魔眼の少女   作:火影みみみ

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どうもみみみです。
今回はちょっと展開が早めですがどうぞお楽しみください、
では!


第5話

 

 

 突然ですが、ここ私が持つ魔眼の一つ、サードアイについてお話しようと思います。

 これは元ネタは有名な東方のさとり妖怪の瞳ですが、私のものはいろいろと違いがあります。

 第一にこのサードアイにコードがありません、完全な球体です。

 第二にこのサードアイはどこかにしまっておくことができ、必要になったら召喚できます。

 また、可視不可視を選択でき、不可視状態だと霊感が強い人にしか見えませし、それ以外の人には触ることもできません。壁抜けもできます。

 けれど、写輪眼など相手に暗示をかけたい場合は必ず可視状態にしないと意味がありません。

 第三にこのサードアイには二つの形態があります。

 一つはただの目としての形態。

 この状態では様々な魔眼をセットすることができます。

 二つ目は読心術を使用する形態。

 この時は視力が上がり、私の周囲の心を私に届けます。

 また、読心術はサードアイでしか発動しません。

 

 

 

 今回使用するのはこの読心術の方です。

 あまり人の秘密を暴くような真似はしたくありませんが、相手が相手なので別にいいでしょう。

 

 さてさて、彼らの秘密はなんでしょうね? ふふふ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一言で言うと、キモイ、それに尽きました。

 男たちの大半が私たちをどうするか、ということしか考えておらず余計に気分が悪くなりました。最悪です。

 しかし、得たものもあります。

 男の一人、最初にアリサさんに話しかけていた彼、の中に今回の黒幕に関する情報がありました。

 イメージはプライドが高いけれどそれを表に出さない、一見すると優しそうに見える男性。

 どうやら彼がアリサさんを攫うように男に依頼したようですね。

 まあ、理由は容易に想像がつきますが今はどうでもいいことです。

 

 他にも壁の外を覗いてみたり、記憶を探ったりして現在地の確認も終わりました。

 アリサさんは今もどうやって逃げるか考えていますが、足でまとい(私)がいては難しいでしょう。

 都合よく誰かが助けに来てくれる、というのが一番理想的な展開ですが、流石に夢見すぎです。そんなご都合主義普通は起こりません。

 …………いえ、誘拐直前に私と知り合ったのも、アリサさんにとってはご都合主義に思えますね。

 しかし、たった一回の人生(あれ、二回目?)をむざむざR18のバッドエンドに突入するほど私は悪趣味ではありません。

 

 ……。

 …………。

 ………………ちっ、仕方ありません。事後処理がいろいろと面倒ですが私がヤりましょう。

 

 

「アリサさん」

 

「何、どうかしたの?」

 

「なんだか眠くなってきませんか?」

 

 ここで目を開けて写輪眼発動。

 

「え、何よ、きゅ、うに…………zzzzzz」

 

 パタン、と力なく倒れるアリサさん。

 よし、これで彼女が私のことを見ることはありません。

 

 さて、次はあなたたち「あ、何だ片方寝てるじゃねえか」。

 

 

 

 …………いやいや声がした方を向きます。

 

 

 

 

 そこには男が四人、手に妙な注射器を持ってこちらを見つめています。

 

「まあ、適当に殴れば起きるだろうし、さっさとこっちで楽しもうや」

 

「最低ですね」

 

「へ、要は弱肉強食ってやつだ、恨むんなら自分らの不運を恨みな」

 

 

 そう言って私に近づいてきますがそんなことはどうでもいいです。

 今彼らはアリサさんを害する発言をしました。確かにそれもイラつきます。

 欲望がこもった気配でこちらを見つめています。今すぐにでも八つ裂きにしたいです。

 

 けどね、それ以上に。

 

 

 

 

 

 あなたたちが弱肉強食(その言葉)を口にしたことが一番許せません。

 

 

 

 

 

 それは覚悟があって初めて口にできる言葉です。

 それは力があって初めて口にできる言葉です。

 それはお父さんのような人のみが口にできる言葉です。

 

 それを私の前で汚すのはいい度胸です。

 私のモノローグを邪魔した大罪もありますし、合わせてこのゲスどもには地獄を見てもらいましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……つまらないですね」

 

 戦闘描写と言っても特になにもありません。

 ただ、彼らが私の目を見た、それだけです。

 それだけで彼らは私の足元で痙攣していますが。

 さて、さっさと警察を呼ぶとしましょう。

 

「えっと、携帯電話はどこでしたっけ?」

 

 そう言って男たち、ついでにアリサさんのポケットも探るが、何もなし。

 そしてもちろん私もなし。

 盲目だから必要ないと思っていたのですが、こんな所で裏目に出るとは思いもしませんでした。

 仕方ありません。

 最後の一人が持っていると期待して襲撃するとしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~アリサ・ローウェル~

 

 目が覚めた時には、全てが終わっていた。

 私をさらった男たちは全員捕まり、ついでに黒幕もその日のうちに捕まった。

 実行犯たちは一人を除き、全員が精神に異常をきたして精神病院送り、残った一人は何かに怯えているらしい。

 

 黒幕の正体と動機は大したことなかった。

 普通なら彼がその海外の大学に入学するはずだったらしいが、私が彼以上の結果を出したためそれが叶わなかった。ただそれだけ。

 

 助け出されたのは私一人。

 そう、私だけ。

 七海は見つからなかった。

 確かに彼女はいた。思い違いなんかじゃない。

 でも、現場にそれを証明する証拠は何一つなく。

 正気だった男も含めて、誰も七海のことを覚えていなかった。

 だから、彼女のことは私が恐怖のあまり生み出した幻想、ということになっている。

 だけど、警察にあった通報した人の声が女の子の声だったと聞いたから、それは間違いなく七海だと思う。

 それに、もう一つ彼女がいた証拠がある。

 

「海鳴市、空座町三丁目……」

 

 彼女から手渡された、彼女の住所が書かれた紙。

 残念なことに、明日旅立つ私にはここ行く時間すらない。

 何もわからない私だけど、一つだけわかることがある。

 

 

 

 それは、私は彼女に守られた、ということ。

 

 

 

 七海がいなかったら、私はきっとタダでは済まなかったと思う。

 けど私のほうが年上だった。私は目が見えた。

 私は彼女に守られた。

 …………守られてしまった。

 本当なら、私が彼女を守らなければならないのに…………。

 悔しかった。

 情けなかった。

 そして何より、彼女に会いにいく時間がないのが恨めしかった。

 このお礼は直接会ってしたい。

 けれど、親がいない私には留学は最大のチャンス。

 これを無駄にしたらもう次はないだろう。

 それに、連絡が出来ないわけ、じゃ、ない…………。

 

 そう思ったところで、私はまた思い知らされる。

 

「やっぱり、私は何もできない……」

 

 大学をけって七海に会いにいく、そんな小さなこともできない。

 連絡ができるからと逃げ道を作る。

 もし、この紙がなかったら私はどうしていただろう?

 そんなのわかりきっている。

 連絡できないからと、どちらにしろ大学に行ったに決まっている。

 

 

 

 悔しい、こんな私がすごく情けない。

 こんな私を見たら、彼女はなんて言うだ「お黙りなさい」、!?

 

 急に、あの廃墟で言われた言葉を思い出す。

 そうだった。

 あの時弱音を吐いた私に、彼女はそう言った。

 そして、私は悪くないと慰めてくれた。

 彼女が巻き込まれたのは、間違いなく私のせいなのに。

 

 

「…………そう言えば、七海は一度も弱音を吐かなかった」

 

動揺も悲嘆もせず、ずっと冷静だった。

 それはただ単に、彼女にはあの状況を打破できる秘策があっただけかもしれない。

 けれど、あの時の言葉は私にとって、とても嬉しかった。

 

「そうよ! こんなウジウジしていたら、本当に彼女に会えなくなるわ」

 

 いつも元気でポジティブ、頭脳明晰で文武両道、それが私! アリサ・ローウェルなんだから!

 私は私らしく、どんどん上を目指せばいい。

 今できないならできるようにすればいい。

 過去を悔やむより、今を死ぬほど頑張ってやる!!

 

「ん?」

 

 ふと、床に落ちたパンフレットを覗き込む。

 

「そうと決まったらやることは一つよね」

 

 こんな留学さっさと終わらせて、ここに帰ってくる。

 あの学校の最短卒業記録を塗り替えてやるんだから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう元気良く意気込む私の瞳に、勾玉のような模様が現れると気がついたのは、ちょっと後の話。

 

 

 

 

 

 

 

 ~一日前~

 

「さて、制圧も通報も終わりましたし、最後にアリサさんの顔でも見ておきましょうか」

 

 階段を下りて、元いた部屋に戻る。

 男たちを避けて、倒れている赤みがかった金髪の美少女、これがアリサさんでしょう。

 

「うん、やっぱりいい人そう」

 

 私の目、いやこの場合は耳に狂いはなかったと言うべきでしょうね。

 だからこそ、

 

「心配、なんですよね……」

 

 今回の件然り、これからもアリサさんの前には幾つもの障害が立ちはだかるでしょう。

 それを思うと、ここでこのままにして私が帰って良いわけがありません。

 

「……使いどころ、でしょうね」

 

 視力が下がるのであまり多用はしたくないですが、今使わずしていつ使うというのでしょう。

 

「これは、私の自分勝手です」

 

 アリサさんの目蓋を開け、私と目を合わせる。

 

「万華鏡写輪眼・奇魂(くしみたま)、発動」

 

 願わくば、これが彼女の力にならんことを。




初の戦闘が無双どころかただ視線を合わせる作業にorz

一人だけ比較的軽症な男は、
黒幕からお金をもらって渋々やっていたため、七海に関する記憶の消去ともう二度と犯罪ができない暗示(悪いことをしようとすると強烈な視線を感じる)程度ですみました。



万華鏡写輪眼・奇魂
七海の持つ万華鏡写輪眼の一つ。
奇跡を起こす瞳術。
使用するには莫大なチャクラが必要であり、完全にチャクラが貯まるまで写輪眼ごと使用不能。
奇跡の内容によって、使用不能期間も変わる。
大体早くて一年、長くて十年。

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