アーランドに転生したのでエスティさんをヒロインにしたい 作:血濡れの人形
~アーランド王国 ロロナのアトリエ~
「というわけで俺もついて言っていいですか?」
「何がというわけなんですか!?」
エスティが次の探索についていくと聞き、思わずここにきてこんな話を始めてしまった。突然すぎて話についていけなかったらしい。
「エスティが君と一緒に探索に行くと聞いてついな。はっきり言って、一週間以上エスティがいなかったら死ぬ自身が俺にはある」
まえに二日ほどいなくなってからは、帰ってきたエスティや周辺にいた騎士仲間、大臣、果てにはあの国王まで心配する程度に衰弱していた。そのことから考えても、一週間もエスティがいなければ、俺はしおれ果てて死ぬだろう。
「うぇ!?そこまでですか!?」
「その通りだろうな」
突然現れるアストリッドがそういう。こいつもその時の俺のことを知っている一人だ。あのときのアストリッドの反応は思い返せば楽しいが、それ以上につらくなるので思い出さないことにしている。
「師匠!?なんでここに!?」
「それはまぁ、もともとここは私のアトリエで、今は弟子のアトリエだ。まぁそんなことはどうでもいい。いいかロロナ、絶対にエスティ嬢を連れ出すときはこいつを、こいつを連れ出すときはエスティ嬢を連れて行くようにしろ。出なければ、最悪アーランドが滅びかねん」
なかなかに失礼なことを言うものだ。別に滅ぼすなんてことはしない。ひっそりと人目につかないところで息絶えるだけだ。
「そこまで大事になるんですか!?というか、いったいこの人って何者なんですか!?」
そこまで言われて思い出す。そういえば俺自己紹介してないや、と。
「あぁ、すまない。俺はシルド・フォン・シュヴァルツラング。この国の騎士団長をしている。ついでに、君が時々連れて行っているステルクの師匠だ」
そこまで言ったあたりで、ロロナが固まってしまう。嫌な予感がした俺は、一度耳をふさぐことにした。直後、
「え、えぇぇぇ~!」
という声が、街に響き渡った。
~数分後~
「落ち着いたかな?」
「はい、すみません。突然叫んじゃって」
取り乱していた彼女がそう答えたあたりで、ようやく落ち着いたのだとほっとする。
「まぁ、それほど取り乱すようなことでもあるまい。ほんの少しだけ剣が強くて、書類仕事が得意なだけだ」
「冗談だろう?それと、貴様はまだいってないこともあるだろう?なぁ、兄弟子殿」
「変なことを言うな妹弟子が。お前には錬金術で勝てない以上、これ以上錬金術をやる予定などないさ」
「よくもまぁぬけぬけと。賢者の石を独学で作るやつが言うようなことだとは到底思えんな」
またショートしてしまった様子のロロナは、言い合いをしているシルドとアストリッドをぼんやりと眺めるのだった。
というわけでエスティが参加するときだけ特別参戦するようになったシルド(レベル50+特殊装備 (エスティ)雇用金額一万)、この世界ではロロナ含め六人パーティーで活動してまいります。