うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる:その2   作:madamu

6 / 61
「私は評価してるよ、はんぞーくんのこと」

「二科生に風紀委員は務まりません!」

 

そう言った服部刑部少丞範蔵は見事に司波達也に敗北した。

「司波さん、先ほどの非礼を詫びる」

模擬戦を行った実習室では見学の生徒会の面々と十二江清姫、相馬新が見守る中

服部は司波深雪に謝罪した。

司波深雪の兄への評価は身びいきであり、司波達也の実力は評価に値しない。そんな発言を服部はしていたのだ。

 

清姫がヤジを飛ばし、相馬新が囃し立てる。

 

「お兄ちゃんの方にも謝れ」

「そうだそうだ」

「中途半端な謝罪はいかんぞ」

「そうだそうだ」

「中途半端だから恋愛にもうじうじするんだ」

「そうだそうだ」

「だからまゆみんに」

「黙った下さい!」

 

服部が赤い顔をして大きな声をだす。勢いよく言ったせいで噛んでしまったが。顔が赤いのは負傷によるものではない。

 

服部はこの十二江清姫が苦手だ。

一年時は桐原との喧嘩を囃し立て、誰よりも早く七草真由美への想いに勘づき、いつの間にか頭が上がらなくなる。

生徒会や部活連、風紀委員とも違う独自な立ち位置で学内を闊歩するその姿は「裏番」というあだ名も納得させられる。

 

去年の夏に、生徒会活動で遅くなった夕方の学校で会った際の異様なまでの妖艶さを今でも思い出す。

その時に「私は評価してるよ、はんぞーくんのこと」という言葉を貰ったときは呼気が感じれるほど彼女の唇が近かった。

夜は枕に顔をうずめながら「俺が好きなのは真由美さん!」と10回唱えて自己暗示をしてから寝た。

清姫の冷たい瞳の奥に男女の熱があったように思ったからだ。

 

「司波達也。君の実力はよくわかった」

今の服部にはその言葉が限界だった。

その姿を見て清姫は子供を見守る親のように息をついた。

「自分は妹の認識が正しいと証明されればいいだけです」

CADをしまいつつ司波達也が答える。

 

「じゃあ、こいつは風紀委員で貰ってくぞ」

この模擬戦で一番得をした笑顔の渡辺摩利が宣言をする。

二科生対策で風紀に入れようとした生徒が、服部刑部に勝つほどの実力者。それもあの九重八雲の弟子筋。

これほど戦力増強になるとは嬉しい誤算だった。

 

 

「相馬君、君はどうする?」

「一緒に下校の約束してるんで、風紀の方に寄ってから帰りますよ」

渡辺摩利に問われた相馬新は司波達也に視線を飛ばす。

司波達也は「面倒をかける」といった視線を相馬新に返すと、そのまま三人は風紀委員室へ向かっていった。

 

「やっぱり深雪さんのCADもシルバーのシーリズなんですか?!」

「ええ、まあ」

残された生徒会の面々で一番のCAD好きである中条あずさは司波深雪に質問の雨を浴びせた。

 

「シルバーのCADはナンバー入りのリミテッドエディションなんですよね?!リミテッドエディションは初回のセッティングが複雑なんですか?!噂だと初回調整の時はFLT本社に行く必要があるとか、トーラスはどんな人なんですか?!ループキャスト用に回路がメテセトリクス工業のチップ使ってるんですか?!ストレージも並列用にメテセトリクス工業に発注した次世代式のミニストレージって本当ですか?!」

司波深雪は「中条先輩はCADお好きなんですね」と愛想笑いをするのが精一杯だった。

 

「あーちゃん、そんなに聞いても深雪さんはトーラス・シルバー本人じゃないから答えられないわよ」

微笑ましい中条あずさの姿を七草真由美が止めると、一度生徒会室に戻ることを提案する。

 

(一応これで風紀委員入りしたけど、ブランシュの件は起きないから「風紀の二科生」として名前を売るか~)

清姫はそう思いながら、手持ちの不良生徒をどう動かすか考え始めていた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。