アーランドに転生したのでエスティさんをヒロインにしたい 作:血濡れの人形
~夜の領域~
やぁ、バーベキューから割と長い時間がたち、強請った休暇でエスティと小旅行に出ているシルドだよ。もっとも、帰るのは半年後の予定だけれどね!時々雨も降るし、木の方は特別世話をしないで済むだろうと思って決行したこの旅行、当然だが色々と目的がある。その一つがこれだ。
「案外ドラゴンの背中って乗り心地いいんだな。初めて知ったわ」
「本当ね。星も綺麗に見えるし、それほど脅威になるモンスターもいないから、割と楽しいかも」
俺たち二人を乗せてくれるドラゴンの捜索である。これを思いついたのは、ミミがうさぷにライダーをしている光景を見て、何か俺たちにも乗れそうなやつはいないかと考えた結果だ。いろいろとドラゴンが生息している地域を探索した結果、何とか一体だけ見つかったので、こうして乗せてもらっている。もっとも、乗る前にいろいろとやっていた。傷を治したり餌をやったり程度だが、それでなついてくれたのは運が良かったと考えるべきだろう。
「こいつはうちで飼うとして、とりあえず次はどこに行こうか」
「一回帰らなくていいの?そろそろ仕事よね?」
エスティがそういうのも無理はないだろう。実際、とれた休暇は半月ほどだったし。
「まあな。でもまぁ、俺がいないでも回るようにいろいろと根回ししておいたし、もうしばらくは平気だろ」
「んもう、それで文句言われたらどうするつもりよ」
「そもそも俺たちが必要な仕事は今年はもうないはずなんだよ。騎士団が動くような事態もないはずだし。この前、俺だけ休暇の時に、どんなモンスターでも半年はかかる距離の中に、俺やエスティが必要な奴はいなかったしな」
あえて言うならここにいる黒ドラゴンとか、海から出れないオーツェンカイザーくらいだろう。そいつらが来てもいいように、倉庫の中には武器も置いておいたことだし、あそこら辺使えば一般人でもドラゴンを殺せる代物だ。うちの騎士団のメンツが使えばそれの上位種でも殺せるだろう。
「あ、このあともう一か所よる予定があるんだよな」
「そうなの?なら、そっちの方に向かいましょうか」
「あぁ、それじゃあ行こうか。次の目的地は・・・」
~月光の森~
「グラスちゃん?うちに来るつもりはないかしら?娘として!」
そうエスティが話しかけているのは、グラスエレメント、そう、トトリのアトリエに登場する赤系統の色が多めのモンスターだ。実は割と友好的なモンスターで、寝床にしている月光花を奪われまいと仕方なく応戦しているんだとか。
『でも、月光花の寝床じゃないと私眠れなくて・・・』
「ちょっと面倒くさいがうちでも育てられるぞ?とはいっても、完全に同じとは言えないかもしれないが」
この男、錬金術で好き勝手にいろいろなものを製作しているので、その実験成果として月光花の育成にも一枚かんでるのだ。そのせいで、すでに家の死角には月光花が群生している。
『行かせてください!これ以上戦うのは嫌なんです!』
「わ、わかったから、少し落ち着け。それと、街中で攻撃を使用とか考えるなよ?」
当たり前のことだし、特に心配もしていないが、そう釘を刺しておく。そうすると、キョトンとした表情になった後、
『あたりまえじゃないですか!時々襲い掛かってくる変態さんたちみたいな人たちが相手ならまだしも、敵対してこない相手に攻撃なんて仕掛けませんよ!』
一体彼女に何があったのか、とても気になるところではあったが、おとなしく気にするのはやめた。たぶん詳しく聞いたら負けだと思ったからである。
『あ、もう一つお願いがあるのですが』
「ある程度のことなら聞けるけど、何かしら?」
『妹のジュエルエレメントと、姉のブラッドエレメントも一緒に連れて行ってもらってはダメでしょうか?』
まさかの関係に思わず驚いたが、エレメント同士なので、そういう方向性で繋がりがあってもおかしくないかと思い直す。
「別にかまわないぞ?どこにいるかは知らないから、そこまで案内してくれると助かるが」
一応転生する前にもゲーム内で戦った相手なのでどこにいるかは知ってはいるが、この世界ではあっていないので知らないことにする。
『少し時間がかかりますが、場所は知っているので案内できます』
「時間がかかるってどれくらい?」
エスティがそういうと、グラスエレメントは俺たちの背後にいる黒ドラゴンを見て、
『そこにいるドラゴンさんに乗せてもらって三ヶ月くらいですかね?』
と言ってくる。休暇終了があと五か月ほど、二か所を巡って二人を拾うのに約三か月、そこから帰るのに一か月かかるかかからないかの距離だろうから、まあちょうどいいくらいのタイミングで帰れるだろう。
「二か所まわってそれなら帰れるな」
「えぇ、それじゃあ行きましょうか!」
『グォォォ!』
俺とエスティの言葉に答えるように、黒ドラゴンが咆哮する。そんな黒ドラゴンにまたがり、三人はその場を後にするのだった。
この後無事ジュエルエレメントとブラッドエレメントも拾って自宅に帰宅した。ステルクさんが激怒していたのは言うまでもないだろう。
ス)先輩方、あんな置手紙残されて消えられても困るのですが?
シ)え?何か困るようなことあった?
ス)そういう問題ではないでしょう!まさか半年も返ってこないなんて思わなかったですし、モンスターを連れて帰ってきたことで国の上層部も大騒ぎになってるんですよ!?
エ)私たちの愛娘たちに文句があるなら自分で言いに来なさい!そんな考え叩き直してあげるから!
ス)えぇい!何でこんなに親ばかみたいな風になっているんだこの人たちは!
ちなみに帰ってくるまでの間に親ばかに進化・・・進化?していた。