アーランドに転生したのでエスティさんをヒロインにしたい   作:血濡れの人形

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投稿したと思ったら消えていたので再投稿。見落としてただけだったらその回の話数を書いてくれると助かります。確認でき次第消すので。


最後の護衛(に、なるのかな?)

~夜の領域 夜の支配者~

 

というわけで今回はデーモンの討伐に呼ばれたシルドだ。今回のメンバーは、ロロナ、クーデリア、イクセル、ステルク、俺、エスティである。つい最近ブラッドエイク二体同時討伐を果たしたステルクがいる時点でオーバーキルだろうに、そこに俺やエスティまで連れてきてるあたり、確実に殺すという意思を感じられる。

「え?先に戦うの俺とエスティだけ?後ついでに誰か前線に出さないの?」

「先輩たちの場合、他に人がいたら連携の邪魔だろうということで、ロロナと相談した結果、二人で戦ってもらうことになりました」

う~ん正論、これには何も言えず、おとなしく従うほかあるまい。実際俺たちについてこれるのなんてこのメンバーの中じゃあギリギリステルクだけだろうし。

「んじゃまぁ、さくっと殺して帰るかね」

「あまり調子に乗らないようにね?いくらあなたが強いからって、何があるかわからないんだから」

「わかってるっての。そんなことより・・・来るぞ!」

俺がそう言うと、黒い光が発生、その中から牛のような骨をかぶった魔物が現れる。ところで唐突だが、俺とエスティが持っている武器の話をしよう。実はこの武器、対デーモン用に用意された武器である。

聖者の剣、品質120。別名を悪魔殺し。武器の効果で魔族特攻が最初から入っているうえ、そこに特性として精霊王の力(原作にはない特性。全属性ダメージと全状態異常付与の効果がある)、魂を食らうモノ(原作にはない特性。対象のレベルダウン、体力と魔力吸収の効果がある)、万能の力(原作にはない特性。全ステータスに+60、属性攻撃無効の効果)、極限破壊(原作にはない特性。攻撃力とスキル威力、クリティカル率が100%アップの効果)、終わらぬ追撃(原作にはない特性。実影の腕輪の数倍えぐい連続攻撃が可能になる。一撃で十回、それをターン消費なしで四回は最低でも行えるうえ、継続ダメージとして徐々に体の端から斬れていくという呪いの効果がある)というクソ使用の武器である。エスティの武器も同一の性能を持っている。ちなみに武器の名前は聖女の双剣。まあなにがいいたいかというと、簡単に言えば相手は死ぬ。それだけだ。敵はあっという間に膝をつき、地面に溶けて行ってしまった。

「ていうか、一撃で死ぬのは想定外だったんだけど」

「こんな頭おかしい武器作ったあなたがそれを言うのかしら・・・まあいいわ。速く帰りましょう。私たちの娘が帰りを待っているわ!」

そういって嬉々として帰り支度を始める二人に、付添できていた三人と、この二人を呼んだロロナは顔を見合わせ、

「・・・ステルクさん、これ、私が倒したって言って報告していいんですかね・・・?」

「・・・私は何も見ていない。それ故、どんな報告であろうと信じるほかあるまい・・・」

「・・・そういうことにしておきなさい。あの二人はもうどうしようもできないわ」

「・・・それには全面的に同意せざるを得ないな。もう俺ら連れてこないであの二人だけでよかったんじゃねえのか?」

こうして、俺たちが呼ばれたデーモン戦は終わり・・・ではなかった。

突如エスティの背後から発生する、デーモンが現れた時と同じような黒い光。そこから現れた葡萄茶(えびちゃ)色に近い色をした服装のデーモンが、エスティの腕をつかみ、首のあたりを柄で一撃、気絶させ、首元に剣を置いた。そのデーモンの正体を、シルドは知っていた。マキナ領域、その中でも変異した土地に住んでいるはずの、本来ここにいないはずの存在。そう、デーモンロードである。もっとも、だからどうしたという話だ。全力を出せばこいつを殺せる、そのことに変わりはないが、首に剣を当てている。この行為が非常にまずかった。前世におけるトラウマ、かつて両親を目の前で殺され、妹の命を助ける代わりに様々な悪行を手伝った末、妹が目の前で殺される光景を見てしまった彼の持っているトラウマを刺激するような光景だったのだ。息が苦しくなる。目の前が少しだけ暗くなった気がする。周辺にいたメンバーがそれに気が付けたのが幸いしたのだろうか、思わず一歩、後ろに下がったそのたった一歩が、彼女たちの生死を分ける境目になったのだ。

「・・・ろす」

小さく聞こえるその声、かちゃりと手に握られた大剣のような片手剣が、少しずつ持ち上がる。大気中の水分は凍り、周辺温度が大幅に下がる。雷が周辺にまき散らされ、蒼い雷を纏った炎が現れる。発生しているエリアから少し離れたロロナ達の息が凍りつく程度に寒くなった気温に、その場にいた全員がさらに離れる。ロロナ達が先ほどまで片足を入れていた場所は、すでに元の床が見えない程度に凍り付いていた。唯一無事なのは、エスティの周辺5ミリだけである。

「殺す、お前は、お前らのような奴は・・・!」

リミットは、あのデーモンが剣を引くまでの間。しかし、それだけあれば充分であった。

バチン!

雷の弾ける音、まるで分裂でもしたように見えるほどの速度で、いや、実際に先ほどいた場所から動いたように見えないほどの速度でデーモンロードの背後に回ったシルドは、そのままデーモンロードの両腕を斬り飛ばす。エスティを片手に抱くと、その場から転移する。デーモンロードも逃げようとでもしているのだろう。黒い光に溶けようとする。しかし、そんなことは許されるわけがない。

「時間ごと凍りつけ、アイシクルクロックロック!」

それで詠唱は終わり、空間ごと凍りつき、逃げようとしていたデーモンロードは姿形をそのままにその場で氷漬けにされていた。しかし、そこで終わるほど彼は優しくはない。

「貴様はそのまま錬金術の素材にしてくれる。もっとも、貴様のような奴がまともなアイテムになれるなんぞと思わないことだな」

そういって、彼は邪魔な氷を破壊し、デーモンロードの氷像だけをコンテナの中に投げ入れたのであった。




ちなみにデーモンロードは壊れたアイテムに無事?ジョブチェンジを果たしました。
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