ではどうぞ・・・
神樹結界外時間8時50分
風たちは外壁にやってきた。確かに機械らしきものの先端から無数の光弾が発射されている。
「これで最大出力とは考えにくいわね・・・」
「ほんとよね・・・」
と星屑がものすごい勢いで潰されているのを風と夏凜は眺めていた。それとはよそに樹と園子は外壁下に溜まっているドス黒いものを見ていた。
「園子さん、アレはなんなんでしょう・・・」
園子はその問いに答えることはできなかった、だがギルガメッシュの「汚いものには触れるな」という言葉が浮かび上がった。
「いっつん。多分すっごく危ないから触っちゃダメだよ。」
「は、はいっ!」
同じことを風と夏凜にいうと、園子は、この泥の発生源を探すべく遠くを見渡した。
(絶対発生源があるはず・・・)
だがまだ見えない。だからといって放置すればこの『汚物』の侵入を許すことととなってしまう。園子は決意した。
「ふーみん先輩!」
「なに園子。」
「この汚いものなんですけど、多分発生源があってそこを潰しにいかないかっていう提案なんですけど・・・」
風は一瞬考えた。だが、源だけでも見ておきたいと考えた。
「乗ったわ。でもどうやって・・・ってアレね。」
園子は頷いた。
「到着したら、後のバックアップは任せなさい!」
夏凜がにっとして言った。
「センキューにぼっしー」
園子は一息ついて
「満開!」
と叫んだ。後方の樹海から光が伸び園子に集中すると青バラが咲き園子は船を出した。
「みんなー乗ってーっ」
園子は全員の搭乗を確認すると
「行くぜーッ!!」
と操縦桿らしきものをぐぐっと押して飛んだ。風の眼は、まっすぐ前を見すえていた。その勇者たちの視界にはとんでもないモノが写っていた。
「バーテックス、ではないわね。」
風はその姿を確認した。夏凜は何かに気づいた。
「ねぇ、泥から星屑が出てない?」
「夏凜さんもそう思いましたか!?」
樹も気づいていたようだ。園子は操縦しながら思考した。風は樹に
「樹。ワイヤーであのデカイやつに攻撃してみて」
「うんわかった!」
樹は手首にいつもの装備をつけると花の先端からワイヤーを飛ばした。するとその巨大なものは防御高度を見せた。
「Aaaaaaaaaaaaー」
その叫び声は非常に美しいが、同時に聞いてはならない気がした。全員耳を塞ぎやりすごした。
「全員満開よ。それと、何があってもあの泥に触れちゃダメ。行くよ!勇者部ー」
「「「「ファイトーッ!!!!」」」」
4人の声が重なって皆一斉に満開した。
だが、近づいて始めて風たちはその大きさに圧倒された。
「風!このままじゃ拉致が開かないし、弱点とかないのー!?」
その時だった。4人の端末に電話がかかってきた。
「蓮、アンタ何してたの!?」
風が端末相手に怒鳴ると逆に
『早くそこから離脱して!』
怒鳴り返された。風たちはおとなしく離脱すると
「ビーム!?」
極太光線が巨大なものを直撃した。
〜ついさっき〜
(蓮。宝具を使いましょう。)
ガウェインから提案があった。
「やろう。今使えばとりあえず風先輩たちの援護にはなると思う。」
蓮は肯定した。そして時間を確認した。
「聖者の数字の範囲に入ってるし、やるなら今だ。」
(ええ!行きましょう、蓮!)
蓮は太陽の聖剣ガラティーンを真上に投げた。
「牽制程度と考えれば、一々本気で撃つことはない。だから、出力は半分で行こう。」
空へ投げられたガラティーンは輝き光の筋を下ろし、蓮はそれを握った。
「この剣は太陽の移し身、あらゆる不浄を清める炎の陽炎!」
剣をしっかり握りしめ、
「
そう叫びながら光の剣を振り下ろした。
「Aaaaaaー」
突然の砲撃にティアマトはたじろいだ。蓮はそれを見届けてから、外壁を一蹴りし飛んで近づいた。
「2回目行くよッ!」
(ええ!)
「(
今度は光の剣を横に倒しそのまま切り払った。すると一時的とはいえ、陸地が出現した。蓮はそこに着地し、浮遊している風たちに向かって叫んだ。
「あれは原初の母なる神ティアマト!全ての根源であり、アレから世界は始まったんです!」
園子は驚いた。
「世界最古の創世神話!?」
だが、埒があかない。
「ガウェイン、最後の足掻き、付き合ってくれる?」
(もちろん。どこまでもお付き合いしましょう!)
蓮は地形操作魔術を使い、空中に足場を作った。
「全員離れて!特大のやつを撃つから!」
その声を聞いて風たちは即刻離脱した。それを確認し蓮は剣をいつものように構えた。
(蓮、気づきましたか?)
「何が?」
(魔力がどんどん跳ね上がっているのです。)
言われてみれば、と思った。だが、原因は明白だ。
「太陽神様が降臨してるから、だよねぇ・・・」
(自らの首を絞めていると知らしめてやります!)
「ああ!」
声が流れてきた。ガウェインを通じて、声が。かつて人類の王となるべく戦った者の従者。それがガウェイン。だが・・・
ーぼくに裁定は下せない
ーでもその王が志した人類存続
ー成し遂げてみせる、どんな形であれ
ー絶対に!
「この剣は太陽の移し身、全てを守る太陽の光!」
蓮の足元には太陽の紋章が浮かび上がり、その回転は固定された。力は3倍を遥かに超越し、100、1000倍へ上がる。
「邪悪を払うは星の聖剣!」
蓮の手の上にガウェインの手が重なる。
「「
その輝きとともにティアマトの道路である
「・・・うそでしょ?」
風は尚も健在のティアマト見て驚愕した。圧倒的強度である。そんな中樹は蓮の所在を探した。だが、
「蓮くん!」
蓮の身体は消えかけていた。
「樹・・・全力以上の力を使ったからねぇ。しょうがないよ。」
「しょうがない、じゃありません!」
樹の目頭には涙が浮かんでいた。
「みんなで帰りたかった・・・みんなで勇者部したかった!なのに・・・」
蓮は困った。
「ぼくだって・・・でもね?誰かが命張らなきゃいけないんだ。でも、本心をいえば・・・」
蓮は泣かない。この本心はきっと
ー友奈さんだって同じだから
「樹、みんなに言っといて。友奈さんを絶対に助けてって。」
「うん・・・うんっ・・・でも・・・」
樹の涙は止まらない。
ーああでも
「最後くらい・・・笑ってほしいな。」
樹は手で涙を拭って、一生懸命笑ってみせた。
「うん。樹はそうでなきゃ。」
ーまぁ満足だ
意識が離れていく。樹も離れていく。
「ガウェイン。」
最後の力を振りしぼってガウェインを呼んだ。ガウェインは蓮を見て何も言わずに、ただ笑って消えていった。
(ありがとう、ガウェイン。)
今度は蓮の身体が綻んでいった。だがー
ー樹!?何を言ってるのか聞こえない!もっとはっきり・・・
樹が消えていく蓮を見て何か懸命に叫んでいる。瞬間、蓮の記憶が甦ってきた。
次回は回想編っす。樹のこととか蓮のこととか、ほとんど書けなかったんで。次回も多分本日中の投稿となりますのでよろしくお願いします!