アーランドに転生したのでエスティさんをヒロインにしたい   作:血濡れの人形

40 / 41
フランシス・アルバートさんリクエストありがとうございます!ところで書いたは良いものの、姪と叔母って普通はどういうことしてるんですかね?気になるところがあったらメールなどくれるとうれしいです。


フィリーとシエル

~冒険者ギルド 受付~

 

「フィリーお姉ちゃん!」

そういって勢いよくカウンターを飛び越え、依頼管理所で書類の整理をしていたフィリーの背後から抱きつくシエルに、フィリーはバランスを崩しそうになりながらも、書類を置いてから彼女を降ろす。

「シエルちゃん?今は仕事中なんだから、抱きついてきたらメッ!だよ?」

そういってシエルの鼻先に指を当てながら微笑む彼女。原作をプレイしたあなたなら思うだろう。誰だこいつ、と。

「はーい!」

元気よく両手を振り上げながら笑顔を浮かべるシエルに向かって、フィリーが話しかける。

「それで、今日はどうしたのかな?たしかお姉ちゃんたちは、『今日は庭で昼寝するぞ~!』って言ってたから、探せばすぐ見つかると思うんだけど」

「ううん!今日はフィリーお姉ちゃんに用があってきたの!」

そういってくるシエルに、フィリーは首をかしげる。現在一応仕事中なフィリーとしては、そろそろ仕事に戻らないと、横で驚愕のあまり固まっている先輩が再起動してしまうので、できれば早めに用件を済ませてほしいものであるので、とりあえず要件を話すように促す。

「それで、私に用事って何?緊急じゃないなら、あとこの書類片づけたら他の人と交代だから、そのあとでいいかな?」

そういいながら、先ほど置いた書類に目を向ける。そこには、十枚ほどの書類が置かれていた。

「わかった!じゃあ、すぐそこで待ってるね!」

シエルは大きくうなずきながらそういうと、再びカウンターを飛び越えてフィリーの立っている近くにある柱近くの椅子に座る。と、そこでクーデリアが動き始めた。

「あんた、姪にお姉ちゃんって呼ばれてるの?」

ここで、読者の皆様も少し気になっていたであろうことをクーデリアが尋ねる。それを聞いて、書類を書く手を止め、クーデリアにむけて叫ぶように言い放つ(ように見えるだけで実際はそこまで大きな声ではない)。

「だって!あんなかわいい子に叔母さんって呼ばれるんですよ!?しかもいい笑顔で!言われて思わず膝ついて四つん這いになっちゃったからか、お姉ちゃんからどこか憐れむような視線向けられたんですよ!?」

わりとどうでもいい理由だった。いやまあ、美幼女から笑顔でそんな風に言われたら、心が折れる人もいるかもしれないが。実際、クーデリアはどこか呆れた様子である。

「まあいいわ。とりあえず、その書類は私が片づけておくから、あの子の要件でも聞きに行ってあげなさい。その書類、本来書くべき奴のところに叩き付けに行くから」

そういって、クーデリアは横から書類を回収する。ちなみにだが、その書類を本来書くべき奴ことタントリス・・・トリスタンは、こっそりフィリーの机に書類を数枚紛れ込ませ、自身の仕事を早々に終え、現在は逃亡中である。まるでどこぞの国王みたいなことをしているが、それを知ったシルドによってGPSのようなものが体に(見えないように)埋め込まれていることを彼は知らない。そして、その反応をキャッチし、地図に映し出すアイテムを持っているのが、クーデリアであった。結論からいうなれば、彼は十分後につかまり、椅子に足首、膝、腰を縛りつけられ、上半身には20Kgのおもりが取り付けられた状態で、しばらく囚人並みの扱いを受けていたが、それはどうでもよいことだろう。

閑話休題(とりあえず話をもどそう)

そんなクーデリアを唖然としたような表情で見ながらも、とりあえず先輩が言うなら平気だろうと自身を納得させたフィリーは、更衣室で服を着替えた後、自分を待っているであろうシエルがいる場所に向けて歩き出す。

「ごめんなさい、少し待たせちゃったかな?」

「ううん!全然大丈夫!」

ニコニコしながらそういうシエルに、フィリーは思わず笑みを浮かべる。

「それで、今日は一体どうしたの?てっきりお姉ちゃんたちと一緒にお昼寝するのかと思ってたんだけど」

「えっとね、本当は私が友達と遊ぶ予定だったからお父さんたちは庭でお昼寝するって話だったの!だけど、お友達が急にお出かけする用事ができちゃったみたいで、遊んだ時に食べる予定だったお菓子とかが全部余っちゃって、せっかくだからおうちでお茶会することになったの!それで、フィリーお姉ちゃんも呼ぼうってことで私が来たの!」

そういって、シエルはフィリーの手を引っ張りながら、帰路を急ぐのだった。




え?お茶会の様子?さすがにかける気がしないのでカットですかねぇ・・・

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。