しばらく別の流れの話を書きます。
とは言え物語も終盤に差し掛かって、もう大変です。
それではどうぞ。
兄さん。クリスマスの季節になりました。何だかんだ正月はみんな越せそうです。ですが、やはり友奈さんのタタリは相等ひどいと考えられます。
守護者組が大赦を使って友奈さんの体の状態を調べようと思って勇者部の人たちに感付かれないよう勇者部全員を外部へ出たから健康診断ということにしたのですが、風先輩が診断前に交通事故で車に跳ねられました。
間違えなくタタリによるものです。おそらく友奈さんのタタリは呪詛となって友奈さんが話したりした相手に対して付与されるものなんです。しかも、呪詛を付与された人は見えない紋章を刻まれ消えることはありません。
しかも、友奈さんに干渉すればさらに悪化します。友奈さんへ状況を説明するため、神樹館時代のもと担任にして巫女の安芸さんと瑠奈さんで行ってもらうことにしました。
僕はいったい・・・いったい、どうすればいいんでしょう。
勇者部の皆さんにタタリのことを迂闊には説明できないし・・・いったいどうすれば・・・
そして、兄さんは怒るかもしれません。多分兄さんの忠告を破ります。これも、人類を
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~一月七日~
「は~やっと退院できたわ~!シャバの空気が美味しい~!」
ようやく退院した風と勇者部のメンバーで初詣だ。守護者組も仕事ばかりでかなり疲弊してたのでいい息抜きなんだそう。
「年越して、新年を迎えてしまったわ。」
「なによ、めでたいことでしょ?」
と、夏凜が言うと
「良い女が一つ歳をとるのよ。三月で卒業だし・・・」
どこか少し淋しそうな風だった。すると
「もう一年居てくださってもいいんですよ?」
と美森が満面の笑みを向けてくるので
「それはちょっと・・・」
と否定したのであった。
すると、園子が
「あっま酒♪飲みたいなっ♪」
と言ってきた。すると風は
「おぉいいねえ!一杯引っかけていきますか!!」
とどこでそんな言葉覚えた、という表現でかえした。
ボーッとしていた守護者組も甘酒をありがたく頂戴することにした。
「「ぷはぁ~」」
犬吠埼姉妹が真っ先に飲むと心なしか本当に酔っているような気がした。
「なんか、ノンアルコールなのに場酔いしてない?」
と夏凜が指摘した。
すると、
「あはは!酔ってない~!!」
と樹が姉の風の背中をバシッバシッと叩きながら言った。
蓮は園子に
「やりましたね?」
ときくと
「なんのこと~?」
とわざとらしく返した。
「ところで、最近みのさんよか守護者組みんな元気がないね~。」
「新年の守護者は結構大変なんですよ。伝統的な儀式とか、やる準備をしなくちゃで・・・」
「はぇ~」
そんな守護者組二人ではこんな会話がされていた。
「瑠奈。ひっさしぶりの休暇だぞ~。」
「そうだね。甘酒も美味しいわ~」
とのんびり会話だった。
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~大赦本部~
守護者達に休みはない。会議なんかにも出席しなければならない。
「というわけで、しばらくは反攻計画を中断。神樹様の寿命のことを考えてください。」
と、いうふうに蓮と栄華は会議へ、
「鏑矢に任務を与えます。作戦は追って通達するので所定の位置について下さい。」
「失敗するんじゃないぞ。」
と、瑠奈と銀は鏑矢への指示に徹していた。
こうやって守護者達の休日はつぶれていくのだった。
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~いつの日の勇者部~
時刻はもう日が沈むというとき。
友奈は一人外を眺めていた。すると、夏凜がタバコ感覚で煮干しを差し出して、
「友奈、話いいかしら?」
「なに?夏凜ちゃん。」
と外に連れ出した。
「友奈、年末辺りからおかしいわよ。絶対なにかあったでしょ。」
友奈は海を見つめていた。
「私が力になる。話、聞かせてくれない?」
すると、友奈はいつも通りの感じで
「なんともないよー。」
と返した。だが、夏凜だってなにかに気づいていないわけではない。
「どんな悩みだろうと、私は受け止めるから!友奈のことなんだから!!」
しっかり友奈の目を見て、
「力になるわ。私は友奈の為に何だってしてあげたい!そう思える友達を持てたことが私は嬉しいの。」
再びしっかり見て
「友奈、なにがあったの?」
と聞いた。
友奈は言いたい。だが下手に言えば、風の時と同じことになると考えた。故に言えない。言えるはずもない。そう、友奈は勇者の鑑だからだ。
「ほんとうになんでもないんだ・・・」
「そう・・・」
夏凜は友奈の肩をもってかがみこんだ。
「悩んだら・・・悩んだら相談じゃなかったの?」
顔をあげるとその人みには涙がこぼれおちそうだった。
「私・・・友達の力になりたかった。」
そう言って走っていってしまった。
「夏凜ちゃん、待って!夏凜ちゃん!」
その叫びが夏凜に届くことはなかった。
「ごめんね・・・」
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~美森の家~
美森は友奈の様子に異変を感じていた。
「私たちに言えないなにかが起きているにちがいない!」
そういうと、変身してできるだけ音をたてないように友奈の部屋に近づいた。
精霊の力を使って友奈の部屋に不法侵入とも言えるレベルで入った。
勇者御記を見つけ、それをしっかり拝借していった。
美森の家で守護者を除いた勇者部員が集った。
「これを友奈が書いたってことか・・・」
風は机におかれた勇者御記を見ていった。
「最近、友奈ちゃんの様子がおかしかった、その原因が書かれてると思うんです。」
友奈の勇者御記を拝借もとい盗んできた本人である美森だ。
「私もゆーゆが心配になって調べてみたんよ。それに守護者組があまり学校にすら来ないのも気になって。最近実は大赦に行ってたんだ。」
と、大赦の中では守護者の次に位が高い乃木家の娘、園子はかなり早い段階から調べていたみたいだ。
「結論を先に言うとね、ゆーゆの様子がおかしいのはね、ゆーゆが天の神の祟りに苦しめられているからなんだ。」
園子は御記を見た。
「大赦の調べで、この祟りはゆーゆ自身が話したり書いたりすると伝染する…それがわかったの。だからこの日記は非常に危険なものなんだ・・・。それでもみんな、見る?」
園子は確認した。だが皆の答えは決まっている。
「見るわ、友奈ちゃんが心配だもの!」
「じゃあ読んでみよう、ゆーゆの御記を!」
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蓮は美森達が友奈の勇者御記を閲覧しているのはわかっていた。先に友奈の御記がどこにあるのかわかるようにしておいた為だ。
「ついに・・・、秘密を知ってしまったんですね。であれば、僕は-」
蓮は夜に浮かぶ月を見た。
すると、
「れーんさん?」
と少年の声がした。ギルだった。
「ギルくんか。どうしたの?」
「止めなくていいんですか?」
「今更だよ。あと、いざとなったら頼りにしてるからね、
ギルは笑みを浮かべてええ、と頷いた。
「ですが・・・、倒せませんよ?
「いや、それなら宛てがあるんだ。兄さんがかつて冥界の危機を救った時にね?」
「なるほど。
蓮は夜の修練を始めたのだった。
というわけでしばらく凛空の冥界探索を題材とした章を書きます。
二期はなんか色々凄かったですねぇ。
しかし、ここからは完全オリジナルとなるので非常に時間がかかると思われます。どうかご了承を。
ここまで読んでくれた方には感謝を。
ではまた。