「はい、優弥さん、コーヒーです!幻想郷では殆ど出回らないので、妖怪の山で自社生産しています!」
射命丸はそう言って一杯のコーヒーを差し出した。
「………旨い。」
コーヒーをあまり飲んでいない俺でも分かる。これはどこにでもあるようなコーヒーとは違うんだと。以前は自ら飲もうとは思わなかったが、このコーヒーは何杯でも飲みたいと思わせられる。
「外来人の優弥さんにそう言って頂けると嬉しいです!」
射命丸はかなり嬉しそうだ。そこから、このコーヒー豆にどれだけ拘ったか、コーヒー焙煎機をどうやって手に入れたのか、それを熱く語り出した。
暫くして。
「実は、当時はこの部分が無くて………あや?」
「どうしました?」
急に射命丸は喋るのを辞めて、俺の質問に答えることなく外に飛び出した。俺もつられて外に出る。彼女は北の空を睨み付け、何かブツブツ呟いていた。町には特に変わった様子はなく、北の空も店に入る前と同じ青い空が広がっているだけで得には何も感じなかった。
「あや、こっちに妖怪が飛んできてますね………このままだと人里に入ってきてしまいますね………」
妖怪には知性があるのと無いのとがいる。知性がある妖怪と言えば、河童や天狗、鬼、それから一人一種族の妖怪などだ。逆に無いのは獣の妖怪やその他いっぱいいる。この場合の妖怪は、知性の無い後者を指す。知性のある妖怪は人里に入るのを許可されているからだ。
「警備隊は?警備隊の人達では何とかならないんですか?」
普通、そういう妖怪を追っ払うのは警備隊の仕事なはずだ。少なくとも、自分はそう聞いているが………
「鳥類の妖怪を撃ち落とすのはまず無理かと思いますけどねぇ………。」
まぁ、それもそうだろう。外の世界ならまだしも、ここでは銃などの火器は存在せず、高速の飛行物体を落とすなんてことは難しいだろう。
そんなことを考えていると、突然射命丸が大きな声でこう言った。
「そうだ!見せて下さいよ、優弥さんの弾幕!」
俺は急にそんなことを言われて狼狽えた。今、確かに魔導砲を持ってはいるが、今度のフラン戦の事を考えると、無駄撃ちできるほどの残弾は無い。しかし、そのとき肩に乗った12.7㎜単装機銃がペチペチと頬を叩いて、こう怒鳴った。
「
少し狼狽した。しかしまぁ、よく考えてみればこいつも制服種。多少口が悪いのは笑って見過ごすべきだろう。
「ったく、急展開だなぁ………」
まぁ丁度、制服種の力を知りたいところだったから都合がいい。
「解りました。やってみましょう。」
一戦やってみるか。