日輪凛空は勇者である〜太陽の子〜   作:シン・ナス

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高速、いや!光速投稿っ!!!

というわけでどうぞ!


二話 選ぶべき道

 最終決戦前夜

 

 月が綺麗な夜。蓮はベランダから空を見上げた。

「ガウェイン。」

 蓮は呼びかけた。

「は。」

 ガウェインは甲冑を脱いで寛いだ姿で蓮のとなりに座った。

「ぼくの選択は正しいのかな。」

 純粋かつ単純だが、意味によっては重い質問だった。

「よくさ、自分のなすべきと思った事を、っていうじゃない?」

 蓮はたずねた。

「あれは正しいのかな。」

 ガウェインは顔を曇らした。

「生前の話し、ですが・・・」

 ガウェインは懐かしそうに空を見上げながら話し始めた。

「我が下の兄弟たちはみな、ランスロット卿に殺されてしまって、それで怒りを隠せなかった。それで、私はランスロット卿の和議を断固拒否し、戦闘に明け暮れ、モードレッド卿の反逆を許してしまった。」

 後悔が混じった声で言った。

「私はその後反省しランスロット卿に援護要請の手紙を送りました。しかし、私怨のせいで王の失脚を招き、ブリテンの滅亡を導いてしまったのです。」

 ガウェインは一つため息をついた。

「王には常に忠実であろうとしましたが、やはり私は強情でした。それによる失敗も少なくはありませんでした。ですが・・・」

 ガウェインは蓮の眼をみてはっきり言った。

「後悔は残りましたが、最後まで()()()()()の選択はできたかと。」

 蓮はガウェインのその言葉を聞いて少し納得した。

「たしかに、自分の選択が他人の命を動かすと考えたら、普通は自分を抑えるのが正しいけど・・・」

 蓮は少し笑ってこう続けた。

「それができてしまえば、人ではないね。そんなことができるのは一握りだけ。思考と行動を別に行える人だけなんだ、ってことだよね?」

 ガウェインは蓮の前にひざまづいて

「主よ、指示を。」

 蓮は笑った。

「ぼくは主人じゃない。ガウェインの相棒になりたい。だから、ぼくと同じ目線でいてほしい。」

 ガウェインはその言葉を聞いて驚いた。

「私が蓮の相棒に?」

「うん。明日には決着がつくと思う。だから最後の最後まで、一緒に抗ってほしい。」

 ガウェインの驚きの表情はまだ続いている。

「・・・ダメ、かな?」

 ガウェインは立ち上がり表情を柔らかくした。

「いえ。共に抗いましょう、運命に。」

 2人は手を重ね合わせ、決戦に向け最終同調に入った。

 

 

 〜大橋外壁付近〜

 すでに樹海化しているが、外壁の炎の侵攻速度のせいで樹海が焼けただれてきている。そんな中、美森は単身勇者たちに送り出され友奈がいる神樹に向かっていた。

「あと・・・もう少し・・・」

 その時だった。突如、赤い花弁が舞い、斬撃が飛んできた。

「いくら須美だからって、通すわけにわいかない。」

 三ノ輪銀だった。

「なぜ・・・」

 美森はたじろいだ。本来ならバーテックス退治に向かっているはずだ。

防衛装置(ディンギル)があるからな。あたしはこちらに回れるってわけだ。」

 かつて、ギルガメッシュが現界時に配置した防衛装置(ディンギル)が稼働しているのでまだ戦線には余裕があるらしい。

「なぜ邪魔するの・・・」

 当然の質問だった。だが、銀は

「あたしが命張って護ろうとしたモノをまた護るため。それ以外の理由なんて、あるはずがないッ!」

 そう咆えると銀は『原初の火(アエストゥス・エストゥス)』を構え飛んできた。咄嗟に回避行動をする美森だったが猛攻は続いた。

(遠距離戦に持ち込みたいけど・・・)

 かつての銀では考えられない速度だ。

(あの時の銀より速いなんて・・・)

「あの時より速い、と思ってるだろ須美!?」

 銀には全てお見通しだ。

「そりゃもちろん生身の身体じゃないっていうのはあるけど、身につけてるものが全然違うからなッ!」

 銀の心は決まっているかのように見える。だが、美森はひとつ、ささやかな望みに賭けて銀に呼びかけた。

「ほんとにそれが銀のしたいことなの!?」

 銀の手が一瞬緩む。

(そうだぞ奏者よ!)

「ネロまで!?」

(銀!そなたは苦しんでおる!もっと素直になるがよい!人間のことなど、どうでもよいではないか!?)

「あたしはあの時怖いと思いながら!その感情を殺してそれよりも大事だった須美と園子を守りたいって気持ちで・・・」

 銀は思考が停止した。世界を守ったという事実の動機がズレたところにあったからだ。美森は銀に歩み寄った。

「私たちを守りたいって気持ちで世界を護ったという事実ができて、その動機がいつのまにか変わってしまっている?」

 すると銀の目の色が緑色に変化した。

「その通りだ。元の動機など人は忘れてしまうものだからな。」

 ネロが話しているようだ。

「行け!友を救いだし、悔いのない選択をせよ!」

 (ネロ)はそのまま飛び去ってしまった。

「有難う。遥か遠くの異国の薔薇の皇帝。」

 聞こえることない礼を言い残し、神樹の元へ向かった。

 

 〜外壁上〜

「ガウェイン!」

 炎以外のものが外壁をダムとして溜まり込んでいる。

(蓮!アレに近づいてはいけない!)

 蓮は忠告を受け即座に外壁に退避した。

(あれは生命の海(ケイオスタイド)。呑み込まれたら細胞強制(アミノギアス)されて、黒化反転してしまいます!そしてその権能を使用できるのは・・・)

 蓮は悟った。今から敵にするものが何なのかを。

「全ての母。ティアマトってことか!」

 

 〜樹海内〜

「ふーみん先輩。想像以上に星屑の数が少ないですね。」

 園子が風に言った。

「そうねぇ・・・」

 と考えると、突然声が聞こえた。

「ボクの『防衛装置(ディンギル)』が外壁上で働いてますからね。」

「ギルくん!?」

 樹が驚いたようにギルの名前を呼んだ。

「ちなみに今は最大稼働じゃないのでちらほら入り込んでますけど。それはおいといて・・・」

 ギルは外壁付近を指さして叫んだ。

「そろそろ出てきたらいいんじゃないですか?キングゥ!」

 すると、信じられない速度でなにかが飛んできた。

「おっとー・・・」

 と余裕そうにヒョイっと大幅な距離をジャンプで回避するギル。

「チッ外したか・・・」

 キングゥは舌打ちしてギルを見た。

「随分と情けない姿だな、()()()()()()()。」

 するとギルはフッと笑って手を頭に添えた。

「まぁ、そろそろ頃合ですし。皆さんにはボクの本当の姿を見せてあげますよ!」

 ギルは金色の輝きの中に消えた。代わりに出てきたのは大人の姿となったギルだった。

(オレ)の真の姿をとくその目に刻むが良い、雑種どもッ!」

 夏凜は驚いて

「態度もデカくなった!?」

 とツッコんだ。

「この(オレ)とまたやるか?どうせまた引き分ける。」

 ギルガメッシュはキングゥを目の前にして挑発した。

「ギルガメッシュの癖に・・・賢王ズラするなぁッ!」

 キングゥは地面に手を添えると、忽ち鎖へと変化しギルガメッシュを襲った。ギルガメッシュは斧の形をした魔杖を取り出し、魔導石本を開き、宝具を射出して応戦した。

「キングゥ!これで本気ではあるまい!?(オレ)か?そんなもの、出せるわけなかろう!」

 園子は口を開いてまさかと外壁上を見た。

「何かなと思ってたけど・・・」

 ギルガメッシュは鎖を捌きながら叫んだ。

「全て、(オレ)弩弓(ディンギル)だっ!今は最大稼働状態ゆえ、本気は出せぬがな!」

 キングゥは噛み締めた。

「星屑が予想以上に少ないのもそのためかッ!」

 ギルガメッシュは回避しつつ攻撃を繰り出す。

「そこの雑種ども!貴様らも勇者と名乗るのであれば、それなりの仕事をしてこい!外壁のデカブツの処理とか、なっ!」

 風はそれを聞いて

「行くわよっ!」

 と呼びかけ飛んでいこうとした。一番最後に飛んで行こうとした園子に向かってギルガメッシュは

「そこの頭の出来がいい雑種!()()()()には触れるなよ!」

 と叫んだ。園子はコクリと頷き飛んで行った。

「あの子たちに任せるのかい?母さんを!」

 キングゥは問いかけた。

「ハッ!貴様は知らんと思うが助っ人は既に読んであってな!」

 キングゥ自身も輝き始めた。

「母さんはお怒りだ。滅びの潮騒を聞け。『母よ、始まりの叫をあげよ(ナンム・ドゥルアンキ)』!」

 その身体は鎖へと変化しギルガメッシュを襲った。

(オレ)に人理修復時の戦闘の記憶は無いが、どう見ても貴様、エルキドゥよな。」

 クレーターのような地面のくぼみはギルガメッシュの真横に出来た。キングゥは苦しむように飛び上がり離脱した。

「ヤツめ。聖杯を心臓として使ってるな?」

 ギルガメッシュには全て見えていた。

 

 〜その頃〜

 

 瑠奈は輝く塔の前に立っていた。

「瑠奈。使うのですか?最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)を。」

「多分使う。神が相手なら、それ相応のものを使う。でなきゃ勝てないから・・・」

 瑠奈の決意は固まっている。あとは塔より端末()が降り立つのを待つのみであった。




今回も7話構成で行きたいと思ってます。
え?どうやって7話も書くんだ、って?

書くんだよ。何がなんでも!
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