アーランドに転生したのでエスティさんをヒロインにしたい 作:血濡れの人形
~ローリンヒル~
『ぷぅにぃ~♪』
メルヴィアとの戦闘から少し立ち、ローリンヒルにキャンプに来た俺たちは、いや、正確に言うのなら娘のシエルは、ぷにの化身にすり寄られていた。しかも、潰さない様にうまくすり寄っている光景に、思わず俺とエスティは頬を引き攣らせ、レエラ達は目を輝かせ、クロは若干涙目になり、胃を痛めていた。簡単に言うならば、『また家に魔物が増えるのか』であろう。ついでに言うならば、『シエルにすら乗ってもらえなくなるのか』という悲しい気持ちなのだ。何せ主人二人は自分に乗るより走った方が速いし、シルドの妹であるミミに関してはうさぷにに乗り、そも大元が精霊種なレエラ達は空を飛べるから移動に困ることもない。時々気まぐれ程度で乗ってくれるが、メインで乗ってくれるのはあくまでもシエルだけなのだ。そんなシエルもまた、新しくぷにを仲間にしかけている。本格的に家の中で立場がなくなりかねないのだ。まあだからと言って、意見を言えるような立場でもないのだが。
「ぷにぷにきもちいい!・・・でも、のるならくろおにぃちゃんのほうが・・・ぷにぷにぃ・・・」
そんなクロの思いが通じたのか、シエルはぷにの化身とクロに乗ることの二つで悩み始めていた。しばらく悩んでいるうちに、ぷにの化身が姿を変え、足元をすくうようにシエルを自分の上に乗せる。
「ぷに・・・うぅ・・・」
その結果寝っころがる形で全身にぷにぷに感を感じ、そちらの方に流れていく、かと思いきや、それでもまだ悩み続けるシエルを見て、親二人はおとなしくテントの設置に取り掛かり始める。
「そんなに悩むくらいなら、地上を移動するときはそのぷにの化身に乗って、空を飛びたいときはクロに乗ればいいんじゃないかしら?」
グラスのその言葉に、シエルは目を輝かせると、コクコクと頷いた。どうやら話し合いは解決したようである。
「話し合いは終わったかしら?それじゃあ、ごはんの準備手伝ってね」
それを確認したエスティが、設営の終わったテントの横からそう声をかける。時間帯的には、少し遅めの昼食、という感じの時間である。
「うん!・・・あれ?おとうさんたちは?」
ちなみにレエラたちは『前回のリベンジだ(です)(よ)』といって近くに釣りに、シルドはそんな三人の監視をしに行った。今日の夕飯に魚が出るかどうかの分かれ目である。ちなみにエスティは手伝いがいなくなったため、少し遠い眼をしていた。それゆえ、これ以上手伝いを減らさないためにも、話さないことにしている。
「周辺に危険な魔物がいないか見に行ってるわ。すぐ帰ってくるから、気にしないようにしなさい」
そんなエスティの反応を見て、いない理由を理解したのだろう。クロも少しだけ目をそらし、こちらも遠い眼をするのだった。
ちなみに無事釣れませんでした。腹いせに近くにいた島魚を倒して、お土産にしました。
レ)また・・・また一匹も釣れませんでした・・・
シ)あきらめろ、そういうこともある
グ)そうですよ。きっと今回も運がなかっただけですって
あ、何かかいてほしいって意見があれば活動報告へお願いします