うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる:その2   作:madamu

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流派!東方不敗は!

「こちらです!」

高校一年生にしては体格がよく、身に着けるプロテクターは市販品ではなく特注品であることは一目瞭然だ。

一条将輝を乗せた車両の運転手は中華街大門前に車を付け到着を告げる。

車内には一条将輝を筆頭に戦力になる6名の魔法師が乗り込んでおり、魔法協会の兵員輸送用車両から迅速に降り展開していく。

 

「なんだ!?これは!!!!」

1人の魔法師がその現状に驚いた。

直立戦車が4台。すでに大破し大門前にうず高く積まれていた。

その積み方は人為的で門の通行を塞ぐようになっている。

 

大門の正面には一人の少女が腕組みをして仁王立ちしている。

周辺の国防軍兵士もその少女に声をかけることもせず周囲警戒をしている。

国防軍も20名ほどで、小隊が二つ急行したようだ。

 

「国防軍の白岩少尉です」

「十師族、一条家の一条将輝です」

如何にも軍人らしい体格の良い男性が将輝に近づき敬礼する。

将輝も軽くお辞儀を返す。

 

親の教育もあり、安易に敬礼をしないようにしている。

少なくとも現時点では将輝は軍属ではなく、下手に敬礼をすると指揮命令系統に組み込まれることを受領するという態度として見られるからだ。

 

「魔法協会の義勇兵を自分含め6名到着しました。この状況は?」

「いや、あそこにいるあの少女が…」

白岩少尉はややひきつった笑みを見せ視線を大門前の少女に向ける。

一校の制服と微妙にカラーリングの違う制服。魔法光を纏っており、その威圧感は現役の軍人もたじろぐほどだ。

 

少女は大きく息を吸い声をだす。

 

「おら!出てこい!大亜連の手先!チンピラ!ゴク潰し!喧嘩売るなら買うぞ!おい!てめぇ、こもってないで出てこいや!××コ野郎!この×●△マの腐った玉無し!」

 

その威性の良さと言葉の薄汚さに味方である国防軍兵士も魔法師たちも一条将輝も驚きのあまり動きが止まる。

 

端から見れば大門前の少女は美少女だ。

猛禽類をイメージさせる横顔は美しさと猛々しさを併せ持つ美貌で、美醜で言えば圧倒的な異彩の美貌である。

小柄な身体に纏う空気はその体格のイメージとは全く違う力強さもある。

 

だが口から出たのは今時のチンピラも口にしない罵詈雑言。それも下ネタ絡み。

「魔法師の品位が…」

一条将輝が頭を抱えて、国防軍にどう思われるかに頭を痛めた。

だがその反面、なぜか戦闘においては絶対的な戦力になるとも感じている。

 

 

「周大人」

「皆様方、この状況で抗うのは愚の骨頂。我々の目的は大亜連の勝利ではなく商売人としての自己の利益では?」

 

(怖い・・・なに?あの子怖い…ホント怖い…。昔冷やかしで行った裏ビデオ屋さんのヤクザより怖い)

アーデルの怒声は人の動きのない中華街に響き渡る。

常人の声ではなく、ある意味で神の声である。その威は人間の怒声の比ではない。

それを聞いている周公瑾も味方とはいえ恐怖を感じていた。

 

前世、高校時代に悪ふざけで行ってみた裏ビデオの店員が首元に刺青が入っており、ものすごく怒鳴られたトラウマが周公瑾ことワタナベケンゴの思い出として浮かびあがる。

 

そんな恐怖を押さえて、周公瑾はこの会議室に集った中華街の実力者たちに大亜連への協力を翻意させようと話をしていた。

 

10分以上前に行われた大門前の戦闘で中華街内の直立戦車は全て大破した。

中華街に残るのは大亜連からの歩兵戦力が数十名残るだけだ。

そんな中、大陸からの縁だけで参加を強制されている中華街の大人達は、この周公瑾の言葉に心揺れ始めていた。

勝負の見えない戦争よりも、勝つ側に貢献して自己の利益を取るべきか。

 

未だその決意は誰一人ついていなかった。

 

 

「ちょっと、何を」

「テンション上げ」

アーデルは積み上がった直立戦車の残骸に上り、コックピット辺りを無理やり力任せに開ける。

将輝は声を声をかけるが、アーデルの返事は意味不明であった。

 

大破した直立戦車の操縦席でアーデルは自分の情報端末を操縦席のスピーカー機能と連動させようとしていた。

「よし」

直立戦車の残骸から降りるとアーデルは機能連携が出来たので情報端末を弄り、直立戦車の外部スピーカーから音楽を流すため選曲を始めた。

「全員!大門壊すから、戦闘準備!」

その声に全員緊張が走る。

アーデルは首を二度三度左右に揺らし、コキコキと鳴らすと大門前に立つ。

 

だが、その次の行動が大門に対して起きることは無い。

「左方向から直立戦車!戦闘車輛が複数台です!」

国防軍兵士からの声。

声の先には複数の直立戦車と戦闘車輛が見える。

まだ距離はあるが大門破壊に時間がかかるようでは軍用車両による銃撃、砲撃を受けることになる。

 

アーデルは慌てる様子もなく、手元の情報端末の選曲を終わらせ流し始める。

その異様な空気に国防軍も魔法師たちも、一条将輝もアーデルから距離を取り、敵車両への遮蔽を取る行動しかとれない。

アーデルは向きを変え、遠くから向かってくる戦闘車輛に正対する。

 

「流派!東方不敗は!」

アーデルは腰を落とす。

まるで拳法の構えのようだ。

彼女の肉体は魔法光が増し、肉体強度を跳ね上げる。

「王者の風よ!」

構えを変えて突きを出す。

名もなき古代の軍神の力が、遥か彼方の雷神の怒りがアーデルを中心に渦を巻く。

 

「全新系列!天破侠乱!」

二度三度と突きを放ち、内回し蹴りを行い再度構えを変える。

 

「見よ、東方は赤く燃えている!!!!!」

深く腰を落とす。

 

「石破!」

左手を突き出し、右手を引く。

 

「天驚!」

右手には渦巻くように魔法光が収束していく。

そして次の言葉と共に正拳突きの要領で右手を突き出す。

「ゴッッッッド!フィンガー!!」

前面に突き出した右手から巨大な掌型の魔法弾が直立戦車と戦闘車輛目がけて飛んでいく。

 

 

(たしか・・・GガンダムのBGMだったよな)

周公瑾は爆発音に混じる懐かしい音楽を聴きながら改めて集まった中華街の中心人物たちを見た。

「わかった。大亜連の工作員を拘束しないさい」

老師と言われる壮年男性が苦渋の表情で右手を軽く上げると、部屋の隅いた数名の配下が部屋から速やかに退出した。

 

 

「ヒート!エンド!」

 

4台分の直立戦車と2台の戦闘車輛の爆発を背景にアーデルを腕組みをし、背中に爆風を感じた!

(誰かと、ラブラブ天驚拳やりたい!)

 

「馬鹿か!」

爆発に身を晒し、ポーズをとるアーデルに突っ込めたのは一条将輝だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーデル。この世界の後の一条夫人である。




アーデルの選曲はこちらから

https://www.youtube.com/watch?v=RNdG61BViXs
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