああ、もういいや。俺は彼女と霞と生きよう。
罪悪感なんて投げ捨てよう。
俺を愛すると宣言した人のために、今まで通り生きよう。
罪滅ぼしじゃない。開き直りでもない。
俺はやっぱりこの人に惚れていることを再確認したのだ。
寝室から霞が眠たげに出てきた。
「あー、えっちなことしてる…かすみもする」
霞は下着姿のまま俺の上に覆い被さると腰を俺のお腹に二度三度押しつけるとあくびをした。
「じゅうぞうさん、おやすみなさい」
霞は俺の胸に頭を預け寝てしまった。
エッチなことするんじゃないのか。
胸にある霞の頭を二度三度と撫でてやる。
前の時も頭を撫でられることを気に入っていたな。
霞は夫婦の時間も無く、あっという間だった。
ちょっとずつ喜怒哀楽が表に出て、霞の笑顔は多くの色合いを見せたことを思い出す。
この胸の上の重みが心地よい。
宝物の重さだ。
「ふふ」
小声で笑うカナデ。
「幸せそう」
「好きな人が二人も傍にいるんだ」
もう一度笑う奏。
目元に涙が見えた気がする。
「おやすみ」
「おやすみ」
今度はみんなで大往生だな。