アーランドに転生したのでエスティさんをヒロインにしたい 作:血濡れの人形
~アーランド王国 武闘大会会場 外壁部~
やぁ、とある事情からこんなところで試合を眺めさせられているシルドだよ。といっても、提案を受けたのは俺だし、まあ仕方ないよネ!というわけで、眼下で行われている決勝戦の決着を見届けたところで、中心より比較的手前側に武器が落ちるように投げる。この時、音を出さないようできるだけ注意をする。そして現れるマスク・ド・G。始まる戦闘。そして慈悲のない爆弾の雨!ロロナとジオの戦闘シーンとか、まあ原作通りだったといえばきっとわかるだろう。知ってる人ならきっと。ということで、ここからが俺の出番だ。ということで、役になりきるために般若のお面を装着。飲み物を飲み、のどの状態を整える。
『ハッハッハッハッハ!汝らの闘争心!大変美味であったわ!』
そういって、先ほど投げた剣が落ちてくる手前に向かって飛び降りる。ついでにジオを全力で、今までの恨みを込めて蹴り飛ばす。ちなみに今は全力の裏声だ。声では俺がだれなのかわからないくらいの完成度はある。代わりに俺ののどが死ぬがな!
『では続いて、強者の血と肉、そして魂をいただこう!』
純粋な魔力を放出し、周辺に風をまき散らす。
『我が名はマスク・ド・オーガ!仮面に宿りし悪魔なり!』
そこまで言ったところで、上空から剣が落ちてくる。煙を巻き上げ突き刺さったそれを、片手で引き抜く。
『さぁ、この体がなじむまでの間、全力で抗って見せるがいい!』
そういって俺は、突然の事態に頭の処理が追いついていないロロナに斬りかかる。
ガキンッ!
それを防ぐように現れる一人の騎士。ステルクが、俺に向かって呼びかけてくる。
「あなたは何をやっているんだ!その程度の悪魔にやられるほど、我が騎士団の団長は甘くないだろう!」
もっともである。しかし、エスティからの依頼だ。全力でやらせてもらう。
『ほう?貴様、この体の持ち主の知り合いか!しかし残念だったな!こやつの魂はすでに喰らい尽くしてやったわ!ここにいるのはただの抜け殻、そして、その抜け殻に宿る我のみよ!』
そういって、ステルクの剣を弾き飛ばし、追撃として剣を振り下ろす。ステルクは咄嗟に後ろに跳ぶと、ロロナを抱きかかえて横に跳ぶ。ちょうどその方向に武器が飛んでいき、そのまま突き刺さる。
『さぁこい!ここで貴様がそこな少女とともに死ぬか、それとも我を殺すのか、好きな方を選ばせてやろう!とはいっても、おとなしく殺されてやるつもりもないがなぁ!』
一歩、ステルクに向けて踏み出す。そこまで言って、ようやく状況が理解できたのだろうか。横からロロナが爆弾を投げて行動の妨害をしてくる。ので、後ろにステップして攻撃範囲から逃れる。
『フム、我が前に立つ勇士は貴様らだけか?っ!?』
ソンナコトハナカッタ。真後ろに現れる爆弾、上空から飛来する武器を片手に持った女性、先ほど吹き飛ばしたはずのジオの攻撃。ほぼ同時に放たれたそれらを、トラベルゲートで回避する。
『飛び込み参加をするときは、ひと声かけるのが礼儀であろう。そんなことも知らんのか貴様らは・・・』
「はっ!魔物相手にそんな礼儀を通す理由もないね!」
「まったくだな。早くその体をもとの持ち主に返してもらおうか」
「彼のお説教がなければ、私もつい脱走したくなるのでね。ストッパーにいなくなられると、さすがの私も困るのだよ」
とりあえずジオはいつも脱走してるくせによく言うと心の底から思う。ていうか、そんなこと毎回されてるから俺だって困ってるんだけど・・・
『よい、よいぞ、楽しくなってきた!あと数分ほどで調整が終わる。それまでに我を倒せるかな?』
終わるのは調整ではなく俺ののどだ。できれば早く倒してくれることを祈る。ので、もう一つ演技をすることにする。
「やらせるかよ!あぁくっそ、こんな簡単に奪われるとか考えてもいなかったが、全力で抵抗させてもらうからな!」
『なに!?貴様、さきほど我が食い尽くしたはず!』
「ハッ!俺がエスティおいていけるかってんだよ!なめんなこの糞仮面が!」
『えぇい!だが、弱体化した今の貴様程度、こやつらを相手にしながらでも殺せるわ!』
「やってみろや!てめぇの力半分はもらっていくぞ!」
こんな感じの一人芝居を行った後に、自分の力を調整する(毒で)。おかげで剣を地面に落とすことになった。
『ぬぅ!小賢しい真似を!しかし、いくら力が半分になろうが関係ない!こやつら程度、小太刀一本で十分よ!』
「お前ら!こいつの本体は仮面だ!この仮面さえ破壊できればあとは俺が何とかする!頼ん・・・ぞ・・・」
そうして、俺対三強+原作勢の戦闘が始まった。
ちなみに原作勢は一人芝居しているうちに降りてきた模様。続きはできれば今日中にあげます。