アムロ再び戦場に立つ。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
すみません。徐々に返えさせていただきたいと……
誤字脱字報告ありがとうございます。
非常に助かります。


遂に最終決戦ですね。
ちゃんとアムロ無双できたかな?


アムロ戦場を駆け抜ける。

広大な戦闘宙域に、愛が込められた伝説の曲を歌うリン・ミンメイの歌声が鳴り響く……

 

マクロス・ブリタイ・ラプラミズ連合艦隊はグランドキャノンによって開けられた敵艦隊の穴を通って、ボドル基幹艦隊旗艦1400㎞級超巨大空母に特攻する。

 

リン・ミンメイの歌によるカルチャー・ギャップにより、ボドル基幹艦隊は大いに混乱をきたしているとはいえ、敵との戦力差は400万対6000弱の凡そ700倍である。

 

「艦長!現在バルキリー隊損耗率32パーセント!ブリタイ及びラプラミズ艦隊、損耗率52パーセント!!」

 

「くっ!敵旗艦接触予定時間は!?」

 

「46分強です!!」

 

「何としても持ちこたえろ!!」

 

「艦長!!正面、敵来ます!!

 

「怯むなーーっ!!主砲用意!!正面敵艦隊!!撃て――――っ!!」

 

敵の激しい抵抗により、マクロス・ブリタイ・ラプラミズ連合艦隊は道半ばで5000、4000、3000と徐々に戦力を落としていく。

 

 

 

 

一方、ボドル基幹艦隊旗艦1400㎞級超巨大空母からは、次々と戦艦が射出される。

この超巨大空母はその大きさから予想されているだろうが、戦艦を10万単位で格納できる戦艦の空母なのだ。

いや、その大きさと用途から要塞と言った方が良いだろう。

月の直径が凡そ3470㎞である。全高1400㎞、全長510㎞のこの艦が如何に巨大かわかるだろう。

 

 

「わからん。何故あのブリタイが裏切りおったのか……、それにあの歌とかいう音波攻撃、我がゼントラーディ兵の士気をこうも落とすとは、やはりプロトカルチャーと言う事か。……しかし抵抗もそこまでだ。所詮は寡兵、この艦には届かんぞ。プロトカルチャー共々滅びるがいい」

ボドル基幹艦隊司令ボドルザーは、旗艦1400㎞級超巨大空母の最深部に位置する発令所から、望遠映像でマクロス・ブリタイ・ラプラミズ連合艦隊の突撃の様子を見ていた。

 

しかし……

 

「ボドルザー閣下、後方の分岐艦隊から緊急報告です。後方艦隊に敵戦闘ポッドの部隊が突如として現れ、当艦に進路を取っているとの事です。」

通信兵はボドルザーに通信内容を伝える。

 

「ふん、小癪な。あの正面から突撃してくる艦隊は囮と言う事か、本命は戦闘ポッド部隊による奇襲だな。その戦闘ポッド部隊規模はどのくらいだ」

ボドルザーはその通信内容を聞き、敵の狙いについて冷静に答えを導き出す。

 

「……その、数機だけです」

 

「なに?誤報ではないのか?」

 

「はい、……その報告は複数の艦隊から上がっております」

 

「誤報ではない?どういう事だ。たった数機で……奇襲にもならん。たかが戦闘ポッド数機で何が出来る。各後方艦隊は何をやってる?とっとと落とすように返信しておけ」

ボドルザーの予想を遥かに下回る部隊数の報告に、呆れ気味に通信兵に命令する。

ボドルザーは戦闘ポッドによる奇襲攻撃であれば10師団以上で迫って来る事を予想していたのだ。

それがたった数機だというのだ。

通常、戦闘ポッド数機で戦艦一つ落とせるものではない戦力だ。

それがこの1400㎞級超巨大空母を狙うなど正気の沙汰ではない。

 

「そ、それが、その後方艦隊の……幾つかの旗艦と連絡が取れず、その戦闘ポッド数機にやられたと……もしくは、容易に突破されたと報告が上がっております」

 

「なんだと?……どういう事だ?本当に戦闘ポッド数機なのだな?」

 

「はい、そのように……」

 

「たかだか数機の戦闘ポッドに何をやってるか!あの歌とかいう音波攻撃で、攻撃も出来なくなったか!?とっとと落とせと後方分岐艦隊に伝えい!」

ただの戦闘ポッドであれば、既に宇宙の藻屑となっていただろう。

しかし、その数機の戦闘ポッドはただの戦闘ポッドではない。

地球最高峰の頭脳と技術者集団、さらに最上級のパイロットが作り上げた、現段階で数世代先の圧倒的な性能を持つ可変戦闘機なのだ。

さらに、それを操縦するパイロットはゼントラーディ兵すらその姿を見るだけで竦み上がり戦意喪失するという白い悪魔、いや史上最強のパイロットだった。

そんな事は今のボドルザーに知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

アムロはYF-X5【RAY】を駆り、ボドル基幹艦隊の後方から突入を開始しようとしていた。

「ハロ、VF-3とQF-3500OEのスピードはこれが限界か?」

 

「限界、限界」

 

「そうか……」

YF-X5【RAY】とVF-3、QF-3500OEとの基本スペックの差は大きかった。

それらの無人機も改良は加えられていたのだが、VF-X5【RAY】の最高スピードには全く付いて行く事が出来なかったのだ。

それでもVF-1のスーパーパックよりも最高速度は十分速いのだが……

 

 

そして、敵後方艦隊へ突入を開始する。

(歌の効果は覿面だったな。敵の戦意が落ちている………敵が立て直す前に出来るだけ戦闘を避け、基幹艦隊旗艦に近づく)

アムロはニュータイプ能力で敵の戦意が極端に落ちている事を感じ、YF-X5【RAY】を先頭に無人機を縦一列に艦隊内を突破していく。

歌を初めて聞いたゼントラーディ兵はカルチャー・ギャップを受け、戦闘行為もままならず、高速航行を取るアムロのYF-X5【RAY】の隊列の通過をそのまま許してしまっていた。

 

アムロが目標の旗艦1400m級超巨大空母に近づくにつれ、敵は持ち直し、徐々にYF-X5【RAY】に攻撃を仕掛けてくるようになってきた。

 

「ここは強引に通らせてもらう」

アムロは隊列を一列に保ったまま、スピードを緩めることなく突き進んでいく。

その間、抵抗する敵戦艦などは抵抗空しく通過際にアムロのYF-X5【RAY】と4機のVF-3による各一発ずつ計5発のビーム攻撃によって戦艦のブリッジ、弾薬庫、エンジンルーム等の急所を正確無比に撃ち抜かれ、あっさりと落とされて行く。

アムロと無人機の小隊が通過した後には爆発が起こり、敵の残骸が次々と築きあげられていく。

 

また、戦闘ポッドの大軍を用意しても一点突破を図られ、あっさりと抜かれ……。

戦艦や戦闘ポッドによる密集防御陣形を取ろうものならば、反応弾を撃たれ、被害が拡大していくのだ。

 

 

「あの戦闘ポッドはなんなんだ?」

「我が分岐艦隊が抜かれた?」

「来るな来るなーーーっ!わーーーっ!」

「なんて速さだ。あのサイズであのスピード!」

「全く当たらない!なんなんだ!」

「悪夢を見ているのか?」

「たった数機の戦闘ポッドに……味方が…味方が……やられていく」

「白い……悪魔だ!白い悪魔だ!」

アムロが通った後はさらに混乱し、阿鼻叫喚となっていた。

 

 

 

とある4000m級戦艦旗艦などはアムロの進路を妨害すべく立ち塞がるが、YF-X5【RAY】とVF-3が散開し、全方位からの見事な連携で急所を撃ち抜かれ、爆散していく。

その姿はまるで、狼が大きな獲物の狩りをする様相に似ている……

いや、それ以上の動きだった。

それぞれのバルキリーは個々に動いてはいるが、その正確無比な連携攻撃はまるで一つの意思を持った一個の生き物のようにも見える。

 

実際に、アムロの脳波を受け取ったハロがそれぞれの無人機のAIに指示を出しているのだ。

アムロという一つの意思の下動いている4機の無人機は、まさにアムロの手足と言っていいだろう。

 

その上、YF-X5【RAY】という前代未聞の高性能バルキリーに数々の高出力携行武器。付き従う無人機はVF-3とVF-1の次世代機、しかもタカトク准将率いる技術開発チームに改造された無人機だ。

しかもアムロがこの世界に転移したがために、元々のこの世界の兵器水準を大きく引き上げ出来上がったものだ。

 

戦争初期においてはマクロスとゼントラーディとの兵器パワーバランスはある意味拮抗していたのだが、今となっては大幅にマクロス側が高性能となっていたのだ。その中でも群を抜いていたのはアムロが扱う試作機に試作兵器だった。

 

そして、アムロという世界最高峰の技量を持つパイロット。

この世界では存在しないはずの最強のニュータイプ。

しかも、ニュータイプ能力をフルに覚醒させたアムロだ。

敵の動きや位置なども正確に把握していた。

分岐艦隊レベルの宙域内の事象がほぼ見えていたのだ。

 

圧倒的に物量で勝るゼントラーディ軍ではあるが、この圧倒的な個の力を擁する存在(アムロ)に対し、対処することは敵わなかった。

 

アムロは目の前に立ち塞がる敵を悉く撃ち払い、基幹艦隊旗艦へと突き進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっふっふっ、プロトカルチャーめ、もはや風前の灯だ。ブリタイ共々滅びるがいい」

ボドルザーはマクロスの戦闘宙域の映像を見て、勝利を確信していた。

マクロス・ブリタイ・ラプラミズ連合艦隊は必死な抵抗をしていたが、戦力は既に3分の1程度まで減少していたのだ。

そもそもボドルザーにとって、これ程抵抗され、眼前まで差し込まれるとは予想外もいい所だったのだ。

ボトルザーにとっての誤算はグランドキャノンによる攻撃から始まり、ブリタイとラプラミズの裏切り、マクロスの反撃、そして歌による兵の戦意低下。

だが、それももう終わると……。

 

しかし、ボドルザーは最大の誤算を見逃していた。

 

「ボドルザー閣下、敵戦闘ポッドらしきものに取りつかれました」

 

「何?プロトカルチャーの戦艦やブリタイはまだここには到達していないぞ」

 

「そ、それが、後方から奇襲に来た数機の戦闘ポッドだと……」

 

「後方艦隊は何をやっていた!たかだか数機の戦闘ポッドに抜かれたというのか!!」

 

「後方分岐艦隊に損害が拡大しております……。その……一部の艦隊から悪魔だとか、白い悪魔を見たとか……」

 

「悪魔だと!?プロトデビルンではあるまい!そもそも奴らは50万周期前に滅んだ!そんな戯言を言う前にとっとと屠れ」

 

「……な、内部に侵入されました!当艦の防衛隊及び補給並びに待機中の戦隊が対応中です!」

 

「たった数機の戦闘ポッドでこのフルブス・バレンス(1400㎞級超巨大空母)は落ちん。小虫をとっとと排除しろ!」

ボドルザーは次から次へと起こる予想外の展開に苛立ちを覚える。

たかだか6000の寡兵に翻弄されるなど、ゼントラーディ軍と同等の戦力を保有する監察軍との戦いの中でもこのような事態に遭遇することは無かったのだ。

 

「りょ、了解です」

通信兵は慌てて、各方面にボドルザーの怒りの言葉を伝える。

 

 

 

 

 

アムロはボドル基幹艦隊後方分岐艦隊を撃破又は突破しながら、遂に1400㎞級超巨大空母にたどり着く。

YF-X5【RAY】と付き従う4機のVF-3無人機は未だ健在であった。

その間、YF-X5【RAY】とVF-3はQF-3500OEにより2度の補給を済ませ、4機のQF-3500OEはその役目を終え、隊列から離れる。

 

「なんて大きさだ。コロニーどころの騒ぎではない。まるで月がもう一つ現れたかのようだ」

アムロは眼前の1400㎞級超巨大空母を見、そう感想を漏らす。

それもそのはず、全高が日本で言う本州とほぼ同じ長さで、表面積は1400㎞級超巨大空母の方が広いのだ。それが立体構造で目の前に存在する。

この旗艦空母が如何に巨大であるかお分かりであろう。

 

アムロは4機のVF-3を引き連れ、とあるハッチから突入を開始した。

この巨大空母の大まかな構造についてはエキセドルからレクチャーを受けており、既に攻撃目標は定まっていた。

アムロの目的はこの巨大空母の破壊ではない。

現在、ボドル基幹艦隊は地球と月の間に展開している。

もし、この巨大な質量を持った旗艦空母を爆散させた場合、そのエネルギーの余波が地球や月にも衝撃波として降り注ぎ、大きな影響を起こすだろう事は予想されていた。しかも、完全に粉砕でもしない限り、残骸が地球や月に降り注ぐだろう事もだ。シミュレートではその残骸が数百年単位の時間をかけ、降り注ぐと出ていたのだ。

下手をすると、ゼントラーディ軍の総攻撃よりも悲惨な結末を迎える可能性が十二分にあるのだ。

宇宙世紀のコロニーが凡そ全長35㎞、直径6㎞であった。その落下の威力により、オーストラリア大陸に大きな穴をあけ、壊滅状態に……

この超巨大空母が破壊されれば、そのコロニー程度の大きさのものが多数降り注ぐ可能性もあるのだ。

更に巨大空母の質量の四分の一が地球に落下した場合、地球の表層はすべてひっくり返り、大気も残らないだろうと……人が住むことが叶わない、マグマが煮えたぎる死の星になるだろうと……

月に落ちたとしても、衝突エネルギーは地球に多大な影響を及ぼす事は間違いないのだ。

敵旗艦空母の爆散は人類にとって自らの首を絞める行いに他ならない。

 

 

アムロの目的は敵の指揮官を討ち、巨大空母の部分的破壊、半壊から大破一歩手前の行動不能状態にまで陥れること。

非常にデリケートかつ困難なミッションである。

 

幸いにも、敵指揮官を討つだけでも、艦隊はそのまま撤退する可能性も高いとの事だ。

アムロはボドル基幹艦隊司令官ボドルザーを討つことを第一目標として、この巨大空母に突撃を敢行したのだった。

 

ボドルザーが指揮を執っている発令所はこの超巨大空母の中心部に位置する。

その他にも各種指揮系統を統制する施設は多数ある。

ボドルザーを討ったとしても、撤退せずそのまま戦闘を継続する可能性もある以上、この巨大な空母の無力化も行わなければならない。

 

ボドルザーが居るだろう中心部に突き進むと同時に、それ以外の指揮系統や発艦所や格納庫なども破壊しておきたいところである。

 

しかし、全高1400㎞、全長510㎞の超巨大空母だ。

それらをすべて破壊するには時間が掛かり過ぎる。

アムロは集中し、ニュータイプ能力をフルに開放する。

「……見えた」

艦内の要所を把握し、4機の無人機VF-3をそれぞれにこの艦に存在する複数の指揮系統に向かわせ、そして自らはボドルザーが居る中央発令所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

未だミンメイが歌う愛の歌は戦場に響き渡っていた。

マクロスはまだ健在だった。

味方戦力を減らしながらも、超巨大空母の眼前まで迫っていた。

 

「敵は目前!!味方損耗率は!?」

 

「ブリタイ艦隊、損耗率89%、ラプラミズ艦隊損耗率93%、ですが旗艦はいずれも健在です」

こんな時でもクローディアはグローバルに淡々と答える。

既に6000弱あったブリタイとラプラミズ艦隊は、敵の物量攻撃の前に500まで戦力を落としていた。

それでも、ここまで残ったのは奇跡的であった。

本来ならば一瞬で消滅したであろう戦力差であったが、やはり、歌による敵の動揺と混乱は相当なものであったのだろう。

 

 

「くっ!全方位バリアの稼働率は!?」

 

「全方位バリア、耐久残り30分いえ32分!艦長!まだ持ちます!!」

キム・キャビロフ中尉が大声で答える。

 

「よし!エネルギー・残弾は!?」

 

「主砲は後2発が限度です!残弾は後10%!反応弾は20発残しております!!」

同じく、シャミー・ミリオム中尉が興奮気味に答えていた。

 

「防衛部隊状況は!?」

 

「バルキリー隊、損耗率。70%越えました……しかしフォッカー大佐、ユニコーン部隊 キーリック少佐、バーミリオン大隊 一条輝大尉は健在です!!マクシリアン中尉とミリアさんは大戦果です!!」

ヴァネッサ・レイアード大尉は激しい損耗率でトーンを落としていたが、各隊長の健在とマックスとミリアの活躍を強調してアピールする。

 

「……中佐は!レイ中佐はどうなった!?」

 

「まだ……いえ、来ました!暗号電文です!……敵旗艦内突入成功です!!」

未沙はアムロのYF-X5【RAY】からの送信された暗号電文内容を声を大にして伝える。

 

「おお!よしっ!!……このまま敵旗艦 超巨大空母にこのまま突撃をする!!マクロス!全速前進!!」

グローバルの掛け声と共にマクロスは連合艦隊から一歩前に出て、強行突撃を開始した。

 

 

 

 

マクロス・ブリタイ・ラプラミズ連合艦隊に目の前に迫られたボドルザーは歯ぎしりをする思いだった。

「なぜだ!!なぜこうまで抗う事が出来る!!おのれーー!!プロトカルチャーめ!!」

 

「閣下…第2、第3発令所、……いえ、第4、第5発令所が……破壊されました……」

通信兵は信じられないというような様相で、現状の報告をする。

 

「な、なんだと!?」

 

「……格納庫も次々と破壊されております…………」

もう一人の通信兵も同様だった。

 

「バカな!?まさか、侵入した戦闘ポッドか!?ここには数百万からの兵が居るのだぞ!!」

ボドルザーは怒りに任せ、目の前の計器類に拳を振り下ろす。

 

 

「閣下!?」

通信兵はそんなボドルザーに声を掛けるが……その声はまるで何かに怯えるような声だった。

 

通信兵の声にボドルザーが前を向くと……

発令所ブリッジの外の広々とした空間には、一機の戦闘ポッドが堂々とした姿を見せていた。

純白のボディに、胸の中心には朱色のユニコーンマーク……バトロイド形態のYF-X5【RAY】がビームライフルを構えていたのだ。

 

「ヤック!デカルチャー!?………白い戦闘ポッド、白い悪魔!?伝承のニュータイプか!?………このままでは済まさんぞーーーーっ!」

ボドルザーは驚愕の表情を浮かべ……その言葉を最後にビームライフルで貫かれ、発令所ブリッジの爆発と共に消え入る。

 

 

 

 

「やったか……いやまだだ、この艦内部には戦力が残っている。VF-3は2機落とされたか……指揮系統はすべて破壊したが、戦力の要所はすべて破壊していない……」

アムロは司令官を討った事を確認し、次なる要所へと向かう。

 

 

 

マクロスも丁度、敵超巨大空母に取りついた頃。

 

「艦長!レイ中佐から暗号電文です!!敵中央発令所及び敵司令官と思われる人物を討ったとの事!!さらに、指揮系統のほぼ全ての破壊に成功!!敵内部要所の破壊に向かうとの事!!」

未沙がアムロからの暗号電文を通信で受け取り、ブリッジクルー全員に聞こえる声で伝える。

 

ブリッジ全体が歓喜の声が沸き上がる。

 

「おお!!やったか!!エキセドル記録参謀閣下に伝えろ!!マクロスも旗艦内部に突入し、旗艦を行動不能にする!!間違っても動力部の破壊や誘爆をさせるな!!」

グローバルは歓喜の声を上げながら、次の作戦へと移る。

まだ、この宙域には300万を超える艦隊が宙域に存在するのだ。

司令官を討てば撤退する可能性が高いが、そうでない可能性もある。旗艦を行動不能にさせれば、ほぼ確実に艦隊は撤退する。

但し、爆散させれば地球や月に多大な被害を及ぼすことを留意しなければならない。

 

 

しかし……マクロスが超巨大空母に突入したと同時に、大きな揺れと衝撃が走る。

 

「艦長!この旗艦超巨大空母に高エネルギー反応です!移動を開始しました!」

クローディアが早口で現状を報告する。

マクロスに伝わるこの揺れと衝撃は、敵旗艦が移動を開始したためのものであった。

 

「何?どういう事だ!!敵司令官と指揮系統は討ったのではなかったのか?」

 

「……わかりません」

 

 

そこに、エキセドルから通信が入る。

『超巨大空母は移動を開始した』

 

「こちらでもそれを把握しております!これはどういう事態ですか?」

 

『わからない……白い悪魔からの暗号電文と、我が艦隊で旗艦超巨大空母との情報リンクを図り得た情報から、間違いなくボドルザー閣下は討たれ、指揮系統はすべて破壊されていると出ている……この状態で移動を開始するとはあり得ない状況だが、それでも移動を開始した……しかも、この動力部の反応は……この超巨大空母は地球に向けて進んでいる』

エキセドルはここで衝撃の事態を伝える。

指揮系統を破壊すれば、現宙域に留まり、エンジンを点火し移動開始するなど起こるはずが無かったのだ。

だが、現にこの巨大な空母は地球に向かって移動を開始している。

 

「な!?」

 

「艦長……マクロスのシミュレート結果でも、旗艦は地球に突入するコースを取っている事が判明いたしました」

未沙は目の前のディスプレイを見ながら、重苦しい声で伝えた。

このままいけばこの旗艦は地球に衝突し、旗艦は勿論消滅するが地球もとんでもないダメージを受ける。死の星になる事は免れない。

敵に打ち勝つ事は出来るが、地球には二度と帰れなくなるのだ。

 

「なっ!?地球を道連れにするつもりか!!」

グローバルは焦る。

 

『超巨大空母に対しての命令変更は、指揮系統をすべて破壊したがため、再変更はできない……、止めるには動力部を破壊するしかない』

エキセドルは、超巨大空母はもはや制御不能状態だと言っているのだ。

止めるには、動力部を破壊するしかないと言う。

そうなると、この巨大な空母は爆散する可能性が高くなる。

それは、結果から言うと地球へのダメージはほぼ変わらないのだ。

 

「くっ!!マクロスで押し返す!!いや、逸らすだけでいい!!」

グローバルは無茶を承知でブリッジクルーに命令を下す。

 

 

そして、未沙は……

「中佐!レイ中佐応答願います!!早く旗艦から脱出を!!」

アムロへと通信で呼びかけていた。

 

『早瀬大尉、作戦中の直接通信はまずいのではないか?いや……何が起こっている?この旗艦が移動しているように感じている。内部の敵も相当混乱している』

アムロから通信が戻って来る。

 

「中佐!超巨大空母は地球に向かい特攻をかけてます!直ぐに脱出を!!」

 

『なんだって?地球に……大尉、エキセドル閣下と話をさせてくれないか?』

アムロは未沙のその言葉に一瞬驚くが、考えを巡らせる。

 

未沙はグローバルに確認を取り、このブリッジ内にも会話が聞こえるように通信をオープンにし、エキセドルとアムロと通信を繋げる。

 

『エキセドル閣下、この旗艦にはワープ航法が有ると聞いてます。それは利用できないですか?』

アムロはこの超巨大空母をワープ航法(フォールド航法)でどこかの宙域に飛ばそうと考えたのだ。

 

『フォールド航法(ワープ航法)か…指揮系統が破壊されてしまった今では、それもかなわないだろう』

 

『……ワープ航法の動力源は生きているのですか?エンジンの動力源は多数存在するとお聞きしてますが、ワープ航法はどうなのでしょうか?』

 

『うむ。貴公が破壊した場所には含まれていない。フォールド航法の発生装置は恐らく生きているだろう。それに一か所だ。……そうだな。直接制御できれば可能かもしれない……フォールド航法を起動すれば、旗艦設定はボドル基幹艦隊の設定されている元の待機宙域に戻る可能性が高い。……しかし、我々は直接制御するすべを持ち合わせていない』

ゼントラーディ兵に兵器を修理や修繕を行うという思想は持ち合わせていない。

整備も補給も機械による全自動化されているからだ。

更に大きな故障をすれば廃棄し、新しい兵器で補うのだ。

だから、定められた方法以外の運用は出来ないのだ。

 

『それだけ分かれば十分です。位置情報はありますか?』

 

『ある……まさか、貴公が直接制御するとでも』

 

『やる価値は十分にあります……』

 

『貴公の健闘を祈る』

エキセドルはそこで通信を一旦切り、マクロスに一旦、ワープ航法の発生装置(フォールド発生装置)のマッピング図を送る。

 

「レイ中佐すまん。君にまたしても頼ることになった」

グローバルは通信越しに頭を下げ、アムロが提案した方法に縋るしかなかった。

 

「レイ中佐……エキセドル記録参謀閣下から送られたマッピングデータと、元々マクロスにあったフォールド発生装置のデータをお送りします……レイ中佐……」

未沙は心配そうな顔をしながら、アムロに伝える。

 

『大丈夫だ』

 

 

 

 

 

アムロはエキセドルから送られたマップ情報を元に、フォールド発生装置が置かれている広い空間へ出る。

途中敵に接触するが、相当混乱している様相で攻撃を仕掛けてくることは無かった。

 

アムロは巨大な装置の前にYF-X5【RAY】を降ろす。

「発生装置はこれか……直接制御するコンソールパネルなどは無い様だな……修理は全自動で行うとエキセドル閣下が言っていた。ならば外部接続モジュールぐらいあるだろう」

 

アムロはYF-X5【RAY】の各種センサーを使用して、接続モジュールを探しだす。

ハロを手に乗せ、接続モジュールに近づけさせる。

ハロは手の部分を接続モジュールに近い物に変形させ、無理やりねじ込む。

 

「ハロ、解析は出来るか?サポートする」

 

「問題ナイ、問題ナイ」

 

「……マクロスにあったというフォールド発生装置と似ている。これならば!」

アムロもYF-X5【RAY】のコンピュータで解析を始める。

 

「起動、起動」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクロス・ブリタイ・ラプラミズ艦隊は超巨大空母の地球への特攻進路を逸らすために、300までに減った戦力で超巨大空母を何とか押し返し逸らそうとするが、そもそも質量が違いすぎるため、難航していた。

 

「くっ!全方位バリアはまだ持つか!?」

 

「後10分です!!」

キム・キャビロフ中尉が言葉短く答える。

 

「レイ中佐からの通信は!!」

 

「通信が乱れ……応答ありません……」

未沙は悲痛な表情で返答する。

 

「……くっ」

 

 

一呼吸おいて……

 

「艦長!高出力のフォールド反応を計測!超巨大空母中心部からです!!」

クローディアは珍しく興奮気味にグローバルに報告する。

そう、アムロが超巨大空母のフォールド発生装置の起動に成功させたのだ。

 

「成功したか!!よし!!マクロス全速離脱!!」

グローバルは超巨大空母からの離脱を指示する。

 

マクロス、そして残ったブリタイ、ラプラミズ艦隊も次々と超巨大空母から離れていく。

 

「中佐!!応答してください!!中佐!!レイ中佐!!」

その間未沙は、必死に通信でアムロに呼びかけるが……反応が返ってこない。

それでも何度も呼びかける未沙。

このままでは超巨大空母内にいるアムロはフォールド航法に巻き込まれ、何処とも知れない宇宙の彼方へと飛ばされ、帰ってくることが出来なくなるからだ。

 

 

 

 

そして……眼前の1400㎞級超巨大空母はエネルギーの高まりと共にフォールド航法を発動させ、その場から姿を消す。

宙域に展開していた300万以上のボドル基幹艦隊も、示し合わせたかのように、次々とフォールドし、この宙域から消え去っていった。

 

 

 

 

 

戦火は消え、再び宇宙には沈黙が戻る。

 

 

 

マクロスの発令所ブリッジでもしばしの沈黙が訪れる。

 

「勝った……のか?」

グローバルは沈黙を破り、小さく声を発する。

 

「……艦長、勝利です」

クローディアはホッとした表情をし、グローバルに静に答える。

 

その声と共にブリッジクルーから歓喜の声が沸き上がる。

絶望的な戦力差を見事打ち勝ち、奇跡的な勝利を得たのだ。

 

「……レイ中佐……中佐」

しかし、未沙は持ち場の席で項垂れ……涙を落とす。

 

 

この勝利の最大の功労者であるアムロが、帰還していないのだ。

フォールド反応を計測してから7分足らずで、超巨大空母はフォールド航法でワープしてしまったのだ。アムロが脱出するには、どう考えても時間が足りない。

 

 

ブリッジに……再び沈黙が訪れる。

 

 

 

 

だが……

 

『……応答……応答願う。……こちらYF-X5……機体の損傷が激しい。回収願う』

ノイズが激しいが確かに望んでいた声が届く。

 

「!?……中佐!!レイ中佐!!」

 

『繋がったか……、少々無茶をし過ぎた。機体は半壊状態だ……自力航行は厳しい』

そして、通信映像も届き、未沙の前にホッとした表情をするアムロの顔が映る。

 

「……中佐……ご無事なんですね」

 

『ああ、何とかな』

アムロのその声に、ブリッジでは再び歓喜の声が沸き上がる。

グローバルは直ぐにアムロの回収指示を出す。

 

「中佐は無茶をし過ぎです!いつもいつもいつも!!」

未沙は涙ながらに訴える。

 

『済まない』

 

「よくご無事で……おかえりなさい、アムロ・レイ中佐」

未沙は涙でぬれた瞳のまま笑顔をアムロに向ける。

 

 

 

 

 

西暦2010年2月12日未明

ボドル基幹艦隊との総力戦はマクロス側が奇跡的な勝利を収めるのだった。

 




アムロどのぐらい落としたんだろうか?
いや、自分で書いてて恐ろしくなってきた。
まじで、アムロ一人で、基幹艦隊の半分を相手に出来たりして……

宇宙世紀でも……アムロに最高の環境に最高の技術者をつけて、最高のモビルスーツを開発して渡したら……無双じゃないかな。


と言うわけで、次話が最終です。多分無双はないです。
いや、もう一話有るかな……。話の長さ次第です。

最終話のタイトルだけは一応決まってるんですよね。


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