アーランドに転生したのでエスティさんをヒロインにしたい 作:血濡れの人形
~アーランド王国 城内 受付~
子供は娘たちに任せ、仕事に復帰したエスティとともに書類仕事をしているシルドだよ。なんだか王様を埋めたりしたことで上層部に怒られたけれど、特に気にせずに今日も書類を片付けていく。俺の仕事は終わったので、エスティが担当していた受付の書類を半分受け取り、処理していく。
「なんか依頼の難易度、討伐のやつが異様に高くなってないか?」
「周辺の魔物なら騎士たちが処理できるから、そんな騎士たちが相手にできないような敵しか残ってないのよ」
なるほどなと思う。たしかにステルク以外の騎士たちも、一人で通常のドラゴンなら倒せるようになったし、周辺なら敵なしだろう。
「採取依頼が少ないのは、周辺が安全になったからか」
「そうなるわね。だからいまは、調合任務の方が多くなってるのよ」
確かに見てる限り、討伐、採取、調合で、1:1:8ぐらいの割合になっている。俺が調合、提出していいのは、今存在している依頼の中には存在していないようだ。
「俺が作れたら楽なんだがな」
「そんなことしたらヒーリングサルブでも捥げた腕が生えてきたじゃない。昔斬られた傷口に塗り付けたらそこから腕が生えてきたの、忘れたとは言わせないわよ」
「あー、そんなこともあったな。ていうか、ふつうありえないだろ。どこからあんな腕生やせるんだよ」
あの時は驚いたもんだよ。実験で作ったヒーリングサルブで腕が生えてくるんだもん。せいぜい傷がふさがる程度だと思っていたのに、そんなことになるのは想定外もいいところだったもんだ。
「代わりにとんでもなく腹が減ったうえに、今までたまっていたお腹の脂肪が綺麗に無くなったことに、みんな驚いていたけれどね」
もしかして、脂肪とか胃の中身が消費されて生えてきたとか?まさかねぇ・・・
「ちなみに彼、そのあと美人な彼女さん捕まえて結婚したらしいわよ?」
「すさまじいなあいつ。それであいつ一時期異様にやる気になってたのか」
ちなみにそれが、彼らの子供の生まれる一週間ほど前の話である。
「あの時はすごかったぞ?なにせ単独で黒ドラゴンを倒してたからな」
「それ聞いたわ。ぼろぼろだったけど、一回も膝つかなかったんでしょう?彼」
ちなみにあまりに接戦だったので、いつでも飛び入りできるように構えていたが、別にこんなことは言わなくてもよいだろう。
「すみません。この依頼を受けたいんですけど・・・」
そういって話しかけてきたのは、ロロナのアトリエの店主であるロロナ。その手には、大量の依頼が持たれていた。
「別にかまわないが、本当に全部受けるのか?そんなに大量に調合していたら、確実に期限切れの物が出てくるぞ?」
「あ、実際に受けるのは三個くらいで、あとはもうできているものなので大丈夫です」
「そう?なら、確認しちゃうから見せてもらってもいいかしら」
エスティはそういいながら依頼用紙を受け取ると、品質などをすべて確認していく。俺もそれを手伝いつつ、それでも三十分かかる量を何とか確認し終える。
「じゃああとは依頼の受注だな。ナントカの秘薬三つ、妙薬ドラッヘン三つ、エリキシル剤一つの納品だな。それと、さっきの終わらせた依頼の金額がこれだ。うっかりどこかに落とすなんてするなよ?」
そういって、俺はコールの入った袋を渡す。中身を確認したロロナは、
「言われなくてもわかってますよ!」
といって、受付を後にするのだった。
このあと帰ってのんびりした。