「pixi■とかだとミッシェルタグあるのにハーメルンじゃ滅多に見ないよね」

「じゃあ自分で書けや」
「せ や な」

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君の名は?「(クマの)ガワです」

────慣れというものは、実に恐ろしいものである。

そう心の中で呟き、真上を見上げる。

 

 

「ミッシェルー!行っくわよー!」

 

「ミッシェルー!おねがーい!」

 

「か、薫さん、こ、ここ、怖いけど一緒にがんば

 

「ギヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアミッシェル着地任せたァぁあぁぁぁぁぁあぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁあぁぁあ!!!?」

 

ふぇぇぇ、何故か冷静になってきちゃったよぉ・・・」

 

 

いや花音さん、冷静にならないで。普通上空900mから(・・・・・・・・)命綱なしのスカイダイビングとか(・・・・・・・・・・・・・)逆にパニックにならない方がおかしいからね?元々高所恐怖症だとはいえ薫さんの反応の方が正常だからね?ミッシェル頼みな辺り薫さんもハロハピだなー、とは思うけど。

 

或いは私くらいしかまとも(最近は自信が無くなってきたが)な人がいない事が分かってるのかもしれない。花音さんもまともなんだけどなー、どっかブッ飛んでるだよなー・・・。

 

にしたって聞こえない。ハッピースコープアイ(ミッシェルの目)のおかげで姿はハッキリと見える。

でもミッシェルは光の巨人でなければ某石ノ森ヒーローのパワードスーツや特異な肉体ではなく、あくまで着ぐるみ。音までは聞こえない。着ぐるみの範疇超えてるとかのツッコミは受け付けません。私が一番分かってます。

 

 

・・・いけない、いけない。思考が脱線するところだった。ちょっと考えなくても危険だと分かる状況で余計な考え事なんてしてられないだろう。

 

(突拍子な事をするのは構わないけどさ、せめて私みたいな凡人デモ対応出来るレベルに留めて欲しいよ・・・)

 

そんな祈りと共に、こころ達には聞こえないだろうからと、『着ぐるみ』の中で盛大な溜息を吐き出し、『ハッピーフライトモード』を起動した。

 

・・・バレないよね?あの子(こころ)そういう所やけに鋭いし。

 

(そういえば、細身とはいえ女子高生二人も抱えて平気なのはなんでだろ、力の補助機能は設計の都合上ないって言ってたし)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、ドーモ、ミナ=サン、ブラックサン。『ミッシェル』です。

 

何、ミッシェルは奥沢美咲だろういい加減にしろふざけんな、だって?

 

うん、例え過激派だろうと中の子(・・・)である美咲ちゃんを応援してくれるのは嬉しいね、ありがとう。

 

ふむ、鋭い人であるならばもう察した人もいるのではないか?

 

そう、自分は同じ『ミッシェル』でもガワの方、つまり───

 

着ぐるみ(本体)である!!

 

ドーン、つって。タイトル見りゃわかる?そりゃあ言っちゃいかんちや。

 

そして自分は皆さん大好き(とは限らないだろうけど)転生者である。

 

かといって前世の事は殆ど覚えてないし、トラックに()かれた訳でなければ通り魔に殺られた訳でもない。神様とやらにも会ったことないから特典とやらも持ってない。

 

さて、ここまで来たんだ、皆さんには昔話に付き合って貰いますかね。

 

最初は当然ビックリしましたよ。

自分の性別は覚えてないけどカツアゲにあって殴られて死んだと思ったら体が全っ然動かねーってなって視線を動かしたら首吊られた着ぐるみだったんだもん。おめめ自体は動かなかったけど。なんか視界が横にズレるって感じ。後一発殴られただけで死ぬようなヤワな人間でゴメンよカツアゲ君。自分でもビックリしたんだ、許してくれ。殴る方が悪いけど。

 

そして、そんな動揺している暇などただの一介の着ぐるみ如きにあるはずもなく、箱に詰められていった。首が離れても平気ってのは随分と気分がアレだった。首無(くびなし)(あに)さんはいつもこんな感触と戦ってんのかすげぇなって思った。あ、痛たた、着ぐるみだからって雑にしないで割りとキツ、イテテテテテ。

 

そして次に箱から取り出された時に出会ったのが今の中の子、美咲ちゃんって訳。今思うとよくやめようとしなかったよね、凄いなぁ。

今からすればあの時来たのが美咲ちゃんで本当に良かったよ。ものすごくいい子だし美人さんだし。カワイイまたは美しい女性であるならば例え男だろうと女だろうと着ぐるみ冥利(みょうり)に尽きるというものさ。更に顔を隠してギャップ萌えも狙える。こんな自分で良ければ是非とも役立てて欲しい。

 

 

そしてティッシュ配りやら風船配りやらをしてる内に今に至る、という訳。

 

ん?端折(はしょ)りすぎ?アプリストーリーやアニメを見て下さい・・・・・・何言ってるんだろうか、自分は?

 

因みに美咲ちゃんが女の子を二人抱えても平気なのはあんまり言うのはアレだが、自分のおかげである。

 

前世の自分は随分と力持ちだったらしく、現にこうして絶賛加速中の女子高生×四人を受け止めた所で

 

「やっ、ほっ、おっと、はっ・・・・ふぃー、皆、無事?」

 

「えぇ!流石ねミッシェル!」

 

「あ、ありがとう美さ・・・ミッシェル」

 

「ありがとうミッシェル、はぐみ、実は途中で怖くなっちゃって・・・」

 

「ヒィイイイイイイイィィィィィイイありがとうミッシェルゥうぅううぅぅぅうぅぅぁァぁあぁぁぁぁぁあぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁあぁぁぁ(ry」

 

 

いや、なんで飛び降りたんだこの二人・・・っと、まぁ美咲ちゃんにダメージはほとんど通る事はないのさ。多少体弄られてるのもあるけどね。

 

というか体を弄られるってのもまたなんとも言えぬ感触でね・・・

 

っと、これ以上はキリがなくなってしまうだろうからここまで。こちらの長話(ながばなし)に付き合ってくれてありがとう。

 

また機会があればまたお話しよう。勿論君達が望むのならば、だけどね。

 

──────────────────────

 

ハロー、ハッピーワールド!電撃LIVE終了後。

 

何とかメンバー(三バカ)を言いくるめ先に着替えに戻っていた美咲は、先程まで被っていた桃色のクマ(ミッシェル)の頭を抱えながらロッカーに背中を預け、床に座り込んでいた。

 

「・・・・・・」

 

右手の親指で、ミッシェルの眉の辺り(?)を撫でながら、雪の降る日の空の様な銀色の瞳で幼子が(えが)く星空をそのまま落とし込んだかの如き瞳を覗き込む。

 

しかし相手は何も語らない。当然だ。なんせ着ぐるみなのだから。

 

それでも構わないと言うように、それに語り掛けた。

 

「ねぇ、ミッシェル」

 

「何だかんだで、もうアンタと出会って体一年が経つんだねぇ」

 

「最初はどうなる事かと思ったけどさ、ここまでやってこれたのはさ、こころ達のおかげって言うのもあるけど」

 

「何よりアンタがそばで見守ったくれてたからなんだよね」

 

そして────

 

「だから、その・・・ありがとう。これからもよろしく、ミッシェル」

 

ミッシェルの額にそっと、唇を触れさせた。

 

「・・・何やってんだ、私」

 

自らの行動が恥ずかしくなったのだろう。ミッシェルの頭を机の上に置いた後、紅に染まった顔を隠す様にして片腕で庇いながら駆け足で控え室から飛び出して行った。




「ふぅ、今日も凄かっ・・・

ふぇぇぇ!?

因みにクラゲ系ドラマーによってミッシェルの頭と胴体から目が眩む程の光が立ち上っているのが確認されたとかされなかったとか。
俗に言う『この後めちゃくちゃ成仏した』というヤツである。

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