アーランドに転生したのでエスティさんをヒロインにしたい 作:血濡れの人形
~アーランド王国 サンライズ食堂~
「酒はどれにする?」
「それほど強くないもので頼みます。明日も彼女を手伝うことになっているので」
「あいよ。そんじゃあ、ワインでいいかな?」
そういって、俺はワインを注文する。それの付け合せとして、チーズなども一緒に頼む。
「それで、俺一人を呼び出して、いったい何の用なんだ?つまらなかったら海の方に住んでいるっていうオーツェンカイザーと単独で戦ってもらうことになるんだが」
運ばれてきたチーズをつまみながらそういう。ちなみにその時はきちんと装備を整えてはやるつもりである。属性攻撃無効(原作に存在しない特性)と毎ターン傷を癒す効果があれば平気だろう。
「そのモンスターがどのようなものなのかはわかりませんが、先輩が進めてくるものなので全力で遠慮させていただきます」
「おうわかった。かわりに黒ドラゴン二体の同時討伐してもらうから。このあと」
容赦なんてなかった。きっとこの話し合いが終わった後、特殊訓練場にはステルクの瀕死体が転がっているだろう。
「・・・それで、本題なのですが・・・」
「ほうほう、話してみな?」
もはやこれ以上話すことはあきらめ、おとなしく本題に入ろうとするステルク。これ以上話す時間を延ばす必要のないシルドも、隣の席を少し見た後に、素直に続きを促した。
「「彼女(スケさん)のことを見ていると、なぜだか胸のあたりがドキドキしてしまって・・・!?」」
ちなみに隣の席にいるのはロロナとロロナをここへ連れてきた相談役のエスティである。ロロナがこちらに気が付かなかった理由は、俺が座る直前に周辺に振っておいた魔法薬の効果が原因である。
隠蔽薬
それは、実影の腕輪を主な材料とし、それにさまざまな材料を混ぜた末に完成した特殊な薬。相手の認識をずらし、そこにあるはずのものがまるでないかのように見せる魔法薬である。これの効果時間が少ないのが玉にきずだが、今回のように前もって準備しておくと色々と役に立つ道具である。
「・・・先輩、なぜ彼女がここに?それに、エスティ先輩にも内緒にするようにお願いしたと思うのですが」
「HAHAHA!俺がエスティに隠し事なんてできるわけないじゃん?いつも俺ら見てた君ならわかるでしょうに」
やれやれだぜ、と言わんがばかりの動きをして見せる。ステルクの表情がいつもより少しだけ怖くなった気がする。
「エスティさん!スケさんたちには秘密の相談があるって言ったじゃないですか!」
「やぁねぇ、私たちがいた席のすぐ近くに、偶然、ステルク君とシルドがいただけじゃない」
隣の席も似たような反応のようだ。まぁ、こいつらの相談内容がほぼ同一であるのは、今までごくまれに頼まれていた護衛の中でもなんとなく察していたのだ。
「だってお前たちの相談って、二人そろって恋愛相談だろ?しかも、ステルクはロロナの、ロロナはステルクのことを話すつもりだったんだろうし、面倒くさいのも長ったらしいのもはっきり言って勘弁してほしくてな。もういっそまとめて相談に乗ることにしたんだよ」
「それで、そのことを互いに相談し合った結果、じゃあここで集合にしようかってことになったのさ」
二人が驚いたような表情で互いを見つめるのを見て、俺とエスティはにやりと笑みを浮かべる。
「さてエスティ、あとは若い二人に任せて、俺たちは買い物デートでもして帰るか」
「賛成よ。ほらロロナちゃん!こっちの席に移動!支払いは私たちがやっておくから、きちんと話し合いなさいよ?」
「後ステルク、お前にはこいつをくれてやる。アストリッドが何か言ってきたら渡せばいいさ。それで何とかなるからな」
「「そんじゃ(それじゃ)!俺(私)たちはこの辺で!」」
結局、相談らしい相談を受ける前に、俺とエスティは店を後にするのだった。料理代金にプラスして迷惑料を払ったので、きっと店の店主は納得してくれるだろう。
この後むちゃくちゃ買い物を楽しんだ
隠蔽薬
ド○クエで言うところのせいすい、F○TEとか風に言うならロ○ンさんの顔○ない王みたいな効果が短時間得られる代物。案の定錬金素材の中に賢者の石が紛れ込んでいる。
ステルクに渡した紙
アストリッドの過去の黒歴史集。実はシルドはすでにいろいろなところにこれを流している。まだ世間にさらされていないだけ救いともいえる。持っているのはジオとアストリッドの師匠、製作者であるシルド、シュヴァルツラング家、エアハルト家である。
シ)それで、結局あの後どうなったの?
ス)無事に付き合うことになりました。彼女は間違って酒を飲んだので、その酔いの勢いに身を任せて、みたいなところがあったようにも思えましたけど
エ)て言ってるけど、その時の記憶、残ってる?
ロ)はっきり覚えてますよぅ!うぅ、恥ずかしい!というか、若干は酔ってましたけど、それがすべての原因じゃないですよぅだ!
ア)おのれ、あの話をここにきて持ち出されるとは・・・あれさえなければ全力で妨害してやったものを・・・