side???
俺はいつも1人だった。生まれ持っての白髪に紅い眼、金髪碧眼の両親から生まれた普通じゃない俺は幼いうちに教会に捨てられた。
ん?悲しかったかって?いんや別に。
何?次は両親に何か思うことはあるか?だと?
特にないかな。まあ、生まれたばかりで捨てなかったことだけは両親に感謝してるよ。
教会に拾われてからは聖書の神や燐天使(セラフ)を崇拝し崇めよと最初に教えられた。そこでの生活はまぁ、窮屈だったけど飢えることはなかったから満足してたかな。
聖書を読み覚える為文字を教えて貰えたし、見かけだけ神やセラフに祈りを捧げていれば衣食住も普通に成長できるまでは貰えた。
物心つく頃にはあることが追加された。悪魔祓い(エクソシスト)としての戦闘訓練に勉強だ。
まず、この世には神も天使も存在する。更に、堕天使や悪魔などの化け物も存在し、それを神と天使のために倒すために戦う術を学ぶそうだ。しかし、俺は別に神やセラフなんて信仰していたわけじゃないし、本当に存在すると知ってもそれは変わらない。それでも形だけ祈っていれば今までバレていなかったから平気だと思っていた。
戦闘訓練を始める前に俺や参加する子供全員に柄だけの剣と白い装飾をされた銃が配られた。本物の悪魔祓いの武器らしい。
そして、俺は教えてくれる神父の言葉を聞いて冷や汗を流した。この武器は天使様の光の力を加護として貸していただくことで使用できるものだ。その強さは信仰の大きさによって決まる。信仰のないものには使えないと。
ヤバイ!俺は震える手でその武器を握り震えていた。俺には信仰がない。つまりこの武器は使えない。使えなければまた捨てられのたれ死んじまう!
順番に武器を起動させてそれを見る神父。そしてついに俺の番になってしまった。もう、ダメだと諦めながら剣を握りしめて力を込めると、ホゥと神父が感心する声が聞こえた。俺は自分が握っている剣の刀身を見た。そこには他の子より白く輝き力強い波動を感じる光の剣があった。そんな俺を神父は「これからも励みなさい」と言って次に行ってしまった。俺が神やセラフに違和感を持った瞬間だった。
戦闘訓練が始まり2年が経った。俺は他の子より才能があるらしく負け知らずだった。たまたま、訓練に教官として参加していた本職の悪魔祓いの大人と模擬戦をやった時も僅差だが確かに勝利を掴むことができた。
協会の本部から使者が来た。俺をとある実験に参加させるために迎えに来たらしい。プロジェクトの名はI・K・U・S・Aと言うらしい。内容は神が作り出した神器(セイクリッドギア)を人為的に再現しようというものだった。このイクサは扱うのに素質がいるらしく戦闘力の高い者をを集めて試しているらしい。俺は拒否権がないらしく別の教会に連れていかれた。
そこの教会には俺を含めて5人の適正者が集まった。全員、俺より年上で本職の悪魔祓いだった。全員1回装着させてもらったが俺の前にやった4人はイクサの鎧は纏うことができたがまともに動くことができずに数歩歩いただけでイクサが解除されてしまった。武器やリミットを外すシステムすら発動出来ずにだ。研究者らしい神父たちは俺がやる前に失望でテンションがだだ下がりしていた。
しかし、俺がイクサを纏って動いた瞬間、テンションが気持ち悪いぐらい上がった。俺は数歩歩くどころか実験室を全力で走っても解除されず、更に武器であるイクサカリバーも展開できたのだ。これにより俺は正式にイクサの担い手になった。
1ヶ月がたち俺はイクサのリミットを外すシステムを使うことができないでいた。研究者らしい神父たちは戦闘経験が足りないのだろうと考えこれから下級悪魔を狩に行くことになった。もちろん研究者や悪魔祓いの護衛付きで。
下級悪魔のいる森に着き、様子を見てくると言って護衛の悪魔祓いが1人様子を見に行った。5分ほど経つと先ほどの悪魔祓いの悲鳴が森に響いた。戦闘態勢をとる俺たち。ドス!ドス!とデカイ何かが歩いてくるのがわかる。そいつは体長2メートルを超える肉達磨みたいな悪魔だった。そこからは早かった。護衛は悪魔に斬りかかるがそのデカイ体型から放たれる強烈な一撃を受け、研究者は逃げようと背を向けたところを狙われ一撃を喰らい俺以外全員物言わぬ肉片に変わった。俺はこんなところで死ぬ訳にはいかないとイクサを起動させて鎧を纏った。そして、俺の中で何かが弾け、イクサが周りを吹き飛ばすほどの衝撃を発生させた。そこから先は覚えていない。気付いた時にはイクサは解除され目の前にはさっきの悪魔が真っ二つに切り裂かれ倒れていた。
後日、俺が倒したのは上級はぐれ悪魔でありイクサのバーストモードを発動させて倒したらしい。俺は、それから正式に悪魔祓いに任命され毎日協会の敵を狩り続けた。初めて目の前で起きた他人の死に毎日の様に戦う生活に俺はあの頃は疲れていたんだと思う。協会の上層部は疲れていても任務を成功させる俺を特に気にはしなかった。そんな時だ。太陽の様な笑顔の君に初めて会ったのは。
君は、俺の傷を癒し疲れた様子の俺の話を聞いて泣いていいんですよと慰めて抱き締めてくれたよね。俺はその時初めて泣いたんだよ。そして、独りぼっちだった俺の初めての友達になってくれたね。俺はそんな君が愛しくて心の底から欲しくて仕方がなかった。だけど、それでは君は幸せにはなれないよね。だから我慢したよ。そして、誓った。優しい君は俺が守る。君を幸せにすることができる人が現れるまでずっと。その日から俺は君の元に出来るだけ通い詰めた。君と話しているだけで幸せだった。しかし、そんな幸せもすぐに終わった。君が、協会から追放されたと聞いた瞬間。
side???end
sideアーシア
廃教会の地下の部屋の十字架に身体を貼り付けられた私。もうすぐ、私を前から見上げる堕天使レイナーレ様に私の神器を取り出されて死んでしまう。最後に思うのは日本に来たばかりの私に優しくしてくれて私を守ろうと傷ついたイッセーさん。そして、協会でできた最初の友達。ドジな私を助けてくれた寂しがりやなあの人。もうすぐ死ぬとわかると急にその2人に会いたくなってしまい。死にたくない!生きていたい!と涙が出てくる。
「さぁ!アーシア。術式は完成した!これで貴方の力は私のものとなり私はアザゼル様に愛される!有難いと思いなさい!」
私を貼り付けにしている十字架の周りの魔法陣の光が強くなる。死にたくないという思いが更に強くなり、いつも助けてくれた彼を呼んでしまう。
「最後に会いたかったです。フリードさん。」
私の目から涙が一滴流れ落ち教会の地面に落ちた。そんな時、
「最後になんてさせない。アーシア、君を守ると俺は誓ったのだから。」
ドン!ドン!ドン!と私を十字架に固定していた拘束を砕き、更に魔法陣を抉り壊す音がした。拘束が解かれたことで重力に従い落ちる私。地面に落ちる瞬間わたしを誰かが抱きとめた。顔を見ると涙が溢れた。白い髪に紅い目のここにいるはずのないさ彼がそこにいたのだから。
「今回は俺っち間に合った様で良かったよー。じゃあ、アーシアちゃん、ちょっとそこに座って休んでてちょ?」
私を笑わせるために一時期やっていたふざけた口調で話すフリードさんは私を十字架の後ろに隠す様にして下ろすとレイナーレ様に向かって歩きだし、思い出したかの様に顔だけ私の方に振り向かせて、
「直ぐにあのゴミ片付けて来るから、いい子にしてろよ?」
真面目な時や真剣な時に出す本来の彼の口調で話しかけられる。なぜか安心してしまいそこで私の意識は緩やかに無くなった。
sideアーシアend
sideフリード
アーシアはどうやら寝たようだ。まぁ、長時間十字架に吊るされたなら疲れもするか。
「貴様!私の邪魔をしてタダで済むと思ってるの!殺してやる!お前たちやれ!」
ゴミの言葉に従いはぐれ悪魔祓いが俺に向かって来る。だが、数だけのゴミだ。さあ、早く掃除してしまおう。
ベルトを取り出して腰に巻く、そしてイクサナックルを手のひらに押すようにして起動させる。
《レ・ディ・ー》
「そのベルトにナックル。そして白髪に紅い目、まさか!貴様、イク」
「ゴミが黙れよ。俺は今イラついてんだからよぉ!」
俺は殺気をゴミに向かって発する。
「ヒィッ!お、お前たち早くやりなさい!」
向かって来る神父供を見ながら、イクサナックルをベルトに装着させた。
「変身。」
《フィ・ス・ト・オ・ン》
俺の前に半透明な鎧が現れ俺と重なる瞬間具現化し、装着される。その瞬間神父供が銃を発泡し、弾丸が向かってくる。俺は、躱さずその身に銃弾を受ける。周りの地面にも当たり土煙が舞い上がる。鬱陶しい。
「は、は、はっは!何がイクサよ!死んだじゃない!虚仮威しだったじゃない!はっはー!」
ゴミが五月蝿い。イクサカリバーを出してガンモードにして、発泡しながら右からひだりに動かす。ダダダダダダダダダダッ!と光の力が込められた銃弾が雨の様に発射される。銃弾の先にいた神父の「ガッ!?」「グッ!?」といった声が聞こえた。土煙が晴れると身体中に穴を開け血だらけに生き絶えた神父たちに、羽が片方千切れ飛びもう片方にも銃弾を受けて血だらけにしたゴミが壁に寄りかかっていた。どうやら自分の翼を盾にして生き延びたらしい。この銃撃も躱せないようなら本当にゴミらしい。そんなゴミに歩いて近づいていく。
「待って!いや、待って下さい!私の身体を好きにしていいから命は助けて!お願い!お願いします!」
土下座しながら命乞いをしてきたゴミ。なんとも醜い。
「ゴミに慈悲などない。その命、虚無へと還れ!」
イクサナックルをベルトの方に押し込み取り出す。イクサナックルは白い電気を纏いバチ!バチ!と放電している。
《イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ》
イクサナックルでゴミに殴りかかり、ゴミに命中し、ゴミの身体に5億ボルトの電流が流れ込み吹き飛ばされながら壁に衝突し、壁を貫通して吹き飛んだ。
イクサナックルをベルトに戻しアーシアの元に向かおうとすると、この部屋に入る為の階段を下ってくる音がする。警戒を解かず奴が入ってくるのを待っていると、バン!と扉が開かれ、
「アーシア!」
と彼女の名を叫びながら茶髪の少年が入って来た。
「あれ!神父全員死んでる!?レイナーレもいない!お前は誰だよ!アーシアをだせ!」
五月蝿いやつだ。
「アーシアは無事だ。そこの神父とゴミ、ではわからんか。堕天使の女は俺が殺した。俺はフリード・セルゼン。アーシアの最初の友達だ。俺が答えたんだから貴様も答えろ。貴様はなんだ?」
「俺は、兵藤一誠!アーシアの友達だ!」
「悪魔がアーシアの友達だと?」
「なんだよ文句あっか!?」
「すまない、アーシアの友達なら大丈夫だよな。警戒してすまん。アーシアを連れて早くここから出よう。早く君の主人に会わせてくれ。」
アーシアのいる所に足早に向かいアーシアを抱き上げると彼と共に階段を登った。最中、彼が
「なぁ、簡単に俺を信用していいのかよ?」
「ん?アーシアの友達なら大丈夫だろ。彼女はドジなところがあって可愛いが芯はしっかりしていて悪意を持っている人が他人以上の関係になろうとしたら本能的にわかるという才能を持っている彼女が友達になったなら大丈夫さ。それより俺のことはフリードと呼んでくれ。」
「そうなんだ、スゲェなアーシア。よろしくフリード。俺のことはみんなイッセーって呼んでるからそう呼んでくれ。」
「わかった、イッセー。」
そう話している間に階段を登り終えると、赤い髪の少女を中心に黒い髪のこと白い髪の子に金髪の男が出迎えてくれた。赤い髪の少女が
「お帰りなさいイッセー。それでイクサが私の領土になんの用かしら?」
「それよりもアーシアを休ませられる場所に案内してくれないか?此処じゃ休みのにも話すのにも向いてないからな。」
「わかったわ。私たちの拠点に案内するわ?イッセー、子猫、祐二案内してあげて、私たちは先に戻って準備しておくから。」
「「「わかりました部長。」」」
まだ夜は明けない。だけど、聖女の未来は確かに変わった。この変化で物語がどう変わるかはまだわからない。
これは、外道に落ちなかった神父が聖女を幸せにしようと頑張る話。さぁ、フリード君の初恋は叶うのだろうか?