あの日、俺はいつも通りに帰宅していた。
「あのハゲ頭ぁぁぁぁ!新人だからってこき使いやがって!!だが今日はこのすばの新刊の発売日!だから許す。」
今考えるとそんな残業明けのテンションで歩いていたのがバカだった
さっさと帰っておけばよかったのだ
「早く新刊買って読み…」
横断歩道を渡る俺が最後に見たのは赤く光る信号機と運転席に眠っている運転手を乗せたトラックがこっちに突っ込んでくる様子だった。
すぐに衝撃が襲ってきた。
骨が折れ、肉が引きちぎられる音が聞こえる…
俺は直感でわかった
もう助からないと…
(せめて。せめてこのすばの新刊。読みたかったなぁ。)
もう死ぬとわかっていながら俺はそんなことを考えていた。
(バニルは新刊では活躍してるのかなぁ。)
バニルとは「この素晴らしい世界に祝福を」に出てくる悪魔である。
『見通す悪魔』の異名を持つ地獄の公爵にして、正真正銘の大悪魔。七大悪魔の第一席。
口元が開いた仮面を被り、黒いタキシードを着た人物で相手の行動や思考、未来と過去も見ることができ、人の心を見透かしたような独特の喋り方をする。
実は本体は仮面で体は土くれでできている。しかも仮面は悪魔で現世で活動するための本体であり、本当の意味の本体は地獄にある。
それに加え残機などといったチート能力もあり、このすばの中でも最強に近い。
人の悪感情、特に人をからかい騙した時に発する怒りや羞恥、失望などの悪感情が大好物である。
(あの強いのに飄々としているところが好きだったんだよなぁ)
《確認しました。個体名「バニル」を検索…発見しました。「この素晴らしい世界に祝福を」のキャラクター。このキャラクターを元に転生を開始します。転生時に名前「バニル」を付与…成功しました。ユニークスキル『
(そう、ウィズとの絡みも好きだったなぁ。ポンコツだけど魔法でドカーン!てやってたし、あれ寒くないのかな。)
《確認しました。ユニークスキル『魔術師』を獲得…成功しました。『自然影響耐性』獲得…成功しました。》
(ああ、だんだん痛みが…)
《確認しました。『痛覚無効』を獲得…成功しました。》
こうして俺は1回目の人生を終えた…
感想、アドバイスお待ちしております。